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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
第一部 境界に立つ者たち
29/37

答え:一歩進んで三歩下がった

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

ずっと返事を待っていた、死神のガルシアからの来客連絡は急だった。


そんなガルシアと一通り話を終えたことで、一つ見逃していたことに気が付いた。

すぐにでもそれを確認したい…


というのにまずは仕事のミーティング。

いやこれも大事なことではあるのだけど、アイザックの件など色々なきっかけが重なり、見落としていたこの事を少しでも早く確認したくなるのは仕方がない。


「アウェェェェェイ!ブラァァァァ!」

「何なのよ!これが私のやり方だって言ってんでしょー!!」


うるさい。

今までにも増して地下が、一層にぎやかになってしまった。

やや采配を誤ってしまったのだろうか…

まぁ地下フロアからの声はマイクには入らないから、ヘッドホンさえしてしまえば多少どうにかなる。


寝るときに困るけど…


『この頂いた3番目の案を検討したいのだけど、この時の条件面にある人材数の維持について別の項目で纏めてくださっている・・えーと、採用について年代の範囲を広げる事を前提に前回進めた経過を参考にしますと・・・』


様々な国や世界の仕事相手がいる中で、今回は久しぶりの日本語でのミーティングという事もあり、やや聞いていて堅っ苦しい感じはするが、内容はなかなかに前向きなミーティングになりそう。


 お客様のリスト上では偉い人や大きな会社と呼ばれるものも増えたが、これは単純に付き合いが長いだけという理由が殆ど。

彼らにとっての創業者や起業時の事、また現在までの発達に至った事についての詳細を、時代の流れが広がれば広がるほどに、大まかにしか伝わらずに知らない事が多い。


なので、創業者はどうしてこのような運用にしたんだろうか?

あの時どういう経緯があり、こういった成功につながったのだろうか?

等の過去の事を再び現在に活かしたいと考える事等から、長年付き合いのある会社や後任者の責任者は、付き合いの長い私を辞書代わりに、相談をしてきている事が多い。

もちろん単純に経験則による、知識面も必要視しているようだが、私はあくまで参考資料程度にそれぞれの案に対する、メリット・デメリットやその際の課題点・失敗時の撤退タイミング等を、都度提示しているだけなので、最後に判断する事そのものは彼らに委ねている。


 残念な事に、そういった本来のこちらの目的が伝わらず、こちらを責任者として促す者もみられるが、今回のミーティングの司会を務めている彼女のように、自発的な考え方や積極的な行動を起こす者は、いつの時代も評価がある事を願いたい。


そこで寝ている無能な上司よりも…


「・・・ふぅ」


さて、まとまって入っていた仕事のミーティングも終え、なんとか空き時間ができた。

本来であれば飯か風呂か寝る時間にしたいところだが

ガルシアの話の後からずっと確認したかった、基本世界の山本梓の履歴と魔法世界のアリス・フォーラスの履歴を改めて見直す。


「・・・あぁ。やっぱりそうなのか。」


これまでずっと二人の死亡時ばかりに目を追っていたが、そもそも始まりも見るべきだったんだ。

年齢についてもあまり気にしていなかったので、すっかり見逃してしまっていた…


――彼女達は生誕も同じなのだ。


正確な日時までは分からないので、追って確認はするけど


–1989年山本梓生誕

–3978年アリス・フォーラス生誕


 もしも本当に同時に生まれたのであれば、生まれるその前の魂から、実はフォーラス家が追いかけていたという可能性が出てくる。

それはつまり、山本梓が『偶然その日に死んだ基本世界の人間』ではなく、『山本梓』じゃないとダメだったという事になる。

ここまでは偶然として考えてきていたが、依然として山本梓の魂の所在が分からない事やこの同時期の生誕についてが重なると、それを偶然とする事の方が不自然に変わる。


思考の先が、静かに向きを変えた。


フォーラス家は『アリス・フォーラスの魂』で何かしようとしていた。と思っていたが、アリス・フォーラスだけではなく、『アリス・フォーラスの魂と山本梓の魂』で何かをしようとしているのかもしれない。


その前二人の魂の経緯ついてもガルシアに確認してみるか?

・・・だが、それは死神にとっての最高機密情報。

そもそも死神側だけの判断では、まず許可が下りない程の天国や地獄にも関わる情報。

もしも漏れたとすれば、再び大きな問題になる。


流石に諦めよう…


だが、フォーラス家は何かしらの方法で、その情報を得る事に成功したのだろう。


フォーラス家

その家がそもそも起こした問題。


――世界の消去。


消滅という前に、まず世界の生誕にはいくつかの方法がある。

その方法の一つには創造主からの生成。

かなり簡単に言えば、魔法使いがいたらいいよねという話から、魔法の世界ができるような感じ。


そして、その世界を消去するにはその創造主の消去という事になる。


魂の消去。消滅。


魂は生まれ変わることもなく、そのまま散らせる事になる。

それを実現し可能だと明示したのが、今から約200年前の大事件の出来事。

フォーラス家はそれを参考にして世界の消去を再び再現し、ある一つの世界は消滅した。


なら、アリス・フォーラスと山本梓の魂は何らかの世界の創造に結び付く魂って事なのだろうか?

それならば、何故二人が同時に生まれ、何故同時に死亡する事になったのかの説明がつかない。

そして創造主としてもし消滅させたいなら、一度成功してたんだから既にできる筈。


もしかすると、フォーラス家にとっての『世界の消滅』は、偶然または失敗、あるいはサブ目的で本来の目的は別にある?

いずれにしても現状では確認をする方法はない。


フォーラス家はトルストイ家にまで相談し、魂をどうにか保管する方法を探したのかもしれないが、創造主の魂を保持する事になんの意味がある?

他の奴に消されないようにする為?

そもそもそんな方法を取るのは、200年前の初犯であるあの男とフォーラス家以外にもいる考えるだろうか?

いや、可能性としてはあり得るかもしれないが、流石に妄想の域にきている。


 まずはアンジェラの報告を待って、自殺現場の確認と山本梓の遺体確認や出生時について等を調べたい。

そして、今回は死神側も多少はサポートしてくれる様子だし、アリス・フォーラスの遺体がもしも戻せる状態で残っているなら、それはそれで早めに探したい。


「・・・・」


彼女。

アリス・フォーラスの魂が入っている今のあの肉体が、山本梓の肉体であることをどこかで期待していた。


それなら、"彼女という存在"がこちらの基本世界へ戻れる可能性が残る。

それが例え魔法世界の魂であろうが、今回は死神側も関わる問題なのだから、それぐらい見逃してくれたかもしなかった。


だが、本来の山本梓の肉体はすでに火葬され灰になり、その肉体は別の死者を媒体にしたもの。

それを本来のアリス・フォーラスの肉体に戻す事になると、彼女は魂・肉体ともに完全な魔法使い。

その場合もちろん彼女にも相談の上だけど、本来の世界である魔法世界で生きる方法を提示してあげる方が良いという事になるのだろうな…


彼女はガルシアとの話が終わった後、多少困惑した様子もみられたが、大きな反応は見られなかった。

もちろん先にアリス・フォーラスの魂である可能性が高い事を告知していた事もあったが、改めて確定した事、肉体そのものが別のもので形成されているという事は、前回の彼女の人生を否定するという内容とはまた違った意味で大きい内容だったと思う。


魂を否定され、肉体を否定され、自分であるモノが現在曖昧な状況でいる今の状態は彼女にとっては、非常に不安要素としては大きい事だと思われる。

そんな不安な状態の彼女に対して、私ではきっと踏み入ったサポートはできない。


先日の夢のせいかもしれないが、足場が霧でできているような感覚だ。


アイザックの様に問題の解決そのものが、目的になるのであれば、いつも通りにできたかもしれないが、今回はその解決が彼女にとっては、残念な結果となる可能性が高くなる一方。

仮に解決した時、彼女に恨まれてしまっても、憎まれてしまっても、それは仕方がない事だと思うが、それで彼女が救われる事にもならない…


そして最悪の場合は、イヴのように…


「・・・駄目だ。やめよう。」


所詮はまだ机上の空論だ。

結果の予想もつかない。

そんな状況で最悪のパターンばかりを考えるよりも、今回のアイザックや圭が拾った狐のように、偶然からでも見つけた可能性から事実確認を少しでも進めて、その先でできるだけの事をやるしかない。


狐の事も含めて、どこかの機会で怪異とも一度は話に行く必要があるだろう。

先にアイザックの件等で来週末は魔法世界に行くし、それはその後の調整を進めてみるとしよう。


あぁ。

そういえば、偶然の事や他の世界という話では、先日も変な話があったな。

日本酒を片手に、相談者の無くし物の回収に行った時。



「あぁ来たか。用意してあるぞ。こっちに来い。」


その男は相変わらず目にクマを作ってはいるようだが、わざわざ自分で私を案内するあたりでは、多少時間の余裕はできた様子。

しかも前よりもちゃんとした対応をしてくる。


「ああ。すみませんが、あなたたちは少し席を外してください。」


男が案内した書物庫では、既に別の何名かがその中で書庫整理なのか、片付けなのか作業をしている途中だったが、男の声を聞いてそれらを中断し急いで書物庫を出て行った。

目的の物を受け取るだけならそれだけでいい筈のに、わざわざ作業していた者達を追い出すって事は、他にも何かあるんだろう。


男は棚に普通に置いてあった壺をこちらに手渡す。


「まずは先に渡しておくよ。ほら。」

「あぁ助かった。中身も大丈夫?」

「一応確認したが、恐らくは大丈夫だろう。既に使用中のような状態だったし、多少減ってても一度無くしたモノが戻る方が本人にとっても良いだろうて。」


「…まぁそうか。んで?」


早く要件を早く言え。

お腹がすいた。


「先日お前が探し人がいると言って、ここに訪ねて来ただろう?」

「あぁ。あ。日本酒を先に渡しておく。」

「あぁ。そこに置いといてくれ。」


「あの後な、あのお前が使っていた離れ小屋にわざわざ行って、水盆の履歴を確認した奴がいてな。」

「そんな機能まであるのかあれ。」

「一応な。中には悪用する奴もいるから、定期的に確認して履歴は消去するようにしてるんだ。」


「で?」

「で、そいつをぶん殴って、粉砕して粉にして、練っていたら。」

「・・・」

「そいつが言うには、お前がもし次にこの殿に来た時はお前がここで何をしたのか教えて欲しい、という奴がいたんだと。

だからそいつはその聞いてきた奴に、ここへお前が人を捜しに来て、あの水盆を使った事やその水盆の対象者についても・・・あ。流石に対象者の名前はあいつも知らんかったから言ってないという事だが、その姿かたちを教えたんだそうだ。」


「聞いてきた相手は分かったのか?」

「まだ探してる。奴曰く、酒場で偶然会ったんだと言っている。」

「見た目は?」

「女性だ。身長や体型は普通だったと言っていたから基準幅だろう。化粧が濃いが元も綺麗だったらしいから、どこかの店の花魁だと思ったそうだ。」


「女性か・・・。その他に情報は?」

「あぁ。彼女にはお前のそういった情報を伝えに行くために、その彼女とは定期的に週一で決まった場所で会う約束をしていたらしい。

だが、その水盆の事を話した次の週には、彼女は約束の場所に来なかったと言っている。」

「だが、それまでは彼女は週一でその店を訪れていた。」

「おう。それで店のあんちゃんにも聞きにいったんだよ。

そしたらな、不思議な事にそんな見目の目立つ奴が頻繁に来たなら流石に覚えてるって言ってな、これといった奴が思い当たらないと言っていた。」

「確かに、ここの殿の奴が行くような酒場に、女性が一人来るという時点でもやや目立ちそうだな。」


つまり行き詰まりか。

それならば、放っておいてもいいだろうか。


私の事を不信や不快等から何か弱点がないかとかで、調べたりストーカーしてくるような奴は今までにも多々いた。

今回もそれっぽい感じがする。


「分かった。教えてくれてありがとう。もしその女が見つかって、そっち側のモノならそのまま対処してくれて構わない。」

「おいおい、もうちょいだ。こちとら忙しいが、一応ここまでは言っておかないといけねぇ話がまだある。」


「なんだよ。」

「今回の話とは別に、似たような事があった。これは少し前の話になるが、そいつの方でも艶やかな女性が夜中に現れ、この殿に現れる部外者について聞いてきたそうだ。」


「…それも私が目的だと?」

「あぁ。そして更にもう一つある。今のこの話と練った奴の話の間にも、同じくある女がお前の事を何者かと聞いてきたそうだ。

最初の一件はわいも気にしてなかったから放置していたが、こう頻発した内容を聞いて並べてみればどうだ。

最初は部外者のお前を調べ、次にお前自身の事を調べ、そしてお前がここで何をしたのかを調べた。そもそもお前がここに来る頻度は高くねぇのにだ。」

「ふむ。そして私が来る直前から、先に調べているってのもおかしい。」

「いずれのその女に出会った奴らは、お前の事を知らんやつだったから、最初の二つは大したことは喋ってねぇ。だが、最後のは水盆の事や探し人の事まで言ったという事もある。

その女の目的がなにかは知らねぇが、ただの変態ならよし、だがお前なんか今面倒な事に首突っ込んでるんだろ?おっさんも心配してる。」


おっさん。

・・・心配してるのか。

一応迷惑をかけるかもしれんし、多少はこっちの事も伝えておくべきか。


「死神側が関連していることで、魂の動向に関連する様なことを調べている。

そちらの決裁を聞くつもりも調べるつもりもないが、多少問題時に私の名前が上がることもあるかもしれない。」


「…はぁ。そりゃまた。大変なこって。こちとら手は貸せねぇが、邪魔するつもりもねぇ。

だが、おめぇさんも引き時はちゃんと頭に入れておくんだな。」


「…お前も心配してくれるのか。そりゃ本当に珍しい事。」

「ふん。お前が来ないと酒を合法で手に入れるのは、ちと骨がおれる。」

「はいはい。ありがとうさん。」



という感じの話だったが、流石に地獄での事まで、この件に繋がっているとは思えない。


一旦偶然としておいて良いと思っている。

そして、合わせて先日のこの世界で襲ってきた。

というか、襲われる前に警察に突き出した男についても、含めると糸を引くように、誰かの視線だけがこちらに集まり始めている様にも感じるが、これはまだ偶然にあり得る範囲は抜けていない筈。


あいつの言う通り、どちらも本当にただの変態なら良し。

だいたい私を調べたところで、何か得られる事でもあるのかと言われれば、まずほぼない。


とんと昔は不老不死とか疑われて、殺されかけたり、血をくれとか言われたり、魔女狩りにあったりしたこともあった。

だけど、この体そのものはただ基本世界の人間の体と変わらんモノだし、今さらこの現代においてそんな伝承的な事で、再挑戦したがるチャレンジャーだとしたら、それはやっぱりただの変態って事。


今はそんな事でいちいち調べるのに時間を割いているより、フォーラス家の事について調べている方がよっぽどいいだろう。


不老不死になりたい人間の考えなんて、私には絶対わからない。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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