第4話 あばら家とおねしょ幽霊(7)
「放してよ! 早く放してよ!」
「そんなこと言ったって、わしは絶対に放さないからな!」
柿五郎は、何度もここから放してほしいとおねしょ幽霊に訴えかけました。しかし、おねしょ幽霊はそんな柿五郎の訴えなど聞く耳を持つことはありません。
「こんなにかわいいお尻だけど、おねしょをする悪い子には尻叩きの刑を加えなければならないな」
「えっ、まさかぼくのお尻を?」
「そうだ! そういうことはわしもしたくないが、ここは心を鬼にしないと……」
おねしょ幽霊は、柿五郎のかわいいお尻を見ています。柿五郎はいつも腹掛け1枚だけなので、お尻はいつも丸見えになっています。
柿五郎みたいなおねしょをする子供には、心を鬼にして尻叩きの刑を行うとおねしょ幽霊は言い切りました。これを聞いた柿五郎は、今まで尻叩きをされたことがないので戸惑っている様子です。
柿五郎は、毎日のようにおねしょの大失敗をしても、お母さんがやさしく接して褒めてくれます。しかし、ここはお母さんといつも暮らす家ではありません。ましてや、柿五郎はおねしょ幽霊に捕まっている状態です。
「ぐふふふふ! それじゃあ行くぞ! バシンッ! バシンッ! バシンッ!」
「いててっ! いてててっ!」
「バシンっ! バシンッ! バシンッ! バシンッ!」
おねしょ幽霊は左手で柿五郎を抱きかかえると、右手でお尻を強く叩き始めました。柿五郎は、お尻を叩かれると同時にかなり痛そうな表情を見せています。
その後も、おねしょ幽霊は容赦なく柿五郎のお尻を叩き続けています。おねしょ幽霊がお尻を叩くときの音は、板の間全体に鳴り響くほどの大きな音です。
「バシンッ! ベシンッ! バシンッ! ベシンッ!」
「いてててっ! 痛いよ、痛いよう!」
容赦なく続く尻叩きの刑に、柿五郎はあまりの痛さに大声を上げました。それでも、おねしょ幽霊はおねしょの大失敗をしちゃった柿五郎を許すわけにはいきません。
「ベシンッ! ベシンッ! バシンッ! バシンッ! バシンッ!」
「痛いよう! 痛いよう! あっ……」
柿五郎は何十回もおねしょ幽霊からお尻を叩かれるたびに、顔をゆがめるほどの苦痛を口にするようになりました。すると、柿五郎はお尻が少しムズムズした瞬間、思わずあの音が出てしまいました。
「プウウッ! プウウウウッ! プウウウウッ!」
「うわっ、尻叩きの刑の途中でくさいおならを3連発しやがって……」
柿五郎は、おねしょ幽霊の目の前でおならを3連発してしまいました。柿五郎のくさいおならにおねしょ幽霊は鼻をつまむために、思わず柿五郎を捕まえていた左手を放してしまいました。
「えへへ、元気なおならがいっぱい出ちゃった」
柿五郎は、自分がおねしょで大失敗したお布団の上に尻餅をついてしまいました。でも、柿五郎は結果的におならが出たことで、おねしょ幽霊による尻叩きの刑から逃れることができました。




