第11話 お泊りする家の主はヤマンバ(9)
「うんしょ、うんしょ、うんしょ」
「うわっ、こんなに重たい石を持ってきたの?」
ヤマンバが家の奥から持ってきたのは、かなり大きくて重たそうな石です。その大きな石はヤマンバが落とさないようにしながら、ようやく庭のところまで運んできたものです。これを見た柿五郎も、ヤマンバが重たそうに大きな石を運んでいる様子に驚いています。
「柿五郎くん、この石を片手で持ち上げてごらん」
「え~っ! こんな重たい石を片手で持ち上げるなんてできないよ~」
「大丈夫、大丈夫! やってみたら分かるよ」
ヤマンバは、目の前にある大きな石を片手で持ち上げるよう柿五郎に言いました。しかし、その大きな石はヤマンバの力でも、庭まで持ってくるのが精一杯というほどの重量があります。これだけの重量がある石を持ち上げるのは、柿五郎にとってかなり酷なことです。
それでも、ヤマンバはやってみたら分かると言ったことから、柿五郎は右手を使って大きな石を片手でつかみました。すると次の瞬間、柿五郎にとって信じられないことが起こりました。
「わわわっ! あんなに重くて大きな石が簡単に持ち上げることができたぞ!」
柿五郎は、あれだけの重量がある大きな石をたやすく持ち上げたことにびっくりしています。しかし、ヤマンバは柿五郎の力はそれだけではないと再び言い出しました。
「柿五郎くん、今度はその石を軽く上げてから、右手の握り拳で思い切り殴るのよ」
「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫! 私の言うことを信じて!」
柿五郎は、片手で持ち上げた大きな石を思い切り殴るというヤマンバの言うことを信じて、大きな石を軽く上げました。そして、柿五郎はタイミングよく右手の拳で大きな石を強く殴りました。
「うわっ、うわわっ! 殴っただけで、あれだけ大きな石がこんなに砕けちゃった」
柿五郎は、大きな石を片手で持ち上げただけでも驚いているのに、拳で殴っただけで大きな石が粉砕したということに驚きを隠せません。
柿五郎は、今まであり得なかったことがどうしてできるようになったかをヤマンバに聞いてみました。
「ヤマンバ、どうしてぼくが重たそうな石を軽く持ち上げたり、殴ったら簡単に砕け散ったりするのはどうしてなの?」
すると、ヤマンバは柿五郎の疑問に対してこう言いました。
「柿五郎くんの力がものすごく強くなったのは、昨日の晩ご飯に私のおっぱいをたくさん飲んだおかげだよ」
「ぼくが強くなったのは、ヤマンバのおっぱいのおかげなのか」
柿五郎は、ヤマンバのおっぱいをたくさん飲んだおかげで、こんなに強い力を出すことが可能になりました。柿五郎の力が強くなったのには、ヤマンバのおっぱいに何か秘密があるみたいです。




