死亡~そして異世界へ~
なんということもない平凡な人生。
高校を卒業し、大学に進学。その後、家の近所という理由で中小企業に入社。一人暮らしで、現在33歳の彼女なし。さいわい、友達には恵まれていて、人間関係にはそこまで苦労したこともない。今日は、友人たちとツーリングの予定だ。
「お。いたいた。」
「あいつ、久しぶりやな。」
この二人は、大学時代仲の良かった小林と竹野だ。口調が少し荒っぽいのが小林で、優しめなのが竹野だ。
ひょんなことからこの予定ができ、顔を合わせるのはおよそ3年ぶりだ。
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
俺は二人と久しぶりに話す。
「ぼちぼちだな。」
竹野は能天気に返事をするが、小林は、
「元気やで、そういえば彼女もできたんや。人生いまからやで!」
と、元気いっぱいで返してくる。
「彼女いいなあ、まあ今日はツーリングだからその話はまた今度な」
俺は、近くに止めてあったバイクにまたがり、二人に合図をだしてバイクを走らせた。コースは崖があるけど景色がきれいな場所だ。
いつもはゆっくり運転するのだが、久しぶりの友人との再会と彼女がほしいなと考えていたら、スピードを出しすぎていた。
「危ない!!」
はっと、前に意識を向けると、イノシシが飛び出してきていた。
俺はよけることが間に合わず衝突した。
≪モンスターを討伐しました。≫
なんだ、今のは。
衝突の衝撃で盛大に吹き飛び、運悪く、吹き飛んだ先は崖だった。
やばい、このまま死んじまうのか。俺の人生は短かったわ。この死に方はないなぁ、、、
まあ、最後にあいつらに会えたからいいか。
≪モンスターのカード化に成功しました。≫
謎の声とともに俺の意識は沈んでいった。