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Episode4 リベルと白き森

急に現れた猫のようなものに驚いて声を上げる誠


その様子に猫のようなものが言う

「失礼だなぁ、話すくらいならできるよ!その辺の野良猫も変わらないだろ?それに僕は猫じゃないし」

「猫じゃない?じゃあ・・・魔物ってやつ?! オレ食べられちゃう感じ?

はぁ〜、短い2度目の人生だったなぁ。彼女もできてないし、せっかくならエレインとデートくらいしたかったなぁ、なんてね笑」

「キミは独り言が多いやつだな」と三又の猫が返答するも誠は来ておらず


「いいぞ、覚悟は決めた!いっそのこと痛くないように食ってくれ!」

「・・・・・いや、食べないから!」

「えっそうなの?」

「さっきから僕の話を聞いてないでしょ?とりあえず自己紹介でもしとくね」

「僕の名前は、リベル。今の姿は猫っぽいけど、キミの世界でいうと猫魈ねこしょうっていう生き物が近いかもね」

猫魈ねこしょう?初めて聞いた。わかりやすく言うと?」

「キミの世界だと、3本尻尾の猫の妖怪ってことらしい」

「猫の妖怪?!ってことはやっぱり人間とか食べちゃうじゃん!なんだよ〜、死なないと思ってたのにアゲて落とすなんて・・・」


少し呆れたような口調でリベルは

「いやだから、食べないって!何回やるの、この流れ」

「本当に?」

「ほんとだよ」

「なら、いっか。ちなみに俺は誠って名前だ。よろしくな!」

「誠だね。いや〜変なやつに起こされちゃったなぁ」

「まぁそう言うなって。そんなに悪いやつじゃないから」

「いや、自分で言うな!(リベルが思わずツッコミ)」


「そういえば、なんでキューブから出てきたんだ?」

「切り替えは早いね・・・えっとねー、簡単に言うと封印されてた感じ?昔、境界眼とかいう結界や防御魔法の得意な冒険者と会ったせいで、そいつに閉じ込められちゃってね。僕は、ただモンスター食べた後に昼寝してただけなのにさ」

「なんか、どこから突っ込めばいいか分からん解説だったけど、ちなみにそれって何年前?」

「ずっと閉じ込められてたから正確には分からないけど・・・50年くらいかな?」

「50年?!それは、それは大変だったなぁ。とりあえず、おめでとう!泣」

「誠・・・キミ、良いやつだね!バカだけど笑」

「バカは余計だろ、それで封印から解放されてどうするんだ?」

「ん〜〜、特に決まってないし、面白そうだから誠について行ってみようかな」

「オレに?」

「そうだよ、だって他の世界から来たやつなんて面白そうだろ?」

「なんで、それを?」

「なんとなく?自分で言うのもなんだけど、僕けっこう魔力あるから、そういうの分かるのかも」


そんなやりとりをしていると、部屋のドアがノックされた。

「誠、入っていい?」エレインの声だ。

「だだ、大丈夫だよ!」

「誰かと話してる声が聞こえたから・・・お客さんでもいるのかと思って。その猫さんは?」

「(やべ、しまった。尻尾が3本の猫なんていきなりいたら不自然だよな)あれっ?尻尾が1本の猫だ」

「猫の尻尾はいつも1本よ笑。誠ってときどき変なこと言うわね」

「ちょっとシスターと出かけてくるから、お留守番をお願いしていい?」

「分かった!行ってらっしゃい!」

「うん、ありがと。1〜2時間で帰ってくるから」

そういうと、エレインは部屋を出ていった。


「ふぅ、なんとか助かった〜。でもなんで尻尾が1本に?リベル、なんで?」

「あぁ、これ?僕が魔法でそう見えるようにしてるだけ」

「そんなことできるのか!ただのしゃべる猫じゃなかったのか」

「いい加減、僕も怒るよ・・・」

「冗談だよ、ごめんって。でも、これからどうしようか。とりあえずエレインたちが帰ってきてからどうするか」

「僕、森に行きたい!起きたばっかでお腹減ってるから、サクッとモンスターを狩りに行きたいし」

「森って危なくないのか?」

「この辺の森の魔物は弱いから、大丈夫だと思うよ」

「そこまで言うなら、行くか」


そして、2時間後にエレインたちが帰ってきたので、白き森へ行くと伝えて森へ向かった。

エレインの驚いた顔に少し戸惑った誠だったが、転生したばかりで事の重大さを理解してないかったことに気づくのはもう少し後のことである。


歩いて1時間ほどで白き森と呼ばれる場所の前まできた。


「もう数時間で暗くなるから、今日は入口周辺だけ見て帰るぞ、リベル」

「本当はもうちょっと奥まで行きたいけど・・・まぁいいよ」


そうして誠とリベルは森へ足を踏み入れた。



続く

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