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第一幕~ザッピングアクション2~

「ふっ!はっ!」


男が二人、戦っている。一人は身なりのいい、紳士的な雰囲気のある男だ。装いは決して華美ではなく、シックにまとめられた感じがある。それも高価なものでもないのだろう、総じて言えばセンスがあるのだ。

そんな細身でありながら放たれる攻撃は、鋭い。どれも直接的なダメージを得られるようなコンビネーションで作られている。


「・・・・・」


もう一方の男はそれを無言で受け、捌き、返していく。明らかに戦い慣れた感じのする動きだ。的確さがある。余裕を残しながら確かめるように動いていく。多少大ぶりな攻撃もあるようだが、当たれば見返りはある。そこも考えて選択をしているようだった。

ミリタリー的な出で立ちもあって、その強さを演出されているところもある。瞳に薄っすらと喜びが見えるようだ、戦う、ということが何かしら好ましいのかも知れなかった。


「・・・・!」


後者の男が後ろ回し蹴りを撃つ。当てる、というよりは距離をとることを目的としていたそれは、当然のように回避されるが役目は果たされる。・・お互いにとって遠い間合いとなった。


「・・なかなか難しいものですね。と言っても、別に自信があったわけでもありませんが・・まぁ、いいでしょう。」

「・・・・・」

「どうやら、貴方は『秘宝』には興味があるようには見えませんね。何かしら別の理由でこのゲームに参加しているのでしょう?・・予想はつきます。」

「・・・・・」

「ですから、自衛のために僕はこう言っておきましょう。貴方のカードと能力を僕は知っています。その対処方法も考えてある。きっと、貴方は僕に勝てない。楽しい時間が減ってしまいますよ?」

「・・・・(構えを解く。)・・・(探るようにさらに距離をとる)・・・」

「ダメおしするなら、僕はカウル。カウル・ウェーバーといいます。・・自分で言うのは少し恥ずかしいのですが・・これでも、有名、だと思いますが?」

「!!」


細身な青年、カウルがそこまで言った瞬間、男は飛び退き走り去る。どうやらかなり名の通った人物のようだ。

カウルはそれを目で追いながら、その場で思案する。

「名を聞いて退がった、とすれば彼が知っている情報は限られる。・・こちらのカードを知っているか、または参加するカードで何があるか知っているか・・この場合は後者でしょうね。遭遇戦とはいえ、あぁまで戦ったのですから。こちらのステータスも知らない。僕の顔を知らなかったようですし。」

「・・あの戦闘能力で頭の回る男が『ブランク』・・一度確認する必要がやはりありますね。名前どうりの力ではないようだ。ハッタリはもう効かないでしょうし、どうしますかね?ここは・・・」


ゆっくりと男が去った方向へとカウルは歩き出す。手にはスマートフォンが握られている。画面には先ほどの男ともう一人、若い女性が写し出されている。どうやら、最初の動画で使われたもののようだ。


「まぁ、この子はどの道負けるでしょうし、役に立ってもらいましょうか。きっと、能力の一部は見られる、それでよしとしましょう。」


カン!!


少し離れた場所から、音が響いてくる。


どうやら、画面の二人が狙いどうり遭遇したようだ。近くにもう一人いるのは予想できていた。


「始まりましたね。さて・・・」

カウルは音の方向へと走り出した。

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