融合!!融合!!融合!!融合!!
とりあえず俺はテトに今の状況を一通り話した。
「ふむふむ。なるほどねぇ。そんな約束をしたんだったら成功してゴブリン達を助けないとね!」
俺の目的の戦力の底上げはまずまずといったとこだろう。成果としては、スライムが9体、スケルトンが6体だ。俺のスキルである「融合」をつかえばランクFのモンスターを7体は生み出せる計算だ。村長ゴブリンの話ではランクFを倒すのに必要なランクHのモンスターはランクF1体につき10~50体というのでおそらくは十分な戦力になったのではないだろうか。テトは能力も未知数なので戦力としては含まないようにしておこう。
ゴブリンの村に帰るのだがテトをどのように説明しよう。テトはそこらで拾ってきた猫という設定で通すことにしようか。幸い、テトは人の状態か猫の状態かどちらでもよさそうだし。
「テト、これからゴブリンの村に入るんだが、猫の状態になって一緒についてきてくれないか。抗争のちかづいている状態で神様と出会ったなんて言ってみんなを混乱させたくないしな。」
「別にいいよ。ダイルの肩に乗っておくけどいいよねー。」
そういうと瞬く間に猫の姿になり、俺の返事も待たずに肩に飛び乗ってきた。
まぁ、動き回られたらそれはそれで大変だからいいか。そんなことをおもいながらゴブリンの村に向かうことにした。
ゴブリンの街につくと想像通り、いや以上のペースで作業が進められており順調のようすだった。
「ダイル様。おかえりなさいませ。作業もこの通り予想よりも早く進み、今夜中には確実に完成するだろう思われます。」
「それは素晴らしい。俺も戦力の補充はできたと思う。作業がはやく終わったら抗争に向けてじっくり休息をとってくれ。」
「はい、わかりました。ところで、肩に乗っているその生物は。」
「僕は、、、」
俺はすぐにテトの口をふさぐ。
「俺、いや僕は動物が好きなんだ。だから拾ってきちゃってね。すまないが、どこかの家を貸してくれないか。するべきことがあるんだ。」
「はぁ、でしたらそこの空き家をお使いください。」
俺は急いで向かうことにした。
「苦しいじゃないか、なんてことをするんだい。」
「しょうがないだろ、どこにしゃべる猫がいるんだよ。ここで混乱されてもこまるんだよ。」
「そういうものなのか。それならそれで先にいっといてほしかったね。」
そういうと、テトは僕の肩から床に飛び降りた。
「ごめん、ごめん。」
テトは拗ねたかとおもったが頭を撫でるとすぐにまた肩に乗ってきた。やはりテトも猫と同様に気分屋なのか。かわいいものだ。
俺はこの空き家を借りた目的の融合を使うことにした。空き家を借りた理由は、いきなり自分より強いモンスターが現れたらゴブリン達がびっくりするだろうという俺なりの配慮だ。
そこで俺はスライムとスケルトンを召喚して融合をすることにした。
「融合」
二匹のモンスターは一点に集まりカードとなる。生まれたモンスターは、
種族:スラルトン ランクF 固有種族
レベル;1
筋力F 防御力F 敏捷F 魔量E 魔力E 運気G スキルG
スキル;粘液 気合
召喚継続時間:10分
再度召喚のためのクール時間:10分
確実にスケルトンやスライムと比べて強くはなっている。だが、ファングスライムと比べるとやや物足りなくも感じてしまうステータスだ。魔法系が強くなってはいるがスキルにも魔法を使うすきるもなさそうだしな。ただ戦力としては十分だろう。ちなみに姿はスライムが液状になり皮膚の見た目をしている。人間をモデルとしているような外見だ。遠目からみれば皮膚が青い人間のように見えるかもしれない。
この調子で融合をしていこう。次は、スライムとスライムでしてみるか。俺は召喚をし、融合をおこなう。先ほどと同じように吸い込まれるかのように一点に光が集まり、カードが出てくる。
種族;ビッグスライム ランクG
レベル;1
筋力G 防御力F 敏捷G 魔量G 魔力G 運気G スキルG
スキル;粘液
召喚継続時間:8分
再度召喚のためのクール時間:8分
ランクがGだと。もしかしたら同じ種族同士の融合は有効な手段ではないのか。固有種族でもないし、全体的にステータスも高いとは言えないレベルだ。スライムの進化先か? よくわからないがスライムとスライムの融合はあまり得策とは言えないらしい。まだまだ融合のスキルを熟知できてないってわけか。これからより深く知っていく必要があるな。
ちなみに、姿は名前の通り大きなスライムだ。念のため、スケルトンとスケルトンで同じことが起こるのか調べてみるか。そして、召喚と融合を行う。生まれたモンスターは、
種族;ビッグスケルトン ランクG
レベル;1
筋力G 防御力G 敏捷G 魔量F 魔力F 運気G スキルG
スキル;気合
召喚継続時間:8分
再度召喚のためのクール時間:8分
やはりそういうことか。同系統のモンスターの融合ではこのスキルを最大限生かすことはできないみたいだ。それでも、このモンスターも十分戦力になるだろう。このモンスターはビッグスケルトンと書かれているがビッグというほどビッグなのか。身長175センチほどだろう。まぁ深いことは気にしないでおこう。それでは残っているモンスターで異なる種族同士で融合をしていこう。
結果できたモンスターは、
スラルトン4体
ビッグスライム1体
ビッグスケルトン1体
この計6体だ。
残りのスライムは3体で融合でビッグスライムを生み出してもよかったんだがもったいない気がしたのでやめることにした。融合に夢中になりすぎて外をみてみるとあたりは暗くなっていた。準備も順調に終わっているみたいだ。ちなみにテトは喋ることなく融合のときに、目を輝かしていた。二人の時は別に喋ってくれてもいいんだけどな。それは後でいっておこう。それじゃ、俺たちも眠ることにするか。
明日はいよいよ抗争が起こるだろう。村長ゴブリンに一声かけて、見張りを誰かにしてもらい俺たちは眠ることにした。ちなみに寝室は前に寝たところだ。俺はテトと離れて一人で寝ようかと思ったが、最後まで猫の姿をしていたのでなにかよからぬことを思うこともなく睡眠をすることができた。
そして、夜に攻められることもなく無事に朝を迎えることができた。テトは相変わらず俺の肩の上が良いポジションらしい。朝の天気は最高だ。最近で一番いい天気じゃないのか。とはいってもこの世界にきてからの日にちは浅いのだが。そんなことを考えているときだった。
「nhbvfbhvsvufaviaivn!!!!」
見張りが敵を発見したらのか、みんなに叫んでいた。俺は急いでその付近に駆け付ける。
「ああ、ダイル様。大変でございます。敵のゴブリンの軍勢をいち早く見つけれたことはよかったのですがなんとその数が前回と比べ物にならないほどだとか。」
「なんだと。その数のおおよそはわかるか。」
「見張りが言うには、およそ200はいるかと。ああ、なんということだ。本気でこの村を潰しにきたのか。」
多すぎる数だ。しかし勝算はある。
「200か、多すぎる。いや、だが、勝算がないわけじゃない。俺はこの時のために戦力を上げてきたんだ。これは、勝てる戦だ。いや、勝たなければならない。この村のため、みんな力を合わすんだ!」
「そうですな。勝たなければこの村は崩壊、もう後がないのです。作戦の要である、ダイル様。この村はあなた様にかかっています。どうか、あのゴブリン達を倒してくださいませ。」
「任せるんだ。あなたたちはあのゴブリン達とまともに戦う必要はない。あいつらをできるだけ門のところにかたまらさせてくれ。そこを俺たちが一気にたたく。では俺たちは早めにこの場所を出て、挟み撃ちできる場所に移動し始めるとする。」
「わかりました。ではどうかご武運を。」
俺たちの初めての本格的な戦いだ。多少の犠牲は避けられないかもしれない。ただ俺たちは、最低限の犠牲で全力で相手を叩き潰すだけだ。
ブックマーク、評価、レビューなどいただけると、作者が後方三回転ひねりをしながら親子丼を食べることができる可能性が上がるかもしれません。。。お読みいただきありがとうございました。




