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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー系

多分、怖がられてた


 俺さ。兄弟順で言ったら二番目。


 上に兄貴がいる。


 で、田舎じゃあるあるだけど、うちの父方の祖母は長男教の信者だったっぽい。まあ、もう亡くなってるけど。


 祖母は初の男孫の兄貴を、猫っ可愛がりしてたんだよね。


 かと言って、俺は別にぞんざいな扱いを受けていたワケじゃない。でも、弟達や他の孫……俺からするとイトコ達の方は、割と露骨な差を付けられてた。


 で、あるとき不思議に思った。


 俺は別に兄貴みたいに猫っ可愛がりされてるワケじゃない。けれど、扱いは丁寧というか……祖母に気を遣われてる感じ? なのに、なんで弟やイトコ達のことは雑に扱うんだろう? って。


 つか、俺が気付いてなかっただけで、父方の親族……祖母の親族は、大分俺に気を遣っていたようだった。


 なんでだろ? って、思ったけど……どうやら、祖母の孫の中で俺だけが祖母達に怖がられていたらしい。


 理由? まあ、幾つかある。


 どうやら俺、物心付く前は予言をする子供だったらしいんだよね。小さい頃過ぎて、自分じゃ覚えてねぇけど。母から聞いた。


 例えば……親族が集まって出掛ける日。他の子は大人しく車に乗ったのに、俺だけが泣いて嫌がったという。「こわいことがおきる! こわいことがおきる! くるまこわれるからイヤだ!」と。


 車を出してくれた親族は気を悪くして、「車が壊れるワケないだろう。早く乗りなさい」と言って、みんなを乗せてお出掛けをした。


 そして……車はエンストして壊れたらしい。


 最初は偶然だと片付けられた。でも……


 これまた、親族で出掛けるという別の日。俺だけが泣いて嫌がったそうだ。「こわいことがおきる! あめふる! あめゴンゴンしてこわい!」と。


 親族は、「今日は天気予報で晴れだから、雨は降らない。いいから早く乗りなさい」と、またみんなを乗せてお出掛け。


 すると、出先で雷を伴う大雨に降られ、道路が冠水して帰るのに一苦労したそうだ。今で言う、ゲリラ豪雨というやつだな。


 そういうことが、何度かあったらしい。それで、段々と俺達兄弟と母は父方の親族の集まりに呼ばれなくなったのだとか。


 ああ……長男教の信者で、次男以下をぞんざいに扱う父方の祖母達が、俺だけに気を遣う理由がこれか、と気付いた。


 多分、父方の親族達は、俺になにか言われるのを怖がってたんだな、って。


 ん? ああ、予言? そんなのもうできないって。言ったろ? 物心付く前の話だって。


 とは言え、正夢なら今も偶に見るけどなー。つっても、ああいう未来予知的なやつ? アレ、いついつのどこどこ、何時に……とか、正確な日時や元から知ってる場所以外が判るワケじゃないし。


 未来が見えたら便利! というもんでもない。俺が判るのは、日常の風景の一コマ。


 数分とか数秒。ただ……そうだな? 子供の頃に見た正夢が、ついこないだのできごとだったって気付いたときには、ちょっとビビったわ。


 自分がゲームっぽいのしてるって夢を子供の頃に見てさ? で、ある日ふとスマホゲームの画面が、子供の頃に見た覚えがあるなぁ……って考えてたら、「あ、この場面、昔夢で見たことあるわ」ってなった。


 今のところ、正夢が現実になった最長の年月は、十数年後くらい?


 例えるなら、何十巻も出てる小説やマンガの中から、ランダムで数ページや数行だけをほんのチラっとだけ見せられる感じ? 前後が繋がってないから、丁度その時系列の、その時間帯にならないと、割と意味不明。


 これから、昔見た夢が現実になることもあるかもなー。つっても、正夢は夢で見た場面が現実で訪れないと、正夢だったって判らないわけだが。 別に、正夢が特に役に立ったことはないし。


 あとさ、俺別に視える人じゃないんだが……


 会う人会う人、なぜかみんなに言われるんだよなぁ。「あなた、視える人でしょ」って断定されるという不思議。


 なに? 俺ってば、そんなに霊能力とかありそうな雰囲気してんの?


 自称視える人や占い師からも言われるんだが……俺、別に視えるワケじゃないだけど?


 うん。偶~に、変な夢見るだけ。ちょっと用事で、心霊スポットと称される場所近くの道を通ったりしたときとか? そういう場所付近で迷子なって、疲れて帰って来たときとかに……


 『目ぇ抉ってやろうか?』とか言って汚い爪を目に突き付けて来る、ずぶ濡れで磯臭いババアとか、ドス黒い穢い血をボタボタ滴らせて(いや)らしくケタケタ笑いながら飛び回る女の生首とか、そういう悪夢を見たりするだけ。


 大抵は、『どっか消えろ、クソが!』って、大声出して……ババアや生首がビビった顔したなぁ? と思ったら、なんか目ぇ覚ます。二回目は見ない。ただ、そういう変な夢を見た日は体調崩す。


 まあ、夢だろ夢。


 別に、俺が視える人とは限らねぇ。


 読んでくださり、ありがとうございました。


 書いてる奴の知ってる奴が、マジでこんな奴だったりする。


 「普段(起きてるときに)幽霊的なのが視えるワケじゃねぇから、俺は視える人じゃねぇよ」(ヾノ・∀・`)


 「ん? 母や他の兄弟が俺を怖がらなかったか、って? ああ、それは全然大丈夫。むしろ、母は視る視ないを自分でオン・オフできる感じの視える人だから。他の兄弟も視えてる(普段起きてるときに)奴いるし」(`・∀・´)


 「ただ、予言とか正夢をよく見るのは、俺だけっぽい感じみたいだな」( ・∀・)


 というのが、奴の言い分らしい。ꉂ(ˊᗜˋ*)


 ホラー系シリーズの『視えてるらしい。』に幾つか体験談が入ってます。(*ノω・*)テヘ

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