生きているだけで喜んでもらえる慶び
祈られる存在で有るわたしたちは……
生きているだけで喜んでもらえる慶び
なんて嬉しいことだろう。自分が今、ここに生きていると言うだけで、こんなにも他人に喜んでもらえるなんて!まさか、このような瞬間が自分の人生に訪れようとは!
大歓喜!
今日は天気予報では寒波が襲う予報だった。何もこんな日に限ってやらなくても良いのに……と嘆きたくなる様なこの日に、私はある場所に呼び出されていた。そこは、とても懐かしい場所……。赤子の自分が日向ぼっこをさせてもらっていた縁側が残る場所……。今日は、その場所が残る一帯で土地の形状を測ることの立会が行われた。 そこには、役所を始めとした関係者各位が揃った。雪の礫が地面を白く染め上げる。そんな中で測量……?出来るものなのだろうか?と好奇心が湧いた。 そこで待っていたものは、まるで意外な出会いだった。なぜだか、目の前の人が瞳を潤ませて居る。自分は知らない筈なのに相手は自分を知って居る……。一体、何だろう……?この感じ……? そこで、自分は名前を呼ばれた。生まれた時から変わらないその名前。そうだ、目の前の人は私のことを知って居る……。 彼女は、私の手を握りしめた。強く胸を寄せる様にして……。そして、彼女は言った。「生きてるんだね!」
そう!わたしは、いま、生きています!
彼女にして見れば私はただの幼い患者だった。生後40日で高熱を発し、連れて行かれた病院で……。その際、なかなか原因がハッキリしないまま、赤子の高熱は続いた。何日も続くその熱に、医者はあることに気づく……。「この子は心臓が悪いのでは無いか?」 その先生の機転から小児の心臓病を専門とする女医を紹介された家族は……。急いで赤子を診せに行く。そこで下された診断は、医者の見当の通り、先天性の心臓疾患だった。 当時のことはよく知らないが、おそらく医者は、この子は生きないだろうと思った筈だ。それは、目の前の彼女の感動がそれをそうだと教えてくれた。彼女にとっては、医者であった夫が起こした奇跡のように見えただろう……。私が今、目の前に元気で生きて居ることは。 彼女は私に告げた。「あなたはいつも病院に来ていたのよ」 彼女にとって、私が病院に来ることが何よりも嬉しかったのだろう。あの子はまだ生きている!それを実感する瞬間だったのだから。
こんな感動はあり得ない
彼女の歓喜は身体中から溢れて、自分を圧倒してくる。こんなにも自分が、ただ生きていると言うことだけで、他人が喜んでくれるなんて!自分は意外にも祈られた存在だったのだと……。あの子が生きますように……。 医者と患者の関係はシビアだ。生きようと死のうと医者と患者は、医者と患者なのだ。その間にこんなお涙など存在しない筈だった。けれども情の深さは、感動を持って熱を帯びて来る。 こんな風に他人が生きていることを喜べる人が居るだろうか?それは、家族だから……友人だから……恋人だから……と言うような何々をも乗り越えて……。ただ、目の前の人が生きている。それだけで喜べる優しさを!
それだけで人は生きている
生きていることを喜んでもらえること。それだけで人は生きている。そのことを実感することが無くっても。自分にはそれに値する他人なんて居るはずが無いと思っている人でも……。それは、まさに自分がそうだ!今日のこの出会いが無ければ、そんな存在にも、そんな思いにも、そんな祈りにも気づく筈は無い……。けれど、これに気づけることが、どれほどの幸せだったと言えるだろう?それは、これまでに一度も体験がしたことのないような生きた慶び。そして、それは、これからは自分がそれをして行くのだと知る喜びだ。
目の前の人が生きている。そして、また、死んで逝く存在だ……
私たちは生きている……。ただ、それだけで喜んでもらえる……。私たちは実は、そういう存在だった。いまを生きる人たちがそんなことを全く知らなかったとしても……。そんな悲しみや不幸の中にあったとしても、人の存在の真実は変わらない。私たちは喜ばれる存在なのだ。そのことを教えてくれる出会いがこの世界には有るのだ。
まずは、私が喜ぶ者となろう!
目の前に他人が居る。そのことを自分はどう思う?どんな感情を抱き、どんな感覚を持つだろう?誰と出会っても一つとして同じことはない。けれども、もしも、他人がそこにいることが、何よりの感動となり、喜びとなるのなら……。これ以上の慶びはこの世にはないだろう。そして、そうして生きる状態になっている自分達は、何物にも変え難い至福の時を生きている。
今日もどこかで私は祈られている
もしも、自分が不幸なら、思い出してみよう。私はどこかで、何者かに祈られた存在だと。会ったことが無くても良い。想像できなくても良い。だけど、誰もが、誰かに愛されている……。そのことに何も自ら疑いを掛けること何って無い……。自分は、不幸で……独りぼっちなんだと思うなら、いまを忘れず生きてみよう。いま、確かに生きている……。そうで無ければ、この記事を読んでいる筈も無い……。生きている、生きている、生きている、生きている……。 その真実にありがとう! わたしたちは、生きている! ありがとう!生きている! 生きている!ありがとう! わたしたちは、生きている!
今日の喜びを生涯忘れない……




