第3話 柿五郎くんが大ピンチ!? カラマン坊との対決(3)
「ところで、お前はここで何をしようとしているのかな?」
「ぼ、ぼくはこの木がすごく大きくて……。えへへ」
大木は、柿五郎のしぐさを見ただけで何をしようとしていたかをすぐに見抜きました。そして、目の前にいる柿五郎に怪しげな声で質問しました。これに対して、柿五郎は大木の不気味さに震えながら、ここでおしっこをしようとしていたことを笑いながらごまかそうとしました。
しかし、大木にそんなごまかしは通用しません。大木は、柿五郎の行動を見透かすかのように、自らの太い幹から褐色の太い根っこを左右から出し始めました。
「げはははは! お前がごまかそうとしても、わしはお前のことをよく知っているぞ」
「うわああっ! 大きな木から太い根っこが……」
大木の幹から出てきた太い根っこは、すぐさま柿五郎の両足に左右からそれぞれ巻き付きました。そして、根っこに足を巻き付けられた柿五郎は逆さ吊りになると、そのまま垂直に勢いよく急上昇しました。
「放してよ! 放してよ!」
「げはははは! これからお前をたっぷりとかわいがってやるとするかな」
逆さ吊りになっている柿五郎がどんなにわめいても、大木はそんなことに耳を貸そうとはしません。それどころか、自分の幹から次々と根っこを出しては柿五郎の両腕にも巻き付けていきました。
「わしの名前はカラマン坊という妖怪じゃ。お前のことは他の妖怪から聞いているからなあ」
「妖怪から知っているって、もしかしてあのこと……」
柿五郎の目の前にいる大木こそが、この森に潜む妖怪であるカラマン坊という名前です。カラマン坊は、他の妖怪や幽霊からの情報で柿五郎のことはすべてお見通しです。
「お前は、妖怪や幽霊が恐くて便所に行ってもすぐ逃げ出すもんなあ。そして、毎日のようにおねしょやおもらしの大失敗をしているようだな、げはははは!」
「お化けや幽霊が恐くておねしょやおもらしで大失敗しても、ぼくはそんなことを気にしないぞ!」
カラマン坊は、柿五郎が妖怪や幽霊が恐いことや、いつもおねしょやおもらしで大失敗する癖が治らないことをぶきみな笑い声で言い放ちました。これを聞いた柿五郎は、顔を赤らめながらもそんなことは気にしていないと強がって言いました。
そのとき、カラマン坊は柿五郎のある部分を見て不気味な声で再び言い始めました。
「お前はそんな強がりを言っているけど、腹掛けがめくれて丸見えになっているのがまだ気づかないのかな?」
「えへへ、腹掛けからおちんちんが見えちゃった」
柿五郎は逆さ吊りになっていることもあり、腹掛けがめくれておちんちんが丸見えになってしまいました。




