第15話 再び戻った柿五郎とかあちゃの日常(1)
「う、う~ん……。あれれ? ここは、もしかして……」
「柿五郎くん、ようやく目が覚めたみたいだね」
柿五郎が目を覚ますと、そこはいつもお母さんと暮らしている家の中にいることに気づきました。そして、目の前には大好きなお母さんがいます。
柿五郎は、壮絶な戦いの末にフーライをやっつけたことに安心したのか、そのままお母さんに抱かれながらぐっすりと眠っていました。そのため、いつの間にか家へ戻ったことに、柿五郎は少し戸惑っているようです。
すると、お母さんが目を覚ました柿五郎にやさしく声をかけました。
「私がこうして柿五郎くんと再び暮らすことができるのも、柿五郎くんが勇気を出して妖怪たちをやっつけてくれたおかげだよ」
「かあちゃ、頭をなでなでしてくれてありがとう!」
お母さんは、鎖につながれていた自分を助けてくれた柿五郎の頭をなでなでしました。柿五郎も、お母さんからなでなでしてくれるのでとてもうれしそうです。
「さてと、今から柿五郎くんの掛け布団をめくるとするかな」
お母さんは、柿五郎を起こすために掛け布団をすぐにめくりました。すると、柿五郎は思わず恥ずかしそうな表情を見せました。
「かあちゃ、今日もお布団におねしょしちゃった」
「ふふふ、柿五郎くんはおねしょで大失敗するのは相変わらずだね」
柿五郎は、今日もお布団におねしょで大失敗しちゃった証拠を残してしまいました。でも、お母さんは柿五郎に笑顔でやさしく接しています。それは、柿五郎がいつも元気で健康であるかをお布団に描かれたおねしょでチェックするからです。
「お布団におねしょで大失敗しちゃっても、それは柿五郎くんが元気いっぱいである立派な証拠だから大丈夫だよ」
「かあちゃ、おねしょをしちゃっても気にしないようにするからね!」
お母さんは、おねしょは元気な証拠であると柿五郎を明るく励ましています。柿五郎も、おねしょを気にしないで明るい笑顔をお母さんに見せました。




