入学編第四話 波乱に満ちた初登校(1)
第四話です。
最初に、後につながる話から始まります。飛ばさないでネ。
太平洋上、ハワイ南西350㎞の空域
2075年4月1日未明
この空域をアメリア合衆国海軍のF-18E4機が、少し離れた位置をE-2Cが飛行していた。
〈こちら『ニードル1』、『テンペスト』応答せよ。〉
〈こちら『テンペスト』。『ニードル1』どうぞ。〉
〈現在本機は33000フィート(約10キロ)を飛行中。現在に至るまで、ターゲットをレーダーでとらえるものの、目視は出来ていない模様。〉
〈『ニードル2』同じく。〉
〈『ニードル3』コピー。〉
〈『ニードル4』コピー。〉
〈『テンペスト』了解。引き続き警戒せよ。〉
〈…ん?…ッ!?こちら『ニードル2』!目標視認した!本機の右後方より急速接近!…クソッ、ロックオンされた!〉
〈クッ…ブレイク!ブレイク!!〉
4機は隊長機の指示に従って散開する。
〈こちら『テンペスト』!どうした!?〉
〈こちら『ニードル1』、ターゲットを確認した!〈よ、よけきれない!う、うわぁぁぁぁぁぁ!“ドォン…ザザッ…ザザ”〉!?『ニードル2』!?どうした!?『ニードル2』!?〉
〈『ニードル1』!『ニードル2』が喰われた!脱出も確認できていない!〉
〈何!?クソッ!〉
〈俺達はいったい何を相手に戦ってんだよ!?〉
〈此方でも確認した!『ニードル』隊はいったん下がれ。[「おい!Ike(アメリア合衆国海軍原子力空母ドワイト・D・アイゼンハワーの愛称。)に緊急事態報告しろ!」「イェッサー!」]今、『Ike』にも連絡を回した。じきに増援が来る。だから下がれ!〉
〈駄目だ!下がろうにも下がれない!完全にロックオンされてる!〉
〈なら、30分ぐらい耐えてくれ!そうすれば増援が来る!〉
〈やるだけやってみる!FOX2!〉
〈ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!避けれない!〈脱出しろ!ニードル4!〉クソッ!駄目だ!作動しない!〈何!?〉クソッ!クソッ!クソッ!クソォォォォォォッ!マリーーーーーーー!”ドォン…ザザッ、“〉
〈『ニードル4』!〉
〈クソォォ!〉
〈バケモノめ…FOX3!FOX3!〉
〈!?下がっていく!?〉
〈『テンペスト』!追撃許可を!〉
〈駄目だ!犬死にするつもりか!?〉
〈サークルジャーク《くそったれ》!〉
この空戦型ハルファテとの空戦で、ドワイト・D・アイゼンハワー航空隊『ニードル』隊は『ニードル2』『ニードル4』の2機が撃墜された。
なお、この情報が公開されるのは五日後の4月6日である。
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「眠い…。」
現在朝の6時。
今日から御国学園に行くことになっているが、来てくれと言われた時間は、だいたい8時半位なのでまだまだ時間たっぷりである。
しばらくベッドの上でぼーっとした後、ベッドから抜け出し、4階にある自分の部屋から出て、2階の洗面所に行って顔を洗い、それから1階のLDKに向かう。
因みにこの家、かなり広くなっていて、地下まであったのにはさすがにびびった。
地下1階建て、地上4階建て、だいたい8LDK位あった。ま、3分の1も使ってないけど。
ともかく、まずは腹ごしらえといこう。
オーブントースターに2枚のパンをぶち込み、焼けるのを待つ間、冷蔵庫から牛乳を取り出しコップに注ぐ。隣の戸棚から、蜂蜜とマーガリンも取り出しておく。
チーンと音が鳴ったら、オーブントースターからパン取り出し、これまた戸棚から取り出しておいた皿に載せる。
そのまま牛乳とパンを持ってダイニングに置かれたテーブルセットのイスに座る。
食材も、学園側が3日分くらい用意してくれたので、買いに行かずにすんだ。
何となしにテレビをつけ、偶々やっていた〈zep!〉を見つつパンを食べる。
やっぱパンはうまいなー、なんてことを考えながらテレビを見て、食べ終わったら、昨日、あらかじめ用意しておいた御国学園の制服に着替え、また7時半ぐらいまでぼーっとして、それから荷物を持って近くの浦ヶ瀬駅に向かう。
この浦ヶ瀬駅は、バカでかい面積を持つ御国島の中でも、中々デカい駅である。
自宅から御国学園に行くにはこの駅から桜坂通線と言う路線に乗らなければならない。
家から歩いて10分もかからないぐらいなので、けっこう近い。
駅についたら、改札を通り、時刻表を確認する。次のは…7:44のやつだな。今が7:42なので全然問題ない。
そのまま2番線で待つこと2分。
タラタラタラタータータン(発車ベル)
〈間もなく、2番線に電車が参ります。白線の内側に~…〉
電車が来たので、乗り込み、御国学園前まで乗車する。4駅先なので遠いとも近いとも言えない。
イスに座りつつ、スマホをいじりながら乗ること15分。
8時に御国学園前に到着、時間が時間のためまわりに御国学園の生徒はもう大分少ない。
駅から御国学園までは5分か10分位なので、すぐにつく。
桜並木の緩やかな一直線の坂を登ると、そこには…
これから俺が波瀾万丈な学園生活を送ることになるであろう私立御国学園がそびえ立っていた。
如何でしたでしょうか。次話も早い内に投稿していきたいと思っていますので、よろしくお願いします!