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二章九話:“りゅーおーらんど”完成版試写会(前)

短い! 絶対に短い!


まもなく総合pt100です。だいぶ過疎ってる(?)作品でございますが、お気に入り登録および評価、ありがとうございます。今後とも精進して参りますので、出来ることなら、ぜひ最後までお付き合いください。

 屋外遊戯施設の大半は、連結連鎖型のビジネスモデルである。

 とまあ堅苦しい説明をするのも面倒ではあるので、エースが会場において講義した、テキトーな言葉も混ぜ合わせて説明をしていこうと考える。ぶっちゃけ筆者もそこまで専門という訳ではないので、ふわっとした部分については目を瞑っていただきたい。

 さて、連結連鎖って何をさしているものなのかという部分だが、これは要するに、一つのアクションが次のアクションにつながっていくことを指す。一つの消費行動が次の消費行動を誘発するということだ。

 早い話、ビジネスの呪怨システムである。いや、違うか。呪いとか怨念とかによって突き動かされるというものではないが、連鎖爆発的に次々と連なっていくというわけだ。

 うん、何が呪怨だそんなものあるわけがない絶対にだうんお化けなんていないから(震え声)。

 さ、さて、代表的なものは百貨店とかショッピングモールなどであろうか。ざっくりした流れを挙げると、ショッピングモールの中にある映画館で映画を見る→その映画の関連書籍を買いに、モール内の本屋へ向かう→その本屋で覗いたファッション雑誌を見て、モール内のアウトレットショップへ向かう→ ……みたいなことだ。この例では一連の流れが繋がっているが、何も意味づけが繋がっていなくても良いわけで。ふらっと歩いていたら目に入ったお店に立ち寄ったって良いのである。もっとも筆者の場合は本屋だけを梯子したりすることもあるので、これが確実に当てはまるかどうかは別であるが。

 さて、ではそれが実際の遊園地だとどう適応されるかと言う部分だが――端的に言ってまあ、そこはまだ過疎っているのだが。


「ようこそ、“りゅーおーらんど”へ!」


 高らかに宣言するエースの背後に連なる、各部族の精鋭たちは、こぞって口をあんぐりあけていたとさ。

 施設の中に突如として出現した白いアーチ。エミリーのツボに入ったらしい例の看板がかかげられたそれを潜るヒトビト。ダンジョンの構成に詳しくない彼らとて、そのゲートがシハイニンの言っているダンジョンへ通じるものであるとは理解できた。

 正直な話、エースのふわっとした説明で教えられた経済対策だのビジネスモデルだのメリットだの何だのという話は、いまいち伝わりきってはいなかったのだが、とりあえず彼らはエースの背後についていった。無用心に思われるかもしれないが、それを言い出したら会場自体既にエースの手の中なのである。どっちに行った所で結果は変わるまいという、諦めにも似た共通見解が彼らを支配していた。

 ちなみにエースは、セィーブたちのことは本気の本気で眼中にない。後でエミリーとバルドスキーが四苦八苦して檻ごとゲートに突っ込んだりすることになるのだが、そんな話はさておき。

「あははははははは、にゃんだかすごいにょあははははははははッ!」

「……ゴブリンの、何だこれは?」

「俺が知るわけねぇだろ」

 まあ、この三者のような反応である。

 描写の上で新キャラを出すのも面倒なので、以前に出てきた三人にクローズアップしているが、まあ大体は「疑問」「驚愕」「困惑」の感情に支配されている。中には猫々しい女の子みたいに爆笑しているのも居たが、片手で数えられる程度なのでそれは考えないでおこう。ちなみにその中の一人にキャパオーバーで発狂しちゃったっぽいのも居たようだが、その彼が念のため戦わず様子見していたセィーブの部下の一人であることや、ケティにかつがれて介抱されたりしていることは、エース的にはまったくわからないことである。というか、人ごみの中なので見えなかった。

 さて、それでは本邦初公開(後悔)。

 完成版の“りゅーおーらんど”の全貌である。

 といっても全体的にはほとんど変わりない。ちょいちょいアトラクションが追加されていたり、謎のお城みたいな建物が奥の方に建てられていたりといった違いはあれど、おおむねオーガタンクの五人が被害に遭った時と同じ構成である。

 違うのは、全てがきちんと色付けされていることだ。

 鉄一色だった遊園地のアトラクションは、それなりに見れるものになっている。華やかさとエースのダンジョン特有な毒々しい色味を足したような構成である。微妙なラインでバランスを保っている色合いだ。これが受け入れられるか受け入れられないかで、勝敗が決まる。何の勝負なのかは筆者も知らない。

「りゅーおーくん、カモン!」

 エースの言葉と共に、上空から“りゅーおーくん”が降ってくる。相変わらず微妙な出来のマスコットだ。今回もそれなりの魔力の圧を放っており、ヒトビトを畏縮させるに充分な存在感を持っている。

「彼は“りゅーおーくん”。この遊園地の守護者だ」

「は、はぁ……」

 ちなみに「竜王の名前をかたるなど不遜な」とかいう風に言われないのは、エースが言ってる“りゅーおーくん”が日本語であるからだ。日本語をエスメラ語に訳する方法がこの世界には存在しないため、その意味するところの違いも特に気にはされていない。というか、気にすることもできない。彼らからすれば謎の名前を言われているに過ぎないのだから、仕方ないといえば仕方ないだろう。もっともだから何だという話だが。

「ダンジョンのシステムとしては、彼がラスボス扱いになるからそのつもりで。これから配る紙に書いてある禁則事項に違反すると、調停者として出てくるからそのつもりでね~」

 は、はぁ。

 一同、そんな心境であったことだろう。

 とてもじゃないが、わたされたそれに目を通すだけの余裕があるとはいいがたい。もし余裕があるとすれば、はじめから話を聞いていない相手くらいだ。こういうのは、理解しようと思ったら負け名部分がある。結果として、大半の真面目なヒトビトは、エースの説明をただただ聞くばかりなのであった。

 回復するにしても、もうちょっと先のことだろう。「後で質問タイムをもうけるから、疑問だとか要望だとかはその時にね~」とエースが言っていたことも効果的だったかもしれない。

「さて、じゃあまず何から乗ろうか……。やっぱり最初は――」

 そしてジェットコースターを見ながらにたりと笑顔なエースの様子に、彼の背後に控えていた冒険者五人が不思議と戦慄したのは、仕方ないことだろう。


 この後訪れる運命は……、まあ、大体例のアレである。



エース「番外編2マダー?」

筆者「手直ししてるんだけどオワラネ・・・、あっ(驚愕)(活動報告『番外編について(掛け合い版)』参照)」


次はおそらく明日でございます。

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