答え:念の過ぐるは無念極まり
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
梓達を送り、地下に戻った。
今は様子を見るしかないかな。
さっき圭の方も確認に行ったけど、カルの方で、もう一人の狐とも話している最中らしい。
すぐにどうこうなる気配はないとのことだった。
それにまさか、ウーノ達を見送る流れの中でブルースやアディールに会うことになるなんて、さすがに想像もしていなかった。
一度頭の中を整えたい。
和と梓がいない以上、既に入っているスケジュールは、そのまま消化してしまった方が早いだろう。
個人相談は臨時休暇を入れておけば問題ない。
まずは・・・
悪魔の方をどうするか。
どうせ避けて通れない問題だ。
ガゼルと契約することになるなら・・・
んー・・・
今日は移動が多すぎた。
さすがに疲労が深い。
ソファに体を預けると、沈むというより、重さを思い出したみたいだった。
重力に逆らう理由を、体がもう手放している。
あとは・・・
確認しておきたい世界が、いくつか浮かんできている。
そのどこから・・・
–キィ
――今のは、通路の扉じゃない。
それでも胸の奥に、小さな棘が引っかかったままになる。
見ろ、と何かが静かに促している。
またブライアンか何か・・・?
どうやら体はまだ少しは動く。
今日は何度となく通ることになった、あの扉を確認しに近づく。
扉は閉まっている。
じゃあ、今の音は何だった?
他の扉の音?
…いや。
理由は分からないのに、通路の扉が気になって仕方がない。
ドアノブに手をかける。
ゆっくりと回す。
「なんで?」
扉の向こうには、白い通路が続いていた。
鍵は差していない。
本来ならただの物置部屋のはずだ。
アルフに梓達を預けた後、この通路は外したはずなのに。
…疲れて、記憶が曖昧になっているのか?
気づけば、通路の中へ足を踏み入れていた。
床に足音が吸い込まれていく。
元の設置のままなら、アルフの家へ繋がる出口の前に着くはずだ。
――嫌な予感がしている
いつからだろう。
今日、どこかで同じ感覚を味わった気がする。
ドアノブに手をかける。
扉を開く。
そこに広がるのは――
白。
通路と同じ、境界のない白い空間。
何故?
繋げた覚えもない。
ましてや絶対につなげる筈もない場所。
イヴが私を閉じ込める為だけに作った世界。
ダメだ。
戻ろう。
呼吸が浅くなる。
肺が空気の重さを思い出せない。
ここには・・・入りたくない。
扉を閉めて振り返る。
振り返ったはずだった。
もともと来た通路のはずなのに――目の前に、また扉がある。
なんで……?
もう一度振り返る。
世界に入る前の扉が――ない。
「…なんで」
再び扉に向き直る。
ここから出ないといけない。
ここに居続けたくない。
ドアノブを回す。
開かない。
押す。
引く。
鍵を・・・鍵は?
必ずポケットにある鍵の感触がない。
・・・・・・・・・・
何が起こってる?
魔法?
悪魔?
呪い?
もう、振り返る気が起きない。
ここが本当にあの場所なら――
どうせ何もない。
何も聞こえない。
ただの――白い世界。
「!!」
息が跳ねる。
ここは?
どこだ?
自分の呼吸音がうるさい。
地下の自室。
ソファの上。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・・はぁはぁはぁ・・・・・」
…夢、だったはずだ。
ただの夢・・・・
あれは夢だった。
夢。
そう思っているのに、肺が現実を受け入れるのに時間がかかる。
「はぁはぁはぁ・・・・・」
息が整わない。
一度止める。
「・・・・・・・・ふっ・・・・・・・はぁぁ。」
とにかく落ち着くしかない。
結局は自分の問題だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・はは。」
白い世界では感覚が削られていく。
上下も時間も消える。
立っているのか、座っているのかすら曖昧になる。
代わりに、自分の内側の音だけがやけに大きくなる。
考えられているうちはまだいい。
それすら消えると――
音が歪み、色が滲み始める。
「・・・・・う・・・・・はは。やめよ。」
時計を見る。
帰ってからまだ三十分も経っていない。
もう一度寝る?
……無理だな。
いや、ちょっと走ろう。
体は疲れ切っているのだけど、今は何かしないと寝られる気がしない。
「スズ?帰って来たの?」
「おかえり?」
「…あぁ。夕飯は大丈夫そう?何かつくる?」
「ううん。大丈夫。それより大丈夫?」
「・・・ちょっと顔色悪いよ?」
「うーん。夢見が悪かった。少し走って来る。」
「分かった・・・ちゃんと休んでね。」
「何かあったら言ってね。」
「ありがとう。二人もおやすみ。」
ヒナとヒデは多分階段で、待っていたのだろう。
あの後から二人にも、何も起きていなさそうだったし良かった。
玄関を出る。
冷たい空気が頬を叩く。
走り出す。
足が地面に触れるたび、現実に戻ってくる感覚がする。
「!」
まだ右側の感覚が甘い。
時々バランスを崩しそうになる。
早く慣れないと。
朝作ってもらった障害物を抜けながら走る。
呼吸で頭の中の霧を押し出すみたいに。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
障害物を通り過ぎ、庭全体を大きく回る。
池を横切り建物の裏の方。
そしてウーノ達が作ったビニールハウスのある畑と物置小屋。
一周して再度障害物の方へ。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
走っている間は、かなり余裕があるぐらいゆっくりな速度でない限り、深く考え事をすることはしづらくなる。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
私は体力があるわけじゃない。
それはこの体だけじゃなく、いつも比較的小柄な女性として生まれる事が、主な理由だろう。
たまに生まれ変わった個体によっては、体力がある時もあるが、ほとんどは持久力を上げる方に、重きを置いて体を鍛えても、あまり体力は上がらない。
それならと基本的には、瞬発力の方を優先して、体づくりをする。
だから、こうして速めに走り続けていれば、数時間もすれば体力が切れる。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
和がどのぐらいで戻って来るかは分からないが、一応お互い連絡は取り合っているし
爺の方も問題なさそうだから、和の方ものぞきつつ、どちらも2~3日毎ぐらいで、顔を出せばいいだろう。
ヒナとヒデも薫の加護もあるし、圭にも事情を説明して様子を見て欲しいと伝えている。
狐の方も結局は脅されているという事もあり、急に暴れるような気配は薄いそうだ。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
狐の当初の目的は、梓だと言っていた。
その際の連れ去ろうとしていた扉の先が、アディール・クラーレンだったことからも、一応アディールもイヴの魂目当てに梓を
狙っているという認識では、ひとまず問題ないだろう。
だが、アディールとフォーラスは連携性がみえない。
今回はブルースと動いていたようだが、ブルースはドワーフをさらうのが目的だったようだし、私達が来ることを知らなかった様子。
ましてやなんでブライアンではなく、今回はブルースだったのだろう?
こちらはブルースが生きている事は、今回の接触が無ければ、不明瞭なままだった。
その方がブルースにとっても、顔が割れておらず動きやすかっただろう。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
何かあったか?
時間がない?
フォーラス内でも連携不足?
まぁこの辺は本人に聞かないと分からないか。
恐らくはどちらも梓を狙っている以上、フィーのところにあるであろう、山本梓の魂も探している筈。
フィーの・・・イヴの世界は場所が分からない。
私個人で行くのは、今日行った妖精側に位置するあの小さい小屋ぐらい。
それ以外はイヴがたまに誘ってくる時に、行くことがある程度だったから、私自身ではイヴの世界を殆ど知らない。
あの庭園も基本的には、イヴとフィーぐらいしか元々行かなかった。
そして行く時も通路を使ったものではなく、イヴが独自で世界の鍵を決めて、それを持つモノまたは歓迎された時しか入れなかった。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
通路でしか移動ができないのに、通路での移動方法を持たないのだとしたら、どうやって移動していたのだろうか・・・。
どこかの世界に入口がある?
・・・・
どこの世界に?
イヴの世界同士が繋がってできているのなら、ある意味納得がいく気がする。
書物に記載のある世界の中で、私が行ける世界からそういった入口を探す?
流石に広すぎるし、ヒントが無さすぎるか・・・
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
怪異の世界もそうであるように、片道にキーワードがある場合もある。
その一つ一つキーワードを探して、フィーの世界を探すには、いくらなんでも時間がかかりすぎるだろう。
だが、フィーもそこまで無茶苦茶な事を言わないような気がする。
多分、私が何かを見落としている。
電車にウーノの同族がいたように、見るべき場所を見逃している可能性がある。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
イヴ関連。
そうなるとやっぱりあの書物を、一つ一つじっくり見て行った方が、例え書物に情報がなかったとしても、思い出すことがあるのかもしれない。
もしくは今日のあの小屋にも、何かがあったのかもしれない。
訪問を重ねる度に、トラブルに巻き込まれている気もするし、確かに和が言う通り一度落ち着いて部屋にこもってみようか。
どうせしばらくは心配性の和もいない。
通常のミーティングやヒナとヒデの様子は見るとしても、本を読む時間は十分ある。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
それにしても、意外と体力が残っていたようだ。
結構走っている気がする。
でも何故だろう。
やっぱりこんなに疲れているのに、寝れる気がしない。
もう暫く様子を見ようか。
今何時だろうか・・・
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
昼頃ウーノ達の世界に向かって、帰ってきて。また出かけてを繰り返して、気が付けば外は真っ暗だった。
季節的にも日が落ちるのが早いので、意外と時間としては、そこまで経っていないのかもしれない。
ウーノ達・・・
彼らは人間という形を成していない。
だから、この場所ならある程度受け入れられるのだが、もしもここが無くなり他の場所に行くとなった時に、場合によっては辛い場所が多くなる可能性が高い。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
安心して帰れる場所だと、そういってくれたからには、ヒナとヒデ同様に、ちゃんとここを維持する覚悟がないといけないだろう。
魔法使いであるヒナとヒデに合わせると、結局は何度か寿命的にも、死ぬことにはなるのだから、死ぬ時の準備はしている。
こればっかりは、私がどうにかできることではないから、流石に怒らないだろう。
アンジェラやミランダにも伝えてあるし、同じくお願いする世代が変わる日名子にも、その辺は手伝って貰っている。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
元々妖精や精霊と隣接させていただけだったのに、魔法世界の相談を受けて欲しいとか、怪異からも相談を受けたりとしているうちに、それらに隣接する世界からも来るようになり、気が付けば天国からも地獄からも来るようになる始末。
ある意味来る側としては、見つかりやすい状態だと思うのに、いざこちらが相手の世界へ行くとなるとそうも簡単にいかない。
状態としてはあの電車に近い、どこにでもいけるがどこに行けるかは指定できない。
「はっはっ・・・はっはっ・・・はっはっ・・・」
そういえば魂が勝手に抜き取られている話もあったな。
死神の数は、死者の数よりは少ないとしてもかなり多い、回収を専門とする者だけだと少なくなるが、悪魔にも似た存在の彼らは、人間を地獄へ行くように誘惑する。
ただ単純に地獄へ誘うのではなく、まずは希望を与え、その後に絶望した人間へ死を助けだとして導く、いわゆるマッチポンプのような事もしている。
魂を見る事ができる。
今のところ唯一の生き物だが、悪魔同様に欲求に素直。
だから、サキュバスやインキュバスも実は悪魔にも死神にもいると言われている。
血や肉を対象に含むか、素直に欲求のみを対象にするか程度の違いだろう。
「はっはっ・・・はっはっはっ・・・はっはっはっはっ・・・」
・・・そろそろ崩れてきた気がする。
風呂にでも入って寝よう。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




