卒業式

～卒業式～

３月４日

私は今日、無事に卒業式を迎えることができた

最高の仲間と別れるのは悲しいけれどこの仲間を『思い出』にするつもりはない

この最高の仲間とはこれからもまだまだ仲良くするつもりだ

「玲奈(れな)～一緒に写真撮ろ～」

「撮ろ撮ろ～」

みんな号泣だった

でも私は泣かないって決めていたからぐっと我慢をした

あの人と一緒に写真を撮るためだ

「玲奈のカメラで撮らないの？」

「あ、あぁ私はいいや、まだまだこれから２人で撮るでしょ」

「もぉ～そんなこと言わないでよ～泣けてきちゃうじゃ～ん」

他愛もない会話を楽しんでから部活のみんなで写真を撮ったり先生と撮ったりいろんな人と写真をいっぱい撮った

でも、自分のカメラではまだ１枚も撮っていない

それは私の好きな人と撮ると決めていたからだ

私の好きな人って言っても元彼なのだが…

別れてからも私はずっと好きだった、恋人同士ではなくなったが今では仲良い友達として接している

でも、私はずっと、ずっと想っていた

「一樹(かずき)！一緒に撮ろう」

「あぁ、いいよ」

初めて私のカメラで撮った

「卒業したな～俺ら」

「だね～、もう会えなくなるね」

「今までありがとうな、楽しい思い出をありがとうなんつって」

「やめてよ、柄でもないこと言わないで」

私は泣きそうだった

「じゃあな、お前、受験頑張れよ」

「うん、ありがとう、頑張る」

「じゃあな」

「じゃあね」

一樹、今でも好きだよ、高校に行ってもその優しくてかっこいいままでいてね

口に出せなかった言葉を心の中で一樹に伝え、一樹の後ろ姿が見えなくなるまで眺めていた

「玲奈～写真撮ろ～よ～」

「はーい、今行く～」

私の目にはうっすらと涙が浮かんでいた