答え:二度あることは三度もこれからも
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「ところでここの鍵は、どこにあったの?」
「あー・・・。フォーラス家の庭らしい場所に埋めてあった、私の遺体の中。」
「…そう・・・分かった。ありがとう。うちのモノでは見つけられなかったから、助かった。ある程度書物や箱に罠が無いかとかを確認次第、そっちにも渡せるように進める。walkerのモノならサーズが見た方が、分かる事もあるでしょう。」
再びこの説明をすることは大変遺憾だったので、その辺りは今回はより大雑把に説明した。
そして本来の目的の為に移動するのだが、既にトルストイ家の場所は分かっているので、和の魔法でそのまま転移し、今は門の前に立っている。
フォーラス家の件は、予想外の事はあったが—ひとまずは、これで終わりだろう。
さて…
「じゃあ行こうか。」
「あぁ。さっきの話は帰ってからだ。」
「・・・・・」
あの話は、このまま流してはくれないようだ。
アイザックに調整してもらった約束の時間通りなので、すぐに玄関から女性の方がこちらへ向かって招いてくれた。
ここからは頬の筋肉を持ち上げ、社交用の笑顔を貼り付ける。
「いらっしゃいませ。カイル様!お久しぶりでございます。」
「お久しぶりです。皆さんお元気でしたか?」
「はい、こちらも何とか、と・・言いたい所なのですが。」
「いえ、申し訳ございません。エドモンドさんの事はお聞きしております。この度は大変残念な事です。お話を聞いた時には、すぐにでも駆け付けたい所だったのですが、時間が空いてしまい申し訳ございません。」
「いえ、とんでもございません。本日は父へのご挨拶へ?」
「はい。後でお墓の方へ、お伺いさせていただければと思っておりますが、もし宜しければ先にお部屋の方へも失礼させていただけないでしょうか?」
「かしこまりました。もちろんでございます。お部屋は今も綺麗にしておりますので、カイル様がいらっしゃった時とは、あまり変わりないかと思われますよ。ところで、あの・・・そちらの方は?」
「失礼致しました。こちらは私の弟子でスゥと言います。今日は私が以前お世話になっていたトルストイ家へご挨拶の事を伝えましたところ、彼女も是非同行したいと言いまして良ければ一緒によろしいでしょうか?」
「左様でございましたか。もちろん、かまいませんよ。初めまして。私はトルストイ家三女のミラー・トルストイと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、この度は私のわがままを聞いて下さり、ありがとうございます。カイル様からはエドモンド様の事もよくお伺いしておりましたので、この度の事大変残念な事とでございますが、是非この度のご挨拶にご一緒できればと申し出させていただきました。」
「それではお部屋へご案内させていただきます。どうぞ。」
三女の視線はやや鋭い。
これは和狙いだったのだろう。
和の女たらし能力は、限界知らずだな。
イザベルの様に、若者には最近ではあまり知られていないようだが、名前での知名度は相変わらずだし、こうして既に付き合いがある者だと、徐々に評価の上がっている和は魅力的な立場だろうな。
そういった評価だけでなくその性格についても、昔会った時のような口の悪さも修正され、相手の反応に丁寧に対応できるようになった和は女性受けが良いのはもちろん、意外に男性にも目標として尊敬されている。
魔法使いは長寿故にパートナーを持つタイミングは遅めではあるが、和は500年代層まではまだ少し遠いものの、そろそろいい頃合いなんじゃないだろうか?
なんか睨んできてません?
二人ともに睨まれるようなこの状態は謎だ。
「こちらですね。ミラーさんありがとうございます。」
「とんでもございません。何かお飲み物でも、お持ちいたしますね。」
「恐れ入ります。」
–パタン
ミラーさんに案内され、元当主の書斎へ入る。
書斎は二十畳ほどの広さで、机は部屋の窓際に置かれている。
一歩踏み込んだ瞬間、違和感があった。
——綺麗すぎる。
まるで、ここで誰も死んでいないかのように。
だが事前に資料で確認した現場写真の家具や間取りとも一致する。
整いすぎているだけで、配置自体は事件当時と変わっていない。
エドモンドは、自分のこの書斎のデスクの前で殺された。
そして今入ってきたあの扉から、第一発見者であるアイザックが入室した。
その時、ナイフを手にした犯人が立っており、
背後には血まみれの父親。
犯人はアイザックと目が合うと、そのままこの扉から出て行ったという。
部屋全体を見渡す。
逃げるとすれば、デスクの背後にある大きな窓か、アイザックが入って来た扉。
窓には外部侵入に備えた結界が、当時も今も張られている。
破壊の痕跡はない。
結界を壊さない前提では、逃走経路はドアのみと必然的に絞られる。
だがドアから出られたとしても、この敷地全体にも結界が張ってある。
門で許可がある者、あるいは内部から許可を出された者のみ、
門の部分だけ結界が一部解除され、敷地内に入る事ができる。
——つまり、本来なら侵入も逃走も極めて困難なはずだった。
「魔法での分析上は変な様子はなさそうだ。特殊な形跡や設置魔法は見当たらない。」
「直近で修復された場所や物は?」
「あー・・・まずこの棚だな。この辺をナイフのようなもので切られたのか、斜めに修復が入っている。」
和が棚に手をかざす。
「床にもいくつか修復がある。凹んだのか、ぶつけたのか……そんな感じだな。
それと、この机の角が欠けている。
あとは小物だと、この辺の物が床に落ちたのか細かい修復が入ってる。」
和は一度、窓の方へ視線を向けた後、扉を見る。
「窓やドアといった、この机の周辺から少し離れた場所には、特に直近の修復は入っていなさそうだな。」
スズは修復跡を眺めながら、静かに考える。
争った形跡はある。
だが、その範囲があまりにも限定的だった。
そして何より——
エドモンドほどの術者が、迎撃魔法を展開した痕跡が見当たらない。
「…和はなんで、この家にきた?」
「なんでって、そりゃあエドモンドさんが結界・防護系で優秀な人だったから・・・。」
「エドモンド目的なら、来たのはいつ頃?」
「お前が基本世界に帰るとか言ってたあたりで・・・?」
「戦争が後半戦に入って、しばらくした時期か。」
「あぁフローバード戦争が確かに、かなり後半になるか」
–コンコン
「はい。」
「失礼します。紅茶をお持ちいたしました。」
「ありがとうございます。もう少しだけ、ここで時間を過ごしたいのですがよろしいでしょうか?」
「・・あ。はい。構いませんが、何か父の写真などでもお持ちしましょうか?」
「いえ、おかま・・・」
「是非。もし宜しければ拝見させていただいても、よろしいでしょうか?」
「分かりました。すぐにお持ちいたしますね。」
–パタン
「スズ・・・話が見えない。」
三女が再び部屋を出るのを確認し、和が話の続きを始める。
「犯人という意味では、依頼者に聞いた方が早そうだ。」
「・・・殺しの依頼か?」
「逃がす気はない。あと一つだけ確かめる。」
「それはいいんだが・・・」
–コンコン
「失礼いたします。」
「あ。ありがとうございます。こちらで拝見させていただいても?」
「ええ、もちろんです。」
「あ。そういえばカイル様が、当時お世話になっていた時に、使用されていたお部屋も少し見たいとおっしゃっておりましたので、良ければ三・・ミラー様。カイル様をお部屋へご案内いただけませんか?私は少々こちらで、お写真を拝見させていただきますので。」
「え!それは是非。ではカイル様、ご案内させていただきます。」
「いってらっしゃいませ。」
「・・・はい。よろしくお願いします。」
無理やり部屋から出させてしまったから、あとで嫌味はあるかもしれないがしょうがない。
ポケットから鍵を取り出す。
そして今、和と三女が出て閉まった扉にその鍵を差し込む。
鍵を差し込んだ瞬間。
内側から“噛み合う感触”が指先に伝わった。
——なるほど。そういう仕組みか。
このルールには見覚えがある。
だからあの時、ブライアンは私の元に来たのかもしれない。
だがこれは正直あまりにも、良くない結果だ。
アイザックは他にも同じような奴隷がいるかもと言っていった。
犯人容疑者で捕まった奴隷達。
そしてその他にもいるのかもしれない。
その後、割と早くに三女の後ろから嫌そうな顔を少し見せながら、和が帰って来た。
和はそんなに嫌だったのか?
「・・・」
「いかがでしたか?カイル様。」
「あぁ・・・。非常に懐かしい気持ちになれたよ。・・・さて?」
「はい、そうですね。長居をいたしましたので、本日はこの辺でお暇させていただきましょうか。」
「…そうですか・・・。残念ですが、かしこまりました。」
三女は、そのまま玄関まで送ってくださるようだったので、ついでに普通の質問をしておく。
「そういえば、現在当主をお勤めなされてる、ドーバー様は本日お出かけでしょうか?」
「あ。はい。ドーバー当主は本日、近くの長のお集まりにて外出しております。もうすぐ戻られるとは思いますが、お待ちされますか?」
良い案だとばかりに、三女が乗ってくるが、残念ながら滞在理由にする為の提案ではない。
「左様でございましたか、これは長のいらっしゃらない間に、失礼いたしました。いえ、構いません。」
「…とんでもありません。そういえばカイル様は現在は、どちらを拠点にお仕事されていらっしゃるのでしょうか?」
「私は仕事の内容上、色々な場所におりまして、これといって決まった場所は今は設けておりませんね。」
「…そうなんですね。もし機会がございましたら、是非その時はご夕食でも一緒に・・・」
和の断りの常套句だな。
「ありがとうございます。また近くに来た際には、ご連絡させていただきます。本日は急なご訪問にも関わらず、丁寧にご対応下さりありがとうございました。それではよいお年を、お迎えください。」
「本日は、ありがとうございました。」
「カイル様もお弟子様も良いお年を。」
玄関の戸がしまると同時に、表情筋から力を抜く。
「さて、門をくぐってしまおう。」
「あぁ。!はぁ・・・。まだだ」
「おや?これはこれはカイル様じゃありませんか?本日いらしてたんですね?」
「ドーバー様。ご無沙汰しております。少々近くに寄りましたので、エドモンドさんへのご挨拶に立ち寄らせて頂きました。この度はとても残念な事に、お悔やみ申し上げます。」
「いえいえ、そちらのお嬢さんは?」
「あぁこちらは、今私のもとで弟子をしておりますスゥと言います。」
「初めましてドーバー・トルストイ様。どうぞよろしくお願い致します。」
「これまた可愛らしいお弟子さんですね。うちのモノも良ければ一緒にいかがですか?カイル様の技量を日頃より尊敬しておりまして、日々魔法向上に励んでおりまして・・・。」
「…いえいえ、私もまだまだ未熟者です。弟子はこの子だけで手いっぱいでして、申し訳ございません。」
「そうですか。それは残念。」
「・・・はぁ。そうでしょうね。」
「ん?」
一応最初は演技してやってみたが、コイツに関してはそれも不要だろう。
「ドーバーさん。少し前ですが、11月7日にお送りされたメールを覚えていらっしゃいますでしょうか?」
「・・・ええと、どういう内容でしたかな?」
「宛先は不明、アドレスも追えないものとなっておりましたが、送付主はドーバー様となっており、その内容は…ご存じですかね?」
ドーバーの空気が一瞬固まる。
「…はて、最近送ったメールには覚えがございませんが、カイル様。…えっと、彼女は何をおっしゃっているのでしょうかね?」
「ドーバー様。…失礼ですが、メールは本当に覚えがございませんか? 先ほども申しました通り、送信元の追跡は困難ですが、いずれ分かってしまう可能性もございます。」
和は空気を読んだのか、さりげなく視線を逸らす。
ドーバーも状況を少しずつ理解し始めている様子だ。
「…それは、私が送ったものでは・・・ないはずです。」
「左様でございましたか。では、報酬としてのお支払いは、何故行われたのでしょう? メールの記載通りの金額がドーバー様の口座より、指定日に振り込まれておりますが…」
「!…わ、私の家族の仕業…だと思います!…ええと、かか、確認を…」
「かしこまりました。では、そのように…ですが、今度はご家族を容疑者にされるおつもりですか?」
残念ながら、この男はエドモンドとは違う。
言葉や態度の端々が、評価を下げる理由として十分だった。
報告書に上がった容疑者候補は、すべてエドモンドの子供達と妻。
わざわざ容疑者から外れるため、家族ぐるみで画策していたのかもしれない。
同じ家で暮らしている兄やその家族の対応を見て、言葉も出ない。
「…つ、妻が相談してきたので・・・わ、私は・・・。」
「分かりました。これ以上、ここで話しても仕方ありません。ご依頼者について、何か知っていますか?」
「…し、し・・・知らん。見覚えもない、顔色の悪い男だ。」
素直なのか、取り繕っているのか。
急な状況で、頭が回っていないのだろう。
「今回のご依頼内容とは別に、何かおっしゃっていましたか?」
「し!知らん!私は何も知らない!…ええと、テストがどうの…丁度いいとか言っていた気も…でも本当に…分からない。」
「ありがとうございます。ちなみに、下手に逃げるのはお止めになった方がよろしいかと存じます。それでは、良いお年を」
「…ドーバー様。非常に残念ですが…それでは」
「・・・・・・・」
概ね想定内だということだ。
最近は分かりやすい相手が多くて助かる。
みんな度胸がないまま悪行をしているということなんだろう。
門を越えた瞬間、肺の奥に溜まっていた空気をようやく吐き出した。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




