俺の名は・・・・・・
さて、まずは自分自身の確認だな。
「なぁ、ダンジョンコアNo. 3。俺って、なんなんだ?いや、俺って、どんな生命体でどんな能力を持ってるか分かるか?」
先程、ダンジョンコアNo. 3が言っていた。俺にはダンジョンマスターとその体が与えられたと。ただ全身が銀色で顔がなくなっただけではないと推測したからだ。ちなみに左手で右手を軽く叩いたら鉄と鉄を叩いた音がした。
『否。マスターの種族や能力は分かりません。』
「ん?だが、ダンジョンマスターの登録として俺を解析したとか言ってたが・・・?」
そう俺は先程、いや今さっきダンジョンマスターの登録をした。その際に俺を解析したのだ。
『あれは肉体ではなく魂を解析しました。肉体をコピーすることは可能ですが魂をコピーすることは不可能だからです。』
なるほどね。肉体を解析したんじゃないなら仕方ない。しかし、
「困ったな。自分を知ることにも時間を掛けなきゃいけないか。」
ダンジョンを作りながら自身を強化していこうと思っていたのだが、まず自分の能力や特性を把握しなきゃいけないらしい。とっととダンジョンを拡大させたかったんだがな。
『私は知りえませんが、マスターが確認する術ならあります。』
「え?マジで!!」
『心の中でステータスと念じるだけで自身のスペックを確認することができます。』
(ゲームかよ!!)
もはや、ファンタジーではなくゲームとしか思えてならなかった。しかし、どういう原理で・・・いや神がいるんだからなんでもありか。
(とりあえず、ステータス!)
ステータス
名前:???
Lv. 1
種族:進化金属生命体
能力:自己再生Lv. 1、ボディチェンジ(人型)
耐性:自然影響無効
称号:転生者
DP:10000
目の前にウインドウが出てきた。
こんな感じだ。ハッキリ言う。
(はずい!!!恥ずかしすぎる!!なんだよ!ジェネレイト・メタルって!!どんな中二病だ!!)
メッッチャ恥ずかしい!元いた世界じゃ20を越えてた。今ごろになって中二病全開とか嫌すぎる!
「は、恥ずかしすぎる・・・。」
『何がですか?』
小さい声で呟いてしまった言葉だったにも関わらずバッチリ聞こえていたらしい。
「い、いやこっちの話だ。気にするな。そ、それよりステータスに能力とか書いてあったのだが説明をしてくれるか。」
俺はこれ以上この話題を続けるのが嫌でとっさに話題を変えた。まぁ、聞いた質問も気にはなっているが。
『了解。しかし、私が説明をするよりも気になる部分をクリックすれば説明は出ます。』
やっぱ、ゲームに思えてならねぇな。ま、今はそれよりステータスの確認だ。
最初に何故名前が???だった理由は名前が決まってなかったらしい。これはあとでつけるとして置いとく。
次にレベルだがこれはそのまんま。で、種族なんだが分からん。
いや、説明では進化していく金属生命体って書いてあったんだよ。これだけじゃ分からん。
能力は自己再生はレベルに応じて再生する速度が上がるらしい。
ボディチェンジ(人型)は人型の姿であればどんな形でも変えられるらしい。だが、色は変えられない。ちなみに人型でも2メートル以上は大きく出来なかった。
耐性だがこれもそのまんま。
称号は何か特殊なことを行うと増えるらしく、効果もある。転生者は経験値の補正(小)。
DPはダンジョンポイントの略称で、このポイントでダンジョンの改造や物資の変換、自身の強化などさまざまなことのできるポイントらしい。これはダンジョンコアを通して行う。DPの増やし方はDPで作られたモンスターもしくはダンジョン内で誰かが死ぬと貰えます。
長くなったが大体の説明がこんな感じだ。俺は早速とばかり能力を使ってみようと思う。
(ボディチェンジだ!まず、ボディチェンジをする!!)
何故、こんなにボディチェンジ(人型)にこだわるかというと真っ裸だからだ。男の象徴が無いとはいえ恥ずかしい。
ボディチェンジ(人型)を使おうとするとボディチェンジ(人型)のやり方が頭に浮かんできた。
(!?なんだ!?やり方が・・・分かる。分かるぞ!)
俺は肉体を変化させた。・・・・・・・・・・・・・・・仮面ライダーモドキに!
いやね。ホントは前の自分に変化させようとしたんだが、よく考えたら色は変えられない。つまり全身銀色の俺になるとゆうこと。想像したらキモい。なら、銀色で不自然にならない格好は?と思ったところで思いついたのが甲冑、中世の全身の甲冑だ。一回なってみたのだが微妙だ。何て言うか少し違和感みたいなものがあった。動きずらかった。で、他に考えたのが仮面ライダーだった。しかし、これは顔の方はしっくりくるのだが体に違和感があった。動きやすくはあったのだが最初の姿の方が性能がいい感じがしたのだ。だから、顔だけ変えず、体を未来的なパワードスーツに変えたのだがビックリするほど馴染んだ。全身から力がみなぎるようだ!そこまで外見も悪くはないしな。こんな感じで仮面ライダーモドキになった。
「次は・・・・・・ダンジョンかな。ダンジョンコアNo. 3いや、めんどいな。・・・ドライ。お前の名前をドライに変えられないか?長くて大変なんだ。」
名の由来は単純にNo. 3だったからドイツ語で3を意味する言葉からとった。何故、ドイツ語からとったかとゆうと日本語の3と英語の3では人の名前っぽく無かったからである。
『・・・ドライ。ドライ。ドライ。了解。私の名前はドライに変更しました。・・・・・・ありがとうございます。』
「何か言ったか?」
最後の方に何か言ってたな。聞こえなかったけど。
『いえ、なんでもありません。』
「そうか。それじゃあ、話を戻すぞ。DPでダンジョンを改造できるって書いてあったがホントか。」
まずは確認。
『できます。ダンジョンの改築または物資の交換、自身の強化を行いますか?』
(うん。説明にあった通りだな。)
「ああ。頼む。」
『それにはまず、世界の接続をしなければなりませんがよろしいですか?』
世界の接続。つまりは俺が本当の意味で異世界に行くってことか。しかし、
「準備期間などは無いのか?」
もし、あるなら欲しいぐらいなんだが。準備期間は割と重要だ。
『否。申し訳ありませんが。』
「いや、しょうがないさ。」
(つまりは自分の力で準備期間を作らなきゃダメってことか。)
とゆうことはまた聞きたいことができたな。
「ダンジョンはどういった形で出るんだ?」
『どう、とは?』
「あー、つまり、どういった形で世界にダンジョンが出現するんだ?」
これを聞かないと話にならない。
『壊れない扉が出現し、扉を開き中に入るとダンジョンです。』
扉か。なら、
「扉に細工をすることは可能か?」
俺は扉を壊すことが出来るのか、扉を開けないようにすることが出来るのか、とは聞かなかった。前者はドライが壊れないと言ったのだ。絶対に壊れないのだろう。後者は何も言っていないが言っていないのが答えだと判断したのだ。
『可能です。しかし、開けられなくすることは不可能です。』
思った通りだ。しかし、細工は可能か、なら・・・。
「世界との接続をしてくれ。完了しだい、すぐにダンジョンを改造する!」
『了解。世界との接続を開始。・・・完了。これがDPで出来るリストです。』
ステータスのウインドウとにたようなものが出てきた。
ダンジョンポイント 残り10000
ダンジョン改築
モンスター召喚
知識
物資の交換
自身の強化
出てきたんだが説明に書いていなかったものまである。いや、今はどうでもいいか。
俺はすぐさまダンジョン改築を選択するとあり得ないくらい多く項目が出た。そしてその中からダンジョンドアの改造があったので選択。そして、光学迷彩化があったのだがアホみたいにDPを使うことが分かった。500000もする。仕方なしに違うものを選ぶことにして透明化にした。これは100DPだ。安すぎじゃね・・・。光学迷彩化は完全に見えなくなるのに対し、透明化はガラスで出来たようなものだ。まぁ、ないよりは格段に増しだが。ちなみに繋がった場所は山奥で人はあまり来ないことが分かった。人が何度も通ったあとは無かったからな。
さて、これでしばらくは見つからないだろう。光学迷彩化なら完璧なんだが。とりあえずダンジョン改造するか。
ダンジョン
ダンジョンドア(透明化)
平原
ボス部屋
俺の部屋
平原とボス部屋を作った。どちらも初回だったから1000DPと5000DPですんだが普通ならもっと高いらしい。平原の奥に扉があり、その中にボス部屋そして俺の部屋になっている。ボス部屋は一体しか入れない代わりにその能力が三倍になる能力だ。
ダンジョンはこれくらいでいいとして、次は自分の強化・・・・・・は止めといて、知識だな。無くて困るもんじゃ無いしな。何かためになる知識ってないかな。おっ!?
「ドライ。知識をDPで買った場合ってどうなるんだ?本が出るのか。それとも知識が頭に入るのか。」
『後者です。知識が頭に入り、その知識は忘れることはありません。』
便利だな、オイ!勉強する必要が無いよ!なら、早速。俺は進化金属生命体とこの世界の言語の知識を習得した。
進化金属生命体はどんどん成長していくものらしい。そして、胸の辺りに心臓、コアがある。コアが破壊されない限り死なない。生命維持は周囲の魔力を喰って生きているらしい。なので食事は必要ない。睡眠も必要ないらしい。(400DP)
言語の知識はこの世界の言葉であれば全て理解出来るものだった。人間以外の言葉も。(1000DP)
「あとはどうするかな?部下とか僕みたいのも欲しいんだが、DPがな・・・。」
現在残っているDPは2500だ。なるべくなら貯めておきたいところなんだが。
『DPを節約したいのでしたらゴーレムを作ってみてはどうでしょう。魔力の扱い方の知識とゴーレム作りの知識を取得すれば簡単に作れます。材料も土で出来るので大量に作れますし。』
「お、マジか!ならそれでいこう!」
俺は魔力の扱い方の知識とゴーレム作りの知識を取得し、平原で早速実験しようと思った。
「そうだ、ドライ。俺に名前をつけてくれ。」
平原に向かおうとしたとき、ふと思い付いた。
『名前ですか?』
「ああ。俺はお前にドライという名を考えた。だから、お前も俺に名を考えてほしい。なるべく、カッコいいのにしてくれ。」
俺は笑いながら、最後の方は冗談っぽく言った。まぁ余程、変な名前じゃなきゃ、なんでもいいんだがな。
『・・・・・・・・・・・・・・・。』
「おい?そこまで深く考えなくてもいいんだぞ。別に変な名前じゃなきゃいいんだから、気を使わなくてもいいからな。」
いや、この言い方じゃ余計気を使うか。
「な、」
『では、メタルというのはどうでしょう。安直ですがこれしか思い浮かばなかったもので。』
メタルか・・・。うん!いいじゃないか!結構、いい名前だ。
「メタル。メタルか!よし!これから俺の名はメタルだ!」
そうして、俺は生きていくための第一歩を踏み出した。






