疑問:何でそんなに働くの?
大まかに進めながら細かいことで追加していったりと
後からあれもこれもとなる事もありそうで
実際そんな事もないかもしれない。
そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので
あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。
体にあった小説をお選び下さい。
「えーそれでは早速、今後のスケジュールを大まかに説明しますね。」
「はい!」
朝の会議室は、始業ベルの鳴らない教室みたいだった。
私と和さんは先生と生徒のようなスタイルで、声を響かせる。
イザベルは私の足元で寝ている。
「まずは今日は午前中にこの相談所の説明と今後の作業について説明しますが、明日からは午前中は庭に出て走っていただきます。」
「走る?」
「はい。どんな場面においても、ほとんどは逃げる事が最善だからです。」
「なるほど、逃げるが勝ちという事ですね!」
「そうです。なので体力づくりにも平日の午前中は動ける服に着替えていただき、走り込みをしましょう。」
なるほど。確かに素人の私に急に戦う手段や護身術とかを教えてもらったところで、付け焼き刃もいいところだろう。
それなら逃げる為に走る体力をつけた方が良いのはとても納得がいく。
でも、走るのなんてもう何年もまともにしてないから筋肉痛とかやばそう。
「分かりました!頑張ります!」
「まずは、早速説明・・・といきたいところですが。その前に、今回梓さんには働いてもらう事が前提なので、実際に作業時間が発生次第お給料も用意いたします。なのでここに振込先を書いていただけますか?」
「えぇ!?お給料があるんですか?」
「もちろん。ありますよ。ここはブラック企業ではありませんので、ご安心を。契約書も準備しているのですが、それは流石にお偉いさんにちゃんと顔を通してからという事でしたので、改めて後日お渡ししますね。」
「そういえば昨日スズが言っていた、水曜日に挨拶に行く予定のお偉いさんってどなたなんですか?」
「まぁ、それは会ってからのお楽しみにしておきましょう。」
「そ、それは心の準備が・・・」
「さ!それではこちらをご確認下さい。」
まぁ今聞いても、後で聞いてもやることは同じだとは思うけども、できれば心の準備の為にも聞いておきたかった・・・・
和さんが和さんの後ろに用意されたモニターを付ける。
本当に色々と整ってるなぁ。
うちの会社より整ってるのでは?
今日辞めたんだけども…
「まず、僕らのいるこの建物。ここは東京駅から約10分~15分ぐらいの場所にあり、周りはビルに囲まれ、そのビルからも見えないようにしているので、このあたりで暮らす人やビジネスマンの方々からは、ほぼほぼこの建物が見えませんし、そもそも知りません。」
マップの映像になり、この場所の正確な位置が改めて確認できた。
凄い一等地では?
どうやって建てたんだろう。
場所といい建物の中身といい、つい金額的な部分が気になってしまいます。
先生。
「まぁ過去の成り立ちや経緯などはいずれ機会があればお話させていただくとして、今後梓さんにも外出していただく事もあるかもしれないので、場所はしっかり覚えておいてください。
外から入る通路についてもこの後直接行って案内しますね。あ。それと昨日お伝えした、みんなの連絡先についてもご登録頂けましたか?」
「はい。私のスマホに登録しましたが、このスマホのままで大丈夫でしょうか?」
「はい。一応連絡については優先事項ですのでお伝えさせていただくと、普通のスマホの場合は他の世界にいる人へ連絡は基本できません。
ですが、同じ世界に居る者同士であれば、この相談所内のような場所や先日の魔法で遮断されたエリア以外では、普通に連絡がとれます。」
「なるほど!分かりました。」
「ですので相手がどこにいるかが分からない場合でも、まずは連絡を試みてください。」
確かに、連絡手段は優先事項だ。
誰か一人でも同じ世界にいれば、連絡はできるのね。
「そして話を戻しますが、改めてここは行雲相談所と言いまして、この世界の人はもちろん、他の世界の方からの相談や依頼を請けています。ですが会社として経営しているわけではありません。あくまでお手伝いの範囲でいわばボランティアのような形で行っています。」
モニターに映る画面は、仕事で何度も見てきた企業サイトとよく似ていた。
相談受付、注意事項、入力フォーム。
構成だけ見れば、どこまでも真っ当で、逆に裏がありそうなくらいだ。
一番上には
”行雲相談所 ご相談はコチラ”
の名前とボタン。
このサイトって普通にインターネットを探せば出てくるんだろうか?
というかボランティアなんだ。
働くと聞くと収入があるように思っていたけど、あくまで相談所ってことなのかな?
「ですが、請け負う際にはその会社や団体のサイズ、個人かどうかなどによって請けるかどうかの条件をこちらで決めています。」
ホームページは相談受付時の画面に移り、画面をスクロールしていくと質問項目が並んでいるようだ。
【お客様の所属先に近いものをお選び下さい】
・大企業
・中小企業(製造業その他)
・中小企業(卸売業)
・中小企業(小売業)
・中小企業(サービス業)
・小規模企業(製造業その他)
・小規模企業(商業・サービス業)
・
・
かなり細かく分けているらしい、会社のサイズ、団体のサイズ、個人と並んでいく。
「細かい条件は覚えなくても資料を確認しながらで良いので、一つだけ決まった同じ条件を説明しますと、小規模企業から大企業にかけたいわば普通の会社の場合は、一年に一度指定させていただく場所へ1億円以上の寄付をして頂く事です。」
こちらが頂くのではなくどこかへ寄付してもらうのか。
善意というより、入口に置かれたふるいみたいな印象だった。
結構厳しい条件になる会社は普通にありそう。
「最低その条件に納得いただけない場合には、基本的にはお断りしています。」
「寄付の金額調整などもしないんですか?」
「はい、多分この先の説明をさせて頂くと梓さんも納得しやすいと思うので、すすめますね。これは現在のお客様のリストになっております。」
おおおおすご・・・・
私でも聞いたことがある会社や団体がパッと見た感じでも100以上並んでいる。
しかも国は日本だけではないらしい。読めない名前もある。こっちは他の世界の名前だろうか。
「こちらの方々は基本的にスズに相談を希望しご連絡くださいます。ですが、スズは一人しかいません。さらには政治家、首相といった国の中でも上の方から方々からのご相談も頂く場合がある為、正直条件をもっと厳しくするべきでは?と僕は提案させて頂いております。」
なるほど、確かに数が多すぎる。
限りある時間の中で、手伝うのだからどこかで条件を決めたり、優先順位を作らなければ時間がいくらあっても足りなくなる。
というか、こんな大きな会社やお偉いさんに相談されるって、スズって本当に一体何者なんだろうか?
昨日の魔法使いとかの話の中では、聞いてないけど多分スズは普通の人間ということだと思うんだけど、そんな20代の娘にこんな有名な会社やお偉いさんがする相談って一体…
知れば知るほど、答えよりも注釈ばかりが増えていく。
「この相談所へ直接いらっしゃる方や個人の方々からのご相談については、スズのスケジュールを見ながら、解決までの時間等をある程度見積もって調整しています。」
「それで、そのスケジュール管理の仕事。を私に手伝って欲しいという感じでしょうか?」
「はい。そういった相談内容はお客様によって多種多様になっていますが、企業・団体といった場所からのご相談はおおむね決まっており、売り上げや集客、経営、見積もり関連等になっておりますので、基本的には1カ月に一度スズが用意した集計・調査、予測資料を提出し、その後に質疑応答の為のミーティングを行ってます。」
会社や団体などのスケジュールはほぼ安定的に決まっていて、個別に来た相談に対してのスケジュールはそれに合わせて調整しないといけないのか。
「そして、こちらが現在のスズのスケジュール用のカレンダーになっています。」
「はぁぁぁぁ?」
会社でも良く使っていた世界的にも有名なカレンダーツールですね。
スズの今週一週間のカレンダーには、日中は私と働いていた会社の勤務時間があるため、移動時間も含めて8時から18時にかけては全てまとめて埋まっているが、それ以外の約14時間の8割ぐらいに何かのミーティングやら資料作成とやらと埋まっている。
予定の隙間は、息継ぎ用に残された気泡みたいに点々としかなかった。
残業の時どうしてたのよ。
「このカレンダーと先ほどのお客様のリスト等は、ご用意させて頂いた梓さんの仕事のアカウントにも共有致しましたので後ほどご覧になってみてください。スケジュール管理の細かい作業については、先ほどおっしゃっていただいた通りとなりまして」
和さんが指を一つ立てる
「個別のご相談に対してはスズに受ける受けないの確認の上、スケジュールに埋める。」
二つ目の指が立つ
「既にご調整済みの会社・団体の方からもリスケやキャンセル、時間追加のご相談等がありますのでそちらのご調整やご返信」
三つ目の指
「新規お客様からのご連絡に対し、それぞれのサイズに合わせた条件を確認頂いてお断り、またはお受けのご連絡と事前資料の手配など」
四つ目の指
「最後にこちらが一番大変なのですが、梓さんもなんとなくはご存じの通り、イレギュラーな事や予想外の事が起こります。その際には既に調整済みのスケジュールを調整しなくてはいけなくなることもありますので、そういった調整やお客様連絡をお願いできないでしょうか?」
作業の内容は今まで営業や事務の経験をしてきた私には至ってシンプルで要するにお客様との日程調整やメール対応、電話もあるのかな?そういった既に経験してきた作業なので難しく感じる事はない。
寧ろいつも通りなぐらい。
しかも実際にミーティング対応や資料作ったりするのも私ではなくスズ。
なので十分に手伝える仕事だといえると思うけど、問題は・・・・
モニターに映るスズのスケジュール。
この数日でも気が付けば居なくなっていたりする。
ご飯の時も・・・昨日はお昼ご飯も夕ご飯も居なかったし、要件がある時以外はあまり長く居座っている様子がないなぁとは思っていたけども、そりゃそうだ。
これっていつ寝ているんだろう。
さっきも言った通り、スケジュールの穴埋めゲームをしているようで、空いている場所を探す方が大変なカレンダーとなっている。
「あの、過労死する前の人のカレンダーに見えるんですが。」
「そうなんだよね。だから人を増やせって言ってるんだけど、実際メインの仕事をするのはスズだけだから、スズがやらなくても良い仕事を奪っていく事を色々打診しても、それはそれで逆に効率が悪くて・・」
「なるほど」
「最悪の手段で、スズはこっちの世界の仕事であれば別の世界に入って、時間を確保するような事もしてるよ。」
「うわぁぁぁ・・・」
まぁ少しでも手伝えることをするつもりだったし、ひとまずやれるだけの事はやろう。
「わかりました、一応できるだけやってみます。」
「ありがとうございます。梓さんの無理のない範囲で良いですからね。今は僕がやっているので、実際の作業についてはその都度教えていきます。」
「よろしくお願いします。」
この話を聞いてみて思う事は一つ。
やっぱりスズにはあの会社を辞めてもらった方が良いと私は思うんだ。
というかこんなに仕事してるのに、なんで更に仕事してるの?ワーカーホリックさん?
収入の問題だとは思えないし、そもそもそれなら相談料とかでも貰っているだろうし、やっぱりまだ良く分からない。
午前中の和さんとのミーティングを終えた後、昼食ができるまでの間に前の会社の子のメールを返信したり、かなり広い庭を散歩しているとイザベルが話しかけてきた。
「ねぇ。あの和って男は魔法使いとして有名な男なの?」
「和さん?どうだろう。私は魔法使いについて知ったばかりだし、和さんの事は分からないや。どうしたの?」
「・・・・先日の観察魔法で私は梓の霊力の事も、その後の影響とかも読みが浅かったと思ったわ。」
「そっか。でも魔法使いにもそれぞれ得意な魔法とか苦手な魔法とかあるんじゃないの?」
「もちろんあるわ。私は保護魔法や身体能力を上げる魔法とかが得意。」
「そうなんだ!凄いじゃん!サポートになったら凄い安心だね。」
「でも、攻撃系とかあとはあの観察魔法みたいに精密な調査をするのはちょっと苦手。」
昨日、見解を話す時のイザベルと和さんの情報量は確かに違った。
それでイザベルはその事を気にしてるんだろうけど、得意不得意は魔法使いだろうと私達普通の人にだってある。
それぞれの特徴だと思うんだよね。
「苦手な魔法って得意になることもできる?」
「そうね。多少なら・・・でも、既に生まれ持っている魔力の特徴に影響するわ。」
「なるほど。それならやっぱり和さんにも得意不得意はあると思うし、イザベルはイザベルで良いと私は思うよ。」
「そうよね・・・」
言葉では頷いているのに、心だけが椅子に座っていない感じだった。
私には魔法使いの世界という環境が分からないので良いアドバイスをするのは難しい。
もしもお時間があるようでしたら
一文二文、はたまた評価頂けたら
ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。




