倫子の異世界巡りスタート
忙殺。。。
意味は「非常に忙しいこと」。
そんなレベルでないほどの、忙しい毎日を過ごしている女、三宅倫子が今日も不機嫌な顔で早朝の通勤電車に乗っていた。
システムエンジニア、聞こえはいいが仕事は泥臭い。
ユーザーのわがままに振り回された後は、メンバーの愚痴聞きとフォローに定時間はしめられるため、早朝と残業時間を使わないと仕事が消化出来ない。
05:00の始発に乗って出勤する。
(会社に着くのは06:30頃だから、まずはメンバーの勤怠管理と前日までの作業の進捗確認。
その後に。。。あっ、そろそろメンバーの評価時期だから、
それと、昨日の夕方にお客さんからメンバーに対するクレームを聞いたなぁ。。。
挨拶がないだっけ???
プログラマーなんだから、品質のいいプログラムができてたらいいけど。。。
クレーム対象は奥村だったよなぁ。。。
ちょっと手は早いけど、品質のイマイチなプログラマーだったし。
思いきってプロジェクトから外そうかなぁ。。。)
目をつぶり、考え事してると眉間にシワが。。。
その時、電車が急ブレーキをかけた。
急な電車の揺れに、パッと目をあけたら。。。
そこは見慣れぬ部屋。。。空間だった。
部屋と言えないのは、壁がないし、床もない。
電車では座っていたはずだか、今は立っている。
その立っている足元には、何もない。。。
薄墨色の空間の中にいた。
(どこ?なに???。。。夢?)
薄墨色の空間にひとり。。。
だんだん、不安になってきた。
(夢?夢だよね?
電車の中でねちゃったのかなぁ。)
「えっ!俺の番!!」
声が聞こえた。
でも、その声がどこから聞こえたのがわからない。
「面倒だなぁ。」