第14話 最強の妖怪フーライとの最後の戦い(6)
「柿五郎くんはよっぽどお腹がすいているから、おっぱいをこんなにいっぱい飲み続けるんだね。小さい子供であんなに恐ろしい妖怪と戦っていることだし、私も柿五郎くんの気持ちが分かるわ」
「チュパチュパチュパチュパ! チュパチュパチュパチュパチュパ!」
柿五郎は、フーライとの壮絶な戦いで体力が消耗していることもあり、おっぱいを飲む量も半端なものではありません。しかし、ヤマンバはお母さんを助けるためにがんばっている柿五郎の姿を知っているからこそ、新たな力の源であるおっぱいを飲み続ける柿五郎をやさしく見つめています。
しかし、柿五郎がヤマンバのおっぱいを飲み終えたそのときのことです。柿五郎とヤマンバの後ろには、大きな人らしき影が現れました。
「ぐふふふふ! おめえが、赤ちゃんみたいにおっぱいを飲んでいたそうだなあ」
「赤ちゃんみたいと言われても、ぼくはヤマンバのおっぱいを飲むことで新しい力を手に入れたぞ!」
柿五郎が後ろを振り向くと、そこには堂々と立ち構えているフーライの姿がありました。
フーライは、柿五郎の赤ちゃんっぽいところをバカにしながら、不気味な笑い声を高らかに上げました。すると、柿五郎はヤマンバのおっぱいを飲むことで得た新しい力を示すために、右腕を曲げて力こぶをフーライの前で見せました。
それでも、フーライは柿五郎を見下すような発言で挑発し始めました。しかし、柿五郎の力がどれくらいのものか、フーライは後になって思い知ることになります。
「まあいいわ。だがな、おめえが新しい力を得たとしても、おれの前では無力であることを……」
「行くぞ! これがヤマンバからの新しい力だ! えええ~いっ! えええ~いっ!」
「わわわっ! わわわわああっ! おめえにあんな力があるとは……」
柿五郎は、フーライの胴体に握り拳で左右交互に思い切り強く突きました。フーライは柿五郎の強烈な握り拳が次々と命中すると、そのまま一直線に飛んで行きました。そして、再び広い部屋の石壁にフーライは激突しました。
「ぐぐぐぐっ……。なかなかやるじゃないか」
フーライは、柿五郎の強烈な拳を受けて少し痛々しい表情を見せています。それは、今までよりも柿五郎の力が強くなっていることをフーライが思い知ることになりました。




