第6話 大きな池から現れた恐怖の大グモ(4)
「お前がどんなにお尻を池の水で洗い落しても、うんちおもらしの大失敗を打ち消すことはできないようだな。ぐふふふふ!」
「いてててっ、いててててっ! かゆいよ! とってもかゆいよ!」
大グモは柿五郎がクモの糸にくっついて抵抗できないのをいいことに、柿五郎のお尻に何度も噛みついています。その度に、柿五郎は噛まれたときの痛みに加えて、噛まれた跡が赤く腫れることに伴う強烈なかゆみに襲われています。
「そうやって泣き叫べば叫ぶほど、おれさまがお前へのお仕置きを続けることになるんだぜ! ぐふふふふ、ぐふふふふ!」
「いててててててっ! かゆい、かゆい! かゆいよ、かゆいよ!」
柿五郎は、大グモに噛まれてお尻全体が赤く腫れるにつれて、あまりにもかゆくてガマンできません。でも、柿五郎は逆さ吊りの状態になっている上に、両手に巻きつかれたクモの糸が強力であるためになかなかちぎれることができません。
そのとき、柿五郎はある方法を思いつきました。それは、目の前にいる大グモもろともやっつけるための最良の方法です。
「大グモめ、行くぞ! それっ! それっ!」
「わわっ! おれさまのクモの巣を揺らして何をしやがるんだ!」
柿五郎は、自分の体でクモの巣を揺らすことで大グモに動揺を与えています。これでは、大グモが柿五郎にお仕置きをしようとしてもなかなかタイミングが合いません。そして、柿五郎にとって大グモを倒すための最大の必殺技を繰り出そうとしています。
「ギュルギュルゴロゴロゴロッ、ギュルルルギュルルルゴロゴロロッ……」
柿五郎は、おならやうんちの前触れといえるお腹の音が鳴りました。すると、大グモはその音を聞いた途端に不気味な笑い声を上げました。
「お前、もしかしてうんちがまた出るんじゃないの? そのお腹の音は、まさしくうんちが出る前触れじゃないかな、ぐふふふふ!」
「うわっ、うわわっ! いてててっ、いててててててっ、いててててててっ!」
大グモは、柿五郎にうんちが出ることをからかうように言うと、タイミングを見計らって柿五郎のお尻に思い切り噛みつきました。これには、柿五郎も大声で叫び出すほどの凄まじい痛みが走りました。
そのとき、柿五郎のお尻に大グモが噛みついた瞬間のことです。
「プウウット! プウウウウウッ! プウウウウウウウッ!」
「わわわわっ! おれさまにおならを食らわしやがって……」
柿五郎は、大グモの顔面にでっかいおならを3回も続けて出てしまいました。大グモは、柿五郎からおならを思い切り食らったことであわてふためいています。




