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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 境界に立つ者たち
76/83

疑問:見えないモノに追いつけない?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

ん?


アルファーさんの家の外壁を背中に、庭でイザベルに薬草について教えてもらっていると、家の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

というか、私が来てもう1ヵ月するけど、この家へ訪問者が来ることは殆ど見たことがない。

一度だけ、変なおじさんが来たけど、カカさんに「面倒なので部屋から出ない方がいいですよ」って言われて、下で始まる飲み会の声だけ聞いたことがあるけど、それぐらい。


この声は…


「ん?・・・あぁ!頭固男か。よく来たな。入りな。」

「・・・頭固男。こ、こんにちは、初めましてアルファー・ギッシュさん。」

「おお。かてぇかてぇ。あいつと同じアルフとでも、ミナちゃんと同じアルファーでも、適当に呼んでくれ。」


「…分かりました。アルファーさん。・・えーと、ミズメ?さんはいますか?」

「おう。今カカが呼びに行っただろう。ちょっと待ちながら、付き合え。」

「・・・こんな時間からお酒ですか。」


–カチャ


縁側の戸が開いて、庭に面した出入口からカカさんが顔を出した。


やっぱりこの声、和さんだ。

イザベルも気が付いたようで、薬草を片付けて一緒に家の中へ戻る。


薬草にも色々あるんだなぁ・・・。


「こんにちは!和さん?カイルさん・・・?」

「あ。ミズメさんお元気そうでよかったです。呼び方はどっちでも良いですよ。」

「おう来たか。挨拶に一杯やろうとしてるところだ。」


「まーた、飲んでるんですかー?」

「俺の飲み物といったらこれよー。で?まぁミナちゃんのお迎えってことでいいのか?」


「・・・あ。いえ、実はもう少しだけ、お願いできないかと思って、今日はご相談に来ました。」


リビングのテーブルを挟んでアルファーさんと和さんが向かい、私とイザベルは端に並んで腰を下ろした。


あれ?


私もちょっとだけ、帰れるものだと思ってた・・・


何かあったのかな?

こないだの日向達の不穏なメッセージを思い出す。


和「ひとまず区切りにして一旦帰る。」


日向「今どこにいるの?」

秀人「帰ってきて。」


和「?なんだ?分かった。ドアから行く。」


そんな感じのちょっとしたやりとり。


この時は、やっと帰れるのかな?

って思った程度だったのだけど、ちょっとのどに骨が残っている様な感じが残った。

あんまり焦っている感じのメッセージじゃなかったし、もしかしたら気にし過ぎなだけかもしれないとも思った。


でも、どこかいつもと文章の雰囲気が違うとなんとなく――そう感じたんだよね。


「まー俺は構わねぇけどよ、ミナちゃんベルちゃんはいいのか?この娘ら、だいぶ寂しそうにしてたぞー。」


「・・・そうですよね。長くなってしまい、本当にすみません。ミズメさん。イザベル。」


「え!あ!ちょっとこないだ飲んだ時に、つぶやいただけです!気にしないでください!

色々ここに来て知らなかったことも勉強できているので、相談所に戻るタイミングは和さん達が、落ち着いた時で大丈夫ですよ!」


そして、もう一つ気になっていることがある。


「でも・・あの・・・」


ここしばらくの間、顔も見せなくなってる…


「すみません・・。どうしました?」


「・・・スズ。何かありました?」


「あー・・・いえ、そうですよね。しばらく来てなかったですもんね。

あいつは、いつも通りスケジュールをそのまま回してたみたいで、睡眠不足が重なっていたから、今は無理やり寝かせてるだけですよ。」


和さんも目の下の隈が濃い。苛立っているというより、限界に近い顔だった。


「あぁ・・・やっぱり。それならいいんですが・・・分かりました!

アルファーさんが大丈夫でしたら、もうしばらくこちらに、お邪魔させて頂きます。」


「おう。分かった分かった。ところで頭固男!お前次来る時は、酒を頼むぞー。俺の好みはスズが知ってるだろ。」

「…そうですね。急だったので何も持って来てなくて、すみませんでした。次回持ってきますんね。」


アルファーさんの目的は、やっぱりそこなんだろうなぁ。


「ところでアルファーさん。まだ開通状態ではなく、開通場所を押さえた状態で悪魔の世界にも交渉人のドアで、行ける可能性が出てきたんですが…。

その際、悪魔側からはこっち側に来られないようにする良さそうな方法って思いつきますか?」


「ああん?悪魔ぁ?なんで、そこと繋がっちまうんだ?」


「…先日発見したブルース・フォーラスが、逃げた先がそこだったんです。やっと居場所を特定した際に、世界の確認が取れたんですが・・・。」


「なるほどなぁ・・・。そりゃあお前・・・やめた方が良い。スズからそういうことは、聞いてないのか?」

「多少は聞いてます。ですがその時に聞いたのは、彼らの生体情報を中心にしていて、彼らへの対処法等は、あまり詳しくは伺っていません・・・。」


悪魔の世界・・・見つけたんだ。


和さんが、最初に教えてくれた時の大きな世界は5つだった。


基本世界。魔法世界。怪異世界。そして、天国と地獄。


それ以外は、あまり分かっていないっていうことだった。

ってことは、今回魔法世界としての、新たに分かった世界であると同時に・・・よりにもよって悪魔の世界になる。


それはスズからの話を聞く限りでは・・・かなり危険なことになりかねない気がする。


「俺もスズからの情報を元にしてることだが、あいつらは俺たちや基本世界のような、ただの生き物じゃない。

神を根源にし、それが敵対するものってことで、別れた呼び方を一律に悪魔と呼んでいるだけだそうだ。

つまりは元々は神に等しく近い。あるいは、そのものの存在だってことになるだろうなぁ。

神の力はたまに見かけることもあるが、魔法では通用しないモノだ。」


神の力。

魔法では通用しない…。


「だが、あいつらには神力そのもののエネルギーは基本的に絶たれ、神の作った創造物である人間の欲求を力にしているともいう。

それが全く別のモノなのかどうかは、正直俺には分からんが、悪魔の力に対抗できるのは神や天使の力とも言われている。」


悪魔に対抗できるのは、神様や天使の力・・・だけ?


「だから、アディール・クラーレンが、過去に契約していた悪魔を消滅させる時には、スズの手を借りて、大天使の世話になった。これはあまり、公にするべき情報ではないって言って、ミランダあたりは秘匿情報にしているらしいが。」


「…つまりもし繋げてしまえば、魔法世界ではほぼ対応はできないと考えていいのでしょうか?」

「ああ。まーず無理だと思うぞ。魔法世界の滅亡をしたいなら、おすすめだがな。」


なんという、ブラックジョーク。

でも、恐らく和さんも予想はしていたのだろう、あまり大きな驚きは見られなかった。

現状、フォーラスの人達がいる場所だから、どうにかする方法を探してるってことなのかもしれない。


「だからな、対抗手段の方ではなく考えるとするなら、そんな種族と契約をしてるようなら、フォーラスは契約の報酬を何にしてるかが問題だな。」


「・・・・契約の報酬は、自分以外も指定できるん・・・・すか?」


ん?


「と。俺はスズから聞いているな。召喚時の報酬や契約を果たした時の報酬。

いずれにしても他者を褒美にする場合もあれば、自分を最後の報酬にすることもあるとのことだ。

フォーラスには魔法世界に来る手段がある筈だ。それを契約を果たした際の報酬対象として、選ぶ可能性も大いにあると思わねぇか?」


「あー・・・・・そうっすね。先日、ブルース・フォーラスに会った時は、また世界の消滅を匂わせることを、あの野郎。わざわざ言ってきやがったんで・・・放っておけないことには変わりねぇと思ってますが。」

「まぁさっきの俺の話についてはな、もしも報酬を魔法世界の人間にしている場合は、この世界にあいつらを入れないようにすれば、あいつらは報酬の提供ができないってことで、勝手に自滅すればいいなぁーって話だな!はっはっ!」


「あぁー。それなら一番楽だな。・・・でもそれってフォーラスの目的を悪魔が、既に果たしていることが前提じゃねぇの?」

「はっは!それな。」


そういえば、ブルースって誰だろう?

フォーラスの人ってことだから、ブライアンの家族にあたる人?


それを口にする和さんは、なんとなくブライアンの時以上に、凄い嫌そうに言ってる感じがする・・・


そして・・・どんどん口が悪くなっていく和さん。


これ、もしかしなくても酔ってる・・・?

まだ1杯だと思うけど、スズが前に言ってた気がする。

それでも思った以上にお酒に弱いのかもしれない。


「・・・まぁ・・・とにかく開通については、ちょっとストップ。検討しねぇように言っておく。」

「そーだな。まぁこっちは気にすんな。しばらく滞在するってんなら、どうせならミナちゃんとベルちゃんには、色々と叩きこんでおいてやるよ。はっはっはっ。」

「え?マジっすか。アルファーさんに、俺も習ってみたかった・・。」

「おお?俺は構わねぇよ。おめぇさんも、なかなか面白い男だな!何度か、連れてこいって言ってもスズが連れてこねぇからなぁ!こないだも言ったところだったな。」


「あぁ・・・あれっすね。俺がマジ、酒あんま得意じゃねぇからってことだろうな・・・。じゃあとにかく二人はしばらくおねしゃす。また早めに、連絡するんで・・・」


あれって・・・帰れるのかな?

ソファから揺ら付きながら立ち上がった和さんを、カカさんが支えられながらドアに向かって出て行ってしまった。


「…アルファーさん。わざわざ度数高いの渡しました?」

「いやぁ。ありゃ下戸だな。」

「ねぇ。・・・あのまま返してよかったの?」


そういえば、気になっていた肝心の、何があったのかについては分からずじまい。


何があったんだろう・・・


胸の奥に、小さな雲が居座ったままだった。


「悪魔の世界に繋ぐのは、とにかくやめた方がいいだろうな。」

「そうでしょうね。そういえば、フォーラス事件は私も分かっているけど、結局世界の消滅って何が起きるの?」


!!


「あ?なんだ?聞いてないのか?」

「そりゃあ。言葉通りには聞いてるわよ。世界が消えるんでしょ?」

「いったい今の学校では、何を教えてるんだ?」


イザベルの質問は、私も凄く気になっていた。

フォーラス家が起こした事件や昔起きた大きな事件。

でも、結局何がおこったのかは、あんまりよく分かっていない。


「世界の消滅ってのは、世界で戦争が起きて、そこに住んでいた生き物が滅亡するって意味じゃねぇよ?」


違うんだ…。


「最初から存在しなかったことになるって意味だ。住んでいた生き物も、歴史も、文化も知識も、全部がなかったことになる。」


「は?歴史から消えるってこと?」

「そういうことだ。簡単に言えば、その世界を生み出した“作成者”の魂が消えると、世界そのものも消える。作成者が存在を支える限り、世界は続くんだ。」


作成者が消えると、世界が消える。


「魔法の世界というものも、基本世界からはそういうイメージに近いんじゃないか?魔法を使える人間という、基本世界の人間からはあり得ないと思う、空想のイメージ。俺たちなら怪異の世界がそう感じられる魔法使いが多いかもしれないな。」


空想のイメージ。

いわゆるファンタジーやSFと言われる漫画や小説の世界ってことかな?


「魔法世界の場合は、その作成者は複数に存在するが、中には作成者が限られる世界もあるらしい。その世界を消滅させるには…。」

「・・・作成者を殺せば消えるってこと?」


作成者の話があったから、私もイザベルが言う通りそういう発想に辿り着いてしまった。


「ただ殺せば良いって話じゃねぇな。魂の消滅が必要らしい。つまり生まれ変わることなく、消えてなくなるってことだな。」

「魂ってそんな簡単に消える物なの?」


魂の消滅。

確かにそれは、作成者を殺すよりもよく分からない感じがする。


「簡単じゃねぇだろなぁ。そんな簡単ならこんな大きな事件にもならねぇし、もっと起きてると思わねぇか?」

「・・・そうねぇ。でもそれを実現させたってことよね?」

「そうだな。俺たち魔法使いじゃあ認知できねぇが、walkerや他の神に近い存在が認知した。」


フォーラス家やその昔の人が、魂を消すことができた?


「認知できない?なんでよ?世界が消えたら分かるでしょ?」

「細かいことは俺もしらん。世界が消えるってことは、存在していた知識も消えるんだと。妖怪の世界が消えたら、妖怪という言葉も消えるってことなんだろうな。」


知識や言葉が消えてしまえば、それが消えたことに気が付かないってこと?


「俺たちは“消えた後の世界”しか知らねぇんだよ。」


部屋の時間だけ、誰かに一度止められたみたいだった。


私達は・・・既に消されてしまった世界を知らない?


「・・・どうやってその魂が作成者だって分かるのよ?」

「知らねぇな。死神とか、知っている奴から聞いたんだろ。」

「ふーん。魂が消滅できるって、意味不明ね。」

「あぁ。アディール・クラーレンは意味不明じゃねぇ。理解できたら、俺たちも同類ってことだ。」


そっか。

最初にそれを見つけた?

やったその人は、確かに意味が分からない。

なんで世界を消そうと思ったのか、そもそも魂もどうやって消したのか。

とにかく、そこには普通では見えない、なにか大きな壁のようなものが立ちはだかってみえる。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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