答え:疑問を持つことができた時に成長する
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
梓は着替えが入った荷物を抱え、目的地へ矢のように飛んでいった。
一人で脱げるだろうか?まぁ途中で帯は緩めたし、脱ぐだけなら大丈夫か。
和は受付対応中。
和は交渉人でもあるので、こういう時の対応は早いし上手い。
それにしても久しぶりに来た。
基本世界の区役所等とは違い、そもそも審査を受ける対象者も少ないし、そういった人も検問を通る機会がかなり少ないのでここは普段から人が少ない。
たまにそれぞれのお偉いさんが互いの部署を見回りにきたり、魔法側だと貴族の魔法使いがそれ目当てに顔を出したりしてくる、今来ている、あの…体格のいい貴族のように。
デブはどうやら奴隷も引き連れてわざわざ来たらしい。
後ろにこじんまりとついてくる奴隷の少年は、少し前にどこかのニュースで見たような気がするが・・・。
なんだっけ?
あぁ確か和がかなり驚いていたニュースだった。
防御結界に長けた一族の長が殺されたって内容だったか、そしてその犯人の可能性として一番高かったのが・・・
「アイザック!!」
「!!」
和が受付を済ませたところで、デブの方に向かっていく。
そうか、あの少年があの事件の有力な犯人候補として上がっていた、長男のアイザック・トルストイか。
少年の方も和に気が付いたようで、話をしようとするがデブに首輪を引かれ、怒鳴られている。
逃げないようにする手段なら首輪ではなくても、魔法使いならいくらでもあるというのにああいう見た目を気にするのであれば、まずはその体型を気にした方が良いと思う。
和が止めるようにデブの方と話しをし始めたので一応私も近づくか。
「無礼者!こいつは私の奴隷だ!勝手に話しかけるな!」
「申し訳ございません。分かりましたから、首輪を引っ張るのを止めてあげてください。」
「ふん!貴様が声をかけなければ何もしなかった。」
「あの、僕は彼と知り合いなんです。少しだけでも話をさせてくれませんか?」
「儂には関係ない!立ち去れ!」
「・・・・」
なるほどね。
話しを聞きながらスマホをいじる。
ニュースの事件については一先ず置いておくとして、和としては彼と話がしたいだけとの事。
人が少ないホールで大きな声は目立つ。
梓もなんとか着替えられたようで、騒ぎを見てこちらに駆け寄ってきた。
髪型やかんざしが服のバランスと悪いな、後で別の飾りに変えてもらおう。
おっと、さすが圭。
良さそうな情報が確認出来たので、まずは和の手助けに入ろうか。
圭からの情報を確認する。
–トーマス・ガンデバッグ 資産家ガンデバッグ家の5男
–半年内の奴隷購入履歴と詳細について…
「梓。ちょっとここで待っていて。あと髪飾りの予備はある?」
「わ、分かった。え?探してみる。」
「イザベル。もう暫くよろしく。」
「・・・分かったわ。」
徐々に人の目線が集まってきているので、それらの注視があまり梓に近寄っては欲しくない。
どうにかこうにか話をさせてほしいと和が粘っている間にまずは割り込む。
「ちょっと失礼。」
「スズ?」
「な!なんだお前は?!お前もこいつと話をさせろと?」
「いえいえ、ちょっと面白い事が分かったので、是非ご本人にお伺いしようかと思いまして。」
「なに!?意味不明なことを!!!と、とにかく、」
貴族の男の表情は素直なようで、まさに何かあると顔に書いてある。
更に少し男の方へ近づき、小声にしながらも男の耳にはハッキリと聞こえるように話し始める。
ちょっと胡散臭い感じでいこう。
「その前にですが、最近の魔法省での奴隷法というのは、かなりしっかりとした規制を明示していらっしゃいますよね。ご存じですか?」
「そ・・・それがどうした!?」
「そちらの少年は私の方で確認させて頂きましたところ、恐らくご購入されて1か月といったところかと存じますが、おや?不思議ですねぇ?既にかなり憔悴していらっしゃるようで、もしや体重も健康基準を満たしてはいらっしゃらないのではないでしょうか?」
「な!貴様ぁ!!儂の管理にケチをつけるつもりか!?そもそもこいつの体力がなく、小食なだけだ!」
「なるほどなるほど。まぁそれは1か月前の購入時の彼の情報で改めて、確認してみましょうか。」
「ふん!勝手にしろ!儂は行く!!」
「おやおやぁ?良いんですかぁ?」
「・・・なっ。まだ文句があるのか!?これ以上ケチをつけるようなら、警備の者を呼ぶ!」
「いえいえ、先ほど言った面白い情報についてですよ。興味ありませんか?ガンデバッグさん。そろそろまたアレをされるご予定なんですか?」
「貴様・・・。・・・何が言いたい?」
流石に何か知っているということは伝わったようで、デブは離れた距離を再び戻って来た。
素直だなぁ。
まぁおおっぴろげにここで言ってしまっても良いのだけれど、ここで警察やらに時間を取られて予定時間を遅れてしまうのは出来れば避けたい。
「あなたの奴隷購入履歴とその後の返品トラブルについてですよ。」
「・・・・・・・・・・・・・」
確認したところ、この男は直近半年でも高頻度に奴隷購入を重ねている。
じゃあ奴隷が多いのか?というとそういう事ではないらしく、購入後数か月で『奴隷が病気になった』とか『死にかけてる』『すぐに怪我をして使い物にならない』などなどのクレームを重ねて、全額や半額分を返金させているとのこと。
その後その奴隷が返品されたのか、はたまたそのまま・・・。
とどうなったかは分からんが、アイザックという奴隷の様子を見てもその経路をたどる可能性は高いだろう。
むやみやたらに奴隷を助けたいという事ではやはりないが、トルストイ家の事件についてもやや気になるし、何より和がそういった可能性を後で説明した際には、どうせ如何にかできないかと行動しだすだろう。
そういった部分は和とアンジェラは基本的には近い考え方を持っているからな。
そして、それを結果的に私が了承する事もどうせ分かっている。
「なるほど。ご自覚はあるようですねぇ?それではここで一つご提案をさせていただけませんか?」
「儂を脅すつもりか?」
「いえいえ、とんでもありません。なぁに簡単な事です。その子の購入時金額の半分をお支払い致しますので、こちらへお譲りくださいませんか?もしお譲りいただけるのでしたら、それ以上は私はなーんにも言いませんよ。メリットもありませんし。」
「・・・・・それ以上は言わないというのは本当か?」
「ええ。もちろんですよ。その子の代わりに他の奴隷をご購入されようがあなたの自由です。私の知った事ではありませんのでどうぞお好きに。なんなら契約魔法でも交わします?あぁでもそれは証拠になってしまいますよね。」
「・・・・・・・・・・・・分かった。」
どうせ、そういう方法で再度売り払うか捨てるか考えていただろうから、半額支払うといえばデブからすれば結果は同じだろう。
交渉にもならない提案だ。
素直なデブは取り繕う事も出来ず、汗を滝のように流しながら渋々承諾した。
近年、奴隷規制が厳しくなっているこの状況で、そういった手荒な扱いや対応がばれてしまっては厳しい罰則を受ける可能性もある。
少年の購入金額は購入履歴と一緒に確認していたので、ちょうど半額となる分を小切手にして渡した。
「・・・貴様、本当に誰にも言わないんだな?」
「えぇ私はこれ以上は誰にも言いませんよ。さて、彼の首輪をお外し願えますか?」
私は言わないが、圭の方では既に通知は出してるだろう。
まぁそんな事を素直に言うほど、私はあなたの様に素直な人間ではない。どんまい。
奴隷の少年。アイザック?はずっと下を向いているが、もちろんこちらの話は聞こえていただろう。
首輪を外されている最中もとくに反応せず下を向き続けている。
「これでいいな!本当に約束だぞ・・・」
「ありがとうございます。あぁそういえば警備の方を呼ばれるんでした?」
貴族の男は少年の首輪を外した途端、脇目も振らず駆け足で逃げて行った。
「あんなに走らなくてもいいのに。全く。悪い事しなきゃ良いのだよ。さて、和。後はよろしく。」
「あぁ。ありがとう。助かったよ。」
まぁ概ねの状況は理解しているだろうし、この先の対応についても和の方でどうにかするだろう。
和は前かがみになり、少年の目線に合わせて声をかける。
「アイザック。お久しぶり。」
「カイル・・・」
「何があったか本当ならゆっくり聞きたいんだけど、ちょっとこの後大事な約束があるからすぐにでも移動しないといけないんだ。良かったら、一緒に来てくれないかな?」
「・・・・分かった。」
一先ず落ち着いたので、早速移動する為に近くで待機してもらっていた梓を呼ぶ。
「だ、大丈夫ですか?」
「すみませんでした。大丈夫です。ご心配をおかけしてしまってすみません。それにお待たせしてしまって・・・、とにかく時間もないので急ぎましょう。」
「分かりました!」
この検問所は相談所の近くにあり、基本世界と魔法世界を繋ぐ要所だ。
ここから入るのはどちらの世界でも簡単だが、反対側へ抜けるには許可が必要。
その許可を得た瞬間、出口を出た先は――別世界になる。
魔法使いの世界と聞けば、神話的で革新的な文明を思い浮かべる者も多いだろう。
しかしそれは、あくまで一部の印象に過ぎない。
この世界では「魔法」が当たり前に存在する。
そのため、基本世界で発展してきた移動手段や建築技術の多くは、魔法によって代替されてきた。
結果として、技術革新や経済成長は優先度の低いものとなり、新たな仕組みを生み出す必要性も薄れていった。
さらに、時間の流れにも違いがある。
魔法世界で一時間が経過すると、基本世界では三十分しか進まない。
もっとも、魔法使いたちはおよそ八百から千年という長い寿命を持つため、時間を急ぐ理由がない。
その長寿ゆえに世代交代は緩やかで、子を成すことへの欲も基本世界の人間ほど強くない。
結果として世界は停滞し、新しいものを嫌う老いた魔法使いたちが多数を占めるようになった。
街並みや生活様式は、基本世界で言えば一世紀から二世紀ほど前の姿が、今なお主流となっている。
魔法使いたちの価値観もまた、「魔法」を基準に成り立っている。
魔法の扱いに優れた者は尊敬され、厚遇される。
一方で、魔法が不得手な者は出来損ないとして蔑まれ、露骨な差別を受けることも珍しくない。
魔法の性質は家系や血縁に強く影響されるため、評価は個人よりも一族単位で下される傾向がある。
それは、かつて基本世界にも存在した血統主義と、よく似た社会構造だった。
この価値観は、基本世界に対する認識にも表れている。
魔法使いの中で、基本世界を「基本世界」と呼ぶ者は実は少ない。
表向きには「同居人」といった穏やかな言葉が使われるが、その内側には強い優越意識が根付いている。
魔法を使えない基本世界の人間は、「下等種族」や「出来損ないの人間」と見なされることも多い。
中には、基本世界の人間が進化した結果として魔法使いが生まれたのだと、本気で信じている者さえ存在する。
「梓。ここではさっき以上に・・・というか何も喋らなくていい。あと慣れてもらう為にも基本的には『ミズメ』って呼ぶよ。」
「分かった・・・。ニコニコして黙っておくね。」
「和から聞いているかもしれないけど、基本的に基本世界の私達が良く見られる事はない。」
「うん・・・」
「魔法」というスキルを得たが為に、成長していない世界。
その考え方を少し変えるだけで大きく変わることもあるだろうに、ミーティングでいくら参考情報として基本世界の平均値等を提示しても「基本世界の考え方だから・・・」と受け入れる姿勢をとることは殆どない。
得たものに対して失ったものが大きいと考えるかどうかは、結局は本人の自由だ。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




