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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 第一章 境界に立つ者たち
42/79

疑問:それぞれに落としどころは違う?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

 あの後は予定通り6階で英語の勉強をして、15時過ぎる頃、尚弥さんも帰るようだったので、お見送りをしてそのまま3階へ降りた。


そろそろスズと和さんも帰って来るかな?


特に何かの連絡が入ってきたりはしてないみたいだし、トラブルはないと良いけど。

トレスレイ家と合わせて、フォーラスの家も見てくるって事だから、多少遅くなることもあるかなぁ?


そんな事を考えて待っていると…


「まぁおかげでなめてかかってきてくれたわけだから、今回はある意味結果オーライってことに・・・」

「ならねぇよ。」


階段から、スズと和さんが話している声が聞こえてきた。

どうやら、帰って来たようだ。

そういえばインターホンが鳴らないんだね?

玄関からじゃないのかな?


「まぁ、過ぎた事だから。」

「お前、その感性だけはマジで修正した方が良いぞ。」

「…といわれても、慣れないとやってらんないよ。和も見てきたから分かるんじゃない?」


「・・・ひとまず、続きはまた今度でいい。」

「まだ続くの・・・。ただいま。」


「おかえりー!」

「おかえりなさい・・・」


アイザック君と一緒に返事を返す。

確かに、和さんってスズと話す時、尚弥さんと話すとき以上に口が悪い時あるよね。

口が悪い時からの付き合いって事もあるだろうし、仲がいいって事なんだろうな。


「あれ?日向と秀人達は?」

「お風呂ですね。ウーノ達と。今日はずっと外で畑いじっていたみたいなので。」

「じゃあ、少し早いけど夕飯作ろうか。スズはアイザックに話すんだろ?」


「そうだね。トルストイ家から帰って来たばかりで、気になっていそうだし。」

「・・・や。あー・・帰って来たばかりで悪い・・・」

「あ。私外した方がいいかな?」

「いや、梓も聞いておいて。」


あれ?

なんか嫌な予感・・・

それってもしかして関係あるって事?

あの家と…


スズとアイザック君と一緒に、ダイニングテーブルに座る。


「アイザック。結論から言うと、明確な犯人についてはこれから捜す事にはなる。」

「でも、あの男がいた事は証明できるのか?」

「魔法世界のルールに則れば難しいが、他のルールも交えるならできる。」


「・・・?つまり、他の世界の人間が犯人だった。って事なのか?」

「失礼。その辺は、順を追って説明しよう。」

「・・・す。すまん。・・分かった。」


そりゃそうだよね。

私もついつい口を挟んじゃうよ。

驚くタイミングといい、意外と私達って似てるのかもね。


「まず、エドモンドさんは、かなり優秀な魔法使いだね。それはトルストイ家という括りではなく、あの方が非常に個人としても優秀な努力家だという意味。

今回、報告書とは別に事前調査で、エドモンドさんの魔法証明の功績等のエビデンスも追っていた。

正直私はあまり知らない家だったけど、和が4000年代以降にわざわざ結界魔法を学びに行く家となると、どんな家かと気になった。」


エドモンドさん。

アイザック君のお父さん。

とても凄い人だって事なんだね。


「まず前提として、エドモンドさんは長年にわたって、数多くの結界魔法案を提出してきた人物だ。

その中には、学術論文として世に出たものも少なくない。

ただし――その論文者名のいくつかには、『ドーバー・トルストイ』の名前が使われている。

アイザックの叔父であり、エドモンドさんの実弟だな。」


アイザック君は黙って聞いている。

誇らしさとも戸惑いともつかない表情が、わずかに揺れる。


「家全体の名誉、という理由でそうしていたらしい。

それ自体をどうこう言うつもりはない。問題は、その“最後”だ。」


その沈黙だけで、次の言葉が軽くないことが分かった。


「…『多発多重の環境整理と見方について』。これはエドモンドさんの論文の中でも、特に大きな反響を呼んだものだ。

当初、この論文をどちらの名前で出すかについて、エドモンドさんとドーバーの間で揉めている。

だが、内容そのものは紛れもなくエドモンドさんの魔法案だった。」


アイザック君の指先が、膝の上で静かに握られる。


——そしてスズは、ためらいなく続けた。


「この論文をきっかけにしたのか、それとも積み重なった感情の最後の一押しだったのか――そこまでは本人にしか分からない。

だが、その直後、ドーバーがエドモンドさんに対して殺人依頼を出していた事実は、すでに確認されている。」


アイザックの呼吸が止まった。


「…え?・・・・ドーバー叔父さんが?」


まさか犯人についてではなく、その前に依頼者がいたという話になるとは…

話の流れで私も驚くし、しかもその人はアイザック君にとっては血族の方。

お父さんの弟。

アイザック君の叔父さんになる人。


アイザック君の中で、何かが音を立てて切り替わった。


「これは明らかに綺麗事では済まされないのでハッキリいうけど、ドーバーは依頼時に殺人日を指定し、その日ドーバー家の家族全員で外出をしている。

エドモンドの家族の中の誰が容疑者になってもおかしくない状況で、自分の家族だけが容疑者から外れるように動いたと考えて良いと思う。

そして結果、その中でも事件現場に一番近かったアイザックが、第一発見者兼容疑者となった。」


「・・・・・分かった。それは、俺も・・そんな気がしてたから・・・それはもういい。それで犯人は?」

「犯人についてでだが、これは最初にも言った通りこれから捜すことになる。今時点での可能性としては、魔法世界の人間だとは思ってる。」


アイザック君の叔父さん・・・


お父さんの弟が、お父さんに殺人依頼を出した。

そして、お父さんの家族全員が容疑者になる事を分かっていて、自分の家族だけ逃げた。

声にしようとした言葉が、胸の内側で崩れた。


こんな・・・酷い事を・・・


今まで一緒に暮らしていた家族なのに——なんで。

アイザック君は顔を下げながらも、ちゃんとスズの話を聞いている。

感情を押し殺すたびに、肩が小さく軋んだ。

こんな時、何を言ってあげればいいのかが、分からない…


「恐らくはフォーカス家の関係者または、それに関与している犯罪者。」

「え?・・・私が知っている人?フォーラス家?ブライアン・・・・と、あ。あの執事の詐欺師とか?」

「断定はできない。だが可能性は高い。

外見情報だけでは人物の特定に至らないけど、侵入方法に一致がある。

私の部屋のドアは構造が特殊で検証できなかった。だけど今回、エドモンドさんの屋敷で条件が揃った。

……結論から言えば、ブライアンと犯人は同じ手段で侵入している。」


ん?


どちらも可能性が高いっていうあたり、スズっぽい言い方だけどちょっと分かりにくい。

要するに、犯人はフォーラス関係者の可能性が高く、侵入方法もブライアンと同じ——ということだよね。


「そいつは捕まえられるのか・・・?こないだの話だと、他の世界にいるんだろ?」

「捕まえるために、魔法世界のミランダ達と先日は話をしたり、探したりしてる。」


「・・・分かった。でも、お前のおかげで分からない事が、はっきりしたのは確かだ。たった今日だけでここまで分かるとは・・・思ってなかったし」

「今日は最終確認に近い、犯人でないにしても、ドーバーは明らかに色々漏れていた。

一緒に暮らしていれば、どこかではお前達でも感づくだろう。なんなら既にエドモンドさんの奥さんは、後悔していると思う。もしもお前が許してやれるなら、まずは母親とだけでも話してみた方がいい。」


「・・・分かった。ありがとう。叔父さんはどうなったんだ?」

「ドーバーは捕まったよ。事情聴取はあっちに任せているが、依頼メールや入金履歴なども残ってるから解放されることはないだろう。

ドーバーの家族については、どこまで関与しているかは分からんが、そういった事情だからあの家には居づらいだろう。」


そっか。

まずは、アイザック君が目標にしていた犯人は、確かにまだ分かってないし捕まってないけど、その背景が分かり、それが多少でも納得できる形になるなら、アイザック君にはちゃんと家族がいる。

帰れるならちゃんとお母さんと話せたら・・・

多分今はきっとお互いに望んでない状況だよね。


「犯人は捕まえる。そもそもフォーラス家としても、このまま放置することはない。だからひとまずは、お前はお前の問題に向き合った方がいい。」

「俺は・・・。家族の事についてももちろん、このままにする気はねぇけどさ。なぁ・・・」

「なに。」

「最低、犯人を捕まえるまででもいいから。俺をここに置いてくれないか?」


「・・・」

「家族についてはどうするかとか・・・どう話す事とかも考えて、一度ちゃんと帰るつもりだ。そういう区切りはしっかりしねぇと親父にも怒られるし・・・。」


「・・で?」

「ここにきて今まで何も見えてなかった、って分かったんだ。魔法世界の奴らは基本世界のこと何もわかってねぇって!

お前も梓も魔法が使えないからなんだってんだ・・・!俺はそんな見方のままで居たくねぇ。・・・だから、ここで俺も犯人を捜すのも手伝うし・・・」

「いや要らない。」


ええええ?


スズ!?


すごいぶった切ったねぇ・・・


「お前はまだ子供。その考え方や偏見のなさは良いところだけど、それがこのまま置く理由にはならない。」

「なんでだよ!日向たちも子供だろ!」

「…お前には家族がいる。何かあった時に心配してくれる人がいる。

それにその感じだと、ちゃんと友達もいるだろ?今はどうなのか知らないけど。

ここが色々な視野を広げる場所として、有効であることは認めるけど、それはお前が危険を冒してまでここに居ていい理由にはならない。

本当にここで働きたいなら、まずは自分の身は自分で守れるぐらいになってから出直して。」


それはそう。

はい。正論。

その通りだよね。

アイザック君は魔法世界でちゃんと家族のいる子供なんだもんね。


「・・・・・・ぐぐぐ・・・お前だって魔法使えねぇじゃん・・・・」

「それが何か?アイザックに負ける事はまずない。」

「おおお。ぜってぇ勝つ!!だったらお前に勝てたらいいか!?」


「駄目だよ。ほら夕飯できたよ。」


和さんが、見事に試合終了の笛を吹いた。

これでは勝てない。

それに問題はそこじゃないと思うよ。アイザック君。


「なんでだよぉぉ・・・。」

「それが分からないうちはダメ。まだしばらくはここにいても良いから、家族としっかり話してみなさい。話し合いを重ねてどうしても折り合いがつかないとか喧嘩になって、家を出される事になるならもう一度考えてもいいけど、自分から出るなんて馬鹿な事はもうしないように。

どんなに色々な世界があっても、お前の家族や大切な人がいる唯一の世界はあそこ。」

「ひとまずご飯食べて、風呂入って今日は寝なさい。それでも悩むなら一度俺が聞くから。」

「・・・んんんん。・・・分かった。」


さて、今日は和食だね!

ご飯にお味噌汁。

そしてサバの味噌煮。

人参炒めやお漬物も付けて、完璧な一汁三菜!


「「スズー!和ー!おかえりー!!」

「!キュキュウ!」「キーキー」「キュキュ」

「オカエリ」

「オカエリー」


食事をテーブルに並べていると、上からバタバタという音と共に、日向達が下りてきた。

みんなお風呂上がりだね。


「ただいま。」

「ただいま。みんな、夕飯もう食べる?」

「「食べるー!お腹すいたー」」

「キュウ!」「キー」「キュ」

「テツダオウ。」

「アァ。ショッキ。」


一気ににぎやかになり、空気が温まる。

セイは相変わらず、すぐにスズの肩にのるようだ。


「キュウ!」

「ただいま。今日も元気だね。」

「キュウキュウーキュウウ」

「なんだろう?楽しそうだね。」


テンションが高いセイは、確かにいつも以上に楽しそう。

それはどうやらセイだけではないみたい?


「ビニールハウスを作ったの!」

「前に用意した道具で、足りたー」

「あぁ。そういえばだいぶ前に一度用意したのがあったね。でも和が破らなかったっけ?」

「破れてたー!直せたよ!えへん!」

「和とスズが喧嘩した時のー。へへん!」


和さんとスズが喧嘩して、前にビニールハウス壊したの?

二人とも基本的に冷静だから、口論の喧嘩しかしないと思ってたんだけど。


まさか・・・

和さんもスズも手を出すのだろうか?


「そういうことはちゃんと覚えてるんだね・・・二人とも。それにあれを破ったのは俺じゃない。お前だ。」

「ふっへへへへ。」

「アンジェラ大笑いしてたー」

「和『分かった分かったって!全然分かってねぇじゃねぇぇかぁぁぁ!!!』」

「スズ『分かった事は分かった。それを行動するかは別。』」


「「・・・・・」」


「…スズ。やっぱりさっきの話も、ミランダの話も。ちゃんと話し合う必要があるな。」

「・・・・」


 どうやら、和さんの堪忍袋の緒が切れた事もある、という事だったんだろうなぁ。

確かに、スズは一度決めた事は、意外に頑固な部分もあるのかもしれない。

どっちも喧嘩するとなると、かなり手強そう。


 祖父の件といい、問題視の先は魔法世界や魔法使いだけではないのかも知れない。

そういえば祖父がもしもフォーカス家の人と知り合いだったりだとしたら、私の両親はどうなんだろう。

あれからしばらくの間、今までの記憶をもう一度頭の中で探してみたりしたけど、私は両親の事もぼんやりしていてハッキリ思い出せないし、名前も分からない。

地方出身だった気がするから、東京以外に実家があるのだろうか、でも流石に今もしも場所が分かっても会いに行く勇気はないなぁ。


…もし会っても「この人誰?」と、お互いになってしまったらかなり悲しい。


 書類上は山本梓だとしても、肉体が魔法媒体?っていう別のモノでできているのだとしたら、この見た目が本来の山本梓ではない可能性もあるし、そもそも両親にとって山本梓は19歳の時にすでに死んでしまっている。

私は一応36歳だと思っていたんだけど、イザベルが言うにはこの体は、多分老化しないかもしれないって事だった。

でも流石に19歳には見えないし、良い感じのところで止まってしまっているのだろうか?

だけど髪は伸びるし、爪も伸びる。

毎日走っていれば、徐々に体力がついてきているのも分かる。

成長はしてるのかな?

謎だ。


まぁ・・・分からない事を考えてもしょうがないのだけど。

おかげさまで元気に暮らせてるし。

そんな私の体より、多分普通の人間の体だと思うスズの方が、こないだは大変だったわけだし。

でも、スズは足も速いし和さん曰く人間の中でも、かなりちゃんとした護身術や技術を持っているから、普通の人間はもちろんのこと、一般的な魔法使いにもそこそこ対応ができるらしいし。

こないだ日向や秀人も言っていたように、魔法使いへの対応経験が多い事も魔法使いからしたら、相手にしたくない相手って事になるんだろうなぁ。


それでも確か入社時、未成年だったスズは今は21か22ぐらいの女性という事になる。

多分生まれ変われるのかもしれないけど、それが大怪我をしたり死んでいい理由にはならないと思う。

だから和さんは多分余計に心配性になってしまったような気がするし・・・

スズはそういうところが何か鈍いんだろうなぁ。

私への配慮やアイザック君への言葉は凄く的を得ていていたり、行き過ぎなぐらい考えてるくせに、そこが完ぺきに見えつつも、私が感じるスズの魅力なのかもしれないけどさ。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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