疑問:お客様は四季折々?
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
もうすぐ年末も近いからスズはこのまま年末年始は休むのかと思った。
けれども、スズはいつも通りだった。
連休してしまっていることもあり、仕事納めまでは出勤することにしたらしい。
会社の人からしたら、包帯もまだ少し残ってるし、逆に心配されると思うんだけどねぇ。
まぁ私も同じ立場なら行くかもしれないし、確かに休みが続いてる分の仕事は溜まっていそう。
「和さん。そういえば相談所も仕事納めはあるんですか?」
「はい、ありますよ。一応ホームページ上では、12月30日からお休みと記載してますね。まぁそれでも、ごく一部のそういうことを気にしない方や、緊急の方もいらっしゃるので多少は対応しますが、土日ぐらいの感覚で対応していただければと思います。」
「なるほどー、ちなみにその間は皆さんは、どう過ごされるんですか?」
「そうですねぇ。梓さんには外出を控えていただいている以上、みんなで一緒にゆっくり過ごせればとは、思っております。
一応おせち料理とかの準備もしてみてるので、お出かけできない分楽しくなるようには、考えてみているのですが、梓さんの希望はありますか?」
「か!和さん、おせち料理も作れるんですか!?」
私は作れません!
「それはとても楽しみです!…そうですねぇ。色々と急がないといけない事も山積みだとは思うのですが、私基準で大変恐縮ではあるのですが・・・かなり先日の事でも、みんな疲れていると思うので、和さんがおっしゃる通りゆっくり過ごしたいですね。」
「良かったです。それでは、良ければ一緒に準備していきましょうか。クリスマスもなんだかんだで、プレゼントを渡すだけになってしまったので、日向と秀人にもリクエスト聞いてみましょう。」
・・・そうなんです。
ブライアンが、よりにもよって23日の朝に襲来してきた為、スズが3日間の療養。
正直イベントなどはやらずに暗~く過ごす事になってしまった。
なので、せめてと和さんが、みんなにプレゼントを用意してくれたりしてたのだ。
私もオンラインで注文して用意していたので、和さんと一緒に渡したりと、多少はクリスマスっぽい事をしたのだけど、でもやっぱりもっと色々したかったし、してあげたかった気持ちがどこか残ってしまっていた。
みんなにも楽しんでほしいし、年末年始ぐらいは休んで良いと思う!
「分かりました!じゃあ今日は、私もできるだけ年末年始をゆっくり過ごす為に、お客様への対応を前倒しに進めてみますねー!」
「よろしくお願いします。僕もちょっと今日はいくつかミーティングが入りますが、何かあればミーティング中でも、声かけてきて大丈夫なので、いつでも聞いてください。」
「かしこまりました!」
同じフロアの向こうで、日向と秀人も受付作業を頑張っているのが見える。
基本的に平日にここで作業するのは、この4人(イザベルは基本私の傍にいるだけだし)で少ないと思われるかもしれないけど、実際のお客様リストの数で比較すれば前の会社の顧客数よりも多い上に、その業界のジャンルもかなり多種多様だ。
前の会社の営業部は、平均10~15人で回していたんだから、これで回してるここの方はかなり少数精鋭って事になると思う。
実質、作業の対応者はスズだけというのが申し訳ないけど、それ以外の作業は前の仕事の時以上に私も頑張ろう。
そういえば和さんはこういったお客様対応以外にも、実際のミーティングで使う資料のチェックなども行っているらしい、だからそういう事もいずれお願いできれば・・・と少しだけ言っていたけど、それはかなりハードルが高そう。
まぁそりゃそうだよね。
会社のトップや団体のトップたる、その経営者様の相談の場合、一般市民の私の浅い知識程度で賄えるわけがない。
それこそ基礎知識も勉強し直した上で、その業界に合わせた専門知識や応用知識まで理解していなければ、相談を受けてそこから良いアドバイスや案を提案する事なんて到底無理な話。
たとえやることが、作られた資料のチェックだけだとしても、多分私には書いてある事が理解できない気がする。
資料送付については、スズの方でお客様毎に分けた指定の鍵が掛かったサーバーを共有して、いつも格納しているらしいから、直接見たことはないのだけど、たまにメールで質問がくるのだ。
「先日頂いた物流政策の基本方針についての項目11にあります・・・・」
「20XX年からの比較で頂いた、貿易収支の変遷について少々ご意見を・・・」
「○○実現に向けたエネルギー対策の・・・」
日本の恐らく政府関連のメール内容なのか、既にお腹いっぱい。
ここに医療や科学技術、地政学リスク等など、高難易度なものまで含まれてくるのだから、頑張る先は長そう・・・
そりゃあ、6階もあんな図書館にみえるぐらいの書籍も増えるよね。
学ぶ側としては、ある意味助かるのだけど…
–ピンポーン
「「はーい」」
ん?
訪問の予定は入っていないみたいだし、お客様がいらっしゃったのかな?
年末に基本世界から相談に来る方は、確かに緊急性とかはありそう、すぐに終わる仕事かお断りになればいいなぁ。
最初にこの仕事を受ける時の考え方とは、真逆になってしまったけど、しょうがないよね。
「和ー」
「ん?対応が必要?」
「一応ちゃんとした感じ。圭からも普通のお客ってー」
「そうか。じゃあ話を聞こうか、応接室に案内して。」
「わかったー」
秀人だけ上がってきて、和さんと話しているのを聞いていた。
そういえば、個人顧客といえばこういう対応が普通な筈なのに、意外と少なくて新鮮な感じ。
「梓さんも同席してみます?ただ座ってるだけかもしれないですが、普通の方らしいので。」
「はい。是非。」
あんまり対応数が少ないにしても、基本世界の方なら私でも対応できる範囲は、対応できるようになっておきたいしね。
–コンコン
「失礼します。」
「失礼します。」
「こんにちは。」
和さんが名乗る。
「こんにちは。私は神崎といいます。こちらは山本です。
今日はご相談でいらっしゃった、ということでお間違え無いでしょうか?」
そ。そうか。
普通の日本人なら、苗字紹介だよね。
久しぶりの自分の苗字と、さっぱり忘れていた和さんの苗字に驚きつつ、お辞儀だけする。
「はい。私は大宮康といいます。こちらの相談所の方は聞いた話では〇〇商会議長や△△工業株式会社の管理部などの、ご相談を受けていると聞いていたものですから、私どものお話も聞いていただけないかとご相談に参りました。」
「大変恐縮ではございますが、会社様や団体様のご相談をお受けする際は、基本ホームページをご確認頂き、そちらの条件や詳細をご確認頂いた上で、納得いただけた方のみお受けさせて頂いております為、こういった形でいらっしゃっても、お受けする事はできません。」
「いえ、この度は実は個人的なご相談でして・・・。あとホームページも確認できなかったものですから、直接のお話を聞いて頂けないでしょうか?」
「・・・失礼しました。それでは本日はお話をお伺いさせて頂き、お受けできるかどうかについては、後日ご返答させて頂く形でもよろしいでしょうか?」
「わかりました。是非お受けいただけましたらと思います。」
会社の紹介と聞けば確かに、和さんのように会社としての相談?と思う。
私もそう思った。
だけどそれなりの肩書きが重い方。
そんな方が個人で相談したいとなるとなんの相談なんだろう?
「・・・ということでして、私としましても・・・」
「・・・・」
うーん・・・
最初は真面目に聞こうと思って、メモ取るかまで考えてたよ?
でも、これって全くその必要はないんだろうなぁ。
結局、彼が言う事は
「そういった上場企業や大企業を相手に相談を受けるぐらいだから、さぞ知識や経験をお持ちなのでしょう。私も長く会社の上層部として働き、いくつかの会社も見てきましたので良ければ協業またはこちらのお手伝いをしていただけないでしょうか?」
というもの…
これは私の目から見ても、言い方を気にせず言うなら、大きい会社とやりとりしてるのを、こっちにも紹介してくれ、とか余ったのを流してくれ、とかそういう事だと思う。
そっか、こういう方も来るんだなぁ・・・
和さんは表情こそ変えないものの、「なるほど」「そうなんですね」「それはそれは」を繰り返してる。
お客様同士の紹介は基本NGということらしいけど、信用できる方や相談の必要性があると判断した場合は、その個人の自己判断で紹介しても良いとはしているらしい。
でも迷惑な相談やこういうただの新規契約のような相談の場合は、紹介した側にも条件の追加や最悪契約終了とさせて頂いているとのこと。
そりゃそう。
こんなの何件も紹介されては、たまったものではないよ。
そんなこんなで30分もしたところで
「申し訳ございません。次のお約束がございますので、本日はこの辺で。ご相談内容については検討させていただき、改めてご連絡させていただきますので、そちらにてご確認をよろしくお願い致します。」
と和さんは、言葉を差し込む隙を与えなかった。
「梓さん。お疲れ様です。大外れでしたね。全く・・・〇〇商会議長や△△工業株式会社の管理部の方に、こちらの方について確認しましょう。時間の無駄ですし。」
「分かりましたー!」
最初に頂いた名刺を確認して、それぞれの担当者へメールを送る。
確かにこれでは時間がもったいない。
「和ーもう一人来たー。」
「えぇ・・・。どんな感じ?」
「多分高校生ぐらいの女の子」
「・・・分かった。俺は一旦ミーティングに入るから、日向と秀人と梓さんで先に聞いてほしい。途中から参加する。」
「「分かったー」」
まさかの連発。
しかも――子供。
これも外れかな?
っていうか子供も来るんだ。
「こんにちは!すみません、担当者がすぐ来られないので、先に私達がお話を聞かせて頂いても良いでしょうか?」
「あ・・はい。急に来てすみません。お願いします。」
確かに高校生ぐらいの女の子だ。
もう冬休みなのだろう、私服。
でもなんだか服は、森を抜けてきたみたいに乱れていた。
襲われたっていうより、何かを捜していたという感じ。
木の葉や枝が服について、靴には乾いた土がこびりついている。
そして、焦っているのか、緊張しているのか、とっても不安げ。
大丈夫かな・・?
「私は日向。」
「僕は秀人。」
「あ。私は山本と言います。」
一応紹介。
(二人は名前なんだね。)
そういえば苗字聞いたことないかも…
「あの。相談するところが、ここで良いのか分からないのですが、探していたらここのホームページが見つかって・・・。」
「はい。大丈夫ですよ。どうしたんですか?」
「はい・・・。私は石川凛といいます。〇〇区に住んでいます。」
「凛さんですね。はい。」
「・・・先日冬休みの前の最後の日に、学校が午前中で終わったので、友達の井ノ原京子と近くのカフェでお茶として、夕方に・・・一緒に帰ったんです。」
なんか本当に個人の相談のような感じ。
凛さんは不安そうな表情をそのままに話し始めて、泣きそうな表情も垣間見える。
・・・服装といい、何かあったのだろうか。
もしかして、何か事件?
「二人で喋りながら帰って・・あ。お互いに家も近かったので、一緒に歩いていたんですが・・・・ふと・・気が付いたら、すぐ隣に居た筈の京子が、急にいなくなってしまっていたんです・・・。
・・・最初は先に帰ったのかと思って、私もそのまま家に帰ったんですが、・・・その後連絡しても電話が繋がらなくて、チャットも何故か退出していて・・・・。」
彼女の話に、急に背中が少しだけ冷えた。
友達が急にいなくなった?
迷子?
子供がいなくなったとしたら大問題だよね。
・・・その子の親はどうしたんだろうか?
「・・・翌日も返事がないので、私・・京子の家に行ったんです。そしたら、京子の家のお母さんが出てきたんですが・・・。京子の事を全く知らない様子で・・・・・そもそも家に子供はいないって言って、・・・何か変な感じになってしまって・・・・・。」
「・・・なるほど。それは心配ですよね。・・・その他には気になった事はありそうですか?」
「・・・・わ、分からないです。京子が行きそうな場所を探して、近くで迷子になっているかもって、公園とかの普段行かない場所も探し回って・・・・・他の友達にも連絡したんです。」
「その友達の方は?」
「・・・・・京子の事を知りませんでした。なんで・・・」
親も友達も知らない?
どういう事?
きっとこの子は友達の為に、それでも探し回ってたんだ。
誰も知らないなんて、そんな事信じられるわけない・・・・・・あ。
ここまでの話やここでの事を思い返して、常識に当てはめる一般的な事件ではなく、ある怪奇現象?伝承を思い出す。
これってつまり神隠しって事・・・?
子供が急にいなくなり、そのまま戻ってこなくなる。
この場合、人間以外の何かにさらわれたって事?
・・・お友達がどこへ行ったのか。
「・・・分かりました。ゆっくりで大丈夫です。一つ一つ確認させてください。分かる範囲で大丈夫なので。日向。」
「うん。分かった。私は担当者の様子を確認してきます。」
「・・・・・は、はい。」
その後も秀人は、普段使わない丁寧な言葉で、一つ一つ確認していく。
友達の京子さんが居なくなったのは、今から3日前。
その後連絡が取れなくなり、次の日にその子の親に確認しても、子供の存在すら知らないと言われた。
そして、京子さんの外見。
居なくなった場所。
大体の時間。
その時の様子。
それ以前の様子なども・・・
–コンコン
「はい。」
「失礼します。秀人ありがとう。どこまで確認した?」
和さんが合流。
確認した部分を秀人が手短に説明していく。
「凛さん、ありがとうございました。こちらが担当者の神崎となりますので、僕は飲み物を入れなおしてきますね。一度失礼します。」
なるほど。
三人の流れはスムーズで、とても慣れている。
恐らく普段からこういった対応はよくあるんだろうし、参考にしていこう。
「入れ替わりが多くて申し訳ございません。先ほど少し話を伺いました。
急にご友人がいなくなられてご不安でしょう。こちらも頂いたお話を元に、できる限り早く探してます。
ですが、これから探しに行く事になるので、お時間が少し必要になります。
なので、良ければ石川様のご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか?」
「・・・・・はい。・・・あの京子は・・・・・見つかりますか?」
「こちらもすぐに探してみます。何か情報があり次第に石川様へご連絡いたします。」
凛さんの手が小さく震えている。
和さんも、それに気付いたのか表情を引き締めた。
「・・・分かりました。急に・・・すみません。どうかお願いします。」
「いえ、ご不安な気持ちはとても分かります。ですが今日はどうかご自宅へお帰り下さい。お送りしましょうか?」
「あ。いえ。大丈夫です。もう少し探して・・・」
「石川様。難しいかと存じますが、暫くはご自宅でお休みください。もしも石川様に何かあれば、ご友人の井ノ原様が、見つかってもご心配されます。」
「・・・そうですね。・・すみません。・・・・・分かりました。」
そういって、石川凛さんは相談所から家へ帰っていった。
友達が急に居なくなって、周りには知らないと言われて、不安な事この上ない。
まだ高校生の子供なのに・・・
すぐに見つけないといけないって事だと思うんだけど、まずはどうするんだろうか?
「梓さん。」
「探しに行きますか!?」
「そうですね。圭が言うには、怪異関係の可能性が高いということなので、いなくなった場所に圭を連れて、まずは行ってきます。」
「スズにも連絡しますか?」
「そうですね。一応すぐに回収できれば、それでそのままご自宅へお返しするので、多分日向達もしてると思いますが、補足があれば梓さんの方でもチャット送ってもらえますか?あと、できれば早く帰ってきて欲しいと。」
なるほど。
確かにすぐ見つかればそれで解決にはなるのかな?
それを凄く期待したい。
「分かりました。」
「日向達もいるので大丈夫だと思いますが、圭を連れていくので何かあればすぐに連絡してください。」
あ。
これ、私の方の心配だ。
そうか。
和さんも圭さんも出かけて、今はスズもいない。
「私の方でも見ているわ。早く行ってあげなさい。」
「ありがとう。イザベルよろしくね。圭ー!いけるー?」
–パタパタ
和さんがドアを開けて、圭さんを呼ぶと階下から、急ぐでもなく遅れるでもない足音が上がってくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん。・・・・・・・・・待たせた。」
「一応車で向かうぞ。細かい案内は頼む。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウッス。」
え?圭さん。
既に調べ済みって・・・、どこから話を聞いてたんだろう・・・?
もしかして監視カメラとかあったりする?
何から何まで進みがあまりにスムーズすぎる。
そして後から知ったのだけど、サイトは本当に必要な人にしか見つからない仕様になっているらしい…
まるでサイトが人を選んでいるみたい。
どうやってそんな事ができるのだろう?
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




