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プロローグ

※ギルド「ブラック・カオス」は、メンバーを試験を通じて採用し、人事の辞令で各部署に配属される方式を採用しています。ギルドメンバーの意思で仕事を選んだり拒否したりすることはできません。

「すいませーん。ラムダさん、ゴブリンソード取り逃がしてそっちに行きました!」


「何だと!」


 後方から後輩であるクサイの声が聞こえたので、慌てて止めを刺していたゴブリンロードから剣を引っこ抜く。振り返ると、俺目がけて剣を振りかぶるゴブリンソードの姿が目前にあった。


「くそっ!!」


 慌てて脇腹を打ち抜くとゴブリンソードは血を吐いて、ゴブリンロードと重なるようにその場に倒れ込んだ。間一髪だ。


「クサイ!どうやったら取り逃がすんだよ!たった1匹だろうが。しかも報告が遅い!」


 思わず俺は怒鳴った。


「剣が錆びてて致命傷が与えられなかったので」


 クサイはポリポリと頭をかいている。下手すれば死んでたんだ。テヘペロで済まないんだよ、コノヤロウ。


「そもそも剣が錆びてること自体がおかしいだろ!ゴブリンソードですら錆なんてないぞ」


 確か錆びた剣が研がれない状態を見るに見かねて、別の小隊のガンマ君が代わりにピカピカにしてくれたのがつい10日ほど前だったはずだ。そこからまた錆びさせるとはどんな管理してんだコイツ。


「いえ、討伐の報告書を書くのに忙しくて手入れしている時間がなかったんで」


 本来お前が書くべき報告書のうち9割は俺が代筆しているはずなんだがな。俺が10枚報告書を書く間に、クサイが1枚を書き上げることができないのを目の当たりにしているわけだが、たかが1枚にどうしてそんなにも時間がかけられるのか。ここ数か月解決できない難題だった。


 もう辞めたい。こんな仕事。

 いつか嫌になりそうだと思っていたが、それは想像よりもずっと早く訪れた。


ξが赴任する前の過去編からスタートします。

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