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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 境界に立つ者たち
80/81

疑問:因縁がある人が多すぎない?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

庭に誰か来たと思った瞬間。


――ガラスの割れるような音がした。


割れる音は、アルファーさんの結界が破られたとイザベルが言う。


「アルファーさん・・・」

「あぁ。ミランダとカイルは出かけているから、他に連絡できる場所はあるか?」


「・・・・一つ聞いてます。」

「そうか。じゃあダメそうならそいつに連絡しろ。」


もう一つの連絡先。

確か、知らない女性の名前だった。


アルファーさんは、ダメそうならって言うけど…

何かあってからよりも、今すぐに連絡したらダメなんだろうか。


もう1か月以上ここで過ごさせてもらった場所。

もしもアルファーさんやカカさんに何かあってからでは嫌。


アルファーさんはリビングを抜け玄関から、庭へ出ていった。


「…よぉ久しぶりじゃねぇか。本当にその面のままなんだな。」

「形跡を無事に辿れて良かったよ。折角だから、伝言じゃなくて直接顔を見たくなった。」


今日の夢に出てきた男の人――アディール・クラーレン


世界の消滅を初めて起こした魔法使い。


リビングの窓から様子をみる。


「だが、お前は長居はできないだろう?残念だな。ゆっくり酒を交わす時間もねぇ。」

「そうだな。この世界への入室が感知されたことは確かだろう。現にお前も気が付いていたみたいだしね。」


「…そうだな。うさんくせぇ匂いがしたぜ。」

「言っておくけど、そこの娘は守っておいても良い事はないだろう。この際だから、渡してもらえないだろうか?」

「それはいけねぇな。俺の数少ない酒飲み友達なんでな。」


–バリバリィ!!


そんな話をしていたと思ったのに、何がきっかけになったのか光が走り出した。

アルファーさんは背後から光の玉のようなものを大量に出した。


と思った時には、雷のような光がアディール・クラーレンの方へ走った。


そんな状況なのに、クラーレンは全く驚くことも動じることもない。


何か変な感じ…


恐怖も焦りも、反射みたいなものすら――表に出ない。

顔はそこにあるのに、感情の“面”だけが抜け落ちているみたい。


クラーレンは、ゆっくりと手を上げた。

その動きは、避けるというより

「そうなることを最初から知っている」

みたいに迷いがない。


雷の光は、壁の様なものに弾かれ、クラーレンに届かない。

更にいくつもの雷が追撃する光景は、いつものんびり過ごしていた庭ではなく戦場と化してしまっている。


「ミナ。私はアルファー様の補助に入りますので、あなたは逃げる準備を。」


庭の光景に圧倒されていたら、後ろからカカさんが声をかけて来た。


「連絡先に電話はできますか?」

「…はい。分かりました。」

「その方がどなたかは存じませんが、もし逃げる場合には、あちらの裏口よりお願いします。」


裏口――廊下の突き当たりで、庭と反対側にある。


そういうと、カカさんがいつも身に着けていた毛布を脱ぐ。


その姿に目が留まる。

火傷を負ったような爛れた皮膚。

それが全身を覆っていた。


「見苦しい姿で申し訳ありません。それでは失礼致します。」


驚く私に視線を合わせ、そういうと静かに玄関の方へ向かっていった。


「梓。電話番号は?」

「あ・・・うん。」


止まってしまっていた私にイザベルが促す。

そうだ。

驚いてる場合じゃない。


アディール・クラーレンの話の通りなら、私がここにいても意味がないし、むしろ二人を危険に晒していることになる。


外ではずっと大きな音が、けたたましく鳴り続けている。

今はまだアディール・クラーレンは、アルファーさんの様々な魔法をずっと防御している様子だけど、何が起こるのか私ではまったく予想がつかない。


二人が怪我をするぐらいなら、早くここを…


とにかくスマホを手に取る。

ここに来てから、チャットをたまに見るくらいしか使っていなかったけど、最初にスズに貰った電話番号はスマホに登録していたので、そのリストの中から『エリーザ・グラッツェル』を探す。


少し前に、この名前についてイザベルに確認したところ、昔の大魔法使いと呼べるぐらい有名な方で、大学の学長等もしていた凄い実績のある女性との事。

そんな人と何故スズが知り合いかは今は考える余裕がない。


すぐに電話をとってくれるだろうか・・・


–プルルルル


–プルルルル


–プルル


『・・・はい。どちらさんかしら?』


「あ!あの!私は・・・。えーと山本梓!あ!違います。ミズメと言いまして・・・あの、スズ?サーズ?に、何かあった時にこちらの番号に連絡をするように頂いていたのですが・・・!あの、急なご連絡ですみません!」


無事に電話を取ってもらえたのは良いけど、何を言えばいいのかまったく考えてなかった。

こんな時なのに、イザベルも少し呆れ顔をしている気がする。


『スズ?・・・サーズ・・・・・・あー。スーね。これはこれは、懐かしい名前を聞いた。今さらこんな老いぼれを頼るとはね。それだけ手が足りないって事なのかしら?・・・それで?私はどうすればいいのかな?ミズメさん?』


「…えっと。そうですよね。あの、私は、今アルファー・ギッシュさんという方の家でお世話になっているのですが・・・その」


『おや?今ギッシュのところにいるのかい。あの爺でもどうにかならないって事かな?・・・これは落ち着いてる場合じゃ、なさそうだね。』


「どうにか・・・は分かりません。そ、それで、今、多分アディール・クラーレンっていう人とアルファーさんが庭で戦っていて・・・。」


『・・・・・・アディール・クラーレン?』


電話からの声のトーンが、変わった気がした。


『はぁ・・・・・魔法省の戯言だと思っていたよ。本当にまだいるのかい・・・・・。ひとまずなんとなくの状況は分かったよ。あの爺の家だから、場所は分かると思うけども、念の為に確認するから、この電話はそのまま繋げた状態にしておいて貰えるかな?』


「わ!わかりました!」


その言葉を最後に、電話口は途切れた。

私は言われた通り通話を繋いだまま、庭へ視線を戻す。


白い光がバチバチと弾けている。

……さっきより、種類が増えてる。


目まぐるしい閃光の向こう。

アディール・クラーレンのそばに、影が立った。


紫色のスーツ――


――あれは、死神?


原色に近い濃い紫。

以前会ったガルシアさんと同じ系統だ。

男の足元から、真っ黒い影が伸びる。


アルファーへ一直線。


届いた瞬間――影の中から、針のようなものが跳ねた。


「!!アル・・・!!!!」

「梓。身を出さないで!」


窓に身を乗り出しかけた私を、イザベルが引き止める。


アルファーさんは“爺”と呼ばれる。年齢は800に近い――と聞いた。

……なのに。


針を軽々と避ける。跳ぶ。跳ねる。

影の追いかけっこみたいに、トントンと逃げる。

着地して何かを呟いた瞬間、追ってきた影が――何かに弾かれた。


結界? さっきのクラーレンみたいに?


その隙を埋めるように、カカさんが刃のような風魔法をいくつも放つ。

アディールと死神へ。


致命打に届かないまま、交戦だけが続く。


「!」


死神の男の人と目が合った気がした。


……その瞬間、背中が冷たくなる。


ただ見られた、じゃない。

“私を確認された”――そんな感じがした。

値踏みというより、確認。

まるで名簿と私を突き合わせているみたいに。


「はっはっはっ!!これで終わりじゃねぇだろう?さてさて、お前は何をするんだ?クラーレン!」


アルファーさんの煽る声が聞こえる。

こちらとしては、そんな事より早く終わって欲しいのに、アルファーさんは楽しそうな雰囲気すらある。


「さっきから何を壁に使ってんだ?魔法が使えないなら、他に手段があるんだろう!!見せてみろ!」


「まったくお前は、そろそろ死にかけの老いぼれだろう。無駄に身軽に動き過ぎだ。ブラッド。あの後ろの女をやれ。」

「…分かった。」

「させるかよ!」


カカさんが狙われる!?

壁から再び庭をのぞく――眩しい!


庭が光ってる!


…なんだろう?


「おうおう!俺とスズや仲間たちと、酔いに酔って誰にも真似できねぇぐらい細かい一級品だ!!」


庭は既に真っ白と言えるほどに明るく光っているというのに、アルファーのテンションが上がっていく声に反応するように更に明るく光っていく。


「はっは!たまには豪勢に行こうじゃねぇか!!!!」


「・・・・・・・・なんだ?」


庭全体が真っ白。

既に目も開けられないぐらいの中、庭にある色々なモノも一緒に光る。


物だけでなく生えている草や花。


本当に全てが自分から光を放っている。


――音が消えた。


それらの光全てが勢いよく一点に集まる。

光はビー玉ぐらいに収束していく。


――と思った瞬間に、目の前がもう何も見えなくなる。


あまりの光の眩しさに壁に隠れようとした。


が、収束した光が、音よりも早くアディール・クラーレンへ放たれた。


–ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


「・・・・・・な・・・・・。属性がない・・・?・・・・・なんだ?」


「まぁ人間じゃねぇよな。・・・全く。どうやって生きてんだお前。」


大きな音と土煙を上げた場所に人影が残っている。


そこに残ったアディール・クラーレンの体は半分が焼かれたようになくなっていた。


だけどおかしい。

さっき感じた“生き物っぽさの無さ”が、いま形になって目の前に出てきた。


血が出ないし・・・


なんで生きてるの・・・?


さっきの大きな魔法を起動させたせいなのか、アルファーの背中が揺らついた。

それを見逃さず、死神の男がアルファーへ近寄る。

影から飛び出した斧を振り上げる。

カカさんが動く。


「アルファ・・・!」

「あぶな!!!」


–カキーン


「ブラッド・オルティース!」

「・・・・・・ガルシア!!!」


身長と同じぐらいの髪が、扇のように目の前に広がった。


どこから現れたのか死神の男の前に、ガルシアさんが現れ、斧を鎌で弾いた。


「お前の事は、スズからも聞いていたからな。この魔法使いの結界が壊された場合には、お前も出てくる可能性があると。」


「な!!!!くっそ!!!」


「行かせるか!」


死神の男は、斧が弾かれた勢いのまま、後ろへ下がり逃げようとした。

それを、ガルシアさんの足元から広がった影が紐の様に伸び、巻き付こうとした。



–キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ



「「「「!!!!!」」」」


高い音が鳴り響く。

あまりの大きさに耳を塞ぐ。


–キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ


とにかく精一杯の力で耳を塞いでいるのに、それでも音が頭の中を反響する。

耳じゃなく、骨の内側を掻き鳴らす音だった。

周りを気にする事もできずに、とにかく耳を塞ぐ。


ど、どうなってるの!?


僅かに開けた視界には、イザベルも耳を塞いでる様子と、その中で私にできるだけ近づいてきてくれている。


–キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ


音が鳴りやまない!


–ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ



–カーン!


「!!」


木の音が響いた。


さっきまでの大きな音がその途端に消える。


でも響きすぎて、まだ耳の中に残ってる。


頭が痛い・・・


・・・みんなは、どうなったの?


頭を押さえながら、窓の外を見る。


「・・・あぁー逃げられちまったか。」

「すみません、割り入ったのにお力になれず・・・。」


アルファーとカカさん。

そしてガルシアさんの姿だけが残り、あの二人はいなくなってしまった。


「おやおや。爺老けたんじゃないかい?」


「…あ?なんでお前がここにいる?」

「そこの娘に呼ばれてね。」

「あぁーなるほど。スズがもしもの連絡先にしたのは、お前だったのか。そりゃあ無難だな。」


声と共にアルファーさんの視線の先を見上げると、上から女性が風に乗っているようにゆっくり降りてきた。


見た目の年齢は、アルファーさんに近いみたい?

40代後半から50代ぐらいの女性。


だけど、身だしなみがかなりキッチリしていて、まるで学校の先生みたい。


あ。

そっか、エリーザさんが来てくださったんだ・・・

さっき電話していたばかりなのに、色々な光景が凄すぎてすっかり抜けてしまっていた。

スマホを確認すれば、電話はいつの間にか切れていた。


そして、エリーザさんと思われる女性の後ろからも、何名か魔法使いが付いてきた。


「ギッシュさん!大丈夫ですか!?」

「アディール・クラーレンは?」

「お怪我は!?」

「何があったんですか!?」


「知らん知らん。痕跡を追え、お前らの仕事だろう。」

「は!はい!!すみません。ご無事でなによりです。」


ひ、ひとまずは・・・どうにかなったって事なんだよね?


アルファーさんの力の抜けた表情を見て、ようやく安心が後からやってきた気がする。

はぁぁぁぁ・・・・・・

とにかく良かった・・・

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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