第13話 おねしょで大失敗しちゃった柿五郎くんの受難(6)
「どうだ! 拷問でぼくのお尻を叩いたやつは、ぼくがこの手でやっつけたぞ!」
キザンとムスイの2人をやっつけた柿五郎は、フーライがいる部屋の奥のところまでやってきました。すると、フーライは柿五郎を待ち構えているかのように、不気味な笑みを浮かべながら言い放ちました。
「あれだけ叩かれても、おれの仲間を完璧なまでにやっつけるとはなあ……。だが、おれが同じ手が通用するとは大間違いであることを今から教えてやるぜ。ぐふふふふ!」
「大間違いって、それはどういうことなんだ?」
「まだ分からないのかなあ。それじゃあ、この場ですぐに教えてやろうか!」
柿五郎は、不気味な笑みを浮かべるフーライの言動に対する怒りを押し殺しています。これを見たフーライは、すぐさまに左手で指パッチンしました。
すると、そこには柿五郎にとってなじみのある女の人が現れました。しかし、その女の人は石壁に手足を鎖にかけられて拘束されており、自由に体を動かすことができません。
「かあちゃ! かあちゃ! どうして鎖にかけられているの?」
「柿五郎くん、ごめんね……。山菜を採っているときに、いきなり捕まってしまったの……」
手足を鎖にかけられているのは、柿五郎のお母さんです。柿五郎は、再会したお母さんがこんな姿になっていることに大きな衝撃を受けました。これを見たお母さんは、柿五郎が自分を探しにここまでやってきたのを見て、思わず涙を流しました。
「んぐぐぐぐ……。ぼくのかあちゃに何をするつもりだ!」
「決まっているだろ。再会したついでに、2人もろとも地獄送りにしてやるのさ、ぐふふふふ!」
柿五郎は、自分のお母さんを人質に取るフーライに対する怒りを爆発させました。すると、フーライは親子2人をこの場で始末しようと引きみな笑い声を上げると、すぐさまに両手で同時に指パッチンを何度も繰り返しました。
すると、床に倒れ込んだキザンとムスイの2人がそのまフーライの両手に吸収されました。それは、フーライがこれまで以上に凄まじい力を持つことを意味します。
「どうだ! 同じ手が通用するとは大間違いというのはこういうことさ。ぐふふふふ! ぐふふふふ!」
フーライは柿五郎に向かって、まるで勝ち誇るかのように不気味な笑い声を上げています。こうしたフーライの見下すような言動に、柿五郎は両手を握りながら怒りに震えています。




