表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第二章 交わる影、揺れる心
54/87

疑問:これは不明瞭な事への不安?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

『まもなくーまもなくー、4番線に武蔵国橘樹郡行きが到着いたします。白線の内側でお待ちください』


あ!そうそう。

聞いた声。

既に不穏な雰囲気があるアナウンス。


最初に電車を見た時の事を、改めて思い出すけど・・・

普段聞きなれない声の時点で、気が付いても良さそう。

案外分かっていないと、こういうモノは気がつかないのかもしれない。


今日は日向と秀人との初めての外出。

それに久しぶりの外出なので、ちょっとだけワクワクしてしまったけど…

実際は危ない外出だよね。

だってこの電車、死者回収電車だっけ?

ってことだし、ワクワクしてる場合じゃない。きっと。


–ふわっ


そしてアナウンスの後、目の前に確かにあの電車が来た。


「うわぁ・・・」


全然、普通の電車じゃなかった。

まるで、時間に置き去りにされた箱。


改めて見るとかなり古い状態だし

ところどころ草や蔓が生えてるし

窓もヒビが入っていたりと

外見からして明らかにおかしい。


–プシュー


そして、その普通じゃない電車のドアが開く。


「・・・あれ?」


今日は前よりお客様がかなり少ない様子。

ほとんど、空車に近い?

一つの車両に一人二人って感じ。


「この電車は、比較的始発のタイミングなのだろうね。」

「なるほど。そういうのもあるんだ・・・」


確かに、始発なら乗っている人が少ないのは納得。

ついつい前回と比較しちゃったけど、そもそも電車の見た目も違ったのかもしれない。


「そうそう。スズはなんで、あの時乗ろうとしてたの?」

「…用がある場所に行くのに、丁度良かった。」


ふ~ん?

かなり前から、何となく気になっていた事だからつい聞いちゃったけど、そんな数少ない電車がタイミング良く来るものなのだろうか?

それに用がある所って、途中のどこかの世界だったのか、はたまた最後の…?


「まぁまずは初めてだろうし、焦らずにゆっくり様子を見ていこう。」

「スズー座っていいの?」

「ガラガラ~。」

「いいよ。」


「あ。妖精が見えるんだな。」

「外はね。場所によって景色は変わるけど、綺麗な景色が映ることが多い気がする。」

「はわぁ。あの時見えてたあれって、妖精だったんだ・・・。」


あの時はちゃんと見えてなかったけど、確かに改めて見ると妖精さんだ。

色々な色の小さな人間の様な姿で綺麗な羽をつけて、電車の周りを風に千切れた花びらみたいについてきているみたい。

妖精さんの方からは、こっちは見えていないのかな?

気にしている様子はなさそう。


「凄い!初めて見た!」

「妖精っているんだー。」

「ここでは、関与とかそういうの関係ないのか?」

「そうかもね。死んでいる者たちだから、そういったルールとは、もう外れてしまっているのかも知れない。」


「え?あの妖精さん達も、死んでいる妖精さんってこと?」

「そうだよ。彼らもこの電車に引き寄せられて、最後までついてくる。」


…そうなんだ。

そう思うと、ただ可愛いとか綺麗ってだけで眺めてたのが、ちょっとだけ悲しくなる。


「・・・あれ?スズさんじゃねぇですか?」

「ん?」

「ははぁ。まぁたタダ乗りっすかぁ?」


知らない男の人が急に声をかけてきた。

スズの知り合い?


「久しぶり。まだいたんだ?」

「そんなぁ相変わらずお厳しい。今日は大勢でタダ乗りっすか?あれ?彼女ってもしかして例の?」

「ガルシアから聞いてない?」

「あぁ!やっぱり。聞きましたよー。おかげさまで皆てんやわんやでしたわ。」

「自業自得」

「これまたお厳しい!」


・・・何か軽い方だなぁ。

服装は前に見たガルシアさんと同じで、紫のスーツ。

そしてこの方は、更にサングラスを装着。

普通の場所でみたら、普通の893かヤンキーよりも遥かに目立ちそう。

多分死神さんって事でいいのかな?


「今日はいつも通り、このまま終点行きですかい?」

「いや。今回は電車の乗客が見たい。5、6本くらい今日は乗り継ぎしてみようかと思ってる。」

「乗り継ぎするんすかぁ?あぁーそれなら、ちょいとスズさんだけいいっすか?」


多分死神の男の人はスズを手で招き、車両の端でヒソヒソと内緒話のようだ。

何だろう?

普通に喋ってる時には、その内容が分からないと、そのまま聞き流しちゃうのに、こうして内緒話になるとつい内容が気になっちゃう。


「・・・・・・・・で・・・・・・・・すよ。」

「・・ほど。・・・・・・・・か・・・・?」


あ。次の駅かな?

乗ってる電車は、徐々にその速度を緩めているようだ。

でも、景色は普通の外の景色じゃないみたいだから、何処をどう走っているのかはさっぱりわからない。

普通に電車のレーンの上を走ってるのかな?


「梓ー。あの子見て!」

「ん?わ!気が付かなかった!」

「小さいね。セイより小さいー」


家にいる黒い子の中でも一番小さいセイよりも、更に一回り小さいテニスボールぐらいの大きさで、まさに丸くボンボンとした生き物?

が座席の端に座っていた。


日向に言われるまで、まったく気が付かなかった。

なんせそのくらい小さい上に、その子の色は座席と同じ緑色でしたので。


「気になる姿の生き物は、色々いるとは思うけど、あんまりジロジロとは見ないように。

目が合ってしまう事も極力控えて。」

「「はーい。」」

「スズ。どうしたんだ?」


スズが死神さんとのお話から戻ってきながら、日向達に追加の注意。

死神の方は、そのまま来た車両とは反対の次の車両に行ってしまうみたい。

何の話をしたのか、和さんも気になっているみたい。


「ちょっと変な電車が最近増えて来てるから、気をつけろって」

「変な電車?」

「時間に遅れたり寄り道する電車とか、後はそもそも死神回収以外で彷徨って、ウロウロしている火車もあるらしい。」

「そういう事は珍しいのか?」

「んー。たまにはいるよ。電車といっても、火車には自我があるからね。サボったり怠けているヤツは出てくる。」


そっか!

そういえばこの電車さんは妖怪なんだっけ?!

今、私達は妖怪の中に乗ってるってこと?

食べられてるとは違うんだよね…?


怖いというか、なんか凄い変な感じ。

乗る時も普通のちょっと古びた電車、ってしか見てなかったから、妖怪って事をすっかり忘れてました。


「まぁ確かに。あ。」

「少しずつ、あぁやって乗ってくるから、皆あんまり広がりすぎないように。」


そうしてるうちに電車が駅に止まり、開いたドアから数名の人が乗ってきた。

でも、乗ってきたのは普通の人みたい。


「まぁここはまだ基本世界だからね。本来は人以外の場合でも、せいぜい動物ぐらいしか乗ってこないよ。」

「それは、そうだよね。」


言われてみればその通りだよね。

今回の目的はそれ以外のイレギュラーを探すことだけど、そもそもはレギュラーが多くて当たり前。


「だいたいこの電車は2〜3時間ごとくらいで、次の世界に移っていくよ。

まぁだから元々気長な観察になる事だし、あんまり気を張りすぎずに。時間はある。」


そっか。

ドアが開くたびに緊張してたら、保たないよね。

落ち着いて、日向達ぐらいマイペースにいこう。


「スズー。あれはー?」

「あれは、浮遊霊か地縛霊とかみたいに、長く居座ってしまったから、強制的に回収されたんだろう。」


本当だ。

昔の罪人の様に、電車とロープのようなモノで繋がれたまま乗って来た人がいる。

地縛霊って・・・やっぱりそういうのも本当にいるんだ。

そして、ああやって強制的に連れて行かれてしまうのかぁ。


「これって、自分で言い出した案だけど。そんなに偶然に乗って来るかは、実際分からないよね。」

「まぁ動かないよりは、こうして動いてみるのも良いと思う。やってみないと分からない。

実際にウーノ達の世界に行くことも偶然にあるだろうし、更に運が良ければフィーの場所へ行く可能性も、かなり低いだろうけどもある。」


「へぇ…そうなんだ。この電車自体は妖怪なんだよね?この妖怪はそうやって、他の世界を色々と移動しちゃってもいいの?」

「まぁこれも効率を取った結果だろうね。結局色々な世界で死者が出る以上、全てを回って回収するには死神だけでは手が足りない。

そういう意味で勝手に死者を捜してくれる、こういった怪異は死神からすれば助かるんだろう。」


そっか。

死神がどれぐらいの人数いるのかは分からないけど、全部の世界の死者の数の方が、きっと多いんだろうし。

確かにそういう意味では効率性をとって、こうして手伝って貰うのが良いっていうのは納得。


というか、さっきから全部の気になる事や質問に、ちゃんと答えてくれてるスズは、本当に色々な事を知っている。


まるで、何百年分の授業を終えた先生みたい。

でも、今こうして電車の開いた窓から風を受けながら外を見ている様子は、年齢もさることながら普通の女の子。


どこか一歩後ろから見ている。か・・・


この前の話で、和さんがスズに対して言った言葉通り、スズはきっとこの電車のように、色々な世界を眺めながらずっと見てきたのかもしれない。


そんな彼女が、あの日偶然にもあの電車に乗って助けてくれた。

そして、今もこうして私の案を聞いてくれて、一緒に考えてくれたり、手伝ってくれたり。


それはスズにとっては何万人も出会ったうちの、たった一人の事なんだろうけど…

だからといって、それを蔑ろにする印象はない。


アイザック君にしても、待たせるとか時間がかかるとか言ったりしてはいたけど。

子供扱いもせずに、真面目にちゃんと話を聞いて、現場を直に見に行って、そして本当に原因を突き止める事までしてみせた。


それって・・・


「梓。どこ〇もドアって覚えてる?」

「へ?」

「梓が私と最初に出会った頃に、私に映画の話をしてきた。その時私は少し前に、相談に来た子どもに連れ回されて行った、映画の話をしたんだ。」


「・・・あ。あぁ!最近見に行った映画の話を私が振ったね!よく覚えてるね。」

「そう。多分会話ネタに困ったんだろうなぁと思ったし、適当に返事しても良いかなと思ったんだけど。」

「あ。やっぱりバレてた?。」

「梓はだいたい顔に出るよ。どこで〇ドア。あったでしょ?」

「・・・・は!た、確かに・・・。

前に聞いた交渉人さんとかのドアも、魔法使いが使っているドアも、言ってみればどこ〇もドアみたいなものだよね!?」


というか、スズはよく覚えてるなぁ。

確かに私も最近で、一度だけその事を思い出した気がするけど、実際にその話を話したのなんて3年前の事。

あの会話をきっかけに、スズを不思議な子ってイメージを持った節もあったけど…

実際にドア・・あったわ。


「そうそう。結局は何があるか分からないものだよ。

まだ私も知らないだけで、タイムリープするようなモノも実はあるかもしれないし、その前に人類が滅亡するかもしれない。

あんまり考えても、その時々に合わせていくしか、結局はないことの方が多いものだよ。」


「・・・あ。それも顔に出てました?」


「梓はオーロラや塩湖っていう、湖が鏡みたいに反射して空と鏡映しみたいになっている場所。

あとは全部が氷でできた洞窟。一面真っ赤な砂の谷。そんな基本世界の中でも、有名な景色を見たことある?」

「ない!確かに見てみたいとは思ってたけど、実際にはどれも見たことがないの。見に行ってみたいよね!」

「じゃあまた何かのタイミングで、その国や近くに行くときには、また出かけよう。」

「いいの?また和さんに心配されるよ?」


今は反対側の座席で、日向達と喋っている和さんに視線が移る。

ふふ。なんか親子みたい。


「まぁ今は確かに和が心配するのも分かるけど、結局は来るときには来るんだし、まぁでも確かにもう少し落ち着いてからでもいい。

この世界もどの世界もそんな風に、綺麗な景色や反対に残念な景色も色々ある。それも含めて、色々見てみるといい。」


スズが言いたい事が、少し分かってきた気がする。


「・・・私は・・・絶対にこれからもどれも感動したり、悲しんだりきっとすると思う。

そんなこの気持ちは私のモノだと思う。魂とかって言われても、分からないものは分からない。

だから、あんまりそっちを気にせず、素直に受け止めていければいいかなと、そう思うぐらい私は単純に考えてるかも。」


アリス・フォーラスの魂なのか、山本梓の魂なのか、はたまたイヴさんの魂なのか、結局なんなのかは分からない。


でも、今あるこの感情は今の私だけのもの。


・・・あ。

つまり、スズもそんな感じ?


その時々でその時に合わせて生きて、その時に合わせた受け止め方をして、過去がどうこうって話じゃないって事なのかな?


今のは難しい話ではないのに、どこか難しく感じるのは、私の問題・・・?


「ふはっ。そうだね。それぐらいで良いと思うよ。」

「・・イヴさんは全然違う感じ?」


あ。やっぱあんまり触れない方が、良い感じだったかな?

珍しく笑って貰えて、ついちょっと間違えたかもしれない。


「・・大丈夫。イヴは梓とは全然違う。

魂って性格とは結構関係ない。結局はその人間の経験が感情や考え方になっていくから。

だからイヴが戻って来る事は二度とない。仮に一から同じ生き方を始めても、同じイヴになる事はない。」


「そっか・・・そう言われてみればそうだよね。フィーさんもそれをどこかで分かってる・・・って事なのかな?」

「多分。基本的には素直だから。」


「確かに・・・アイザック君じゃないけど、スズの前で話してたフィーさんは、感情がすごく全面に出て素直みたいだね。姿は見えなかったけど。」

「あの子は基本世界があんまり好きじゃないから、今いるあの世界の住人として、ほぼ生きてるんだろう。ウーノ達と同じく遠い違う世界の住人として、梓達には感知されづらくなってるんだと思う。」


なるほど。しっくり。

最初ウーノ達が見えなかったように、フィーさんも見えないんだ・・・


でも良かった。

この話題でも…


ちょっとだけフィーさんとの会話を聞いて、色々あったんだろうなぁ。

…とは思ったけど、私がイヴさんの魂の半分なら、スズはイヴさんの事をどう思っているのか、実はちょっと、いやかなり気になっていた。


「スズはイヴさんやフィーさん、それ以外のwalkerさんと昔は一緒に暮らしてたの?」

「…それはだいぶ昔。今の人間が人間らしい衣食住を始めるより前。」

「・・・それはもう紀元前とか、そういう次元じゃないね。」

「そうそう。だから全部は覚えてない。」

「そっか。」

「私はあんまり好き嫌いをハッキリする方じゃなくてね。イヴの事も普通に同じwalkerぐらいにしか思ってなかった。だけど、イヴは真逆で、その辺ハッキリしてる方だった。」


「なんかそれ・・・大変だったんじゃない?」

「まぁ色々あった。もしかしたら、フォーラス家やあの男に絡んで、今後そういった話も聞くかもしれないけど、まぁ聞き流して貰えればいい。」

「・・・分かった。色々なんだね。」


全部を包み隠さずに、話して欲しいって思っているわけでは、もちろんない。

でもスズがイヴさんをどう思っているかは、あんまりよく分からないままかも。


もしもう一度、もしも会えるとしたら会いたいのだろうか・・・?

フィーさんは凄く怒ってた。

スズも謝りたいって言ってた。


多分スズはイヴさんと、最後に何かあったんだろう。

それを聞くには、ちょっとwalkerを知ったばかりの新参者の私には、到底無理だろうなぁ。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ