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この学園では冒険者になるための戦士学科と魔法学科がある。3年間で一定の成績を修め卒業できれば、卒業と同時に冒険者ギルドに登録される。
だが、入学式前に騒ぎを起こし2時間のお説教を受けた人が順調に進めることが出来るのだろうか?と、考えながら職員室を出る。すると、廊下に出たとたんに声を掛けられる。
「お疲れ様。氷雨新十郎」
声をかけてきたのは、さきほど止めに入ったツバキと呼ばれる先輩だ。
「あの先輩。自分は自己紹介していないのに、なぜ名前を?」
ツバキは持っていた1枚の紙を見せた。その紙は学内で販売されている新聞だった。
記事の内容は、あの騒ぎの内容がこと細かく書かれている。しかも騒ぎに関わった人物の名前が全て明記されている。もちろん、目の前にいるツバキ先輩の名前も記されている。
「えっと、まだそんなに時間経ってないですよね・・・・・。早すぎませんか?」
「騒ぎが終わって1時間後には、校内で販売されたな。まあ、今回はかなり早いな。いつもなら、大体半日くらい経ってからだが」
1時間・・・。全員の名前を調べて、事細かに詳細書いて刷って配るまでに・・・。
しかし、自分の名前は服装や張り出された名簿からして察しが着くが、あとの1年生の名前は本人達に聞きまわったのか?あの3人なんて絶対に名前なんて言いたくないだろうに。
深く考えるのはやめよう。今後、何かあった時は、もうちょっと冷静になって考えてから行動しよう。