第3話 柿五郎くんが大ピンチ!? カラマン坊との対決(5)
カラマン坊は、柿五郎によるスイカの種飛ばし攻撃を食らいながらも、一気に反撃に転じる機会を待っていました。
「あれだけわしの顔にスイカの種を大量に飛ばしたということは、それだけお前がスイカをたくさん食べたことになるからのう。げはははは!」
「うっ、おしっこが、おしっこがもれそう……」
カラマン坊の攻撃に使用したスイカの種が物凄い量であることは、逆に考えると柿五郎がスイカを半玉以上も食べまくったことを意味します。柿五郎は、カラマン坊からそのような指摘を受けると同時に、再びおしっこがもれそうになりました。
「げはははは! お前がここで大失敗するのをこの目で見届けることにするかな」
「うわっ、わわわっと! お、お腹が締め付けられる……」
カラマン坊は、自分の幹の左右からつる状の太い根っこで柿五郎の胴体を締め付けました。手足だけなら自由な動きが封じられるだけで済みますが、胴体を締め付けられることで柿五郎はとても苦しそうな表情に変わりました。
「どうだ、胴体を締め付けられてとても苦しいだろ。げはははは」
「うぐぐぐぐっ……。こんなことぐらいで苦しくないんだもん……」
柿五郎の苦しげな表情を見て、カラマン坊は不気味な笑いを響かせました。一方、柿五郎はどんなに締め付けられても苦しくないと強がっている様子です。
「そんなに苦しくないのなら、もっと強く締め付けないといけないな」
「うぐぐぐぐぐっ……。いててて、いててててっ!」
カラマン坊が自らの意思で動かすつる状の太い根っこは、巻き付けて締め付けるときの強弱もつけることができます。柿五郎は、カラマン坊によって胴体をより強く締め付けられるにつれて、一層苦痛を伴うようになりました。
そのとき、柿五郎のお尻が急にムズムズし始めました。胴体を締め付けられたことで、柿五郎のお腹が圧迫しているのが原因のようです。
「あ、あれが出ちゃう……。そうだ! もしかしたらこれが使えるかも」
「んぐぐぐぐっ! んぐぐぐぐぐっ!」
柿五郎は、自分のお腹に出せるだけの物凄い力を入れました。すると、今まで柿五郎の胴体に締め付けられた太い根っこは完全にちぎれることができました。
「何が起こったんだ? あの太い根っこはちょっとやそっとではちぎれないはずなのに」
「どうだ! 今度はこっちから行くぞ!」
カラマン坊は、胴体を締め付けた太い根っこが柿五郎の凄まじい力でちぎれたことに狼狽しています。これを見た柿五郎は、太い根っこに巻き付けられた手足を生かしてカラマン坊の幹にある顔面に飛びつきました。




