答え:有為転変は世の習えども・・・
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「…という事でひとまずは迷子の子供の件は完了した。」
和さんの説明にスズが返事をする。
「なるほど。みんなお疲れ様。無事見つかって良かった。」
「あぁたまに入口が繋がるのは、流石に予想しようがないから仕方ないけど、早めにこういう話がここや交渉人の方に来るようには、もう少ししたいな。」
唐突に怪異の世界が、基本世界や魔法世界等のどこかに繋がることがある。
それは怪異側の能力の問題の時もあれば、相性がいい場所という理由などでも起こる。
つまりはいつどこで繋がるかは、予想がつかない。
今回は、それで子供が迷子になるような事になってしまったので、確かに和が言う通り早期発見の対応は考えたい所。
だが、こればっかりは昔からずっとどこかに神隠しという話が残る様に、なかなかいい案が出ないのが現状。
【ねーねー】
【スー!】
「!」
「あ。」
「ひとまず話は以上で大丈夫かな?私はちょっと降りてくる。」
「あぁ。これって俺も聞いていいか?」
「…分かった。」
和は先日、妖精や精霊の認知をした事で、妖精が声をかけて来たことに気が付いた。
こちらの要件は完了報告だったし、あっちも用があるみたいだから、早めに聞きに行ったほうが良いだろう。
それにしても先日の件といい、和は私の事を心配しすぎというか、あまり信用していないようだ。
呼んできた妖精と一緒に地下へ降りると、前回よりも多い妖精が地下で待っていた。
地下は床に落ちた光が、勝手に跳ね回っているようだった。
…これはうるさくなるな。
【お待たせ】
【待ったー!】
【待ってないよー】
【ちょっとだけー?】
【お菓子はー?】
【ねぇ聞いて聞いて!】
【そうそう】
【金髪の子ー!】
【魔法の子!】
【なんかーやなこー】
【いっしょの悪魔ー】
【悪魔ー!】
「「悪魔?」」
一斉に話し出すので、階段を降りソファへ向かい聞き流していたら、不穏な言葉が出たので和と一緒に声が出た。
名前だけで、空気の温度が一段下がる。
【あーずるいー!】
【そうそう】
【悪魔!】
【悪魔ー!】
【あれはきらーい!】
【私もーー】
【そこに精霊は一緒に居たの?】
【居たよー!】
【一緒ー!】
【みんなで見てたー】
【早めにねー】
【お菓子はー?】
【きらきらのー】
これは、このままでは話がつかん。
精霊に話を聞いた方が早いだろう。
ひとまず、途中支払いとしてお菓子をあげるか。
「お菓子お菓子。和。ここにも入れた?」
「入れた。その下に、そう。そのタッパーに入れた。洋菓子とクッキー。」
先日の金平糖や飴といったものと、冷蔵庫にあった和に作ってもらったお菓子を、仕事用のデスクの脇に並べていく。
【どうぞ。途中支払い。引き続きお願いします。】
【お菓子ー!】
【わー!】
【これこれ!】
【早く早く!】
【これなーに?】
わらわらとお菓子を取りに来たので、一旦妖精はこれで良いだろう。
恐らく精霊は既に見ているだろうから、先に和に説明をしておこう。
「和。前回は直接はいなかったから、言ってなかったけど精霊と話す時は、思考内で会話する事になる。」
「は?思考内?考えを読むってことか?」
「そう。精霊を挟むと私と和も思考で話しができるけど、とにかくしばらくは変な事を考えるな。とだけ言っておく。」
「・・・・は?」
≪ふふふ。変な事考えてもいいわよ?可愛い魔法の子≫
頭の奥に、直接声が響く。
–というか、妖精と一緒にいらしてたんでしょう。
この子達では話が進まないのは分かっているでしょうに・・・
–は!?思考ってそのまま思考だな!・・・精霊?!
–和。少し静かに。
–えー・・・何考えればいいんだこれ・・・。
≪ふふふ。可愛いじゃない。だってあなたは私達の前に誰かと来ることないから、つい私も喜んじゃったー≫
–それはそれは。それで?悪魔の事もそうですが、順を追ってお伺いしても?
–何も考えないって、どうするんだ・・・?
–・・・・あんまり気にせず、気楽にすればいい。
≪もうーふふ。こっちが見ててドキドキしちゃうじゃない。
そうね。ちょっとだけこっちにこれるかしら?こないだあなたがこっちに来てくれたから、みんな喜んじゃって、私以外の精霊も話したいって言ってるのよ。≫
–かまいませんけど、彼は連れていきませんよ?
≪あらぁ。今日ぐらいいいじゃない。彼はまだ綺麗よ?それもお礼として受け取るわよ?≫
–・・・・・・。分かりました。
ちょっと彼に説明するのでお待ちください。
あと、怪我はおかげ様でだいぶ良くなったので、今回はできるだけ普通の場所でお願いします。
–え?あー・・う-ん?綺麗ってどういう・・・?うーん・・・
≪わかったわー。わくわく≫
–わくわくって・・・。
「あー和?大丈夫か?」
「・・・いや、先に言って欲しかった。」
「それはそうだ。すまん。タイミングが無かった。
で、前にも言ったがここは妖精と精霊の世界の間の世界と繋がってる。
なので精霊に招待して貰えれば、すぐにあっちに行けるんだ。」
「・・・俺は行っても大丈夫なのか?」
「まぁ全員に思考を読まれても良いのなら、一応歓迎してるみたいだし任せる。」
「・・・・あぁ・・それな。でも要件はフォーラスの事だよな。・・・なら行くよ。」
「分かった。」
–じゃあ。移動を頼む。あ。菓子菓子。
≪長き旅人。そして魔法の子。僅かな時間であれど一時の安らぎの場所とならんことを≫
身体が浮く感覚もなく、景色だけが切り替わった。
足元から、匂いのある色が立ち上る。
比喩ではなくまさにお花畑だ。
それもかなり広大で花畑の先が見えない。
–おおおおおお?なんか凄い広いな?花だらけ。
–そうだな。この世界は全体的に平地の様な場所が多いかもしれない。
≪ふふふ。今日はあんまり変なところにすると、怒られちゃうからね≫
≪おや。やっと来たかい≫
≪あら。珍しい。魔法の子だね≫
彼らは自身の自然物。
風や水、火といった大自然の括りのものと、自然の物としてある川や山、草木の自然などがある。
自然物の魂のようなものなので、基本的にぼんやりとしていて形を持たないのだが、こちらに合わせてその時々で、形を変えて今みたいに見えるようにしてくれる。
現在、火はデカい人間の顔になっている。
–おわ。大きい・・・あ。すみません。いえ。んー大きいですね・・・。
–和。気にするな。あまり長居するのも良くない。少し話を聞きに来たんだが・・・
≪そうね。お願い事についてはまだ途中だけど、いくつかで見つけたわ≫
≪えぇ。旅人の子。少し昔のあの男も見かけた。あれはもう魔法の子ではないな。≫
–やっぱりいたのか。だいたいの拠点は分かりそう?
≪おそらくは先日の男と共にいた、悪魔の世界だろうな。多く訪れているようだ。≫
–悪魔の世界?死神とはまた違うのか・・・?
–和。後でその辺は話そう。
ブライアンと言う魔法使いと一緒にいる男は、悪魔なんだな?
その他に訪れている場所というのは、イヴ・・・2番目の旅人の世界?
≪…そうだな。ただいくつかは私達もいけないから、全てかどうかは分からないな。≫
≪かなり多くに踏み入っては、歩き回っているように見えるわね。≫
≪みんな迷惑そうだったものねー。争いも出てるし、嫌ねぇ。≫
–分かった。ブライアン以外にはその悪魔とあの男と他にも何かいそうだった?
≪人数は多い。殆どが魔法の子のようではあるが。怪異や死神。エルフやドラゴンなど、こっちに近いモノや幻獣などもいるようだ。≫
–・・・分かった。その他には?
≪ん!もぉぉ。もう少しゆっくりできないのぉ?≫
–今日はダメ。この子は魔法の子だ。自然物との関与を深めると、相性がいい場合そちらに引きずられてしまう。
≪!!!!わぁぁ。なになに?素直ー!≫
≪ほぉ?そういう事も言えるようになったんだなぁ・・・しみじみ。≫
≪えぇお姉さん照れちゃう。きゃ!≫
≪大丈夫よー。その子はあなたのものだって私達も分かってるわよ。≫
≪そうそう。安心しなさい。取らない取らないー≫
–・・・・まぁ問題ないが、気まぐれは控えてほしい。
≪ねぇ。聞いたー?この子、こんな素直だったかしら?≫
≪良い事だ。うんうん。おじさん感動。≫
≪良かったわねー魔法の子。≫
≪魔法の子はどうなのー?≫
–えーと?・・・スズ?
–はぁ・・・。気にするな。それで一旦話は以上?
≪ふふふ。今日は照れ隠しにみえちゃうわ。≫
≪まぁまぁ。そうだな。大きくは悪魔の関与を、知っておくべきだと思ったんだ。≫
≪そうね。後はあの元魔法の子ね。あれは異質よ。あってはならないモノ。≫
≪エルフやドラゴンが、どうして彼らに手を貸しているかは分からないけど、そっちも気をつけなさい。≫
–わかった。助かった。また何かあれば頼む。この菓子と蜂蜜は今回で貰って。
≪ありがとう。今度はゆっくりおいでね≫
≪そうだな。また来るのを楽しみにしている。≫
≪まだ無理しちゃダメよー。少し血の匂いがするわ。≫
≪魔法の子もとらないから、またおいでねー≫
戻った。
とにかく忙しなかった。
あれ以上長くいたら増えてきそうだったし、早めに退散できて良かった。
妖精達も恐らくどこかでお菓子でも食べてるんだろう。
既に机には何も残っていなかった。
「ふむ。やっと良い情報が入ったな。」
「あぁ。・・・だが、悪魔って・・・ていうか」
–コト
「!・・・あぁ圭か。どうした?」
音に向かって勢いよく顔を向けると、圭と目が合った。
先日のブライアンの件で、つい物音に過剰に反応してしまった。
「あああ。あのね。ちょっと一人だと怖いんだけど、これは本当にあったことだから一緒に聞いてほしいんだ。ネネちゃんがね。一緒に歩いてくれていたの、でも夕方土手で・・どうしてこうなったんだろう。ミミちゃんがいうにはね。一人だけ歩いてたっていうの。なんで?どうして?私は一人じゃなかったのに。どうして今は一人になっちゃったんだろう。ねぇ。」
「ん?あぁ狐か。お前が何か話があるって事で良いのかな?」
「カルよ。せめて名前で呼んでくれると嬉しいんだけど。」
「悪い。カルだな。で?」
「さっき吸血鬼からも聞いて、地獄の件は分からないけど、ひとまず会社にきた奴の事なんだけど、多分私の仲間せいだと思う。」
「何故?」
・・・はぁ。
和がいるんだった。
「やり方が似ているし、あんたが言っていた他の世界ってところでの事も、もしこれと同じなら色々な世界でわざわざあんたを探る奴なんで、今のところフォーラス家に関係する奴になるんじゃないの。」
「んーまぁちょっと弱いけど、確認した方が良さそうだね。カルは仲間達と接触する手段はあるの?」
「ないわ。・・・今の状態では。」
「この世界で自由にさせる事はまずしない。」
「細かい事は多分言えないけど、元々連絡は一方的でこの仕事を終わらせれば、世界に帰れるという条件だった。仲間はバラバラに移動させられて、この世界は私ともう一人。」
「そのもう一人が今回の会社の件に関わっていると思うってことね。」
「…多分。人を操っているみたいだからそいつの事を調べたところで殆ど意味がなかったけど、あいつはそういう事が得意な奴だ。」
「それは調べさせてもらうけど、カルはそれでいいの?」
彼女がしてることは、普通に見ても裏切り行為に含まれるだろう。
できるだけ制限にかからない範囲での発言を、注意しているのだろうが彼女の情報によって、圭も探し方を変えるし怪異が原因と分かればこちらの対応も変わる。
つまりこちらにヒントを与えた事には違いない。
「・・・・そもそもこんな強制的なやり方で、こんな仕事をする事を前向きに考えてたわけじゃないわよ!仲間がどこにいったかも・・・何させられているかも・・・分からないから、早く言われた仕事を終わらせて、私はもとに戻りたいだけだった・・・。」
「不本意ではあると。」
「あ!当たり前だ!・・・っあんた達が味方だとも思ってないが、少しでも早く帰れるなら私はどっちでもいい。」
「なるほどね。じゃあ交換条件をしよう。
カルの仲間を私達が捕まえた時、仲間が敵対視して攻撃してくるなら私達は反撃をせざるを得ない。それはカルも望まないだろう?だからそういうときは君が仲間を説得して。
全員見つけられるかは分からないが、フォーラス家に紐づいているならどの仲間に対しても接触の可能性は高い。制限がその中で解除できればそれでOKだろうし、もしダメでも君たち5人がこちらを攻撃してこないのであれば、怪異へも他世界のトラブルに巻き込まれただけの被害者だとでも言って、君たちを世界に返しても良い。」
「・・・・断る理由はないけど、私は基本的に明確な協力に値する事を、するつもりはない。あなた達のメリットがない交換条件だ。」
成立しない条件を出すほど、こちらも甘くはない。
「こちらの条件は二つだ。こちらを攻撃しない。逃走しない。
攻撃には物理的なものや前回のサーバー介入のようなものも含める。
逃走は現時点では圭の管轄下を離れない事が条件だ。」
「・・・分かった。もしも強制的な指示であなた達を攻撃する場合は、条件を破ったとみなして殺してくれてかまわない。」
「それは状況次第。ひとまずはそれでいい。
ご存じの通りこちらはそこまで人が多いわけじゃないからね、何かあった時には圭にも動いてもらわないといけないから、君には多少大人しくすることは協力してもらえればこちらも助かる。」
「分かった。」
「協力は基本しなくていいけど、もし今回のように話せそうな事があればまた宜しく。
そういえばお芋系が好きって言ってたね。飲み物とかも好きなのある?」
「・・・ソーダとかラムネとか好き。」
「分かった。怪異って炭酸系好きなの?」
「さぁ?でもあんまり飲む機会がないものだったから、こっちに来て普通に売ってるのを見て余計に好きなのかもしれない。」
「分かった。コーラだったら圭用によく用意してるから、買い物の時にソーダとかも追加して貰うようにしておくよ。圭の管轄からちょっとだけ離れるけど、このフロアのあの冷蔵庫なら、自由に開けて食べたり飲んだりしていいよ。」
圭がすぐに動けない事。
前回の件から気になっていたことだから、これが多少は良くなると嬉しいけど、まだ本質的な情報が分からない彼女をあまり自由にさせる事もできない。
一応彼女まわりについても、今怪異の方ではどんな状況かは、圭に年明け確認をしてもらおうかと思っているが、あの世界はちょっと苦手なんだよなぁ。
まず人間を食う奴が多い。
——比喩ではない。本当に食う。
一応こちらも妖怪めいた気配を纏って行くが、嗅覚や気配に敏感な連中にはすぐ見破られる。
隠れる難易度は、魔法世界とは比べ物にならない。
しかも彼らは、魔法世界とは別の理由で人間を嫌っている。
自分たちは基本世界の人間に追放されたのだと、そう信じている怪異が多い。
そして、対抗手段も少ない。
圭のフィジカルは例外としても、怪異の多くは魔法使いが身体強化をかけた程度では話にならないほど強い。
逃げることすら難しい。
殴ればこちらが壊れるか、何も効かないかのどちらかだ。
もちろん手がないわけではないが——正直、魔法使いを相手にする方がよほど楽だ。
できる限り防護策を整えて向かわなければならない。
ブライアンの件に、魔法世界での過去の暴露。
(どちらも私のせいではないが)
これ以上問題が重なれば、和の胃が持たない。
最悪——ここから出してもらえなくなる可能性だってある。
怪異世界では、何回食われたかなんて……
……思い出さない方がいい。
「ねぇこれ何?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・プリン。」
「プリン?食べ物って事でいいの?美味しい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・甘い。柔らかい。美味。」
「じゃあ。これ食べてみよ。」
まぁ好きに漁ってくれ。
仲が悪いより良い方が良いに決まっている。
そもそも同じ世界同士ならなおさら。
そういえば狐の怪異には一人知り合いがいたな、しばらく用もなかったから連絡してなかったが、同じ種族同士なら知り合いの可能性もあるのだろうか。
すっかり忘れていたが、この際今週末行くついでに連絡してみようか。
あ。そうかだから狸爺に・・・まぁいっか。
どっちに会ったって、困ることはないだろう。
「和。今日の精霊の話もあるし、早めにまとまった時間を作るよ。今日はこの辺にしておこう。」
「・・・分かった。」
一度合わせた視線を、すぐに逸らす…
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




