第10話 火の玉妖怪ヒダルマと柿五郎くん(5)
「いてててて! いてててて! やめてよ! やめてよ!」
「カァ~! カァ~! バサバサバサバサバサッ!」
柿五郎は、カラスたちがくちばしで次々と攻撃してくるのでとても痛がっています。あまりの痛さに、柿五郎はすぐに立ち上がってカラスの大群から逃げようとします。
でも、柿五郎の行動パターンを見透かしたカラスたちは、すぐさまに柿五郎の後方から不気味な羽音を立てながら追っています。
「カァ~! カァ~! カァ~! バサバサバサバサッ! バサバサバサバサッ!」
「何にもしていないのに、どうして追いかけるの? こないで! こないで! こないで!」
柿五郎は、あるときは魔の山の坂道との合流点に向かって、またあるときは合流点から大きな木のところへ向かって走り続けています。しかし、カラスたちも柿五郎の後ろから接近しては、くちばしを柿五郎の頭部に何度も突いたりしています。
そうするうちに、柿五郎たちが恐れていたものが坂道の向こうから再びやってきました。
「わしは、上り坂でも下り坂でも転がり続けることができると言っているけどなあ、ぐふふふふ!」
「カァ~! カァ~! カァ~! バサバサバサッ、バサバサバサッ!」
「わわわああっ! どうしよう! どうしよう!」
柿五郎は、両側からヒダルマとカラスの大群に挟まれる形になりました。窮地に陥った柿五郎は、目の前に見える大きな木へもどろうと駆け足で走りました。
「わわっ、早くこの木に登らないと……」
ヒダルマが下り坂を通過するのを見計らって、柿五郎は大きな木に手足を使いながら登っています。しかし、もう一方のカラスの大群は、自分たちの縄張りにいる柿五郎の背中やお尻にくちばしで攻撃しようとしています。
「カァ~! カァ~! カァ~! バサバサバサッ、バサバサバサッ!」
「いててっ! いてててっ! こっちにこないで! こっちに……」
柿五郎は、カラスのくちばしでお尻を何度も突かれてかなり痛がっています。そして、柿五郎は痛さをガマンしようとお腹に力を入れたそのときのことです。
「プウッ! プウウッ! ププウウウッ! ププウウウウウ~ッ! ププウウウウウウウウ~ッ!」
「ウガガァ~! ウガガァ~! ウガガァ~! バサバサバサッ! バサバサバサバサバサッ!」
柿五郎は、カラスの大群の前で思わずでっかいおならを5回も続けて出てしまいました。さすがのカラスたちも、縄張りである大きな木から一目散に逃げていきました。
「えへへ、さっきと同じように元気なおならがいっぱい出ちゃったよ!」
柿五郎は、思い切り出ちゃった元気なおならでカラスたちを撃退させることができました。これには、柿五郎も少し照れながら明るい表情を見せています。




