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メタルの支配領域  作者: 我輩は猫である
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神?に出会った。

 どうしよう・・・。なんか意味わからん状態なんだが・・・。


 俺は月にいた。先程も思った通り俺は今の状況が分からない。つーか、夜に寝て起きたら月だよ!さすがに全く分からん。とゆうか、よく見たら他にも誰かいるし。俺は他の人に声を掛けようとして近づこうとしたのだが、


(なんだコレ!全く、足が動かねぇ!いや、足だけじゃねぇ。声もでない!)


 俺は足が動かなかったため、とっさに声をあげようとしたのだが出なかった。いや声は出ている感覚はあるのだが音が出ていなかった。


(・・・・・・今、気がついたんだが、なんで俺、呼吸できてんの。)


 焦りすぎて最もおかしいところに気がつくのが遅れた。今の俺は普段着、もといパジャマ姿だ。断じて宇宙で過ごせるような服ではない。まぁ遥か未来にならそんなことが出来るかもしれないが。少なくても俺の生きている時代にはない。


(と、なると・・・。分からんな。)


 結局、考えたがなにも分からなかった。どう考えても自分の常識を覆すような事態が起こっているのだ。俺が騒ぎ立ててなにか変わるわけでもないしな。と、彼は考えていたがこれは異常だ。普通、人間は自分の理解を越えるような事態が発生すると騒ぎ立てるか、呆然とするかである。落ち着いて物事を考えられることが異常である。彼はその事実に気づくことはなかった。

 心が落ち着いてくると周囲のことも見えてくる。全員、顔には恐怖と混乱は見えるが錯乱したり自暴自棄になっているような顔をしている者はいない。しかし、彼はその事に気づいたが特に疑問は持たなかった。彼は


(あー、地球。綺麗だなぁ。)


 マイペースだった。そこへ、


『皆さん。初めまして。』


 俺達の頭上に空想上の天使みたいな形の光に包まれている生物?がいた。不思議と眩しくはない。頭に響いてくるような声?で男か女か分からない。


『私はご想像はついていると思いますが神様です。』


 光っている未知生物がそんなふざけたことを抜かした。


(いや、どう見ても未知生物にしか見えんのだが。)


『私がここに貴方たちをつれてきたのはお願いがあるからです。そのお願いを言う前にある事実を言います。自覚している方もいらっしゃると思いますが、あなた方は既に亡くなっています。』


(・・・・・・・・・は?)


『私はあなた方の魂をランダムで集め、今のような状況になっているわけです。』


(・・・。)


 俺は完全にフリーズしていた。よく考えてみたら当たり前の話である。魂がどんな状態なのか分からないが自分の想像しているような魂なら月にパジャマ姿でも生きている理由に納得はできる。まぁ、はっきり言ってそんなことはどうでもいい。問題は自分が死んだことにはっきりとした自覚ができないのだ。普通に寝て起きたら死んでいます。だなんて誰でも呆然としてしまうだろう。


『それではある程度、納得してもらえたところで私のお願いを聞いてもらいます。実はある世界で、貴方たちのいうところのファンタジー世界なのですが、少々問題が発生してしまいまして。その問題を解決してもらいたいのです。』


(随分身勝手なんだな。その世界の問題を他人、異世界の人間に解決してもらうなんて。)


 神の話を聞いているうちにだんだんと自分が死んだことに自覚を持ち始めると訳もわからずイライラしてしまい棘のある思考になってしまった。いや、理由は分かっている。要するに俺は自分が死んだことを認めたくないのだ。そのことに自覚があるものだからさらに自分に苛立っている。


(落ち着け、俺。今、神に苛立っても仕方ない。むしろ死んだ俺たちにこうして説明してくれてるんだ。感謝こそすれ罵倒などあり得ない、か。)


『もちろん、貴方たちにも拒否権はあります。拒否した場合は貴方たちの世界で転生するか、異世界で生き返るかになりますが。

 さて、具体的に問題を説明していきたいと思います。異世界では人間たちやその他の種族が多く占めており、モンスターたちもいるにはいるのですが、そのほとんどが討伐されてしまっています。そのこと事態に問題は無いのですが、豊かさを求めるあまり自然環境どころか世界の崩壊に繋がりかねないようなことになってしまったのです。さすがに世界が崩壊するようなことは無視できません。私はその世界に住む者たちに危険なので止めるように神殿に伝えたのですが、残念ながら聞いてはもらえませんでした。』


 その事については納得できる。一度知ってしまった贅沢を捨てることは難しい。例え、世界が滅びてしまう、と言われたところでその実感が持てないのならハッキリ言って無理だ。


『そこで私は強行手段にでることにしました。・・・彼らには死んでもらいます。』


(苦渋の決断か・・・。)


 神の顔は光に包まれて分からないが、声を絞り出すように言ったことからそう推測した。まぁ、演技かもしれないが。


『ですが、私には神殿に声を届けることは出来ても、それ以外はどうすることも出来ません。都合のいいこととは分かっています。ですが、貴方たちにしか頼めないのです。お願いします!』


(うーん。分からん?なんで俺たちなんだ?神はランダムで俺たちを集めた、と言った。はっきり言ってランダムで決めるより神自身で決めた方がいいに決まっている。それに恐らくだが神は生物を創造することはできると思う。なら、そいつらに命令したらいいのに・・・。)


 俺は神が嘘をついているか、ランダムで集めざるを得なかったのか、神に創造する力なんて無かったのか、分からなかった。


(さっきから俺、分からないばっかだなぁ。)


『では、決めてください。転生するか、異世界で生き返るか、敵として存在するか。』


(・・・。)


 俺はどうしたいのか分からない。まず、転生するのはダメだ。転生したら多分記憶が無くなる。俺は記憶を無くしたくない。次に生き返るかだが、記憶は所持したままだと思う。だが、戦う術がない。神は言った。ファンタジー世界だと。なら、間違いなく戦うような事態になる。まぁ簡単に強くなれるかもしれないが・・・。敵として存在するだが、こちらは戦う術をもらえるような気がする。いわゆるチートというやつだ。異世界の者たちを殺す手段がなかったら意味ない。それは面白そうなのだが、他の人たちも同じ条件だ。下手したら、ここにいる連中同士で殺しあいが始まる可能性だってある。そうなった時勝てる可能性は低い。


(詰んでるな、オイ!まぁ、安全第一なら転生すればいいだけの話だしな。いや、地球のどこに転生するか分からない以上、安全とは言えないか。・・・・・・とゆうか最も確実な方法は一つしか無い。)


 俺は決めた。敵として存在することを。つーか、それしかない。


(転生は論外。異世界で生き返るのは危険がありすぎる。だったら、敵として存在して、かつ目立たないようにするしかないじゃん。それに個人的にチートにも興味がある。)


『全員が決めたようですね。では、世界を頼みます。』


 そう言って神から光が広がっていき、俺を光の中に包み込んだ。

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