答え:備えあっても憂いあり
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「このあたり。」
「…そうだけど、来た事あるのか?」
「少し前にね。」
本日。
魔法世界に再び立ち入った。
本来の目的はトルストイ家の訪問だが、予定は午後なので早めに伺い、先にフォーラス家の跡地に来ていた。
和と一緒にフォーラス家の跡地に近づき、焼け跡すら残っていない更地。
——まるで最初から、何も存在しなかったみたいに。
草木も少しは生え始めているようだが、何かが邪魔しているのか時間が経っている割には、まだ土が見える地面の方が多い。
門があったと思われる石の土台等はそのまま残っており、当時の家の様子を思い出す。
といっても、外の様子はあんまり覚えてない。
——あれは、まだフォーラス家が健在だった頃。
—
「やぁやぁ。わざわざお家にご招待いただく事になるとはね。ご用件でもあるのかな?」
「その姿でも精神的には、変わらないのですかね。」
「まぁ私もこれまで色々ありましたからね。で?」
一時期フォーラス家に何故か狙われる時期があった。
明らかな暗殺者のような奴らがこちらを狙ってきて、そのうちの何名かに雇い主を聞けば「フォーラス家」の名前が出てくる。
だがフォーラス家はそもそもそれを請け負う側の家だ。
その上にも雇い主が居るという感じなのだろうか。
どちらにしてもこう常に狙われては身が持たない。
その時期は暫く魔法世界に滞在していたが、ここで一先ず区切りにしよう。
と、基本世界へ戻ろうとしたが、その時の魔法世界は今よりも更に色々な面で不安定だった。
世話になっていた男にその事を告げると非常に嫌がられ、更には戻るなら基本世界との交流を切るという何故そうなるのか分からん事まで言い出した。
まぁ無視して帰っても良かったのだけど、多少世話になった事もあるしと時間をかけてなだめてみれば、男は「俺も連れていけ」と、言い出す始末。
それは流石に無理なので、もうこの辺を区切りにと、とっとと基本世界へと帰った。
その後数年は何事もなかったのだが、ある日ミランダからその男からの要件を始めに、私が戻ってこないと政府への資金送付を止めるという貴族が増えてきたと言われ、なんだそれ?となった訳だが、当時は魔法省に戻って来たばかりのミランダは、横の繋がりがまだ薄くかなり困っていたので、それも放っておくわけにもいかずまた戻ることになった。
まぁその時すでに魔法世界では、約6年~7年ほど間をあけていたわけだし、今さら追ってくることもないだろうと私も高を括っていたのが悪かった。
魔法世界に拠点を置いた途端、何故か私の場所を知っていたフォーラス家の使いに捕獲され、そして散々な目に合い奴隷もびっくりな状態で、フォーラス家の長ブルース・フォーラスの前に引き摺り出されることになった。
――そして最初の会話。
「そうですか。この程度は経験済みなのですね。私も拷問や精神的苦痛について調べてきましたが、もしよければあなたの経験も、伺ってみたいところです。」
「お戯れを、あなたに教える事なんて何もない。早く要件を言ってくれないかな?殺すんならそれもさっさとしてもらいたい。」
「あなたの事は、確かにある方に殺すよう依頼を頂いておりましてね、walkerを殺すなんて意味ありませんよ。とは言ったのですが、どうしてもあなたの血や肉が欲しいとおっしゃってきたので、一応はお受けしたんですよ。」
「左様で。ならそのように。」
このご時世で、まだそんな阿呆がいるのか。
「さっさと話を終わらせたがりますね。少しは話をしませんか?」
「話をしたがる人間はこんな形で、人を招いたりはしない。」
「こちらも努力したのですよ?あなたを捕まえるのは非常に困難で、こうして捕獲して保管し続けるとなると、もう手足を切るぐらいしか思い付かなかったもので、苦肉の策でした。」
「もういいよ。で?殺す方が早かったのに、何が話したいの?」
男が言うように既に私の手足は切られ、魔法で出血を無理やり止めている状態だ。
それでも男の中でもしょうもない生き物は、こんな体でも求めるようでここに来る過程も、気分の悪い事の連続だった。
趣味の悪さに、吐き気しかしない。
「あなた達walkerについて、まず、あなた達は死んでから生まれ変わるまでに、どこを経由していらっしゃるんですか?」
「知らない。知ったところで何かに繋がるとは思えない。趣旨。」
「魂として普通の人間や私達魔法使いとは、異ならないのだとしたら、何故あなた達だけそういった生き方ができるのか。」
「walkerの条件やなる方法など聞かれても、「答えられない」としか言いようがない。どうやらお前が知りたい事は私には答えられんようだな。以上?」
そう言うと、ブルースはゆっくりと椅子に張り付けられている私に近づいてくる。
「お前はwalkerの中でも非常に目的が曖昧なようだな。確かに4番目の言うようにお前をこちら側につけるのは難しそうだ。」
なるほど。
場所がばれたのはフィーのせいか。
未だイヴの事を根に持っているだろうからな…
「walkerは関係ない。どんな相手でもちゃんとした対応にはちゃんと返す。こんな招かれ方をして、私達に協力しろといわれて協力しようと思う人間の方が少数派。」
「少数居れば十分でしょう。もしお前が子を孕んだ場合、その子孫の中にお前として生まれる事はあるのかな?」
「知らない。基本的に孕むことはない。」
「基本的に?イレギュラーはなんだ?」
「言ったところで、お前には満たせん。諦めろ。」
ブルースの右手が、私の首に手をかける。
「私たちが認識していないwalkerは、他の世界にいるのかな?」
「・・・・・っ。・・知らん。」
体しかない状態で、首を握られながら持ち上げられる。
首を締め上げられ、苦しい。
だが、この長い話が終わるなら――まぁいいか。
「4番目がお前の事を教えてくれたように、他の奴の事を言ったところで、お前に損はないだろう?」
「・・・それを・・決めるのは私。」
「非常に残念だ。もう一度話す機会があれば、もっと楽しい時間になることを期待しているよ。」
「・・ぐ。むりだ・・な。」
ブルースはテーブルに置いてあったナイフを手に、私のろっ骨を避けるように、下の方からずぶずぶとゆっくり刺してくる。
出血を魔法で止められている以上、簡単にショック死はおきない。
「私にも可愛い娘がいてね、君にも会いたがっていたんだ。次に会う事もあるかもしれないが、折角だし何か一つ頂いておこうか。」
「・・・・っ・・・ぐ・・・」
ナイフで肺の方を、グチグチといじられているような感覚が分かる。
本当にこの男は趣味が悪い。
もう声は出せなさそうだ。
・・・どうでもいい。
「今回の体は美しい瞳をしているようだね。」
血に濡れた刃の先が、わずかに光った。
思考が途切れる直前、妙に静かだった。
娘への趣味も悪いなこの男。
—
「このあたりだな。」
「ブルースの書斎。」
建物の大体の構造は覚えていたし、草木が生え切らない場所が建物が直にあった範囲なら、大まかな家のサイズも合っていそうだ。
「ブルースに会ったのか」
「一度。」
ブルースの最悪の招待の仕方や一世代前に殺した相手が、ブルースだと和に言うのはやめておこう。
「このあたりで、ひとまず何かあるか調べてみてくれ。」
「分かった。」
記憶の内容を改めて思い出すと、あの当時ブルース・フォーラスは、既に魂の事について調べていたようだ。
そして私達walkerも普通の魂と同じだと、やや確信しているような感じもしたな。
死神関連の情報なのだろうか?
他には、その生まれ変わり条件や他のwalkerについてか…
実際起きた事件の方である『歴史の消滅』と大きくはずれている気がするから、やはり山本梓とアリス・フォーラスの魂の使う目的の方が本来の目的なのだろうか?
二人がフォーラス家にとって、大事な世界の創造主、または作成者だとしたら、それはどこの世界だろうか。
そして現在、今動いているのはあいつの弟であるブライアン・フォーラス。
ブルースの死亡は信じたいところだが、あの悪趣味男がそんな簡単に死ぬのだろうか。
死神のガルシアは、生まれ変わりまで確認できていると言っていたが、なんだか生きていそうな気がしてならない。
「アリス・フォーラスにはその時会ったのか?」
「会ってない。ブライアンには会った。」
辺り一帯を調べながら歩き回っている、和が声をかけてくる。
恐らくは、この家に来た事があるという事が、気になるんだろう。
ブライアンは確かだいたい3~4番目ぐらいで出てきた。
当時とは見た目はあまり変わらない。もう少し髪が長かった程度の変化か。
「趣味が合わない」と言いながら首を絞めて楽しんでるあたり、ブルースと兄弟って感じがする。
「でも、アリス・フォーラスが生誕しててって事は、その時は俺とも会っている時期だよな?」
「…そうだな。ちょっと話をしただけ。」
そうだな。
アリス・フォーラスの生誕日から計算すれば、和に会っている時期にも該当する。
変に隠すと余計疑われるし、適当に流したいが、この場所に居る以上はフォーラスが議題になってしまうのは仕方ない。
…非常に流しづらい。
ただでさえ、その一つ前の世代でも魔法使いからの刑罰処分は、和が恐らく気にしているというのに、その次もまぁまぁ碌な死に方をしてないことは、あまり言いたくない。
悩みながら周りを見渡せば、和はかなり離れた場所。
石がいくつか並ぶ、フォーラス家の家があったと思われるところから、少し離れた場所へ進んでいた。
「…あのさ。言いたくないのはわかるんだけど・・・」
「・・・・とても嫌な予感。」
「ここさ。・・・・多分お前が埋められた場所だよ。」
「・・・なんかすまん。」
魔法痕跡を探してるのに、なんでそんなものを見つけるのかな。
「いや、魔法の痕跡を捜してるんだけど、なんかお前と一緒に魔法具の様なものをここに埋めているみたいで、さっき直近の過去描写を探してたら、ここにあった墓石にお前の名前があったんだ。」
「…ちゃんと埋葬してるのか。」
「ごめん。一旦やめといた方がいい・・・気がしたから、ちゃんと見てない。
だから魔法具が何かは分かってないんだけどさ・・・お前さ、最後右目どうなった・・・?」
ああ。
もしや私の右目に何か魔法具を埋めて、そして埋葬したのか・・・?
それが目的だったのかなんなのか知らんが、今回連れてきたのが和だったのは、かなり宜しくない。
「とてつもなく言いづらいんだけど・・・。もう一回来なおして、他の奴に確認してもらうのは?」
「・・・それは俺が嫌だ。仮に俺が良いってメンバーの場合、日向とか秀人とか連れてこれるのか?」
「…それまた非常に厳しい。分かった・・・。あんまり気にせず聞いてくれ。あくまで最後の私の状態についてだ。その上で、右目を確認してもらえたら・・・助かる。」
そして、あくまで最後に埋められたであろう状況について説明した。
「・・・・・・」
「無理そうならやめよう。他の痕跡はどうだった?」
「・・いや・・そうだな。・・・ちょっと間を置こう。書斎の部分から説明する。
ここは確かに一番痕跡が多く重なっていた。最後の過去描写でもかなりの物があったらしいんだが、全て魔法省が回収または燃えてしまっている。
ただ・・・こっちだな西の方に向けて、かなりの量の魔力が繋がっていた痕跡が残っているから、この先にも何かある。
まぁそっちも魔法省が既に処理している可能性があるが、一応見に行った方が良いと思う。」
「そうか。まだ時間もあるし、それもこのまま行こうか。」
「…で、ここがアリス・フォーラスの部屋だった場所だと思う。直近で大量の設置魔法の痕跡が残って、拘束・領域制限・精神制限・成長制限等といったかなりの量の制限魔法の残滓がある。」
「それだけ聞いても、ありえない状況だな。分かった。
全部燃えてしまっているし、魔法省がほぼ処理しているから情報としては十分。西の方がどのくらいの距離か確認しながら、そっちを見に行こう。」
「・・・・いや。最後にあれを確認しよう。」
「無理するな。」
「いや、俺も早く見つけたいし、最速の目的のアリス・フォーラスの遺体については、何も見つかってない。」
「…分かった。」
そうして、5分ぐらい和は同じ方向に集中していた。
顔色はかなり悪い。
……申し訳ない。
埋まりたくて埋まったわけじゃないのだが。
「・・・・・・・はぁぁぁぁ。・・・う・・・ふぅ。」
「…この辺までにしよう。確認できた?無理なら無理でいい。」
「・・・フォーラス家の家紋が刻まれて、多分、鍵の様なものだと思う。」
「・・・う。そうか。」
仮にどこかの鍵なら確認しておきたいが、なんでそこに埋めた。
あの悪趣味男・・・
「・・・わかった。私が回収しよう。和。お前は下がって離れた場所で休んで・・・」
「いや、それこそ魔法の方が早いだろ・・・。既に40年経ってるんだ。・・・骨なら、まだ耐えられる。」
まぁ死んだ直後の状況と比べればマシだろうが・・・
もう。早く終わらせるか。
和は何も言わなかった。
ただ、一度だけ掘る手を止める。
……そして何事もなかったように、また土を掘り始めた。
積もれていく土とどんどん深くなっていく大きい穴。
和の邪魔にならない程度に、でもあまり離れない距離で様子を伺う。
「つまりは、お前が基本世界に戻ると言った後の事って事だよな。」
「そうだな。当時色々面倒もあったから一度戻る事にしたんだが、また来なくてはいけない理由ができたから、ちょっと立ち寄ったつもりで来たら、フォーラス家に捕獲された。」
嘘は言ってない。
当時のこのあたりの地域は遺体を火葬をしないので、そのまま埋める際は腐敗臭もあるから、地中のかなり深くに埋める。
棺桶はもう少し下のようだ。
「ブルースは、なんでお前をその場で殺さずに捕獲したんだ?わざわざ手足を切るようなことまでして。」
「それは私にも細かい事はわからない。何か情報が欲しかったようだが。
さっき、思い返していてもwalkerの条件や魂の生まれ変わり等、フォーラス家の事件の方に直接の関連するものではなかった。やはり魂の方を基本的には、当時から調べていたのかもしれない。」
「・・・・・・」
暫くしてようやく棺桶っぽい物を確認し、私の方で少し蓋を上げてもらった。
…土の匂いに混じって、僅かに鉄の臭いがした。
棺桶の中から、右目の部分にあった黒い歪な形をした石の様なモノを取り出す。
棺桶はすぐに穴の中へ下ろしてもらい、再び土に埋めたがその間ずっと和は何も言わない。
穴に落ちていく土の音だけが、やけに大きく響いく。
まさかこんなことになるとは・・・
何も情報を得られないよりは、良いのかもしれないが、これでもしもこれが無駄なモノだったらと思うと…
「これでここは良いだろう。一先ず移動しよう。西の方、こっちで良いのか?サイヤーズがある方向だな。」
「あぁ。」
できるだけはぐらかしたが、和の事だ大まかには予想がついているだろう。
いやぁやっぱりあの時は、戻って来るべきじゃなかったな。
当時も自覚していたが、改めて失敗したと思う。
東の方へ暫く黙って歩くが、距離は徒歩で着く距離なのかね?
「あと少しだ。」
「分かった。」
良かった近いようだ。
一度街の横を通ったが、再び森の中へ戻る形とはなる、田舎なんてどこもそんなものだろうか。
だが、フォーラス家があった辺りと違い、平坦な平地がありそうではないが、どこかに目印があるのだろうか。
「ここだ。」
「ん?このあたりか?」
「ちょっと待て。枯れ葉が邪魔だ。」
和が風を勢いよく発生させ、周囲に積もり積もった枯れ葉をまとめて吹き飛ばす。
かなりの風力で一気に吹き上げたので、あたりの景色がいきなりスッキリしたように見える。
今日は全体的に雑に魔法を使っているな。
こういうのは気持ちが表れるものなんだなぁ…
「あ。これか。地下だな。でこれが鍵か?どうかかな?」
「恐らくは。俺の方でやろう。」
棺桶から持ってきた黒い石を和に渡す。
土に交じって分かりづらいが、木の扉が地面にあった。
そしてちょうど、中央にはさっきの石が入りそうな穴がある。
まるで世界の裏口のようだった。
–ボフッ
和が穴に石を入れると、少しだけ外への空気を逃がすように扉から土煙が上がった。
無事開いたようだ。
「俺が先に行く。」
「分かった。」
重そうに扉をスライドさせて、開くと地下への階段のようだ。
入口はかなり狭いので、頭に気を付けながら和についていく。
階段の中は真っ暗だったが、すぐに和が明かりを灯してくれたので、足元をみながら気を付けて降りる。
石の階段なので、崩れる感じはしなさそうだが、かなり深そうだ。
先が見えない。
階段自体はまっすぐのようだが、どこか別の場所に繋がっているのだろうか?
「痕跡が残ってるな。もう少し下に空間があるみたいだ。」
「分かった。」
その後、数分下りたところで和が言った通り、一番下に着いたのか再び扉に行きつく。
押戸のようで和が設置魔法を気にしながら、ゆっくり開いていく。
この様子だとここへは魔法省は来ていなさそうだ。
何かが情報があれば良いが・・・
「これは空間をどこかに繋げてるな。魔法世界内だと思うが、スズここに見覚えはあるか?」
「んー・・・。場所の見覚えはないのだけど、置いてある物にいくつか見覚えがあるな。類似かもしれないが・・・中へは入れそうか?」
「・・・・一旦俺が入る。俺が部屋の中央まで進んだあたりで、スズの方で一度ドアを閉じてもう一度開いてみてくれるか?」
「わかった。大丈夫か?」
「今俺とお前は空間制限をかけてる。もしも一定数離れた場合、どっちかの方に飛ぶはずだ。」
「…分かった。」
ドアを最低限だけ開いて、和はゆっくり部屋の中央まで入っていく。
何事もなさそうだが、和が止まったのを確認して言われた通りドアを閉める。
そして開く。
和と目が合う。
再び同じ景色のようだ。
「そのまま同じ場所に繋げてるみたいだな。よし、一応気を付けて入ってきてくれ。」
問題なく同じ風景になった事を確認して、室内へ入る。
部屋の中は無機質なコンクリートで覆われ、窓一つない。
机と棚が一つずつ。
どちらもボロボロで椅子も座れば壊れてしまいそうだ。
フォーラス家の事件以降、ここへは誰も入っていないのかも知れない。
気になった物は触らずに近くで確認だけする。
この時代では珍しい巻物。
そしてまたその中でも珍しい紐の色。
彼女が執着していた色。
「この巻物の紐。・・・このあたり、やっぱりあれだな。2番目のhistorywalker。イヴの書物に似ている。まぁ巻物なんてどれも同じだから、確実ではないが。」
「イヴ。・・・なんでここで、いや。そうか、彼女はあの事件の関係者か。」
「そうだな。その為に調べていたのかもしれない。実際に彼女のものかどうかは、中身まで見ないと分からないが、これ勝手に回収したら怒られる?」
「一応ミランダに相談するか。今連絡してみる。」
和が電話をかけて、ミランダの確認を待つ。
本棚と机以外には本当に何もないようだ。
なのに無駄に広いこの空間。
何かある気がする…
–ガタッ
「お前らどうやって入った?」
「「!!」」
入口に男が立っている。
男はすぐに部屋の扉を閉め、部屋の外から部屋の壁面よりも更に奥に埋めた設置魔法を、起動しようとしているようだ。
魔力が壁に流れる光が確認できたが、設置魔法自体の光はこちらに届かない程に、深く埋められているようで、流石に和もそこまで全部の確認はしきれないだろう。
まずは男を追うよりも、何が起こるか分からない以上は和の腕を掴む。
設置魔法は魔力を流すだけで発動するので、いくら和でもそれを起動前に止めるのは難しい。
–パシィ!!!
「な?なんで発動しない?」
魔法が失敗したのを確認して、こちらから扉を開ける。
「どこへ飛ばそうとした?」
「あ?」
「他世界への移動は出来ない。どの世界につなげようとした?」
「クソッ・・・」
「待て!!」
和が男を追おうとするが、私が気になったのだろう。
お互いの距離制限もあるし、私も一緒に追いかけようとしたのだが、和が躊躇した時間が生まれた隙に、男はどこかへ転移した。
「…やっぱあと一人は必要だった。すまん。」
「いや。しょうがない。」
『大丈夫?』
「あぁすまん。今ちょうど男が来たんだ。多分他の世界へ飛ばそうとしたみたい?」
「恐らくな。今は私が爺の管理下だから、攻撃行為または範囲外への移動に対して反発したんだろう。」
ひとまず男は逃げてしまったし、ミランダもここに来るという事だった。
そのまま部屋の中で待ち、ミランダと他の知らない2名が、来たので改めて一通りの説明をして、私達はトルストイ家に向かう事にした。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




