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世界は誰の夢か  作者: 光幽 擬名
11/17

答え:今は一刻の止まり木として

大まかに進めながら細かいことで追加していったりと

後からあれもこれもとなる事もありそうで

実際そんな事もないかもしれない。

そんな感じでただただ妄想・空想を書いてみてますので

あ。これ無理だわと思った場合には無理せず止めておきましょう。

体にあった小説をお選び下さい。

「はぁぁ」


 朝からミーティング三昧だ。

日曜日だというのに、みんな時間が有り余っているようだ。

昨日の夜、黒い生き物の衣食住を整えた後のミーティングから10件のミーティングが続き、合間合間で仮眠をとったり、ミーティング中は頭を回すからアドレナリンが出ているのか、今はまだ眠気はないが、この後の事を考えると布団が恋しい。


 時計を見る。

すでに皆の朝食時間がとうに過ぎてしまっているけど、残ったものでも食べに行こう。

あ。

そういえば日曜日だからナオに全部食べられてしまっているかもしれない。和も分かって多めに作ってくれることもあったが、私は元々小食な方なので余ってしまうこともあり、作りすぎには注意しているようだ。

階段をだらだらと上る。

ついでにと、応接室の方に目をやると真ん中の応接室が閉まっている。

診察中だろうなぁ。

途中の2階で日向がこちらに向かってきた。


「あ!スズー!ねぇねぇねぇ!何連れてきたの?可愛い?」

「んー見ようによっては可愛い部類に入るかも。小さいのは可愛いかな。」

「え?大きいのとか小さいのとかいるの?!」

「色々な大きさで全部で6匹いるよ。向こうも初めての場所で怖がっているだろうから、あまりびっくりさせないように。」

「はーい!でも、早く見たいなぁ!」


 日向の声に気づいて、最後は秀人が入ってきた。

二人は昨日の黒い生き物の事を言っているのがすぐに分かったので、適当に返す。

大きい奴はサイズ通り熊みたいな感じだから可愛い部類に入るかは悩むが、


「まぁそのうち見えると思うから、とにかく驚かせないように。ああ、あとついでに名前を付けてあげてもいいかもね。」


 いつまでも黒いの6匹では呼びづらいし、昨日の様子ではそれぞれ性格もかなり違うようで、緊張してあまり動かない奴や気にせずすぐに寝てしまった奴やらとそれぞれだった。

個々で扱う場合は名前が無いと流石に混乱してしまうだろうな。


「え!やったぁ!名前考えとくね!」

「見た目も何も分からないから、挨拶してからで良いんじゃないかなー?」

「あっそうか。じゃあ候補だけ!楽しみだねー!」


わいわい二人で話し始めたので、放っておいて階段を上る。


「かずー何か残ってるー?」


3階に着いたと同時に台所の方を確認せずに声をかけるが


「あれ?」


どうやら3階には居ないようだ、診察に立ち会っているのか?

特に遮るものがあまりないフロアなので一通り見渡していると


「キュウキュウ!」「キー!」「キュ!」


足元に小さいのが3匹寄ってきた。

昨日は和の夕飯のパスタを問題なさそうに食べていたし、今日も一晩明けたが特に変わりない様子だ。


「大丈夫そう?」

「ダイジョウブ。ミンナ、元気。ヨカッた」


和室の方に近づきながら、座敷の端で座っていた一番大きいのに声をかける。


「アッチ、タクサン音シた。サイショはミンナビックリ。でもダイジョウブ」

「ああ。あそこはご飯を作る場所だから料理を作る音がするんだ。昨日夕飯食べた時もしたでしょ?ちょっとうるさくて困るようだったら場所を変える?」

「ダイジョウブ。タノシイ音。ゴハン、ウマイ」

「楽しいのであれば良かった。和のご飯は美味しいよ、お互い見えるようになってから挨拶する時に本人に言ってあげたら喜ぶよ。」

「ワカッタ。」「キュウ!」


話していると、一番小さいのが肩に乗ってきた。

その場所が気に入ったらしい。


「カズが、ゴハンツクッテクレル。オマエ、ナマエ何?」

「あれ?名乗るの忘れてた?スズって呼んで。」

「スズ。ワカッた、アリガトウ、スズ。ミンナゲンキ、カンシャしテる。」

「どういたしまして。あの後にちょっとだけ、来た場所について調べてみたけど、やっぱすぐには見つからなさそうだから、長丁場になると思ってここでは気兼ねなく過ごしてくれ。」


「やっぱ、一人で喋ってるの見ると怖いな。」


振り返ると、和が立っている。


「まぁ見えるようになれば問題ない。視認できない状態で怖がるのは当然だし、危険性の有無も判断できない。だから今は、気にしなくていい。

・・・それより、何か食べる物ある?」

「オムレツとサラダが残ってるよ。ちょっと待ってて。」


和が台所の方へ向かった。

このままこの和室でご飯を食べるか。


「夕飯の時といい、朝も一応そこにパンとかシチューとか置いたんだけど、気が付いたら空っぽになるのは心霊現象みたいな感じだ。」

「まぁ見えていないという事では同じ事だな。・・・それにあながち間違いでもない」

「一つ目の黒い生き物かぁ。幽霊とかお化けとかと同じって言われればそういうモノか・・・」


 こうして肩に乗ってくるところや畳の上で寝転んでいる姿を見るとどっちかっていうと動物っぽい感じではあるのだけれど、普通の人から見ればよく分からない怖いものであることには間違いないだろう。

実際に幽霊を可愛く描く表現もある。


 結局は、見た側がどう受け止めるかだ。

幽霊だろうと、生き物だろうと、危険だと判断されれば恐怖になるし、

害がないと分かれば可愛いという表現にもなる。

評価は後付けだ。


 暫くこまめに様子を見て、暴れる可能性や人を襲う事が無いかは観察するつもりだが、今のところ犬や猫と変わらない。

足元に寄って来た三番目に小さい奴を撫でてやる。

そういえば風呂に入れた方がいいのだろうか、肩の小さい奴からは特に臭い感じはしないが、ご飯も食べるし体温もあるようだから時間がある時にでも連れて行こう。


 和が持ってきた皿を受け取り手元のテーブルに置く。

最後にコーヒーとフォークを受け取る。

さっきシチューと言っていたが、出てこなかったところを見ると尚が全て食べてしまったのだろう。

大食漢め。


「梓はどうだった?」

「昨日は一応夕飯もちゃんと食べてくれていたし、朝は降りてきてくれて元気そうだったよ。あ、イザベルさん?ミランダの娘が一緒にいたよ。」

「ミランダの娘か。イザベルはたしか一番下。防護系、補助が得意とか。会ったのは前回だからまだ幼かったけど、良い意味で腹黒い娘だったな。」

「あーそんな感じするかも。気を付けた方が良い?」

「いや、ミランダの伝達役だし。余計なトラブルは起こさないと思う。

梓はまだ分からないことだらけで自分でも色々まとまっていないだろうから、気軽な話し相手が居た方が整理しやすいだろうし、変にこちらが娘を危険視するような事をしていたら、梓も安心しずらくなるだろう。

彼女に連絡手段は用意しておいて、何かあればこちらにも連絡するよう言っておくぐらいでいいよ。」

「分かった。」


「キュウ!」「キーキ!」「キュキュ?」

「キキキ・・キキ」


 何やらもめているらしい。

二番目に大きい奴がなだめている。

人間も動物もどんな生き物でもお互いの関係作りは大事だしな。


 梓が暫く引きこもってしまう可能性も考えていたが、ミランダの娘が良いように動いてくれたようだ。

でもそのポジションでいくのなら、裏切ることだけはしてくれるなよ。


「診察が終わったら3人とも上がってくると思うから、彼女の体質の事について一応本人に説明しようとおもうんだけど。」

「そうだな。コントロールについては和に任せる。必要なものがあればそれこそミランダの娘にでも言って、用意してもらえばいい。精神的にも大丈夫そうなのであれば、こちらも会社の事と挨拶についても話す。」

「分かった。なぁ彼女とは既に知り合いだとは思うけど、お前の反応は元より、言葉の少なさや要件を先に行く事には少し困っている感じもするから、もう少し普段よりは順を追って多めに説明してくれよ。あと多分、嫌われてるか怒ってると思われてるぞ。お前。」

「・・・・・努力はする。」


食事を終え、朝食の片付けを和としていると三人が上がってきたようだ。


「お疲れ様。」


 梓は私に気づき驚いた様子だが、昨日最後に見た時より顔色も良くなっているようで、確かに大丈夫そうだ。彼女なりに落ち着く事が出来たのであれば良かった。

悩みというのは結局は本人でしか解決できない事の方が多い。

後ろから足元についてきた猫がミランダの娘か。

なんだっけ?イザベラ?


「スズ。良かった、話をしたかったの。まずは色々ごめん。迎えに来てくれたり、部屋の用意も色々してもらってるのにお礼も言ってなかった。本当にありがとう。」

「あぁその辺りはあまり気にしないでほしい。梓は被害者に近い、急に色々な事が起こって混乱するのは無理もない。」


ん・・・ちょっと違ったみたいだ。

和やナオの顔からも分かる。


「・・・ありがとう。それでも、色々。色々だよ。正直自分のことで本当に色々ままならなかったから、ちゃんと感謝させてほしい。」

「では、お礼の言葉は今回を最後にありがたく頂戴させて頂こう。この後もそれこそ色々とやることは山のようにあるので、あまり気を張らずにここでは過ごしてくれ。」


 黒いのに言った事と似通ってしまったが、とにかくあまり気を張らずに過ごして欲しいということは伝わっただろうか?

彼女の表情からも多少笑顔が見られ、一先ず安心?笑顔を作るというのはかなり意識的にするか、または本当に安心した場所でしか作れない。

和達のように文句の一つや二つ出てくるにはもう少し時間が必要だろうし、彼女が過ごしてきた家族との日常はどうしたって代わりになる事は出来ないが、生きていく支えというものはどんな形でも出来うる、もしその手助けになるのであればそれでいい。


「ありがとう。・・・ところでずっと思ってたんだけど、スズ?は会社の時とキャラが違いすぎない?実は双子説?」

「キャラを作る時は普段とは全く違う方が、作りやすくて普段とも分けやすい。」


ずっと思っていたんだろうな。

神妙な顔でこちらを観察してくる彼女はそういう意味でも多少は緊張がほぐれているようだ。


「スズはこんな奴ですよ。言葉足らずで面倒くさがり、表情もあまり変わらないから何考えているか分からないとも言われる事が多くて、新規のお客様対応の時は大変なんですよ。」

「そうそう。ずっと淡々と『そう。』『問題ない。』って返事してくるから、診察の時は機械とでも喋ってるのかな?って勘違いするよ。」

「・・・」

「それじゃあ、実は結構頑張って演技してたって事なんだ・・・?めっちゃ気さくないい子ちゃんキャラ。」

「ブフッ!」「ハハ!」


 和とナオが笑う。

というかそういう風に見られるようにしていた以上はもちろん自分がそんなキャラではない事は分かっている。

が、改めて言われる機会はなかったので反応に困る。

まぁ良いネタになったようで良かった。


「ハハハハ、ッふ、二人とも一先ず座ってて。今飲み物用意するよ。」


 笑いながら和は動き始める。

確かに、どんなキャラで仕事しているかまでは、こちらのメンバーには言ってなかったが笑いすぎ。

片付けていた最後の皿を棚に置き、私も階段の正面にあるダイニングテーブルに向かう。

ナオもまだにやけている。


「ちなみに参考は、ヒデとヒナを足して2で割った。」

「なるほど!」「あーバランスいいね」

「あぁ!」


梓も納得したようだ。

あの二人は二人合わせて、丁度いい明るさと気さくさがある。


「まぁ一先ず、診察についてだよね」


全員が席に着いたのを確認して、表情をどうにか戻したナオが話始める。


「先日確認したばかりだったし、体調面はいたって健康。ちょっと疲労はみられるけど、まぁ当たり前だよね。個別に注意する点は梓さんに説明したけど、報告するほどのことは特にないかな。」

「分かった。ありがとう。えーと・・・ミランダの娘さん。」

「イザベルよ。サーズのおばさん。」

「失礼。イザベル。昔に一度会ったきりだけど、お元気そうで何より。」

「あら?そうなの?それは失礼ー全然覚えてないわ。」

「少し前だからね。どうかな?まずは君の見解を聞かせてくれる?」


 イザベルは床からテーブルにジャンプし、私と正面になるように姿勢を正す。

鈴が付いた首紐は茶色。

ミランダは未熟者と言っていたけど、これはまだ見習いか駆け出しという所か。

これなら和の見解以上の答えはなさそうだけど、「やっぱりいい」と遮っても感じが悪くなるし、怒られることは分かっているので一応聞こう。


「梓は少しづつではあるけれど常に魔力を流し続けている感じ。昨日一晩様子を見ていた時は観察魔法まで使ってないから分からないけど、寝ている間も多分流れ続けているかもしれないわね。でもいまのところ体調に影響はなさそうだし、生成先が別であるという感じだと思うのだけど、それはどこからかは分からないわ。」

「ありがとう。イザベル。和。」

「・・・そうですね。彼女の見解に同意します。

多少補足させていただくと流れ続けているのは恐らく魔力と霊力。

霊力は魔力よりも更にごく僅かですが、どちらも少量ということもあり、魔法発動までの量にほぼ満たないので、今まで誰にも認知されなかったんだと思われます。

体調についてもイザベルさんがおっしゃる通り、元々の根源がかなり膨大なようで急な変動はないと思われます。

ですが人間の40歳~50歳頃に向けて、放出し続けることで疲労的な側面が大きくなる事が予想されるので、その辺りから体調にも出てくる可能性があると思われます。

生成先、根源についても私も明確な場所までは追って確認しなければわかりませんが、先日彼女が魔法の世界に居た際に、流れに安定した動きを見せていた事から、本来のアリス・フォーラスの肉体または母体という感じのものが魔法世界にあり、恐らくそこから流れている可能性が予想されます。」

「ありがとう。」


 和かかなり言葉を選んでいるのが明白すぎて、逆に嫌味っぽい。

イザベルは凄い顔をして、姿の通り猫のように寝る姿勢になってしまっている。

梓は頭にはてなを浮かべて、一生懸命聞いているがこればっかりは今から説明するには長すぎるので、なぜ確認したかの要点だけ・・・前提も含めて、ちゃんと伝える。


「梓。」

「はい。」

「魔法という事を今細かく説明するとかなり長いので、今回はそれを確認した要点を伝える。」

「わ、分かりました。」

「魔力の源はどこか?とか、どうやって流れているのか?とかは、さておき、今それが流れ続けているのを放置しておくと、人間の人生の半分または3分の2ぐらいを経過したあたりから体調等にも影響を及ぼす可能性がある。

これはそれなりに高い確率だと思われるで、はっきり言わせてもらうと・・・放出を放置すれば、本来の寿命より短くなる。これは可能性の話じゃない。流れ続けている以上、どこかで必ず負荷になる。・・・言い切れる。」

「そう、だよね。うん。エネルギーが流れ続けてるんだしね。」

「その通り。そして・・・悪い可能性を追加すると、その流れが止まってくればいいけど逆により多く放出するような事が起きた場合は今すぐにだって体調を崩して・・・死んでしまう可能性があるという事になると思われる。」

「おー。・・・・昨日に比べれば、大丈夫だよ。うん。」

「なので、放出をこちらからコントロールする方法を和に考えてもらっていた。」


和に目を向けると、引き続き嫌そうな表情をして話始める。


「あーええと簡単に身に着けられそうな物を見繕っているんだけど、技師にお願いしたら材料の手配に時間がかかると言われているので、そのあたりをイザベルさんにも協力してもらえると助かります。。」

「・・・何が必要なの?」


イザベルも一応話を聞いていたらしく、ちょっと嫌そうに顔を上げる。


「エルツ山地等のドイツの方にある魔法鉱石でヒリアートという鉱石同士の連動に使われる鉱石です。今回霊力の事も説明するとその鉱石がないと、霊力のせいで耐久性面で不安が残るそうです。更には小さい物でコントロール可能にする方法としてもその方が良さそうという事でした。」

「ドイツ?」

「あ、失礼。フィランデの方です。あちらは基本世界のヨーロッパ同様に小国が連なっていて、その連動国同士でのやりとりを中心として栄えている分、他の貿易はかなり規約が厳しいとのことで、注文しても早くても半年ぐらいはかかるとおっしゃていて・・・」

「分かったわ。それはお母様に連絡しておくわ。」

「ありがとう、とても助かるよ。」


 イザベルは机から降りて、梓の足元に戻る。

まぁ、使えるものは使っておいた方がいい。

何が起こるか分からない以上、出来る事は早い方がいい。

彼女の先ほどの様子を見ていても、明日以降の事についても話しても大丈夫そうだろうか。


「という事です。梓。」

「分かった。和さんもイザベルもありがとう。私にも手伝えることがあったら言ってね。」

「そうだね。梓にも手伝ってもらおうかな、でもその前に・・明日からの会社について。」

「あああああ!!!」

「ここで焦る必要が無い事は先に言わせてもらう。」

「やっぱり、辞める感じ?それともここから通勤?」

「・こ・・残念ながら続ける事のリスクが大きい。」

「それは、そうだよね。・・・分かった。ねぇ、スズ。私はもう今まで世界・・・友達や家族とはもう会えない?」


 家にも帰れず、会社を辞めるという事は彼女にとって元の世界との関係を断つ事に等しいだろう。

そんな彼女にあまりショックを与えず、下手な希望だけを与える事は残念ながら私にはできない・・・。


「梓。アリス・フォーラスという女性の事についても説明すると長くなるので、一旦話をずらさない為に省略して説明するよ・・・。あー・・・フォーラス家というのは過去に大きな問題を起こした家だ。

その結果、家族や親族のほとんどが死亡、もしくは行方不明になっている。

理由や経緯を説明すると長くなるが、少なくとも“安全な家名”ではない。・・・梓に関係させるには、だ。」

「・・・・」

「その為、今回梓がアリス・フォーラスの魂を引き継いでいるまたは何かしら関連している事はまだ一部の人間にしか情報は流れていないのです、が、・・・それでも魔法世界やその他の世界からかなり危け・・・よくみられません。・・もしも・・それを完全に断ち切ってしまう事が出来るのであれば、梓を再び元の世界に戻すことを目標にしたい・・・ですが、恐らくは・・・高い・・確率でアリス・フォーラスの魂だと思われる梓の関係を断ち切ってしまうことは・・正じ・・血や歴史といったもの以上に断ち切る事がまぁええと・・難しい。」


 彼女はこちらの目を合わせ、ちゃんと話を聞いてくれている。

希望は正直ない。

だが、出来る限りの言葉で話すしかない。


「・・・なので、まずはまだ分からない部分も多いそのフォーラス家の問題解決を進めて、その結果の先で梓と改めて相談して、その時の梓の希望を叶える事を最優先にしたいとか・・思っています。」


 仮にその希望が、アリス・フォーラスを本来の死亡事実から外す願いだった場合、その時私はもう一度思考し、選択する事になるだろう。

もしも歴史を変える方法を選択すれば、私も世界のルールを破った事になり、次はない。

それでも山本梓。

アリス・フォーラス。

黒い生き物。

この相談所へ相談に来るモノ達。

みんな本人の意図していない事で人生や世界を曲げられ、願っても一人では決して戻れない状況へその殆どが置かれている。

ならばそれが出来る私が選ばなくてはいけない時もくるのだろう。


 結局私にはそれしかできない。

話を邪魔することなく静かに肩に上ってきた、黒い小さい生き物に目を向ける。

みんなただ自分の世界に戻りたいだけなんだから。

もしもお時間があるようでしたら

一文二文、はたまた評価頂けたら

ちょっと凹んだり、めっちゃ喜んだりします。

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