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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
6/13

疑問:私は誰?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「ふあぁぁぁぁ」


 なんでこう気持ちがいいのか。

一人で入るにはかなり広いお風呂は建物の最上階にある屋上のようで、周りから見えないように竹筒で囲まれていて、まるで露天風呂のようだ。

とにかく緊張し続けた私には、精神的にも肉体的にも天国だった。

見上げた太陽の位置的には季節は冬なのでだいぶ傾いてはいるけど、まだ13時すぎか14時といった所みたい。

朝10時ぐらいからここまでの事を考えると、まだ半日どころかたった数時間しか経っていないという事に驚く。

気になる事は山のようにあるけれど、まぁ今の私が何か考えたところで無駄だし、今はこの広すぎる貸し切り露天風呂を満喫することにしよう。


「あ。お疲れ様です。梓さん。」


 お風呂を上がると、脱衣所には脱いだ服はどこかにいってしまい、代わりに大きめのTシャツと長ズボンが用意されていた。

そして、服の上には「3階に」とのメモがあった。

この時期はTシャツと薄いズボンでは寒いのではとも心配したが、この建物の中は一定の温度

を維持しているようでむしろ温まった体ではちょうど良いぐらいだった。

建物の真ん中にある階段を下りて、3階に着いたところで以前会った和さんという男性に出会った。


「ちょっと遅いですが、お昼ご飯をご用意致しましたのでこちらにどうぞ。」


 階段を下りた正面には大家族用のようにかなり大きめのダイニングテーブルと椅子。

そしてテーブルの上には一人分の肉じゃが・味噌汁・ごはん・漬物と”ザ・和食”が用意されている光景に静かに感動する。


「昨日の作り置きで申し訳ないのですが、苦手なものでなければどうぞ。」


 こんな昼間からお風呂に入り、用意する事もなく、こんな美味しそうなご飯が出てくるなんてありがたい限りです。

喜びを隠さずにそのままお礼を言う。


「和さんが作ったんですか?ありがとうございます!喜んでいただきます!」

「ふはっ。よかったです。どうぞどうぞご遠慮なく」


 早速頂いてみる。これは・・・見た目通りの素晴らしいお味です。

肉じゃがのじゃがいもは中まで味が染みておりホクホク、お味噌汁の濃厚な味わいとのバランスも良い、なによりこの用意して頂いたばかりの食事全体の温かさに、相変わらず知らない場所に居る事への緊張感は徐々になくなってしまった。

「ふぅ・・・」

さて、お風呂に入りお腹も落ち着き、更には食後のお茶まで頂いて一服したところで、はて?こんな事をしていていいのだろうか?と考え始める。

そんな気持ちがわかりやすかったようで、お皿を下げて戻ってきた和さんは私の顔を見て、また噴き出している。


「ふはっ。すみません。そうですね。そろそろお話をしましょうか。」

「・・・よろしくお願いします。」


 気恥ずかしいが、さっきの恐怖や緊張した記憶がまだどこか頭の隅に残っていて、そのギャップからなのか安心した気持ちをなかなか隠し切れない。

まだ何一つ分かっていないというのに不思議なものだなぁ。


「と、言いたいところなのですが、もうすぐスズがミーティングから戻ってくると思うので・・・先に何から話しましょうかね。」


 13時51分。壁にかかった時計を和さんの視線を追いながら一緒に見上げた。

さっき起こった内容に対して、本当に時間が殆ど過ぎてない事に改めて驚く。


「お隣とは時間の流れが少し違うので、思ったより時間は過ぎていないと思いますよ。」

「お隣、ですか?」


やっぱり私は分かりやすいんだろう。和さんは私の疑問に的確に答えをくれる。


「このまま、梓さんとお呼びしてもいいですか?」

「あ、はい。大丈夫です。」


私もすでに”和さん”呼びだ。

会社とかでの名字呼びのように堅苦しいより、私はそれぐらいの方が気持ち的にも楽だし好き。ちょっと仲良くなれるのが早くなる気もするし。


「こちらの方からすると、現実的には『ありえない』と信じられない事だと思いますが、実際に色々見てきた今。何となく感じて、気づいていらっしゃる事もあるかと思います。」

「そう、ですね。でも、私が最初に電車で見たものとさっきまで居た場所とでは、大分印象が違うのですが・・・」

「そうですね。」


そう。

電車での異質的なモノとさっきの場所とでは見た目はもちろん感じた事が全く違う。

同じ『ありえないもの』と一つの括りにしてしまうには、ちょっと厳しい。


「梓さんの知っているこの世界は、他からは基本となっている世界と概ね認知されている世界になっていて、他の世界では基本世界とか一般世界とか地盤世界とか、ちょっと違う呼び方では同居人とか様々に呼ばれています。」


ふと、和さんは胸ポケットからメモ帳を取り出す。


「この世界というものは他にもいくつかあり、僕が知っている範囲では大きく5つあります。ですが、スズが言うには100以上あるということです。」

「えぁぁぁ?他の世界がそんなにあるんですか?!」


 何となく私の居る場所とは違う場所という事で「もう一つ他にあるんだろうなぁ」ぐらいにしか考えていなかっただけに、5つあるとの時点でも驚きだったのに更に100以上と聞いて驚きの声が出てしまった。

いや、多すぎるよ。予想外にも程がある。


「はい。それに恐らくは梓さんが思っている他の世界というイメージは”全く別の場所にある”という感じではないでしょうか?

ですが、実際にはさっきまで梓さんが居た場所は少し景色が違いますが、この世界にも実際にあります。」


この世界にもあのさっきの場所がある?同じ場所?とは少し違うのかな・・・。

全く別の世界という言葉からは和さんが言う通り、私の世界とは全く無関係の場所にあるというイメージだったから、両方の世界に同じ場所があるって事があまりうまくイメージできない。


「なので、先ほどまで梓さんが居たあの世界の事を、基本世界の方々は魔法世界とかお隣さんとか隣人とかって呼んでいる方も多いです。僕がお迎えに上がる前にスズとお待ち頂いていた時に見ませんでしたか?半透明の人間のようなものを」


そうだ。見た。

普通に歩いている人とは別に透明な何かがそこには沢山いたのを思い返す。


「それは、梓さんの世界に居る方々です。魔法世界からはあんな感じで、こちらの事を認識しているんです。なので、彼らからするとこちらの世界の事を一部では同居人等と呼ぶ方もいらっしゃいます。」


 和さんは開いたメモの一番上に「梓さんの世界」と書いてそのメモの中央に大きな〇を書いて、その中に「魔法世界」と書いてくれた。

そしてその間に

「梓さんの世界 →(お隣さん・魔法世界)→魔法世界」

「魔法世界 →(同居人・基本世界)→梓さんの世界」

と見た目でも分かりやすく書いてくれた。


「な、なるほど?」

「魔法世界の彼らは基本的に梓さんの世界をあんな感じで認知はしているのですが、実際に彼らからこちらには基本的には関与することはできません。魔法世界に住んでいる殆どの方々は、あくまで透明な人間がああいった形でただ見えているだけなんです。

まぁ本当に絶対に関与できないわけではないんですが、そういった細かな部分は今回は一先ず置いておきましょう。」


和さんは魔法世界の〇の中にさらに〇を追加する。

これは私の世界の方にもちょっと〇がはみ出てるみたい。


「次に怪異の世界が基本世界と魔法世界の中にはあります。」

「怪異?幽霊とか妖怪とかみたいな感じですか?」

「はい、こちらは先日梓さんが乗ろうとした電車にも一部居たと思いますよ。

魔法の世界のどこかにその殆どの入口があり、怪異の世界は梓さんの世界とも一部は隣にあるのですが入口は少ないです。なのでこちらも基本的には関与する可能性が低い世界というイメージで一先ずはいいと思います。

でもそこで気になるのはあの電車の事だとは思いますが、あの電車は本当にイレギュラー中のイレギュラーで今ここでまとめて説明してしまうと混乱すると思いますので、すみませんがこれも一旦置いといてください。」


 魔法世界や怪異世界と、どちらの世界も基本的に関与しないと言いつつ、私は実際に見ていたり行ってしまっているのできっとそれも含めて、イレギュラーって事なんだろうけど気になる。

そんなイレギュラーがこんな頻繁に起こるのだろうか・・・

でも確かに既に常識外れな話の時点で理解するのがやっとなのに、これ以上に色々な情報が増えても混乱しそう。

こんな風に他の世界が100以上もあると言われても、私からすれば全てまとめて別世界ということになってしまいそうだし、一先ず今はここまででいいかな。


「残りの二つですが、正直これこそ本当に関与する可能性はないと思います。ですが、比較的に馴染み深い世界だと思いますので一旦お伝えするといわゆる、”天国”と”地獄”です。」


それぞれの世界に関係ないようで、メモの真ん中の二つの〇も気にせずに一本の横線を引いた。


「こちらは全ての世界の内の殆どの世界を含んでいて、イメージ的には二つに分割された感じなんだと思います。というのも、僕自身もあくまでそう聞いている・知っているというだけで、実際にその世界を見たことはありません。」


逆に言えば、怪異の世界は見たという事だろうか、ちょっと気になるが今は変な質問で話を膨らませたくはない。

というかあるんだ・・・天国と地獄・・・テンションが上がるクラシック曲が流れる。


「僕や魔法の世界の殆どの方々が認知している世界は恐らくこの5つです。ここまでがざっくりとした説明になります。」

「あ、ええと、ありがとうございます。」

「あ。やっとスズが来ましたね。」


 トントンと階段を上がってくる音が聞こえる。

姿が見えた彼女はさっきと同じ細いシルエットの紺色セーターと黒いパンツで、会社で見かけるいつもの明るい表情ではなく、迎えに来てくれた時と同様に無表情な顔で階段を上がってきた。

見た目や表情がこんなに違うだけで、やっぱりかなりの別人な気がしてしまう。

もしかして、私がここに居る事で不機嫌だったり怒っているって事だったりするのかな?


「ヒデとヒナが部屋の準備中、夕方に薫が来る。」

「早いね」

「明確な共有は急ぎたい。」


 話の流れが掴めない。多分私に関する事ではあると思うから、聞いておいた方がいい感じがするのだけど、口を挟んでいいものかどうか悩む。

は!もしかして嫌われているのかも?その可能性はあるかもしれない。結局会社でもろくに話したことないんだし、会社ではビジネスライク的な?その可能性は大いにありえる。


「経歴まだ確認中。経緯等のほうではまだ仮説を抜けないがここに在住。・・・和の案を先輩に打診しよう。」

「嫌そうだね。仮説と言っているのは証拠不足?検証に時間がかかる?」

「情報不足。」

「可能性が高いのであれば、仮説でも良いから聞きたいな。スズの仮説は高い可能性から考えているから、後から聞くよりも先に事前情報としても確認しておきたい。

でもその前にまずは最初の部分から、ちゃんと梓さんにも分かるように説明してあげた方がいいと思うよ。」


 和さんの気遣いがありがたい。

とそんなやりとりを横目で見ていると、部下はやはり今までの私が知っている部下と雰囲気も言葉遣いも大分違う。

そして今は無表情だけどやや面倒そうな顔をを滲ませている。

これは本当に・・・


「・・・分かった。ええと先輩。まず、場所によってはこれから先輩の事を呼ぶときには、植物名の梓から由来させて頂いて『ミズメ』って呼びます。もし他の名前に変えたい場合は教えて下さい。これは本名をあまり知られる事が良くない場合が場所によってはあるから保険の為です。そして基本的に呼ぶ時は『梓』と呼びます。」

「お、おおう?うん。分かった。」


違う呼び方を用意しておく必要があるんだね。分かったよ。

そしていきなりの呼び捨てなんだね。

それも別に良いけども・・・じゃあ私も『スズ』って呼んでおこうかな。


「まず、ここは私が経営している相談所で行雲相談所と言います。その具体的な相談所の詳細は、後日にでも後から和が説明しますのでよろしくお願いします。」

「・・・」

「さっき共有した内容についてですが、まずは梓が寝泊りする部屋をこの相談所の受付やらをやってくれている秀人と日向という二人に現在用意してもらってます。こちらは部屋の用意が出来次第に呼びに来ると思うので、その二人の事はその時に紹介します。」


なるほど。『ヒデとヒナが部屋の準備中』の部分だね。

私の部屋の用意って事は少なくとも今日、または暫くはここで泊まるって事になるのかな?それはつまり、暗に帰れないと言われてるってことだよね。先に確認してもいいかなぁ


「次に、お偉いさんに梓を『うちに置きますのでよろしくお願いします。』っていう挨拶に早めに行かないといけないので、その時に着る為のちゃんとした服を用意する為に、服のオーダーメイドをしてくれる薫という女性の方が夕方頃に梓を採寸しに来ます。」


お偉いさん?挨拶?オーダーメイド?

話しが次に進んでしまったので、とにかく今は説明を全部確認する事に集中しよう。

夕方に採寸しないといけないって事だね。それは分かった。


「挨拶を急ぎたい理由についてですが、今日の出来事の説明にも一部なりますが、今日の男やその他諸々の方々には梓の存在を困るまたは何か目的があって捕まえようとしている方々が居る事は何となく分かったと思います。そういった人が実際にどのぐらいの人数居て、今後何をしてくるかが現時点では未知数なので、『梓は私の管理下にいる』という事を出来るだけ公式的な形で早めに提示して、そういったトラブルを多少減らせればと考えています。」


 確かに、あの男の言葉とかからもなんとなくは感じていた。私?またはアリスがあの男の目的ではあるらしい事。

そしてそれはスズ曰くあの男以外にも居て、私がそういう危険な状態だからスズの方でそういった対応をするよって事を言っているわけだから、スズやこの場所の立ち位置がさっぱり分からないけど、恐らくは安全の為に考えてくれているという事は分かる。


「現在はそういった方々がどういった奴なのか、『何故梓の存在が困る』のか?についてをいくつかの事実や情報と結び合わせながら調べています。そして、一足先に調べていた梓の経歴についての情報からも可能性に結び付きそうな部分が見えてきたのですが、まだ明確な証拠や事実確認ができていないです。」


 私の経歴も調べていたんだ・・・なんか警察みたい。

それに特に何もない普通の経歴だと思うんだけど、なんか恥ずかしい。

でも私の経歴からも何かが繋がるという事は、過去に私が知り合っているとか、何かがあったという感じ?

っていうか個人情報だから普通にはあんまり教えてくれるものではないと思うけど、どうやってどこまで調べてるんだろう?本当に何者なんでしょうか?


「いずれにしても梓的には残念なことで申し訳ないのですが、このまま梓を家に帰す訳にもいかないので、どうせならここで衣食住付きで働きませんか?」


うっぷ。この子、勝手に進めすぎでは?

一気に説明してくれた内容はどこからどう質問すればいいのかかなり整理に困る。

いや、待って待って!私はとにかく帰りたいんだけど。そもそもこの事を私の子供達や夫にはどう伝えればいいの?


「梓」


部下は一先ずのまとまった説明を終えたようで、テーブルの反対側に座る。

そして、真剣な顔でこちらを見る。ちょっと空気が固くなる。


「ここまで和が言った事や今私が言った事は一先ず全て置いておいてください。」

「はい?」


一息置いて、スズはそのまま続ける。


「あなたが何よりもまず優先して知っておかなければならない可能性が高い事です。

恐らくあなたは魔法使いのアリス・フォーラスという魂で、現在は人間の山本梓として今生きています。」



「は?」


「これは憶測による過程ですが、基本世界の情報では『山本梓』という女性は19歳で亡くなっている事が確認出来ました。つまり、その後今に至る約17年間をアリス・フォーラスの魂で引き継いだのでは?というのが大まかなところだと考えています。」


「・・・は?」

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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