1話
「ん⋯、ふがっ」
ベッドの上で寝ているのは一人の少年。彼の名はレオ=フリーラ(9歳)。フリーラ家の三男だ。
「⋯んぇ?もう朝?」
レオはベッドから降り、天井へ向かって伸びた。そして一階へ降り、外へ出る。すると外では父―メイア=フリーラが木剣を持って、素振りを行っていた。
「おっ、レオじゃないか。お前も素振りするか?」
「起きたばっかりだから、今はやめとくよ⋯」
「そうか⋯。あ、母さんが今日は朝からいないから、朝食は自分で用意してだとよ」
「はーい」
レオは家の中に入り、かごの中にあるパンを手に取り、かじった。あぁ、硬い⋯。石かってーの。
俺はパンを食べ終わったら、部屋へ戻り、本を手に取った。その本は、主に魔法について書かれている。
「今の俺はどの魔法なら使えるんだろうな⋯」
レオは目をつぶって、自分の右手を握り、右手に魔力を集中させた。しかし集まった魔力の量はほんの少し。この量じゃ、初級魔法ですら使えないだろう。
「まだ魔力操作はできないか⋯。本にやり方は書いてあるのに⋯」
俺は本を閉じ、棚に戻し、一階へ降りる。そして外に再び出る。素振りをしていた父はもういない。父はフリーラ家の当主であり、またこのあたりはフリーラ家の領土なため、そこの領主でもある。
そのため、朝早くからいないのが基本だ。
「さて、今日はどこに行こうか」
俺は暇になると運動として歩く。適当な行き先は決めるが、決めた場所に行ったことは一度もない。なぜ行き先を決めているのやら⋯。
とりあえず歩を進める。方向は家を出て真っ直ぐだ。この方向には他の平民たちの家が並んでいる。道を歩いていると、俺を見かけた人が声をかけてくる。
「おっ、レオさんじゃないか!今日はどこに行くんだい?」
その中でも毎回話すのがこの人。ルイシさんだ。
「今回も特に行き先は決めてないです。それと、さん付けはやめてって言ってるじゃないですか」
「でも領主様の三男だし、せめてこれぐらいは⋯」
「いいんです。俺、堅苦しいのは苦手だから」
「そうか⋯。ではなるべくつけないように気をつけるな」
ルイシさんはそう言って、元いた場所に戻っていった。そして俺はまた歩を進める。
皆さんお久しぶりです。新野です。
最近(⋯なのか?)、2話ほど書いては、消しての繰り返しが多くなりました。これに関しては自分が納得行く作品にならないからですね。(笑)
今作は、そうならないよう頑張りたいと思います。
さて、12/29を入れ後3日で年末を迎えます。今年は早かった気がします。なぜでしょう。
そして、今年はこれで最後の投稿ですかね。2話目の投稿は来年になりますね。
ではそろそろ、話を終わりにしましょうか。
読者の皆様、今年もありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いします。
良いお年を。




