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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
9/13

答え:時が薬となるなら

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「外部からの一部接触履歴が残っているが、その履歴だけではどうやって、どこから来たのかが分からないから、このまま詳細を調べる。」

圭の要件をまとめるとこう言うことだ。


 降りていく最中にヒナとヒデが「面白そうだ」と私についてきてしまったので、部屋に入った途端、圭とどんちゃん騒ぎで要件を聞くまでに大分時間がかかった。

まぁ圭も何だかんだでその方が楽しそうだったしそれはいい。

だが、内容を聞く限り調査には少々時間がかかるだろう。

暫く使い物になるまい。全く。


 新たな接触なのかフォーラス家または死神側からの情報調査なのか。

ここのサーバーはそれぞれの世界からは非常に入りにくい状況になっている。

そもそも様々な世界との接触が可能な状況下にあるここは、それぞれの世界ごとのセキュリティ対策はもちろんの事、更にそれら複数を組み合わせて、何重にもセキュリティ対策を組んで設定している。

それを「接触した」という状態にまで来たという事は、一つの世界のセキュリティ介入スキルだけではほぼ不可能だろう。


 とすると恐らくは死神側ではない。

フォーラス家についてはどこまで外部との連携が可能なのか分からない以上は可能性はあるが、それが事実だった場合はやはりフォーラス家に関連したこちら側の第三者が今も居る事を概ね裏付ける。

色々な事をそれぞれ放置したままにしてはトラブルしかないが、死神についてはまだ返事がないので変には動けないし、この世界の事については圭に対応してもらった方が早い。

魔法世界についてもさっきの黒猫次第といったところ。

となると、一先ず次のミーティングに備えるか。

「あ・・・」


 ふと、梓を探す時に急いでいた為、放置してしまっていた通路での出来事を思い出した。

そういえば、黒いのを放置したままだ。あの世界のモノをこちら側に連れてくるのは流石に怒られるだけじゃすまない。


 なくなく本日二度目となる白い通路に入り、進み始める。

一先ずは近くに姿は見えない。どこへいったのやら。

鍵がない以上、どこの扉にも入れない。

つまりこの通路内にいるか、閉めたかどうかあやふやな(それもバレれば怒られる。)、あのドアからそのまま出たか。

どっちにしても他のどこかに行くことはできないし、戻っているならそれでいいし焦ることもない。


 歩きながら、梓の事を再び思い出す。

さっきは多少脱線してしまったが、彼女には伝えなくてはいけない事は変わらないので、出来るだけシンプルに伝えたつもりだ。

それによって彼女が大きくショックを受けている事は表情からもしぐさからも明白だった。

そりゃ、今まで居ると思っていた子供や夫といった最も身近な存在が居ないといきなり言われ、更にはその人生も元々は別の人間のものだ。と言われれば一人の人間としてこれまでの人生をほぼ全否定されたようなものだろう。


 だが、彼女が今どんな状況にいるのかを彼女自身が理解しない事には、今後ここに居させると言っても彼女も納得できないだろうし、帰ると言い続けるだろう。

それを後回しにしたり、中途半端な事を言ってあやふやに伝えた所で、また今日のようなことがあれば彼女自身が自分の身を守る方法が分からず、命がいくつあっても足りない。

今回は連れていかれた先が「魔法世界」と、比較的行きやすい居場所で探しやすい場所に居たからこそ短い時間で見つけ出せたが、どの世界かもどうやって連れ去られたかも分からない場合、連れ去られた世界の時間経過速度によっては彼女を数カ月、数年と見つけられない可能性すらある。

それはもう死と同義だろう。


 でも、彼女にとって今までの人生を否定される事もそういった死と同義といえるのも分かっている。

それでも伝えるべきとやっぱり今でも感じるのは、私が生きている事そのものにそれ以上の価値があるとどこかで信じているからだろう。

1年、10年と生きると過去にどんなに悲しい事や辛い事があったとしても時間が解決してくれると、たとえ彼女にこれから憎まれたり恨まれたとしても死んでしまってはそこで終わりなのだと。


というかずっと同じ事を考えてるあたり自分でも思ったより、凹んでいるらしい。


「キュ」「キー!!」


 結局は自己満足の為に整理をつけていたところ、奥の方から何か聞こえる。

居たな。猿のような、でも猿とは違う鳴き声。複数いるうちの1匹が私が来たのに気が付いたようで、こちらに向かって走ってくる。


「キュキュ!」


 黒い生き物は足元まで近寄ってきたが、とくに攻撃してくる様子はない。

一応警戒しながら、それらの横をすり抜けて扉の方に近づく。

扉は閉まってしまっていたようで、この廊下からも出られず、元の場所に戻ることもできなかったのだろう。

急いでいたとはいえ申し訳ない。ポケットから鍵を取り出し扉を開けてやる。


「ほら、ここが元の場所だ。」

「キュ?」「キー」「キッッ」


 黒い生き物はドアから出ようとはせず、私の足元で遊んでいる。

ふむ、私が一度外に出ればついてくるか?ドアを出て、再度河原に足を出そうとした


「ソコはワタシタチのイエ、チガウ。ミチにマヨッテイル。ンダ」


一番大きな熊サイズの黒いそれが片言ではあるが喋った。


「喋れるのか。」

「シャベレル、ハナすコエ、キイテ、オボエた」

「頭いいな。それなら改めて言うがこっちに戻りなさい。」

「ジブンノ家、そノバショにナい。ナカマイナイ。オマエにニタ奴ガ、コイツなげた」


一番大きい奴は足元の一番小さい奴を指す。


「この世界は自分の世界ではない、ということで合ってるか?自分の場所がどこにあるかは分かるか?」

「ワカラナイ、コマッテル」

「なるほど、まずは一つ一つ確認する。ここへは私に似た奴にどうやって連れてこられたんだ?」

「オマエとオナジ、ドアないノニ、ドアカラ出てキタ。」

「ドアがない場所にドアが出来て、そこから出てきた?」

「ソウ、ドア、、ナカ、ニコイツナゲタ。ドアシマッた。」


 説明しづらそうだな。

いまいち細かい事は分からないが、もしこの黒いのがあの世界のモノではなく別の世界から来たというのであれば、本来の世界に戻してやるしかない。

だが、帰す世界が分からない。


「ふむ、お前たちは何を食べて生きているんだ?」

「ゴハン?ナンデモイイ、イシ。ミズ。ムシ。クサ。サカナ。ニク。」


雑食か、肉が主食の場合、人間を襲う可能性がある。

が、そもそも口はどこ?


「人間は?」

「ニンゲンダメ。コワイ。キライ。カタイ。マズイ。」


食べた事はあるらしい。


「帰る場所を探すことを手伝う代わりに、人間を絶対に襲わないと約束出来るか?」

「デキル。イエ、カエリダイ。」

「その小さい奴らもだぞ?」

「ワカッタ。コイツラニモイウ。」

「約束だぞ?破ったら、その辺に投げ出すからな。」

「ワカッタ。ゼッタイ。ヤクソク。」


 口約束だが、これ以上はどうしようもない。

もし襲うような事があれば、その時は殺すか本当に適当な世界に投げ出そう。


「分かった。着いておいで。」


 開けた扉をちゃんと閉めて、元来た来た道を戻る。

これも相談所の仕事とでも言って、和には説明しよう。

他の世界を移動できる人間は数少ない。その中でもドアを使った移動が出来るとすれば、恐らく知り合いだろう。

誰のケツを拭いているのか知らんが、流石に放っておくこともできない。

いきなり知らない世界に連れてこられて、生き抜く事はかなり大変なことだ。場所によってはすぐに命を落とすだろう。

誰でもいいが無責任というほかあるまい。


 黒いのは一番小さい奴が手のひらサイズで一番大きいのが熊ぐらい、計6匹。

手と足は人間のように5つの指がついているが体は上から下まで同じ太さ。全体がモフモフとした毛皮のようになっていて着ぐるみみたいだ。唯一頭の方に大きい目が一つ。

一番小さいのは一生懸命ついてこようとしているが、歩幅の短さから歩くのが大変そう、ほぼ走っている。一応、ゆっくり歩くが出口までまだまだ距離があるので、手を伸ばしてやると手のひらに乗ってきた。

手触りは猫や犬といった普通の動物の毛皮に近く、体温もあるようでやや暖かい。


「お前たちの名前は?」

「ナマエ?ナイ。タブン。コトバ、アノバショでハジメテ、シッタ。」

「そうか、言葉が違うもんな。お前たちの世界はどんな所?」

「イロイロ、イる。カタイ。クライ。モヤモヤ。」

「これは大変そうだな。探すのは頑張るが、手伝ってくれよ。」

「ワカッタ。アリガタイ」


そんなこんなと色々聞いてみるものの、具体的な情報が出てこないうちに出口のドアに着く。


「ここには私以外にも人間が何名か居る。最初は驚かれると思うが、絶対に襲わない事。

そして、出来るだけ6匹はみんなで一緒に動いてくれ。バラバラに動かれるとまた迷子になるぞ。」

「ワカッタ。オソワない。ミンナイッショにいル。」

「よし。」


 扉を開き、一先ず3階に上がる為に階段へ進むと地下からはまだ騒がしい声がする。

先に挨拶するにはあの三人ではハードルが高いので、和がいるであろう2階か3階に上がる。

2番目に小さい人の頭ぐらいのサイズの子ではちょっと階段が上りにくそうだったので、それを両手で抱えて、1番小さいのは肩に乗せた。

6匹と1人で階段を上がっていく。

大きいのは一番後ろからちゃんと5匹を確認しながら上がっているようで、一先ず暴れる様子もなく言う事をちゃんと聞いてくれている。

2階には誰も居なかった。そろそろ夕飯が出来る頃だろうし、3階か。


「おー、遅かったな。トラブルか?」

「いや、ちょっと別の事で、」


 和と目が合った。

ということは、同時に黒い生き物も見えている筈なのに和は特に気にする様子もなく、一目こちらを確認して再び鍋に視線を戻す。


「ふむ、これは予想より遠くの世界なのか。」


後ろからちゃんと着いてきた4匹を確認して、2番目に小さいのは床に降ろす。

ふむ。


「お前らは何個ぐらい扉を移動したか覚えているか?」

「?、ツギのドアで、コイツナゲた。」


2個目?の扉で3番目に小さい猫ぐらいのサイズの奴が投げられたらしい。


「さっきの場所に着くまでに、あの白い通路を何回見た?」

「ナンカイモ見た。・・・ゴメン、ナンカイ、オボエテナい」

「いや、気にしなくていい。」


 そもそも連れてきたやつが悪いのだから。覚えてないぐらいには何度も通ったのだろう。

大体、無意識に数えてるのは5回ぐらいまでだろう。6回以上は意識的に数えないと覚えている事は少ない。


「スズ?」

「あー・・和。今手が空いてる?」

「まぁ後はご飯が炊けるのと盛り付けるぐらいだな。」


 和には私が一人で話しているように見えているのだろう。不思議そうな顔でこちらに近づいてくる。

お互いに見えていなくても問題はないのかもしれないが、もしも暴れたり、連れ去られたり、どっか行ってしまったりした場合、私以外が見えていないと何かと対処に困る。

そして、黒い生き物の方も和が見えていないようだ。


「和。私の肩にはな、とある生き物が乗っているんだ。」

「ほう?」

「それは黒くて、一つ目をした生き物でな。」

「・・・・」

「この肩に乗った奴以外に、私の足元とここにもサイズがみんな違うがそれぞれ同じ奴がいる。計6匹。」

「はぁぁぁ?」


和は私の肩と足元やその周辺を細目にして見てきた。


「特になにも見えない、が・・・?」

「このぐらいで見えれば、まだ良かったんだけどな。更に遠いのか。」


溜息をつく。大きい奴はちょっと心配そうにこちらを見てくる。

目が一つだけでも表情が何となく分かるもんだな。


「逆に遠くから探せばいいさ。時間はかかるが必ず見つけるから安心しろ」

「アリガタイ」

「キキ!」


大きい奴にそう言ってやると、ちょっと嬉しそうにしているのがやっぱり分かる。

肩の奴も喜んでいる感じだ。小さくても言葉を理解しているようだ。


「スズ?」

「ああ。そういうわけで、ここには6匹の黒い生き物が居る。こいつらは私と同類かそれに近い奴に、元の世界から別の世界へ連れていかされて?放置されてしまっていたようで、同じ移動の仕方をする私に付いてきたんだ。」

「なるほど。それでその生き物を元の世界に戻す為に、一先ずここに連れてきたのか。黒い生き物と言っているが、人間ではないんだろう?こちらに危害が及ぶ可能性は?」

「一応言葉は片言だけどコミュニケーションをとる事が出来る。あと人間を襲ったりしないようにとは言っている」

「オソワナイ。ヤクソク」

「という事だ」

「いや、聞こえないから。まぁスズが判断したのであれば良いけど、見えない以上俺たちは何も出来ないし放っておくしかないんだけど。」

「世界が離れていれば離れているほど、無いと等しい存在になる。つまり本来は感知・関与ができないので、その存在すらお互いに認知することが出来ない。」

「スズが前に言っていた俺が知る5つの世界以外の世界の距離か。」


目の前の椅子に座り、大きい奴にも隣に座るよう促す。

その様子を見て、他の奴もそれぞれテーブルやら足元やら適当に場所を見つけていく。


「あまり話す機会が無かったから、ほぼ初めてになるな。触れる事が無いに越したことはないし、本来違う世界の生き物だ。知る必要がない。」

「たしかに」

「でも誰か分からないが私の同類のせいでこいつらは困っているんだ。だから今回はそいつの尻ぬぐいも含め、帰る場所を探そうと思う。」

「なるほどね。」


和は黒い奴が座っている椅子から私を挟んで反対側に座る。


「今回こいつらは本来関わる事のないこの世界にいる。そして、本当の世界を見つけるまでしばらく時間がかかると思う。つまりこの世界の飯を食したり、水を飲んだり、寝たりしながらこの世界の時間を暫くは生きる事になる。」

「つまり?」

「別の世界の生き物であろうと、少しづつその世界に関与していくことで、その世界に馴染んでいく。つまりは暫くすればお互いに見えてくる筈だ。」

「へぇ、そうなのか。黒くて大きいのか?」

「お互いの挨拶はその時にするとして、一先ずこの生き物について見る前に説明すると、全部で6匹居てサイズは一番大きいのが今はこっちに座っているやつだ。大体、雄の日本熊ぐらいで私よりはデカい。その次に私より一回り小さいのが居て、次がちょっと大きめの犬サイズ。次が猫。次がこれぐらい。で最後に一番小さいのが私の肩に乗っている。見た目は真っ黒の毛をしていて、全身真っ黒。目は一つ。手と足があって、それ以外は見当たらないが、そういえば口はどこだ?」


一番大きい奴に聞いてみる。


「ンア、口、ココ」


大きいのは目の下の黒い毛の間から目のサイズより半分ぐらいの口を開ける。歯があるな。

一番大きい奴なら、私の頭くらいは入りそうだ。


「分かった。急に見えても驚かないようにみんなには言っておく。」

「宜しく。後はさっきも言ったが基本的に知性があって一番大きい奴とは会話も出来る。」

「あー飯とかは?」

「そうだった。飯は何でも食べるらしい」

「ウン」

「じゃあ、一先ず冷蔵庫にあるもので適当に用意する。それ以外の事は見えていない内はどうしようも無いから、そっちで適当に決めてくれ。」

「はーい」


 トイレや飲み物等を適当に用意や説明して、今座っている階段の正面にあるダイニングテーブルがある場所とは階段を挟んで反対側にある、畳がある方のリビングで暫く6匹過ごしてもらう事にした。見慣れない景色にキョロキョロしてはいるが特に問題はなさそうだし、何かあればこのボタンを押すようにと私のスマホが鳴るように設定したボタンを机の上に置く。


 そういえばミーティングの事をすっかり忘れていた。ミーティング10分前のアラームがスマホから鳴る。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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