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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第一章 境界に立つ者たち
49/80

答え:過ぎすぎず及ばざる前に

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「いいか。絶対に離れるな。マズイと思ったら、戦わないでスズを抱えて逃げろ。分かったな?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・了。」

「どうかな?圭。コレでいけそう?」

「・・・・・・・・・・・・・・・匂い袋もう一つ。・・・・・・・・・・・・・精神防御用・・・・」

「匂い袋ね。あぁ。それはここ、一応裏地に貼り付けた。」


圭がいつになく慎重に、壊れ物を扱うような手つきで全身をくまなくチェックし、私は所々で匂いを嗅がれた。


「スズも。圭の前に出るなよ。」

「分かった。よし、じゃあ行こうか。一応正式な?方法で、先ずは魔法世界からだ。」


カルは地下で檻に入っておいてもらって、お留守番。

和に検問所まで送ってもらって、手続きしてまずは魔法世界に入る。

そして、魔法世界の中から怪異だけの入り口に向かう事になる。


魔法世界では一応ミランダにも言ってあるし、爺にも声をかけていたから、手続きは何事もなく進んだ。

そりゃ二人とも魔法使いからの見た目は普通だからな。

怪異としては一応、私の方も吸血鬼というていにしたから、圭の妖力や吸血鬼の時の匂いを付けている。

私からは殆ど匂いは分からないんだが、こうすると兄妹に見られやすくなるとのこと。

ここは妖怪本人に言われた通りにした方がいいところだろう。


「ここだ。」


検問所から爺にお願いして、二つ隣の領地まで飛ばしてもらった。

そこから大体、1時間ぐらい歩いただろうか?

場所的には魔法省を中心にして、前回のフォーラス家やトルストイ家とは反対の方向にあり、そこから更に大きな湖を跨いで渡って来た感じだ。

普通に歩くと1ヵ月ぐらいはかかる距離だろう。


そして山に入り、洞窟らしい部分が入り口。

あたりに人気はない。

こういう場所は獣も多く、魔力が濃く漂っているらしく、若い魔法使いでは軽くは近寄れないらしい。

まずは簡単になくならないとはいえ、300年ぐらい経っている。

まだ残っていてよかった。


さて、キーワードは・・・


圭の顔色が、洞窟の影を先取りしたみたいに沈んでいる。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「大丈夫か?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウッス」

「じゃあ・・いくぞ。」


「もしもし。」


「もしもし。」



「もしもし。」


「お入んなさい。」


洞窟に見えている暗闇の入り口で、指定のキーワードを繰り返していれば、洞窟の暗闇には奥の方まで何も見えないのに、まるで正面にだれか居るような距離から、入室許可の返事がきた。

圭が先に進むようなので、はぐれない様に後ろから圭の手を握りそれに続く。


数歩進むと急に洞窟の暗闇が晴れ、昔の区役所または郵便局のような小さい窓口の前に立っている。

そしてその受付として、正面には対応してくれている、のっぺらぼう。


一応は顔なじみでよかった。


「おやぁ。お久しぶりですね。スズ殿」

「やぁやぁ。火ばぁやは息災?」

「あぁ相変わらずですね。元気すぎて困りものですよ。そちらさんは?」

「今回連れてくると言った旅人だ。」

「そうですか。吸血鬼のようですね。今日はどちらに行かれるご予定で?」

「南部と南西の方の知人にまとめて会いに行こうかと思っている。今日の日暮れまでで良い。」

「まぁ最近はあの辺も安定してきてるので大丈夫でしょう。いつも通りカヤをつけますので、何かあれば飛ばして下さい。」

「助かる。」


梟のようだがかなり小さめで、セイに近い。

同じく肩の上に乗っかってきたが、肩に降りた瞬間にふっと姿を消す。


「そういえば、ガガラは居るかな?一応メールは送ったんだけど」

「あぁ。だからですかね。最近やたら真面目に働いてましたよ。今もその辺にガガラー」

「・・・あ!スズ!!!!やっときたぁ!!え?何その吸血鬼?!ちょっと浮気?ヤダヤダ!ちょっと大事な話ししましょ。ねぇ休憩とっていい?」

「もう・・・5分ですよ。」

「みじか!急ぐわよ!ほらほら!」


口裂け女のガガラが受付側から出てきて、裏口に引っ張っていく。

圭もちゃんとついてきている。


「こっちこっち!はやく~」


急かされ裏口から出て、3人全員出たところで扉が閉まる。

そして同時にガガラの表情は切り替わる。


・・・妖怪にも色々あるのだ。


「・・・で、その子が例の?」

「そうそう。どう?兄妹にみえる?」

「まぁそうね。見た目だけならギリオーケー」

「ありがと。で手短に聞くけど最近他の世界からの出入りは?」

「魔法使いを見たって話しは、もともとかなり前から結構な数があったのよ。

でも、みんな場所や魔法使いの見た目がバラバラでね。調べきれてない、ひとまず多い場所をまとめておいたから渡しておく。」

「ありがとう。助かる。お礼ね」


色々な飴が詰まった瓶を渡す。


「まいどー。」


そう言うと嬉しそうに受け取り、これで用は終わったと建物へ戻っていく。

扉が再び閉まるのを見送り、一先ず圭を促し徒歩での移動を始める。


「これは後からでいいだろう。まずは圭の言っていた、サーバー介入の際に使われた回線が通った付近に行ってみよう。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと遠い」

「圭。今日は緊急時以外は、あまり気を使わなくていい。好きに話せばいい。今日は時間もあるしちゃんと聞ける。」

「・・・・・・・荒れた大地。草木も生えない荒々しい固い地面。一滴の水が落ちてもそれはすぐに空気になり、何も変わらない。男が一人風にマントをたなびかれながら立ち尽くす。ここがあの時の場所だと。あの景色はどこへいった?もう戻る事が不可能にも感じられる。立ち尽くすのみのそこで暫しの思いを寄せ、彼女の言葉を思い出す。あなた達がそれを望むのなら。彼女の望みはどこだったのだ。彼女の行き先はどこだったのだろう。その場所が全ての答えなのだろうか。ここには喜劇も悲劇もなかった。残ったものが全てだ。」


「・・・ここにお前が求めているものがあるなら、探すことを必ず手伝う。

最初に出会ったお前は何を自分が必要としているのか分からなかった。

ここがお前から奪ったものがあるなら、今のお前ならそれらから何を奪い返す?」


一応歩きは進めたいので、考え中の圭を引っ張りながら歩くように促す。


「残らなかった先を進めば、ある一つの緑が見える。近寄ればそれは徐々に形を作っていき

小さな、それはとても小さいけれど確かにそこにあり小さな雫を持ち生きていた。それがそのまま無くなるのを再び見ているだけなのか、方法が分からない。それはそのものの意思で生まれる事を選んだというのに、その先に手を差し出す方法が分からない。やがて強い風が吹き、男は諦めた。あぁ目を開けばきっともうそこにはない。強い風は長く吹き荒れ、男の服を肌を強く叩く。どのぐらいたっただろうか、声を発する意味もないほどの風の音はどこかへ次の大地へ移動してしまったのだろうか。男は足を前に出そうとした時、再び視界に映る緑。」


「それがお前の選択なら、それでいいじゃないか。

和にも先日言われてね。私はつい私が話を聞く過程で、私が相手の選択を選んでしまっているんじゃないかと思い込んでしまっていた。

でもその私の提示した選択だろうがそれ以外の選択だろうが。話しをする側も自分で選択することをやめなければ、それはその者自身の選択だろう?

お前の選択に誰もケチはつけられないよ。」


 圭はいつも考え続けているのかもしれない。

それは言葉ではなく光景として、今の圭の光景が今話している内容のように強風吹き荒れる荒れた大地ではない事を祈っているが、それも圭が決める事だ。

ここにきてずっと固い表情をして、周りを見る事を嫌がるように私か足元を見ている。

私には圭がまるで「ここには帰りたくない」と拒んでいるようにも見えるし、「ここが俺を捨てた場所」と改めて自覚しているようにもみえる。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・考える。」

「分かった。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遠い。・・・・・・・飛んでいい?」

「頼む。」


圭は何も言わずに背中を下げた。

選択肢は最初から一つしかなかったみたいに。

腕で固定されてしっかり乗った途端、足元から地面が消えた。

空からの景色を見ようかと思ったが、強い風に当てられて目が開けられない。

こうなっては圭の背中を壁に、できるだけ身を小さくして、後は任せる。


――圭は初めてあった時、何故か妖精の世界に居た。


妖精たちに話を聞けば怪異の世界を追い出されたようで、地獄の様な深い谷から一人で登って来たらしい。

いつ頃から居るのかと本人に聞いたところで返事はないらしい。

妖精たちは50年ぐらい前だと言って、50年その場所から一歩も動かず、立ち尽くし反応もせず、その足元の草は枯れてしまい、対応に困っているということだった。

それは確かに妖精たちからしたら、手もつけられない事だなと思い、私も彼に話しかけてみるが、やはりなんの反応もない。


 私にとってその時期は、ファストが居なくなって200~300年ぐらい経った時期だったので、当時の私はまるでイヴのようだなと思った。


 まぁそれでもいいかと、その後も話しかけ続け、水や食料を無理やり口に流し込みながら、暫くそばで様子を見ていた。

その後も数か月ほど様子を見たが、全くの変化が見られないので、この際色々やるかと思い、試しに水をかけてみたりお湯をかけて頭を洗ってやったり、叩いてみたり殴ってみたり。

(最初は一応手で殴ったりしたのだが、如何せんどう考えても私の方が痛かったので、途中からは木材等で殴ったりすることに切り替えた。)

その他にもちょっと口に出しづらいことまで色々やったが、まるで石造のようだと思うぐらいに”それ”は全くもって動かなかった。


 半年ほどして思いつく限りはやりつくし、かなり疲れた。

一旦休憩でもするかと、それの足を背もたれに何となくその時持っていた本を読み始める。

まぁ聞いているのかも分からなかったが、折角だしと途中から声に出して読んでみた。


 その時の本の名前は忘れたが、内容は確か医者が旅をする話だった。

無能な医者が都を追い出され、旅を始めその途中でも医療に失敗したり成功したりとしているようだった。

それをただただ読み進めていた。

かなりまだ後ろがありそうだったから、途中で声を出すのをやめようか・・・と思い始めていた時。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・男、どうなる?」


 ここでやっとそれが、人として証明されたわけだ。

私にもその本の続きは分からなかったので、ならばと引き続き読み進めた。

結局医者は色々な場所を旅し、江戸にたどり着く。

その本はその医者の人生の一部を当時の楽しみ物として、滑稽に楽しそうに描いているものだった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・終わりが無い時は、どうなる?」


読み終わった後、再び圭が言葉を放つ。

怪異だと思われる男だ。

その人生に終わりがない可能性もあるだろう…

永久という言葉は、時に救いがない言葉だとも思う。


「私はお前の事をしらん。だから私の答えを今言ったところで、お前の求める答えの欠片になるとは到底思えん。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「まずはお前が自分で探してみればいい、こういう物語は好きか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分からない。初めてだ。」

「なら他にも色々な物語があるから、その中でヒントを捜してみてはどうだろうか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・読んでくれるのか?」


「・・・たまにはいいが、それは疲れる。基本は自分で読め。」


 とそんなこんなで、当時妖精の世界の端の方で、時間つぶし用の本を集めていた家へ招いた。

文字の読み方や意味を説明し、最初はウーノ達と同じように、ゆっくりと理解していく事になったが、1年も経てば一人で読めるようになっていたので「暫くここで読むか?」と聞けば彼は頷いた。


「私は流石にそろそろ、出かけなくてはいけない。お前はこのままここに好きに住んでいてくれて構わない。たまには食事と睡眠もとりながら、好きにすると良い。また来る。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。ありがとう。」


 一応周りの妖精には、状況を伝えておいて私は他の世界へ移動した。


――そして戻って来た時には家は焼けつくし焼け跡のみとなっており、そこに圭の姿もなかった。


 妖精にも状況を聞いたが、しばらく前に何かが来て家を焼き、圭を連れ去ってしまったとのこと。

そうしてここから暫くなんだかんだと、見つけられずなかなか探せず、次に会うのは約300年後になる。


おっと・・・地面に降りるようだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・着いた。」

「ふむ、特に目立つものはない感じだね。」


降り立った場所は湖のほとりで、綺麗な水面が全面に広がり、後ろは林の真ん中にある草原のような場所だ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・この先・・・・・何かある。」

「行ってみようか。湖の反対側?中?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多分。中。」

「それは泳がないとか。よし。」


一先ず濡れても動きにくくならないように、上着やズボンなどの水を含むと重くなるものは脱ぐしかない。

わざわざ用意した匂い袋を濡らすわけにもいかないし、それに泳いでしまえばどうせ湖の中では、匂いなんて関係ないだろう。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぎゃばればやあどあぁぁぁ?!?!?!」

「圭はそのままいける?」


・・・まぁ見栄えは悪いけど、仕方ない。

湖の中に行く事まで最初から想定できるはずもない。

んー・・・体ごと入る前に、一先ず湖に足をつける。

まぁ冷たいが、ギリ?


「ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ!!!!!」

「一先ず泳いでみよう。圭、先に進めるか?」

「おおおおおおおぉぉぉぉっぉおうううううううううううううううう!!」


まぁ急に女性に脱がれては、驚くのも無理はない。

にしても騒ぎすぎだ。

うるさい。

なんか寄ってきたら・・・なんか来た。


「圭」

「!!!!!!!!!」

「何してるのかと思ったら、なぁに泳ぎにでもきたの?」

「まぁそんな所。この湖の中に何かある?」

「えぇ。湖の本当に真ん中の一番下に、いつの間にできたのか分からないけど、扉があるわね。それ目的?」


――湖の中から女が出てきた。


まずまずの見た目は人間の女性のようだけど、その肌は人間とは違い鱗を持っている。

濡れた水で向きによっては、肌が緑色に光ってみえる。

恐らくは河童だろう。

顔は人間そのもののようで、こうして会話も普通にできそうなので、聞いた方が早いだろう。

まぁ、注意しながら進めよう。


「扉?それはどんな?」

「んー地面に張り付いてるからちゃんと見た事はないけど、普通の木でできた扉よ?」

「ちょっと実際に見に行きたいんだけどいいかな?」

「えぇ構わないわ。そこの吸血鬼も?」


 圭が首がもげそうなくらいのうなずきで返事を返す。

実際に中央まで泳ぐとなるとかなりの距離だろうし、深さが分からない。

そして、信用できるとは言い難い。


 再び圭の背中に張り付き、私を背負ったまま、圭は河童の女の案内を追って湖に潜る。

湖の透明度は高く、かなり奥深くまで光が入っているようだ。

河童の女は言った通り、湖の中央まで直進して潜っていくと思われる。


–ボコボコボコ・・・


かなり深いな・・・

これは先に息がもつか気になる。

無理そうなら、一度圭に合図を出す。


–ゴポポポポ


最初は入った時の空気等で水泡の音が聞こえていたが

それも次第になくなっていく…


そして深くなっていくにつれて、光も遠くなりだんだん暗くなっていく。


まだ先だろうか?


湖の一番下はまだ見えない。


できるだけ動かず、水圧にも注意しながら、少しずつ体内の酸素を消化していく…


「ねぇ。吸血鬼。」


河童の女は普通に喋れるようだ。羨ましい。

案内の為、先を泳いでいた女は動きを止めた。

圭の肩を注意しろという意味で、軽く叩く。

イエローカードになりました。


この女は分かっている。


圭を吸血鬼と呼ぶのに・・・


「その女。人間でしょ?あんたの餌って感じじゃないわよね。」


圭は流石に喋れないようだ。

そして、このセリフはレッドカードだろう。

周りに人影のような暗闇が徐々に近づいてくる。

囲まれる前に一旦上がるか。

まぁだいたいの場所は分かった。


圭の肩を今度は強めに叩き、上に上がるように促す。


「ふん。私達より速い訳ないでしょ。ねぇそれちょっと頂戴よ!!」


圭は水を蹴り、一気に上を目指す。


水は液体だ。

強い力が加わればその反動は大きい。

いくら泳ぐのが早い河童でも、圭が一度蹴ったその瞬発力。

その反動は泳ぐ以上に、スピードのある速さになるだろう。


むしろ一気に上がる圭の体を離されないように、掴んでいる腕がきつい。

息も腕もキツい。

早く水面へ頼む。

もちろん、後ろから追ってくる河童の様子を追う事など出来ない。


「ちょ!早く!逃げられる!!」

「えええ?!何あれ?急げ!」

「ちょっと!!!あんた達負けてんじゃないわよ!!」

「まっ!まてぇぇぇ!!」


–バッッッッッッシャァァァァーン!!!


勢いよく外に出た。


思いっきり空気を吸い込みたいのはやまやまだが、どうにか意識的にゆっくり呼吸をする。

圭は吸血鬼の姿と人間の姿の中間の様な感じで羽だけを出して、上空で湖を確認している。


「はぁぁぁ・・・・まぁそんなこった事だろうけど。ありがとう。圭。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうする?」

「そうだなぁ。扉があるかまでは確認できなかったからなぁ。」


「ちょっ!吸血鬼が!!」

「降りてこい!卑怯だぞ!」

「逃げてんじゃねぇ!臆病者!」


おうおう散々な言いようで。


「圭。あれどう思う?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別に。」

「圭は優しいからね。たまには良いと思うよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

「どうせ扉は確認しておいた方が良いし、もし無かったとしても気分は良いと思う。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気分良いかな?」

「向こうが話す気があれば良いけど、あれはどう見ても私を食う気まんまんだ。敵意を向けられた以上、防衛行動は正当だ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし。やろう。」


圭はとにかく力が強い。


だから、注意しないと相手を怪我させる事があったりで、最初は力加減の努力が大変だった。

だから圭は基本的に誰にも自分からは触れない。

その上、話すことも苦手だから基本は全部逃げる事で、相手を怪我させないという方法を取って来た。

圭にとっては何を言われようが、罵られようが、逃げれば全て静かになると…

だからたまには、こういう事もいいだろう。

思い切って殴ったって。


「まぁ多少の怪我程度で。湖の中央に向けて思いっきりいこうじゃないか。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こないだの・・・・恨み・・・」


ん?もしかして私か?

何か恨んでる?


「・・・・・・・・・・・ブブブブブブブブブブブブブブララララライイイイイイイィィィィィアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!」


–ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!


あぁブライアン。

なるほど。


圭が一気に水面に向けて下ったと思った瞬間。

湖の水面のそこには水が無くなり、大きな音とともに水は全て外側に押された。

そしてその湖の形状に沿って、押された水は湖の端で縦になって空へ上昇していった。


おかげ様で、無事湖の水底が確認できた。

どれどれ?あ?

あれだな。

女の河童はどうやら嘘は言っていなかったようだ。

さて、すぐに水は戻ってきてしまう。


「圭。一瞬下りれるか?」


返事をせず、圭はさらに一気に水底まで飛ぶ。

あれ?河童どうなった?

まぁ後ででいいか。

水底に着くとすぐに圭の背中をおり、扉を確認。

念の為、鍵を差そうとした時、ふと、扉に掘られた文字に気が付く。

すでにボロボロになっている扉なので、文字も読みづらかったが、深く掘られていたようでなんとか最後まで読み切れる。


–It's no use crying over spilt milk.


「?・・・こぼれたミルクを嘆いても仕方がない・・・。・・・覆水、盆に返らず・・・か?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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