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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 境界に立つ者たち
69/82

答え:過ちて改めざる、それが私の過ち

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「・・・スズ。こいつらは帰るアノ世界に・・・。」

「分かった。今は火も止まっていると思うけど、気を付けて戻って。」


再び扉を開ける。

通路に入ってきていたドワーフ達は、急いで元の場所へ走っていく。


扉の向こうの気配を拾いながら、背中で出口を塞ぐように立った。

そして私は、ウーノの方へ向き直る。


ブルースの言い方では、この世界がどうなるか分からない…

無くなってしまうかもしれないし、なくならないかもしれない。

また来れる保証はない。


「ウーノ。…最後の確認にしよう。」


ウーノや他の5匹もこちらに視線を向けてくる。


「…今。戻らなければ、もう二度と戻れないかもしれない。」


「・・・・。」


「私は、戻るべきだと思っている。……だが、お前たちは?」


通路は梓達の走る音も既に聞こえず、静まり返っている。


「・・・・私タチは・・・スズに助けラレタ。そしテ、・・・日向達が心配。できれば・・・あの家ニイタイ。ダメだろうか・・?」

「ダメ?元の家ナイよ・・」

「アソコが今のイエ・・ダメ?」

「キュウ・・・?」「キー・・・」「キュキュ・・・」


「…分かった。お前たちがそれを望むなら・・・」


ウーノ達を元の場所へ帰す為にここまで来た筈なのに、私もどこかで迷っていたのかもしれない。

…梓の事が重なる。

元の世界を選ばないというのも・・・一つの選択なのだろうか。

とにかく、ウーノ達は選んだ。

ここであまり時間をかける訳にはいかないので、言葉を続ける。


「一緒に帰ろう。日向達を迎えに行かないといけない。」

「「「「「「!!!」」」」」」


「アリガトウ・・・。後悔しナイ・・」

「帰レル?」

「帰ル!」

「キュウキュウ!」「キキキー!」「キュキュ!」

「分かった。でも今はゆっくりもできない。急いで帰ろう。」


扉を閉め、小さい三匹のクワ・クエ・セイを抱いて走り出す。

ウーノ達もしっかりついてくるのを確認し、可能な限り急いで和達を追う。

通路の終点、相談所に繋がる扉は開いていた。

そのまま地下1階から地上へ上がり3匹を下す。


「私は戻る。お前たちは日向達が安心して帰ってこれるように待っていてくれ。頼む。」

「ワカッタ。スズも気を付ケテほしい。」

「あぁ。また和と喧嘩する訳にもいかないからね。」


地下へ戻る。

和は魔法世界へ移動し、ミランダと共にブルースを追うだろう。

なので、こっちは日向達をとにかく優先しよう。

あの狐は恐らくカルの仲間だと思う。

そして日向達が入ったと思われる扉は、あの男のものだ。

ブルース側なら和の方から連絡が来るはず、ならあの男アディール・クラーレンを探す。


今回は、相手が相手なので、私の手に負えない場合を考慮して、一つ急ぎの連絡を入れる。


再び扉に鍵を差し込む。


・・・あの男が待っているだろう場所に、思い当たる場所がある。

再び白い通路を歩き、あの場所に繋がる扉へと進む。


足が重い・・・


そんな場合ではないのに、体はどこかあの場所に行きたくないと言っている様だ。


–ブブブ


扉を開く前に、先程連絡した相手からの返事を確認する。


–キィ


扉を抜けた先は、小さな木でできた家の玄関。

目の前には小さなリビング。

そして、4人掛けのテーブルと椅子。

その椅子の一つに座る男。


「待っていたよ。」


「・・・魔法の子供二人は?」

「安心しなさい。もちろん無事だよ。」

「確認させろ。」

「もちろん。でも一つだけお願いがある。」

「交換条件をお願いと言うな。」


「ふふ。相変わらずだな。そうだな。これはほぼ命令だな。」


アディール・クラーレン。 


最後に会ったこの場所で、やはり待っていた。

私がイヴを殺した。

この場所で。


「あの扉はある場所へ繋げてある。あそこに入ってもらうだけでいい。」

「二人が無事に帰れることを確認してからだ。」

「そうだろうが、こちらはそれで3人共に逃げられてしまっては損だろう?」

「私は逃げない事を約束する。ただし、二人に制約や制限、あるいは遅延的なモノが掛かっていると確認できた場合は、途中で破棄する。」

「君では、それを確認できないだろう?」

「私の通路から確認できる魔法使いの元へ送る。その連絡が無事に確認できた時に、あの部屋へ入る。」

「なるほど。まぁ良いだろう。だが、念のためその椅子についてもらう。」

「・・・・・。」


クラーレンから反対側の椅子に座る。

それを確認して、アディールは手を上げる。

入るように指定した右の台所への扉ではなく、廊下の奥にある寝室の扉が開く。


「「・・・・スズ!」」

「二人とも無事?」

「「大丈夫。」」

「分かった。二人はそのまま私の後ろの扉から、私の通路の先へ行って。」

「「・・・・・」」


二人はひとまず見た目は、二人共に怪我はない様子。

だが、まだ何があるかは分からない。


「後から戻る。まずは二人だけ先に戻って、すぐに一階に上がる。」

「・・・・・分かった。」

「・・・・・ごめんなさい。」


二人は悪い意味で経験がある魔法使い。

何が起こっているかの察しはつくだろう。

あとは二人に何もない事を、祈るしかない。


後ろの扉は開いたままのようだ、二人の足音が遠くなっていくのが聞こえる。


「二人の確認が取れるまで、少しかかるかな?」

「いや。そうでもないだろう。」

「魔法使いの解析といっても広範囲になれば、時間はかかるのでは?」

「まぁ魔法使いならそうだろう。」


–ブブブ


連絡はきたが、だが——指先が動かない。


「動かない。スマホを確認しても?」

「・・・・・それを確認する前に。」


–カタ


椅子を立ち、アディールが近づいてくる。


「右目はどうしたんだい?」

「さぁ。ブライアンぐらいなら、もしかしたら知っているかもしれないな。」

「・・・・フォーラスか。・・・・・全く。」


 アディールが私の顔に手を当て、皮膚の上を、温度のない指が滑っていく。

改めてアディール・クラーレンの顔を至近距離で見る事になった。

その顔は、最後に話した時と全く変わっていない。

どの様にして今生きているのかは分からないが、同僚と言っていた女性が言っていたように、こいつはもう魔力の無い魔法使いでも、普通の生き物でもないだろう。


「イヴはいつも美しい女だった。」

「そうだな。整った顔も多かったし、本人もそういった面でもかなり気を使っていた。」

「お前はそういう事は、あまり気にしないようだが、幼い顔が多い気がするな。」

「長生きには、程遠い事が多いから。」

「フィーはどうしてる?」

「さぁ。私もしばらく会っていない。」


話しながらも、その手はくすぐったい距離で、ずっと顔を撫でてくる。

そして、見た目の変わっていないその顔がこちらに近づく。


静かに呼吸を奪われる。


鼻にはふわりと白檀のような匂いが掠る。


「何がしたい。」

「今度は君から声がかかるのを待っているよ。」

「・・・・」


アディール・クラーレンはそういうと、私に入るように指定していた扉へと入っていった。


–パタン


扉が閉まるとともに、体の縛りが無くなる事を感じる。


「・・・悪い予感しかない。」


まずはスマホを確認する。

日向と秀人が無事だと分かる通知を確認。

そして、アディールが罠を張っていたことも同時に確認。


「約束を守るつもりがなかったか。」


とにかく帰ろう。

ここに居ても無意味だし、和の方も気になる。

1階に上がる扉を開けると、二人が同時に抱きついてきた。


はぁ・・・


無事で良かった。


「「スズ!!!」」


「二人とも大丈夫?」

「うえぇぇぇぇぇぇん!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」


「あらあら。二人とも落ち着いて。よしよし。」

「…薫。本当に助かった。」


アディール・クラーレンには、魔法使いの元に送ると言ったが、アディールが言う通りそれでは時間がかかり、間に合わない場合がある。

それに相手がアディール・クラーレンである以上、魔法使いが探知できないものが、掛けられている可能性もあった。


そして恐らくは、そっちだったのだろう。


「薫。まだ危ない可能性は?」

「うーん。大丈夫だと思うけどねぇ。一応加護をつけておきましょう。」


薫は神聖なモノの一人。

何が気に入ったのか、入り浸ってくれているので、本当に困った時はこうして手をかしてくれる。

彼女の領域の中なら、恐らくは地獄または悪魔側の魔法や妖力等は無効化できる可能性が高い。

アディールがどういった力を使っているのか、予想がつかなかったのでこれは運でもあったが、いずれにしても魔法使い側にかけるよりも、少しでも分の良い方に賭けるしかなかった。


「・・・・二人とも。あとで和にも、必ず見てもらって。」

「「うわぁぁぁぁぁぁ・・・・はーいぃぃ・・」」


「あと、落ち着いてからでいいから、梓達を頼む。私は和の方に合流してくる。」

「「うえぇぇぇぇぇぇん・・・はーいぃぃ・・」」


「よしよし。さっきまでは静かだったのに、我慢してたのね。良い子良い子。」


薫が二人の頭をふわりと優しく撫でる。


「薫。本当に助かった。このお礼は後から必ずする。」

「ふふふ。いいのよ。むしろ、みんな心配してるのよ?何で声をかけてこないのかしら?って心配してるわ。」


薫以外にも向けるのなら、言葉を改める。


「…ご心配は大変嬉しく存じ上げますが、あなた様方にご関与頂くのは、私達ではリスクが大きすぎます。ですのでこうして時折、少々のお手をお貸していただければ幸いでございます。」

「そうね。いいのよ。私は一旦帰るけど、この二人の事は暫く見守っているから安心して。」

「宜しくお願い致します。」


そうして去っていく彼女を見送る。


「大丈夫そう?」

「「大丈夫・・・上に行く・・・。」」

「ウーノ達もここが良いって言って、戻って来たんだ。ちょっと多いけど、みんなを頼む。」

「!帰って来た・・・?」

「帰らなかった・・・?」

「まぁ色々あったとはいえ、ウーノ達の選択。」

「「!!上に行ってくる!!スズも気を付けてね!!」」

「はいはい」


元気になった二人も見送り、地下へまた戻る。

通路の使用が多い。

だが必要だ。


「和。」

「スズ。日向達は?」

「無事回収した。一応は様子見だが、後で和の方でも確認して欲しい。」

「分かった。お前は?」

「問題ないが。こっちも様子見。」

「・・・?どう・・・」

「サーズ!」


ミランダの執務室にそのまま入り、目の前にいた和に声をかける。

和が疑問を確認しようとする前に、私に気が付いたミランダから声がかかる。


「和が会ったという男は、ブルース・フォーラスで間違いないの?」

「分からない。だが、わざわざ匂わせるような事を言ってくるあたり、あの男っぽい。少なくともフォーラス家関係ではあるだろう。」


「分かった。魔法世界内での感知はできるようにしたけど、問題は他の世界にいる事。」

「可能性としては悪魔の世界となるけど、そっちは関与してるの?」

「してるわけないでしょ。繋がった事例すらないのよ。」


「フォーラス家を探索した時の地下は?あの設置魔法の移動先が悪魔側の可能性があると思うが?」

「一応研究員に調査をさせているけど、未だに指定先の特定はできてないわよ。」

「爺に頼んでみれば?」


「・・・あの人がそう易々と了承してくれるわけないでしょ?」

「まだ喧嘩してるの?」

「・・・・ああいうのは私が無理。」

「人の事言えないよ。まぁ後からタイミングがあれば話してみるけど、他の方法か。」

「それなら俺の方でも、調査させてもらえるか?」

「・・・・そりゃ。こちらとしてはお願いしたいぐらいだけど。良いの?」


和が珍しく、魔法省の手助けに自分から声を上げる。


「アディール・クラーレンやフォーラスのような魔法使いが出てしまっては、どこかで魔法世界側からも他の世界への探知方法を、早めに確立しないといけないだろう。

それに、今回ブルースは再びあの事件を起こそうとしている可能性すらある。それは止めないといけない。」


そうだな。

それがウーノ達の世界っていう事もあるし、そもそもそう何度も起こされては、たまったものじゃない。


「分かったわ。でも彼女の方は?」

「ふーむ。それこそ爺に頼むかなぁ。」


 和が相談所からしばらく開けるのなら、少しでも安全な場所にいさせた方がいいだろうし、ある意味ではフォーラスやアディールは、魔法世界に戻りづらい状況になっている。

場所としては、どこからでも接触できる相談所よりは安全だろうし、和もその方が動きやすいだろう。


「和。それでもいいか?」

「俺としては助かるが、頼めそうなのか?」

「まぁミランダと相性が悪いだけで、大丈夫だろう。」

「分かった。そっちはお願いする。俺はこのままこっちでさっさと調べてしまってくる。」

「分かった。じゃあ私は戻って、梓達に説明してくるよ。何かあれば連絡を・・・」

「スズ。」

「ん?」


和に手を引かれて、執務室の端の方に行く。


「・・・・この間は悪かった。」

「あぁまだ気にしていたのか、あの後も話しただろう?お前も溜めすぎるな。」

「・・・・お前がいるから、俺も自由にしてる。お前がいないと・・・。」

「それは多分分かってるよ。だからこそ、気を使ってくれていることも。今度落ち着いてからちゃんと話そう。私も逃げない。」

「分かった・・・。」


和に見送られて、扉を出る。

通路を移動しながら、爺にメールを送る。


相談所はしばらく休みだな。

圭がいればインフラ自体は維持できるし、日向と秀人がいればウーノ達と一緒に、生活面もどうにかできるだろう。


後は狐か・・・

そういえば、あの狐どうしたんだっけ?


「あ!スズ」

「スズー!」

「あ。ここにいたのか。」

「あんたが拘束っていうから、そのままよ。大した情報はないけどね。」


「・・・・・・」

「こいつはカルの仲間で、いいのか?」

「そうらしいわよ。会わせてみる?」

「そうだな。このまま私の方で連れて行こう。それよりその前に何だが、和がしばらくの間、魔法省の協力をするから戻ってこない。」


「「えぇぇぇ!?」」

「え?和さん大丈夫ですか?」

「あぁ別に怪我をしたとかじゃなくて、調査協力をするだけだから大丈夫。」

「・・・それで?梓をどうするの?」


イザベルも察しが良い。


「梓とイザベルは、その間は魔法使いの知り合いのところお願いしたいと思ってる。今からお願いする事にはなるが、まぁ多分大丈夫。」

「魔法使い?誰よ?」

「イザベルなら知っているかな?アルファー・ギッシュっていう爺なんだ。」


「・・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!??!」

「アルファーさん?」

「あぁアルフって呼んでるが、ちょっと変わり者の爺だが。能力は和にも劣らず一流だ。」

「そこに私とイザベルさんで、お世話になるって事?」

「和がここを空けている間だけ、できればと思ってる。嫌かな?」

「うん。分かった・・・。大丈夫だよ。」

「まぁ梓かいいなら、問題ないわ」


「「・・・・」」


口には出さないが、日向と秀人が不満げなのは分かる。


「二人だと不安だと言っている訳じゃない。

ここで対抗できる人数が減るのは、二人の負担が大きくなるだけ。二人には相談所がそのまま維持できるようにして欲しいし、ウーノ達の事もお願いしたい。」

「・・・・・うー・・・」

「・・・・・むー・・・」


そう。

守る方ばかり増えては、流石に何かあった時に、また二人も対応に困るだろう。

今回ウーノ達の世界でさらわれたのも、二人が弱かったからじゃくて、梓たちのサポートをしながら、ドワーフ達も守っていたからだ。

寧ろ新参の500年代層よりも、連携が完成している二人は魔法使いとして優秀な域だろう。


「和が戻って来るまででいい。あいつも優秀だ、もしかしたらすぐに戻って来るかもしれない。」

「・・・・分かったよ。」

「・・・・うん。」


 本当に魔法で、他の世界と接触を果たす可能性は十分にある。

基本世界同様に魔法世界は、実は隣り合わせの世界が多い。

そういった近距離の接触を成功させる事は、クラーレンにもフォーラスにもできなかった。

もしもそれを和ができてしまえば、過去アディールのモノだった魔法使いの最強・最高の座は、入れ替わる事になるのだろうな。


どこまで行こうとしてるんだか…


「ウーノ達もそれで頼む。相談所はしばらく休みのままでいい。梓とイザベルは、出かける用意をお願いしてもいいかな?」


–ブブブ


酒を持ってこい。

か・・・これは多少は、付き合わないといけなくなるだろう。

まぁ久しぶりだし仕方ない。


「私はこれと一緒に圭の方に戻るから、1階で合流しよう。」

「分かった!」

「忙しいわねぇ・・・」

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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