答え:来者拒まず
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
圭「接近」
圭「敵意あり。魔法使い。46名。武器あり。設置あり。」
秀人「ひな。ウーノ達中入れて。」
日向「あい」
和「出る。二人は玄関で待機。」
圭「追加:魔法使い増加の可能性あり。」
このメッセージを最後に始まったようだ。
酷い目覚ましだ。
まぁ和もいるし、魔法使い同士の場合は、下手に手を出さない方がいいだろう。
しかし先日から1週間内で2度目が来るか…
前回は和やミランダ曰く雇われ魔法使いとのことで、依頼した貴族の男が見つかったそうだが、今回もそんな感じだとしたら、それは反対的な団体かグループになってきている恐れがないだろうか?
それにしても、彼らはここに和がいることをまさか知らないのだろうか。
魔法使いが魔法を使えず、和が一方的になってるようだ・・・
地下の窓から見える範囲なので、相談所に近い一部の景色までしか見えないが、ヒナとヒデに鍛え上げられ、突飛な魔法構成に対しても早い対応力を上げてしまっている和が相手では、もはや9割と言わず10割近く瞬発魔法系は、発動してない様子。
この情報不足な感じからもやっぱり雇われっぽいか。
追加もあるとなるとそれなりに時間はかかりそうだが、問題はなさそうだ。
–キィ
「・・・・」
音のする方へ目を向ける。
地下への階段は地上にある階段よりも、その幅は地上の階段の半分以下。
なので、私のデスクの位置からも階段に邪魔されることなく、フロアの反対側の扉が開くのが確認できた。
そう。
開いている。
普段、私が通路用に使う扉が。
そしてそこに現れた、最近会ったばかりの男。
「?!・・・やぁご無沙汰だねぇ。遺産は元気かな?」
「なんでお前がそこから入ってくる。」
「いやぁ。やっとだよ。ここに来るのはやっぱり時間がかかる。」
「ここに来たところで、梓は連れていけないよ。諦めた方が良い。」
ブライアン・フォーラス。
私達walkerの通路から入って来たのか?
それとも交渉人からのドアか。
またはその他・・・とにかくそれは後ででいい。
寝起きの重い腰を上げる。
「それはやってみないと分からないだろう?」
「分かるさ。お前はまずこの地下から出られない。」
「へぇ?なんか結界でもかかってんの?」
「さぁ。その扉から立ち去るか。ここで捕まるか好きな方を選ぶといい。」
「へぇいいねぇ!僕らもまだまだ探してることがあるんだよね。折角だから、お前らの事も調べさせてよ!」
ブライアンの手が、ゆっくりと上がる。
「良いヒントになるかもしれない!!だろ!!」
その言葉を開戦の合図に示すように、ブライアンの声が大きくなる。
フォーラス家は過去に和が公式認定された、難易度の高い短縮魔法方法と多重発動方法までは、最低でも習得している事は分かっている。
既に魔法が使われることはこの場においては仕方がない。
この場・・・そうか。
これは運が良い。
今如何にかできるアイディアではないが、ここで上手くいけば後から使える一つのアイディアがある。
…が、残念ながら今はそれどころじゃない!
ブライアンが、こちらに向かって手を上げる動きが確認できたと同時に、床を爆ぜさせる勢いで蹴り出す。
その際にできるだけ大きな声で呼ぶ。
気づけよ!
爆音吸血鬼!
狐でもいい!
「圭!!!!!!!!!!来い!!!!!!!!!!!」
ブライアンから死角になる様に、正面の1階へ上がる為の階段に転がり込む。
ブライアンは発動が早いとされる、雷魔法をより速さ重視に少ない数で発生させ、私がさっきまで座っていた椅子は無残な姿に変わる。
追加で雷の当たった床も焦げた煙の臭いを発しているが、その程度ではこの建物は壊れない。
階段に転がり込むと同時に、階段脇に隠してある拘束系の魔法対抗用の腕輪を左腕に軽くはめ、すぐに階段の脇から走り出す。
撃たれる攻撃魔法の盾になりそうな家具や荷物に滑り込む。
更にブライアンへの距離を縮める。
「・・・!」
今まさに入ろうとした、本棚が目の前で雷魔法によって粉砕され、その破片が体に当たる…
が、そんなことを気にしてる場合じゃない。
次々と発生している雷魔法が獣のように背後を喰らいついてくる。
本棚の破片を無視し、無理やり砕けた本棚の残った残骸を壁にしながら、次の移動に向けてスピードを上げる。
盾がない場所ではとにかく早く。
早く。
早く。
雷魔法は流石に体に少しでも当たる事は、避けたい。
基本世界の人間の身体能力には一定値で限界がある。
だが、魔法使いは魔法の身体強化で、それを最大1.5倍にまで上げることができる。
つまり基本世界の人間である私が、身体的に魔法使いに勝つことはほぼ不可能。
そしてそれは向こうもよく分かっている。
だが、それは同時にあいつらの弱点でもある。
魔法使いは、ほぼこちらを侮って対応してくる。
まるで何もできない逃げる獲物を狩るハンターのような立ち位置で。
「?走ってくるの?意味わかんないな。赤!糸!」
その”色”とほぼ同時に、雷の時よりもはるかに多い、複数の燃え滾る赤い炎の玉が私を捉え、留まることなく振り注ぐ。
こんな狭い室内では、まるで全面が真っ赤に染まった地獄絵図のように目の前に広がる。
さっき通り過ぎた書類棚が並んでいる場所と違い、ブライアンに近づく為の移動先は盾にできそうな物が殆どなくなっていく。
…だからと言っても止まったところで何の意味がない。
そうなるとこればかりは多少当たる事も覚悟し、ここまで走り続けた動力を最後にのせる勢いで踏み切る。
――目的の場所へ向け飛び出す。
「っぐ・・・っ」
炎の玉が左手。
右足に当たる。
髪にも掠った。
焼けた肉の匂いが鼻腔を引っ掻く。
後から皮膚を焼く鈍く重い痛みが体に広がる。
–キラッ
「!・・っ・」
そんな炎の雨に紛れて、切断能力のある事が絶対に予想できる糸の光が目に移る。
一つ確認できたと思った時には、糸は進む先を蜘蛛の巣の様に広がって、回避範囲を狭めていく。
だからといって、ここで躊躇する事は残念ながら、生き残る選択肢にはならない。
走れ。
走れ。
止まるな。
絶対に糸にスライスされたら、一部の体の部位とおさらばするやつ。
「足。」
こちらを落ち着いた様子で眺めていた、ブライアンが更に何かを唱える。
炎と糸による攻撃を、発動し続けたまま、恐らくは身体強化をしたのだろう。
現時点で発動した魔法の様子からは、あいつの短縮方法は攻撃系なら色。
身体強化なら体の部位で、固定の魔法発動をしているのかもしれない。
一つの単語のみで、発動する魔法のイメージを完全合致をさせるには、かなりの修練が必要な事。
と、評価している場合ではないが、その技術力は確かに名高い家名評価の通りと言っても良いだろう。
髪が焦げるにおい。
糸にひっかかった手足が所々から血が噴き出す。
あまりに斬れ味がいいと痛覚はすぐにはこないが…
これはとてもマズイ状況であることは確かだろう。
今は身体保護用に常に身に着けている護符の効果により、なんとか深い切断を防護している事が確認できるが、それでも切れていく傷が多くなれば、いずれ出血多量で意識が飛ぶ。
その時はこの体とは、言葉通りそのままおさらばだろう。
–ダンッ!!!
ブライアンが、私の倍の速さでこちらに向かってきた。
目では追ってる場合じゃない。
だがこんな狭い室内で、ブライアンの来るであろう方向は概ね予想がつく。
ブライアンに近づく目的とは別に、この場所に来たもう一つの目的。
フロアの隅の段ボールに入れて、そのままだった目的の物を右手で掴む。
「・・・ぐ。」
それがかなり重いことは分かってる。
だから片づけが面倒で放置していたんだから…
その重さで手を放さないように、できるだけ腕に絡み付ける。
筋肉に力が入った事で、傷口から血が噴き出す。
だが、今ここでこれを絶対に振り上げなければ
どうせ和にはかなり・・とんでもなく怒られるし、ヒナやヒデには泣かれる、圭は動揺していつまでもしゃべり続ける事になる。
それににしても重すぎる…!
右肩が軋み、限界の声を上げるのを無視。
その人一人は拘束できる太さの鎖を、体全体の力で振り上げる。
残念ながら、身体内部の筋肉の損傷は護符の防護では、どうにもならない。
無視!
なんとか勢いが出た鎖は、その重さから後は勝手に勢いを加速し、最初に力を向けた方向へ横振りされる。
「!!!は!がぁ!!な!!!?」
既にブライアンの姿の確認は諦めていたが、振った鎖は無事にブライアンに当たったようで、何より。
ブライアンは、走っている動きを横から飛んで来た鎖によって急に止められ、驚きの声をあげる。
姿の確認できたブライアンの右袖に、設置魔法の光が灯っているのが見えた。
走りながら発動したと思われる硬質系の魔法が、ブライアンの右腕を金属の様に固くさせているようだ。
こちらに右腕の指先を向けてきた態勢が、鎖が当たった反動で崩れる。
鎖はブライアンの左腕に、そのままの勢いで巻き付いていく。
そして、鎖はとあるお茶目な神の魔法が発動し、魔法使いの魔力を吸収し、それを重力へと変換していく。
それには流石のブライアンでも予想外で、とっさの魔法対策では対応しづらい筈。
私にとっても鎖はブライアンの魔力を吸収し、どんどんその重さを増していくので、巻き付けた右手はもはや1ミリも上げる事はおろか、指一本動かない。
鎖が絡まった部分の血は流れが止められているので、ある意味吹き出ている部分の止血になっているが、長くはそのままにできない。
「な。ヴェラ!!!!青!」
ブライアンが誰かの名前を呼ぶと同時に、再び”色”を言う。
攻撃系の水か氷か。
一度鎖による魔法吸収で魔力の流れが崩れた事により、発生していた炎と糸の魔法は分散したが、次は範囲系の炎魔法ではなく、既に捉えている程に近い距離にいる私に対し、殺傷能力の高い魔法へ変更したのだろう。
鎖は意地でも離さない…いや無理かもしれないなぁ。
腕が冷たい。
そして流れ続ける血の量が、既に危険な量に達している。
その上、これ以上の魔法がもしも当たる事になれば…怒られるで済むだろうか。
あぁ年末ぐらいで、いつも遺書を更新してたけど、今年分はまだ書いてないんだよなぁ…
炎のせいで爛れている左腕のやけどを無視し、ブライアンの右手を恋人繋ぎのように指先から握る。
嫌だけど、仕方ない。
ただしブライアンの右手には、硬質系魔法がかかっているので、包丁を正面から掴みに行くような感覚。
ブライアンは鎖を外そうと意識がずれていたので、一瞬抵抗が遅れた。
この距離で一度掴んでしまえば、簡単に離してやるものか…
態勢を整える為に視線を上げると、ブライアンの上で発動した魔法はやはり氷のようだ。
さっきよりは多少数が少ないがそれでも複数の氷が発生し、人を掘る気なのかドリルの様に回転させた凶悪な氷がこちらに向けて狙いを定める。
…遺憾ながら両手は使用中。
最悪は唯一目の前で、盾に使えそうなブライアンを使う事も考えよう。
だが、それよりもいい方法がある。
さっき階段に滑り込んだ際に身に着けた、拘束系の魔法対抗用の腕輪をブライアンの右腕に滑り込ませる。
こういう時、この腕が細くて助かる。
そしてブライアンもその年で随分細いな。
――その直後、発生していた氷が消滅。
「は?旦那様!!!!は?ここは!?」
「青!あおぉ!青!ぐ!てめぇ!何をした?!この腕輪か!このぉ!下等人のクセに!!!」
鎖に魔力を奪われ続け、更に腕輪の副作用による魔法発動の抑制効果。
私にはまったく関係ない作用だからな。
発生した氷魔法が魔力不足と抑制効果によって霧散。
ブライアンは魔力が奪われ続けている事に対しての魔力の乱れと抑制がある中で、魔法発動を二度失敗。
それでも、三度目に再度発動できる辺りはこれまた凄い事だ。
本来このあたりまで邪魔をすれば、500年代層の魔法使いでも半分以上が、ほぼ無抵抗にできるぐらいの事だというのに…
だが、今はこのわずかな時間を活かすことに専念。
これでダメなら二人目も増えている以上、もう最後の手段まであと一歩にきている。
折角のさっき思いついたアイディアを生かす為には、正直使いたくない手段だ。
ここで鎖を持っていた右手を離す。
というか力も入らないから、抜け落ちたと同義。
自分の右膝で、動かない自分の右腕の肘を蹴り、ブライアンの顎を狙う。
「ふっ!!」
が、まだブライアンも何とか反応できたようだ…
ギリギリ首を反らされ避けられる。
残念。
次だ。
体の態勢を落とし、ブライアンに抱き着けるほどに身を寄せる。
右足をブライアンの股に、割り込ませる。
「はな!!この鎖!!くそ!!」
「高速!拘束!梗塞!!」
「・・・ぐぅ!!!!」
左手はブライアンの襟首を握り、無理矢理に柔道の内股姿勢に入ろうとしたが、ここで二人目の相手をするには無理がある。
急に接近してきた執事男が、言葉通りに拘束系魔法を使用し、私の体が一気に重くなる。
…だが、殆どの拘束系魔法は精神系とも類する。
つまりは精神的に動けないと、脳に誤作動させている形が殆ど。
なのでこれが精神系に近い拘束なら、頑張れば動ける。
動け!
動け!
動け!
動け!!
ギシギシと響く幻覚が聞こえ始める身体全体を大きく回転させる様に回し、切り込みが入った傷口から漏れ出す血が増す。
どうでもいい!
もう、これでダメなら…最終手段なのだが
二人目をどうしたものか…はぁ
「がぁ!」
ブライアンに巻きついた鎖ごと投げる羽目になり、これはもう…
かなり・・もう…
かなりキツかったが、その分ブライアンをその重みごと一緒に床に叩きつけられた。
ブライアンの落ちた体に引っぱられて、私の体も床に倒れる。
…もう足も手もどこも上がらん。
視界の端に執事男が立っている。
流石に…これは非常にまずいだろう。
お願いするか・・あぁ
だが、その前に意識が…
「何しとんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!
――ようやく後ろから、圭が降ってきた。
あぁ・・・これで来なかったら、ニンニク漬けにするところだったよ。
さっきまでそこに立っていたバトラー野郎は、次の瞬きで急に凹んだ壁に打ち付けられていた。
この家を凹ますなんて…
お前・・・どこまで…
バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!
そして、ブライアンも同じく吹っ飛ばしたらしく、一部乗っかかっていたブライアンの重みが消えた。
ブライアンの体が邪魔していた分の視界が広がる。
あー…
爆音が意識を水面まで引きずり上げる。
本当に最悪の朝だ。
「何々!?どうしたの!?圭!?」
「え!スズ!?!スズが!えっ!」
「「和!!!それほっといて!!戻って!ヤバい!!」」
音は地上への扉が閉まっている限り、どんな大音量でも本来は地上へ届くことはないのだが…
今回は建物全体に響き、更には庭の方へも伝わる振動だったから、ヒナ達に届いたのだろう。
はぁ
今、自分の体がどうなっているのか分からんが、ひとまず両手両足が付いてる。
右手の状態は…どうなっていることやら。
「ごらぁぁぁあああ!待てやぁぁぁあああ!!てめぇらぁぁぁぁ許さねぇぞわれぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「ごほっ・・・まて、けー・・・け」
執事男の方が気絶しているらしいブライアンの体を、どうにか入って来た扉の中に放り投げた。
執事男も体を引きずりながら、無理やり扉に入っていくのを見て、追いかける圭に向けて気合いで声を出す。
そりゃ追いかけたいのはやまやまだし、圭ならどこに行ってもチャンスはあるかもしれないけど、それでも目が見える範囲を超えてしまう。
「っ・・・・・・スズ!!!・・・・・・・・・・・・・いいいいいいいい・・・良いのか?」
「あぁ。あれは入るな・・・。どこに、繋がってるかもわからん・・・っき・・狐は・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おおおおお檻にぶぶぶぶぶちこんだ!!!」
「よし。・・・ちとくるの・・・遅いが、まぁ良くやっ・・・ちょっ・・ねる・・・・」
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




