答え:無二無三
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「話が急だし、言い方がきつすぎないか?」
「多少検討したが、これに関しては早めに伝えてしまわないと彼女にとっても後々が辛い。」
「そうだけど。今既に色々な事で混乱している彼女には、一つ一つ受け止める時間が多少なりとも必要だろう?」
「先に大きなショックから片付けた方が、他の問題など大した事ではない事になりやすい。それにそれ以上になるかもしれないショックが残っている。」
「・・・それ以上のショック?」
「アリス・フォーラス」
「フォーラス・・・少し前に聞いたな。あぁそうだフォーラス家の事件。あー。確かにそういえば、裏稼業で有名とされていた家名で少し前に消滅したと大きくニュースや問題になっていた名前だ」
「そう。その名前をこうも早く再び聞く事になるとは。」
–ニャー(それにしてもあなたはもう少し優しい言葉を選んであげなさい。サーズ)
声と共にダイニングテーブルの近くの窓から赤い首紐をつけた黒猫が入ってきた。
「言い方を変えても内容は変わらん。」
–ニャ(全く、人間に優しいのか優しくないのか。こちらの方が気を遣う必要があるとは)
黒猫は室内に降り立ち、ダイニングテーブルの上に上がる。
–ニャ(こちらでの確認も進めているけど、フォーラス家については今の今まで全く姿形もなく消え去っていたというのに、本当に今更出てくるとはね。)
「君たちの遺恨でもあるだろう。良い機会だ。」
–ニャー(私たち側が問題解決にあたって選べる方法は少ない。)
「ここで私たちに協力出来ないとしても、死神側も動いている今、下手な動きをすれば困るのは君たちだろう」
–ニャ
黒猫は目を細め、視線を逸らす。
–ニャ(そちらで証拠隠滅してくれれば、こちらは見て見ぬふりをするまでだけど?)
「そして問題を先送りしてきた結果が今だろう」
–コト
和がスズの手元にお茶を置く。
「ミランダ。フォーラス家については僕はあまり知らないんだが、少なくとも彼女の本来の帰り場所がそちらという可能性は高いんだろう?仮にどんな結果になろうとも彼女の事はサポートしてあげてくれないか?」
黒猫のミランダは和の方に視線を向ける。
–ニャー(500年世代ではあまり良い印象を持たれないので、娘を呼んでるわ。何かあれば彼女に言いなさい。あの子もまだ未熟者だけど、今の彼女とはそういう意味でも話しやすいと思うわ。)
–ニャ(でも、サーズ。あなたもあなたなりのやり方でやっている事は分かるけど、それを全て理解しろというのは無理がある事も分かっているでしょ。気をつけなさい)
「分かった。ありがとう。」
ミランダはそう言うと共に再び来た窓から出て行った。
「彼女は噂では1500年以上生きていると聞くけど本当?」
「人の噂も七十五日」
「嘘ってことか・・・」
「火のない所に煙は立たない」
「どっちだよ」
「何事も自分の目で確かめないといけないという事だ」
和とミランダに注意されたので、流石に反省するべきだろう。
確かに梓の反応を見る限りでも彼女はかなり混乱してしまってる上に、さらに大きな事を言われた事で、その後の日向と秀人との挨拶の時も殆ど反応せず薫との採寸も一応したが、今は部屋に引きこもってしまっている。
今回の事は私があまりに優先順位を注視するばかりに彼女のそんな反応について判断材料として欠いてしまった事が原因だろう。
それこそ和が言うように、多少なりとも時間を空けて明日とかでも伝えれば良かった筈だ。そもそも途中も自分で考えていたじゃないか
「なぁ。」
「なんだ?」
「フォーラス家についてなんだけど、魔法省での発表でその殆どが実刑を受けて実質消滅したという事になっているけど、その殆どってのはどのぐらいの事を言っているんだ?」
「それは結局のところ、一般市民を安心させる為の『嘘は言ってない。』の範囲で記載している言葉だ。実際のところは直接的なフォーラス家の人間では今回現れたブライアン・フォーラス等と行方不明になっている当事者もいるし、関係者の中にも同様に未だ見つかっていないものも居る。それにそもそも暗部業務を依頼した政治家や貴族は殆どがそのままだ。」
「つまりは消滅といいつつ。かなりがそのまんまになっているのか。」
「フォーラス家はその稼業もさることながら、魔法技術も高く自身での逃走経路は既に用意していたのだろう。今どこにいるか調べるにもミランダだけでは全く手が足りず、その上協力を全面的にしてくれる政治家の少なさから、全く進まない状況になっている。」
「暗闇が深すぎるな。」
そう。殆ど手つかずとなってしまっている。
それをのらりくらりと見ないふりするのは勝手だが、更に大きな事件等を起こされた場合その事件の公開情報そのものの信頼を失う。
裏稼業の仕事を請け負っていた有名な家だけに、その事件がまだ全く解決していないと知られれば、その恐怖心から市民からの反発は大きいだろう。
それはミランダも分かっている筈だ、だが動きづらい彼女の状況もなかなかどうしたものか。
『業務連絡。ズー、もし来れるなら一度降りてきてほしい。』
フロアのスピーカーから、圭の呼び出しが入る。
「面倒くさい」
スピーカーから聞こえた声の男はインターネットやサーバーといったこの相談所周りの環境整備を主に対応してくれている相模原圭。
彼にはとくにこちらからそこまでの制限をして居る訳でもないが、基本的に地下の部屋から出ず引きこもっていることが多い(たまに夜中に外出はしているが)。
殆どのセキュリティ面でのトラブルは彼が黙って終わらせてしまうが、わざわざ連絡してきたという事は面倒ください事があるという事になる。
スズという既に簡単な呼び方がどんどん雑になっていき、もはやズーって動物園になっている。
「わざわざ呼んできてるんだ、早く行ってあげな。」
「はいはい。」
このまま暫くはここへは戻らないだろうし、梓の衣食住については日向と秀人もだが、その二人のマネジメント管理も含めて、和がしてくれることになるだろう。
「和。暫くの対応は彼女の希望に合わせて構わない。必要なら他の家具や物も準備する。私が足りない部分のサポートは頼む。」
「分かったよ。ミランダも言っていたけど、お前が全部悪いわけじゃない。確かに言わなきゃいけない内容だったよ。その後のサポートはこちらでやってみるから、お前もお前なりに彼女の事を頼む。」
「あぁ。」
クラウドに納めて置ける情報は、量的にも流出防止の為にもそう多くない。
過去の必要最低限のデータを維持する為にも、常に熱を輩出するサーバーは情報量に合わせてかなりの数を用意している。
結果その排出する熱量も凄い事になるので、ある意味セントラルヒーティングとして一部は役立ってはいるが、常に冷やし続けられる様に水を回す電力等もかなり使用している。
そして、情報物なのでその重要度ともしもの際の災害対策等を含めて、それらはこの建物の一番下である地下2階にあり、今はそこへ向かう事になる。
向かいながら、ここまで確認した事や確認中の事について整理してみる。
・山本梓の死亡履歴(基本世界側)
・山本梓の死亡履歴(死神側)※確認中(あるらしいとの事)
・アリス・フォーラスの死亡履歴(魔法世界側)
・アリス・フォーラスの死亡履歴(死神側)※確認中(山本梓の死亡履歴の書き換え前にあった可能性大)
・二人の死亡日は恐らく同日 ※確認中
・同じく二人の死亡日はフォーラス家の消滅日と同日(ニュース事件としての)
・山本梓の魂の先または生まれ変わり先 ※確認中
・アリス・フォーラスの魂の先または生まれ変わり先 ※確認中(ブライアンの反応からも今の梓である事がほぼほぼ有力だが、念の為)
この二人の死亡日が同日については当初は偶然の可能性もあったが、山本梓が現在も生きている事と今回ブライアンが出てきた事やその発言でほぼ仕組まれたものだという事になった。
死神側のそれぞれの情報を確認してからになるが、先日死神の女が言っていた「山本梓の履歴がない」についても、その後の確認では履歴が今もあるということだから、それもしっかり確認するべきだろう。
まぁ既に黒だと思うが、これで死神側の関与もほぼ確認出来るだろうし。
そうなればあの女の上司にあたる奴の事も調べていく必要があるだろう。
そして基本世界側の第三者、山本梓という人間のこれまでに関係した者についても確認しているが、今のところ該当しそうな人物は現れない。
想定通りに山本梓の死亡が意図したものだとしたら、そこに第三者が関わっている可能性が大きいので、その死亡時の状況や詳細から調べていく方が恐らくは良さそうだ。
そして『魂』『生まれ変わり』を操作しようとしている事こそが、『フォーラス家の事件』以上に大きい最大の『あの事件』と『フォーラス家の事件』についての繋がりを強めている。
まだ可能性として留めておきたいが最悪の事を考えるなら、
「はぁ」
本来であれば、当初は山本梓の死亡履歴を彼女にどう伝えるかという事だけを懸念していたのだけれど、ブライアン・フォーラスのおかげでアリス・フォーラスについての情報も高く確定してしまった今、彼女への言い方に対する配慮を完全に欠いていた。
どんな事件だろうが、どんな事が過去にあったかなんて彼女は恐らく全く関係ない状況だろう、仮に知っていたのであればそれで良かったのかもしれないが、現状の彼女の反応からはそんな様子は1ミリもみられず、これでは彼女の事を何も考えていないという事だ。
そういった至らなかった点を今後、ミランダの娘や和にサポートしてもらうにしても私自身も彼女に対して対応を見直さなければ、彼女の意思や尊厳を無視している合理主義者、サイコパスだ。
それが私がやりたい事なのかと言われれば、もちろんそんな事はない。
とにかく苦手とか疎いとかで見切らずに言葉や対応には出来るだけ注意しよう。
もしも彼女がこのまま生きることをやめたいとしたら、私にはどうしようも出来ない。
履歴上が本当ならどちらの魂も恐らくは死んでいる事になるのだから、合理的にはそれが一番の答えになる。
だが、そんなまだ行き先が見えない状況でそれを前提に動くことは、その他への行ける可能性があった答えを消してしまっている可能性がある事も確かだ。
アリス・フォーラスは死亡当時37歳だった筈(魔法使いは800~1000年ほど生きる為、幼子の年齢といえる。)、もしも彼女がただのフォーラス家の被害者だったとしても最後は正常に戻すことを選ぶだろう。
そうしなければ、それは今後選べる選択肢として歴史に残ってしまう。
それこそ『あの事件』のように。
合理性をとるのか感情的な判断を考慮するのか、彼女が山本梓でもアリス・フォーラスだったとしても彼女という今の存在はそこにある一つだというのに、それを無視する事は今後彼女をサポートしてほしいと言った事も含め、彼女を助けるとは全く真逆になってしまっている。
本当に私は何がしたいんだか、彼女に合わせる顔がないな。
それこそ、和に調べてもらった彼女の家の設置魔法については非常に覚えがあった。
あれはそれこそ『あの事件』よりもかなり昔に、ある友人の魔法使いと話をしているうちに思いついた、『見たいものを現像化』する魔法としてイベント的な要素で色々考えた結果かなりの精度が必要になってくるぐらい無駄に組みに組んだ設置魔法だ。
それがどういう風に使用され、彼女の人生を大きく壊してしまうものになるとは予想もしてなかった。
助けるなんて甚だしい。どうみても私の方が彼女の敵だろう。
・・・・何のためにこの相談所をやることにしたんだ。
もう一度考え直すべきだろう。
「ふっ」
私は考えすぎだとよく言われていたな。もう二度と会うことは出来ない人物を思い出しながら、地下へのドアを開く。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




