第3話 柿五郎くんが大ピンチ!? カラマン坊との対決(1)
柿五郎は、座敷童子といっしょに深い森の中を歩いています。しかし、昼間でさえ薄暗い森の中は、かすかに見える空が夕暮れになるにつれて少しずつ不気味さが増してきました。
「だんだん暗くなってきたなあ…。どうかお化けが出ませんように……」
柿五郎は、次第に暗くなった森の中で不安を感じ始めました。これを見た座敷童子は、改めて柿五郎を励ますように言いました。
「お化けが出ても大丈夫だよ。ぼくがちゃんと守ってあげるから」
「でも、やっぱりお化けを見るのは恐いし……」
柿五郎は座敷童子が守ってくれることに心強さを感じましたが、それでも自分が直接お化けに出会うのはやっぱり恐いことに変わりありません。
そのとき、柿五郎のお腹から何か音が鳴りだしました。
「ぐううううっ……」
「お腹がすいてきたなあ……。どこかに食べものないかなあ」
柿五郎は朝ご飯を食べて、お母さんのおっぱいをたくさん飲みました。しかし、それ以降はまだ食べ物を口にしていません。柿五郎は、暗くなった森を見渡しながら何か食べ物がないか探しています。
すると、柿五郎の大好きな食べ物を見つけると、すぐにその場所へ行きました。座敷童子も、柿五郎の後をついていきました。
「うわ~い! こんなところにスイカがあったぞ!」
柿五郎が見つけたのは、大好きなスイカが大きく実っている場所です。スイカを見た柿五郎は、待ちきれずにすぐに大きいスイカを自らの手で収穫しました。
「スイカ! スイカ! 早く食べたいな!」
「柿五郎くんは、スイカを食べるのが大好きなんだね」
「ぼくがここにスイカを落とすから、2人でいっしょに割れたスイカを食べよう!」
柿五郎は、大好きなスイカを座敷童子といっしょに食べることにしました。しかし、柿五郎はスイカを包丁で切ることはまだできませんので、自分で持っているスイカを直接地面に落として割ることにしました。
「いくよ! え~いっ!」
「柿五郎くん、スイカが2つに割れたよ」
「それじゃあ、いっしょにスイカを食べよう!」
柿五郎が地面に落としたスイカは、少し変な形になりましたが、ほぼ半分に割れることができました。2人はすぐにスイカにかぶりつくように食べ始めました。
「わ~い! スイカは甘くてとってもおいしいよ!」
柿五郎は、大好きなスイカを食べることができたので大喜びしています。これを見た座敷童子も、柿五郎の満足そうな顔つきを見るのが何よりもうれしそうです。




