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三章十話:あ、あ、あぎ

なんかスッキリしたです。


※冒頭からしばらく病み表現注意

 

 

 少女の目には、怪物が映っていた。

 怪物は、小さな少年の姿をしていた。

 彼は、少女の全てを奪い去った。跡形もなく粉砕し尽くした。


「死にたい、」

 ふと、少女の口から言葉が零れた。


「死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい――」

 壊れたように連呼する少女に、少年は、一言。

「だったら、アナタはなお更死んじゃダメよ?」

 少女の口は止まり、顔を上げた。



※   ※    ※    ※



 マーチとアスターは、共に弾き飛ばされた。

「わっしょい!?」

「なっ!」

 アスターの胴体にはエイトラインが投げつけられ、その勢いで地面を削り城壁まで。マーチの身体は投げられたように軽々と空中を舞う。

 どしゃ、と人体が叩き付けられるような音。

 転がっているマーチと、後頭部が相当痛いアスターとは、そろって自分達の戦いを中断させた相手を見た。

 長身。

 全身を覆う黒い鎖帷子。

 豹のようにしなやかな筋肉。

 適度に雄雄しさのブレンドされたイケメンフェイスは、泣く子も黙る騎士団長――ダグナ・ロシュロールその人であった。

 後ろ髪を払いながら、ダグナは両腕で身体を抱く。

「ん~、なんだか絶妙なタイミングだったわね」

 オネェ口調である。体も、なんだか少し「しな」を作っていた。

 思案顔で周囲を見回すダグナ。その登場に、アスターは「やっとか」というような顔をした。

「アスター様、間に合いました」

「大丈夫か? アスター」

「あ、あはは……えっと、ありがとうございます」

 後方より駆けつけるは二名。

 片方はアレリアであり、もう片方はポニーテールの筋肉だるま。アスターの仲間の一人、剣闘士(グラディエイター)のレオウルだ。

 アレリアはマーチの方へ向かい、レオウルはアスターの背に手をやり起す。

「これは……? 一体、どんな理由があって決闘の邪魔をした、騎士団長ダグナ!」

 激昂するスクルダス・トージェンス。どしんどしん言いそうな身体を案外素早く動かし、自分より高身長のダグナに詰め寄る。

 もっともダグナからすれば、自分の胸よりちょっと下くらいの位置にある位置からにらまれている事になるので、そこまで恐怖もないだろうが。

 ダグナは、普通に確認をとる。

「何故止めてはいけないのかしら?」

「もう少しで勝てたものを……、いや、それは、そもそもこれは――」

「カトリノ家とリックス家の決闘ってところかしら? じゃあ、これで無効よ? はい」

 と、ダグナが取り出したものは、一枚の魔編紙。魔力で印字する最も安価な材質の紙であるが、書かれている内容と印にトージェンスは驚愕した。

「な――こんなもの、いつの間に、」

「ついさっきよん?」

 アスターは、左手で右耳を軽く引っ張った。「えっと、走ってきましたか?」

「そうでもないわよ? アーレスさんはすぐチェックもらえたし、カトリノさんも、まあ、そんなに遠くには居なかったから」

 ふふっと笑うダグナ。手元の紙には――リックスとカトリノの家での決闘不履行の紙であった。

「家同士の立場としては、アスター君とマーチちゃんを戦わせる気はないっていう誓約書をこうしてもらってきたわけで、あとはどちらか片方が決闘を拒否すればなかったことにできるんだけど、如何? あ、もちろん『前例のないことをやってるから無効』なんてのは言わせないわよ? 王様にも軽く助言もらってきたわけですし」

「……ッ」

 はぎしりするように顔をしかめるトージェンス。

「これ以上何かあるのだとすれば、それはまた違った話よ? 立場上、カトリノ家がアナタに逆らえないというのもわかるけど――それ以上に、カトリノ家と『あたし』との関係も、お忘れなくねん?」

 あんまり強く当たるんじゃないわよ、とダグナは大きく伸びをした。

 父親は踵を返し、ドリドフの腕を掴んで退散する。騎士団たちの視線にさらされながらも、ドリドフは申し訳なさそうに頭を下げた。

 ダグナは、アレリアに肩をかされているマーチを見る。

 頬に切り傷――いや、かすり傷が出来ている。

「……」

 下唇を噛むマーチ。複雑そうな表情に、ダグナは薄く微笑んだ。

「ほら、マーチちゃんも無理しないのね」

「――貴方が、それをっ」

「はい、そんな顔しちゃめーよ?」

 瞬間的に、眉間に寄った皺を物理的に解消されたマーチ。それが更に、彼女の下唇を噛む力を強くさせる。

 流石に問題があると踏んだのか、マーチをアレリアに送らせ、ダグナはアスターの元へ歩いた。

「さて、アスター君。何か言い残すことは?」

「えっと、そこは普通釈明とかなのでは?」

「ていっ」

 でこぴん。

 一発のでこぴんであったが、しかしそれはジャストでアスターの傷をなぜるものであった。

「あ、あ、あぎ……」

「全く、まだ病みあがりなんだから、抜け出したらダメよ?」

「そうだぞ、王女様がカンカンだ」

「……レオウルさんとダグナさんは、どこで合流したんですか?」

「セノが王女様を宥めて居る隙にトンズラさせてもらったら、ばったりな」

「あ、あはは……」

 なんともいえない笑いを漏らしたアスターだったが、しかし、それ以上は何も言わない。自分が悪かったことも重々承知しているし、何より叶わないとは言え、想い人に心配されると言うのは、結構悪くない気分である。

 そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、ダグナはため息を吐いて、注意をする。

「貴方の身体は、無理やり回復させたことに変わりはないのだから、以前と全く同じ能力の使い方で大丈夫かすら怪しいのよ? そのことを忘れちゃダメ。“縛鎖の勇者”様だって、言っていたじゃない」

「……はい」

「あっちの訓練もそろそろ始められるかって時にこれだもの。……エリザベート様の説得には私も協力するけど、知らないわよ?」

「面目ありません……」

「じゃ、とりあえず病室に戻りなさい? 続きはたっぷり絞られてからにするから」

 一通り言いたいことを言い終わった後、ダグナは、アスターの右手を見て、意外そうに目を丸くして、呟いた。


「トージェンスさんも、少し観察力が鈍ったんじゃないかしら」


 アスターの右手には、木で出来た短剣が握られていた。

 その先端には、わずかに、血液のようなものが付着していた。

 

 

エース相手だったら入院沙汰だった


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