第4話 あばら家とおねしょ幽霊(1)
カラマン坊をやっつけた柿五郎は、座敷童子といっしょに再び森の中を歩き続けています。
「柿五郎くん、あれだけお化けを恐がっても自分の力でやっつけることができたね!」
「えへへ、元気なおならとガマンできなかったおしっこでカラマン坊をやっつけたよ!」
柿五郎は、カラマン坊を自分の力でやっつけたときの状況を座敷童子に話しています。最後はいつものようにおしっこをガマンできずに大失敗しちゃったけど、結果的に柿五郎は見るのも恐い妖怪をやっつけることができました。
おしっこの大失敗で柿五郎は少し照れた表情になっていますが、それは元気な子供である証拠といえるものです。座敷童子も、おしっこでカラマン坊に命中させてやっつけた柿五郎を褒めたたえています。
しかし、太陽が沈んで魔の山もすっかり暗くなってきました。暗い中を歩き続ける柿五郎は、暗闇特有の不気味さに体が震えだしました。
「もしかして、この先にお化けがいるのかも……」
「柿五郎くん、ぼくが守ってあげるから、もう少しがんばろうよ」
カラマン坊をやっつけたにもかかわらず、柿五郎は再び妖怪や幽霊に対しておびえ出しました。しかし、座敷童子からの励ましを受けると、柿五郎は少しずつ歩を進めることにしました。
すると、少し先にほのかに明るい一軒の家が見えてきました。柿五郎は、すっかり暗くなったので今日はここで泊まろうとその家へ向かいました。




