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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
20/28

疑問:常識ってどういう意味だっけ?

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

 何やらトラブル?が合ったのか、解決したのか、男の子が一人一緒に行くことになった。

洋服もボロボロでところどころに擦り傷やあざなども見える。

スズからの注意もあり、改めて昨日、和さんに魔法世界について教えてもらった時のことを思い出す。



「魔法世界について基本世界の人間である梓さんが先に把握しておくべきことをお話しますね。」

「分かりました。」


 基本的にお互い関わりがないといっても、私の場合はもしかしたら魔法の世界の人間の可能性もあるし…

先日の件もあるから今後行くこともあると思っておいた方が良いよね。


「魔法世界は現在も正直あまり良い状況とはいえません。そもそも貧困の差が激しく、一部では内戦や紛争が続いている場所もあり、それに伴って奴隷制度というのも残っています。そして、これが一番重要なのですが基本世界の人間の事をかなり下に見てます。」

「・・・・・・そうなんですね」


それはちょっとショック。

そりゃ私たちは魔法が使えないけどさ・・・。


「なので、魔法世界の人間にはあまり基本世界の人間であることを言ってはダメです。まず良いことはありません。罵られたり差別されるだけなら良いんですが、最悪の場合人攫いに合い奴隷にされてしまう事や殺されてしまう事もあります。」



先に知っておいて良かった……

でも、その“良かった”が、胸の奥で重く響いた。

正直先に言ってもらっておかないとこれはかなりショックだったと思うし、何なら今この子に出会ったことで

『これが現実だ』

と改めて言われているようなショックを感じている。


頭の中が白くなった。


目の前の“知識”が、急に現実の重さを持って押し寄せてくる。

同じ魔法使い同士の筈なのに、こんな子供でも酷い扱いを受けている。

私の世界でもそういった制度がある事は学んでいたけど、それは今の日本という国で安全に暮らしている私にとって、既に知識として『知っている』というぐらいでしかない。


 “理解する”って言葉が、急に軽く感じられる。

頭では分かっていた。

でも、それが“現実”になると、言葉は何の力も持たない。

私が『こうした方が良いんじゃないでしょうか?』という事が上手くいっているのなら、そういった時代や世界はない筈なんだから。

そこにもそういった生き方や暮らし方を選択する人がいる。とそれだけ理解しておくに留まるしかない。


というか明日魔法世界に行きますよって言ってくれてよかったのではないかなぁ…

まぁ、いいけど。


 検問所を抜けると、世界が一段濃くなった。

空気の冷たさが、ここが別世界だと教えてくれる。


そこはそのまま別のビルのフロアに繋がっているようで、ビジネスマンのような方々が忙しそうに行き交っていた。

基本世界の方ではただの道にある見た目は普通のビルのような建物に入っただけだったのに、こちらはそのまま別の建物に繋がっているんだなぁ。


「あ!行雲の方ですね!お待ちしておりました。ささ、こちらでどうぞ。」


奥の方からそれはそれは恰好良い感じで更にスタイルの良い、ビジネスウーマンの女性が声をかけてくれた。


「お待たせしてしまい、申し訳ございません。」

「いえいえ、検問所は場合によっては時間がかかる事もありますからね。」


 ビジネスウーマンの女性に連れられて奥の方へ進んでいく。

さっきの奴隷の事と事前のお話からかなり怖い印象を抱いてしまい不安もかなりあったので、まずは丁寧な普通の対応をして下さる感じにはちょっとだけ安心した。

でも、気を抜かないようにしないと。顔にも出来るだけ出さないように頑張ろう。


 行き交う人や様子を伺っていると、検問所とそのまま繋がっているこの場所は多分政府機関の様な場所みたい。

女性はいくつかの部を通り過ぎて外務部へ案内してくださった。

その中はさっきのホールよりもはるかに多い人数が市役所の中みたいにデスクを挟んで話をしたり、仕事をしたりしている。

書類が空中で浮かんでいる。

まるで自分で移動しているみたい。


「どうぞこちらへ。ミランダ様が待っていらっしゃいます。」

「お母さま!?」


 ずっと喋らずについてきていたイザベルが急に声を上げ、同時に猫のしっぽが消え、代わりに背筋が伸びた。

初めて見る“人の姿”に、思わず息を飲む。

やっぱり当たり前だけど人の姿だったんだよね。

イザベルはスズと同じぐらいかやや高い身長でちょっとキツめの印象がある顔つきをしているが、いつもの話口調や行動を見ていると見た目通りな感じ。

初めて見たので、ちょっとびっくりしたのと同時に改めて話したいけど、話しかけるのは今は無理だし、諦めよう・・・。


というかお母様!?


そういえば、最初の頃に和さんやスズが「ミランダの娘」とか言ってたや。こんなお偉い方だったのね・・・。

近場でもこんなにまだまだ驚く事は多いし、知らない事だらけだなぁ。


「あら、イザベル様。ご一緒だったんですね。それでは皆さんご一緒に中へどうぞ。」


改めてご案内頂き部屋の中へ入ると、まさに貴婦人のような女性がいらっしゃったぁぁ。

年齢は恐らく高いと思われるのに美しく気品がある、そして厳格な雰囲気をお持ちで私だけだと思うけど空気に“格”が差し込んだ。

これは怖い人というとちょっと違う感じがするけど…

この固い雰囲気は、かなり話しづらい感じがしますね。

まぁそれでもスズって、今回もさっきと同じ感じでいきそうだし。


「お久しぶりでございます。ミランダ様。」

「やぁやぁミランダ。久しぶりだね。」


ですよね。

何が流石か分からないけど、流石スズ。

和さんは丁寧なのにスズはまだご案内の方がいらっしゃるにも関わらず、砕けた挨拶をしながらどんどん部屋の中に入っていく。

やばいやばい、ついていかなきゃ。


「全く。何が『久しぶりだね。』ですか。急に日程を指定してきて『この日に行くから』って、その上遅れてくるってどういうことかしら?そこのあなた!飲み物は一番安い奴で良いわよ。」

「まぁまぁ。ミランダだからこそだね。」

「急なご調整下さり、ありがとうございます。」

「一応、大臣にも声をかけたけれどあなたの名前を聞いた途端、こっちに任せるといって全てぶん投げてきましたよ。」

「それはそれは、多少評価も頂けているようで。」


 外務部の大臣様に任せられるって事はやっぱりかなり高い位置の方なんだろうなぁ。

イザベルとはちらほら魔法世界の話をしたこともあるけど、お母さんの事とかは聞いたことなかったなぁ。

厳格な印象は変わらないけど、実際スズと話し始めてみると最初の話しづらそうな感じよりは、多少は話しやすそうな方だと思う。

仕事出来る人って感じ。


 さっきご案内してくださった方はすぐに飲み物を持って来てくださってテーブルに並べていくので、奴隷の子、和さん、スズ、私の順でソファに並んで座った。

ちなみにイザベルは私の後ろで立っている。

礼儀とか厳しいのかな・・・?


「まぁ要件も伝えた通り、どうだろうか?」

「なんとも言えないわね。形式上には無理やり進めてはいるけど、先日のブライアン・フォーラスの件については関係者には他言無用と言っても、少しずつは漏れてしまう事を止められようがありません。

その時の当事者として居た彼女も少なからず関係者では?と噂になっているから、魔法側の人間としてこちらの監視対象にせずにあなたの管轄に置くとなるとかなり説得しずらいわ。」

「具体的にはどこらへんの方が?」

「特に防衛ね。次に警察。先日の空間遮断魔法でフォーラス家の問題が再問題として改めて上がり、早期解決とかを口実に彼女を差し出せと言ってきているわ。」

「防衛かぁ、和。ちょっとリスト確認。」

「分かった。」


 なるほど。

魔法世界でもあの事は大ごとになってしまっているんだ・・・。

そうなると確かにその時の当事者だった私を調べさせろっていうのは、普通の意見とも言えるよね・・・。

私、犯罪者に関わってると思われてるって事だよね。


 スズの立ち位置はいまだによくわからないけど、日名子様と話してた感じだと「ほっといてくれ」「手出しするな」という事を公的に宣言する為に、今挨拶にきているっていう目的だろうし、それは私の世界側よりも魔法世界の方でのトラブルを危惧してるって感じがする。

そういった申請?なのかな?が、もしも通らなかった場合どうなるんだろう。


 今まで知っていただけのニュースは画面の向こうだった。

今は目の前の現実だ。

それこそ奴隷という現実を見てしまった以上、私の世界以上に怖い事になる気がしてしまってならない。

スズが早めに手を打ちたいって言ったのはそういう事なのかもしれない・・・。

何から何まですみません。


「彼女の事をそちらに任すという選択肢はまずない。もし最終的な通達まで見込めないようなら履歴上でも、その旨の申し込み・申請をしたという形までは残して。個々の貴族や団体からの手出しはこちらでもどうにでも出来るけど、政府からの正式通達としてこちらに降りてきた場合、そりゃあその場はどうにかするけど、彼女が最終的に本当に魔法世界側として受け入れてもらう時、彼女にとっての条件がかなり悪くなる。それは避けたい。」

「分かっているわ。ねぇ。無理だろうけど、あなたへの相談は多少でもこちら側に融通を利かせることはできるの?」

「無理。」

「無理ですね。」


 二人そろって返した。それも納得。

一つの団体や会社を贔屓したりした場合、信用性にかかわるしそもそも贔屓してもらった会社も信用しづらくなってしまうだろう。

そしてもしその融通が魔法世界のお客様を増やすという事だったら、それもスケジュール的に無理だろうね。


「逆はいいよ。その意見が聞いてもらえないなら、今後そちらの新規相談は受けない、なんなら場合によっては今の相談者の方を絞るとか。」

「それは賛成。」


賛成ー。

……つい出ちゃった。


「確かに効果はありそうだけど、一先ず見送らせてもらうわ・・・。これ以上固定観念にこり固まった人材を作り出したくはない。」

「スズ。防衛部の方だとシャーロットさん、リムルさんがいらっしゃる。」

「うーん。そうかリムルとは先日話したばかりだったけど、確かにやたら梓について聞いてきてたか。」

「テイラー家の三男。家で上がるのが難しいから、こっちの出世欲が高い小童ね。」

「シャーロットは一先ず話は聞くだろうけど、行動してくれるかは別だからな。」


やっぱり防衛の方にもお客様がいらっしゃるんだなぁ。

でも聞いてる感じだとそこからの説得も難しいってことだよね。

ある意味では魔法世界の方が正論だし・・・。

でも嫌だなぁ。


「やっぱり上に行くか。分かった。一先ず履歴についてまでは出来るだけ頼む。あとはこっちでやれるだけやる。」

「分かった。こっちも通せるだけ通しておくけど、ちょっかいは確実にあるだろうから気をつけなさい。」


 何となく分かった気もする。

奴隷制度とかあの時の貴族っぽい感じの人。

多分魔法使いの事になるとよく家系名が出てきたりするし、世襲制的な考え方もあるんだろうなぁ。

今の私たちというよりは一昔前の考え方の方が多いとなると、きっと上の位の人程、気位の高い人が多そう。

これも勝手な偏見かもしれないけど。

だから今日の挨拶も基本世界では日名子様だったのに、魔法世界では政府の外務部の方とこれもまた差があるのだろう。

これはスズが基本世界の人っていう事からかもしれないし、そもそもそういう事をお願いするのが難しい環境って事なのかもしれない。


 みんな仲良くなんて、お花畑な平和主義は無いけど。

明らかに片方から強い敵対視されてしまうのも仲良くなることが遠く見えてしまい、悲しい気持ちはある。

私は和さんとかイザベルが魔法世界の人だからって目線では特に見たことがないし、普通に話せるものだと既に分かっているから特にそう思うのかもしれない。


「そういえば。鉱石の手配をして下さって、ありがとうございました。来週末には職人さんに届くそうで、とても助かりました。」

「いえいえ。私としてはそちらに彼女はお任せするけど、私もフォーラス家の事はちゃんと片をつけたいのでね。イザベルも頼んだわよ。」

「はい。お母様。」


 確かにこう比べてみると、顔つきといい話す雰囲気とかが親子って感じがするかも。

鉱石の事もこの方が手を貸してくださったんだ。

それは流石に私もお礼を言っていいかなぁ・・・?


「・・・スズ」

「あぁ。ミランダ。」

「・・・リリー。悪いんだけど、次の打ち合わせの時間を15分後ろ倒しに出来るか相談してきて貰えるかしら?」

「分かりました。」


案内や飲み物を用意して下さっていた方が、ミランダさんの指示を受けて部屋を出て行く。


「・・・・。いいよ。ミズメ。」

「!あっ。分かった。あの!ミランダさん、初めまして。色々と手を貸して下さって本当にありがとうございます。」

「ふふ。良いのよ。あなたの事はちょっと途中途中見ていたから分かっているわ。イザベルはまだまだ未熟だけど、仲良くしてあげてくださいな。」

「と、とんでもありません。。私の方がお世話になってばかりで、ありがとうございます。」

「今、立ち位置が不安定なあなたを下手に魔法世界の人間に管理させることは私も否定的なんだけど、それでもプライドが高い人間がここは多いから、大変だと思うけどよろしくね。」

「・・・分かりました。」

「さて、この辺にしたいのだけれど、最後にちょっといいかしら?」

「ん?」


要件を済ませ、スズもこの辺だろうとばかりに立ち上がろうとしていたところで、ミランダさんが声をかける。


「その子、結界系トルストイ家の子よね?ニュースはしっているけれど、どうしてそんな事になっているの?」

「すみません。僕たちも先ほど検問所で奴隷になっている彼を見つけて、まだ話は聞いてないんです。」

「家を追放されて、奴隷商人に買われたというところかな。」

「・・・・」


少年は返事はしなかったものの、反応から大体その様だと伝えてくる。

ずっと喋らず険しい顔でたまに顔を上げてくれるけれど、すぐに下向きに戻ってしまう。


「先日のエドモンド・トルストイの殺人については、確かに彼が一番容疑者として高いとなっていたが、それ以上の明確な状況は拾えず容疑者止まりだったはず。」

「家からすればそれだけでも十分汚名になる。」

「そう。だけどこんな子供を。全く・・・。その子はどうするつもり?」


 殺人の容疑者として家から追い出され、奴隷になってしまった子供・・・?

疑わしきは罰せよという事なのだろうか。

実際のところは何も分からないから、今の時点ではなんともいえないけど…

それでも自分の子供をその辺に放り出す親、奴隷になった子供。

こうした状況を見る限りそれは殺したと同然ではないのだろうか。


「一先ずは私が買ったという形だから、引き取って状況を確認する予定。だが、その状況や内容次第では改めてミランダかケインあたりに連絡する。」

「分かった。奴隷制度の撤廃が難しいから奴隷の管理条件を厳しくすることでなんとかしたつもりだったけど、私には見えない部分がやはり多いようね。イザベル、あなたは私に見えないモノもちゃんと見てきなさい。」

「・・・はい。分かりました。」


 そうして部屋を出たところで、最初に案内して下さったリリーさんとは別の女性がホールまでお見送りして下さるとの事で、声をかけてきてくださったが何かテンションが高い気が・・・。

残念ながら、イザベルはすぐに猫に戻ってしまった。


一先ず挨拶は終わりって事でいいのかな?


これ以上、次はこっちの世界の~って言われるとちょっと辛い・・・。

お腹いっぱい。

先日の事や事前情報からも正直怖かったけど、魔法世界の方でも一先ずはトラブルもなかったのは良かった。


 案内の間は、特に誰も喋らずに案内の女性に付いていって、もと来た道を無事に戻っていく。

案内の女性の方はチラチラとこちらを振り返ってくる。

最初はちゃんと付いてきてるか確認かな?と思ったけど、多分これは・・・恐らく和さんを見てるんだ。

そういえば和さんもこの世界の人だし、もしかして知り合いかな?でも和さんは特に反応なし。


無事ホールに到着すると、女性がこちらを勢いよく振り帰り、和さんに向き合う。

あ。なるほど。


「あ、あの!カイル・ヴィンセントさんですよね!!私はキャメル・フィッシャーと言います!カイルさんの事は色々な文献でも拝見させていただいており、是非一度お会いしたかったんです!はじめまして!よろしくお願いします!あ・・・あの早速で申し訳ないのですが、今はどこに住まわれていらっしゃるんですか?!」

「文献のご確認やここまでのご案内下さりありがとうございます。フィッシャーさん。大変恐縮なのですが、私達は次の予定がありますので、この辺で出来ればと思います。またのご機会の際には宜しくお願い致します。」


完全に慣れている感じ。

というかまさかの和さんも有名な人って感じ?


「きゅ・・急にすみません!ではもし良ければご連絡先とか教えていただけませんか?今度、お食事とか出来れば!あの・・・」

「すみません。お気持ちだけ受け取らせていただきますね。それでは、失礼いたします。」

「あの!・・・・」


 和さんは一応丁寧だけど、完全に彼女を避けて検問所へ進んでいく。

女性は和さんを見送りながら、すごい顔でこっちを睨んでくるよ。

スズは完全に我関せず。

でも、そういう感じはなんか会社でもよく居るアイドル好きファンのような感じがして、なんだかちょっと安心した部分になってしまった。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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