第15話 再び戻った柿五郎とかあちゃの日常(5)
柿五郎が見事に大失敗しちゃったおしっことうんちは、今日の朝ご飯でおイモやスイカをたくさん食べたり、お母さんのおっぱいをたくさん飲み続けたことによる賜物といえるものです。でも、それは同時に柿五郎が元気いっぱいの男の子である立派な証拠でもあります。
「私は、柿五郎くんが毎日のように大失敗しても気にしていないわ。むしろ、柿五郎くんがいつも元気かどうかを調べるには、このほうがすぐに分かるのよ」
「えへへ、今日もこんなにいっぱい大失敗しちゃったよ」
柿五郎は、尻餅をついた状態からすぐに立ち上がりました。そして、おもらしの大失敗をしてしまったことを照れ笑いしながらお母さんに言いました。
すると、お母さんは笑顔を見せながら、右手に持っている木ぐわで柿五郎が大失敗しちゃったでっかいうんちを直接持ち上げました。お母さんは、柿五郎へのやさしい気持ちをその場で伝えようとしています。
「ふふふ、柿五郎くんの元気なうんちとおしっこをたっぷり含んだ土は、畑の肥やしとして役に立つわ」
「かあちゃ! かあちゃ! これで畑で耕せば、大好きなおイモやスイカがまた獲れるね」
地面をすくい上げた木ぐわには、柿五郎のでっかいうんちとおしっこを含んだ土が乗っています。これらは、いつものように自分たちの畑の肥やしとして使います。これを見た柿五郎は、大好きなおイモやスイカがまた収穫できるとはしゃいでいます。
そのとき、座敷童子は家の屋根からこの様子を眺めながら目を細めています。
「おばけが恐くて、おねしょやおもらしの大失敗もやっちゃったんだね。やっぱり、家へ戻ったらいつもの柿五郎くんに戻っちゃったみたいね」
こうして、魔の山へ入って最強の妖怪フーライをやっつけてお母さんを助けた柿五郎ですが、家へ戻ると再び妖怪や幽霊を恐がるようになりました。そして、妖怪たちが恐くて便所でおしっこやうんちができずに、柿五郎は朝のおねしょと昼間のおもらしと相変わらず大失敗を繰り返しています。
それでも、柿五郎はお母さんのやさしさと愛情に囲まれて今日も元気いっぱいです。今日の朝も、いつもの光景で始まります。
「かあちゃ、幽霊が恐くて便所にいけなくてこんなに大失敗しちゃったよ。えへへ」
「ふふふ、柿五郎くんはきょうもおねしょの大失敗をしちゃったんだね」




