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Episode2 鑑定眼と商人ギルド

最低ランクのGランクに含まれる鑑定眼だと分かった誠。周りから向けられる嘲笑や同情の声に耐えつつも、誠は前世の経験を生かし、商人としての道を歩むことに決める

「モリスさん、ちなみに鑑定眼はどんなことができるかご存知ですか?」

「珍しくてあまり詳しいことは知られてなくて、物の鑑定ができるとしか・・・」

「ほとんど何も分かってないくらい調べられてないというか、期待されてないということですね笑」


誠は少し考えて、モリスに聞いてみた

「ちなみに物の鑑定を仕事にできそうな職業ってどういうものがありますか?」

「そうですね。鑑定を使うかどうかはわかりませんが、商人は物の売り買いを頻繁にしますので、何かの役には立つかと」

「なるほど、商人なら鑑定眼を使う機会もありそうですね!商人になるにはどうすればいいでしょうか」

「おそらく商人ギルドへ行けば手続きができると思います。この街の中央に商人ギルドの館があるのですが、エレインに案内させますね!」


(エレイン?誰のことだ?)

「エレイン、この方を商人ギルドへ案内してきてくれないかしら?」

「はい!シスター。わかりました。明日の朝一番に行ってきますね!」


オレを看病してくれた女性がエレインのようだ。

どうせだし、商人ギルドへ行く途中で今日のお礼も伝えるか。


「えーっと、誠さま。今日はお疲れかと思うので、明日の朝になったら商人ギルドへお連れしますね」

「わかりました。よろしくお願いします!」


部屋に戻った誠は今日の出来事を振り返っていた。

「いや〜、なんか異世界に転生するって聞いた時はワクワクしかなかったけど、楽しみにしてた魔眼は最低ランクだし、職につけるか怪しいし。神様、不公平すぎません?泣 まぁでも終わったことは仕方ないから鑑定眼とやらの能力でも試してみるか」


誠は、部屋にある本に意識を集中してみた。

すると、本の概要、耐久度、レア度が視界に表示された。


「へぇ〜、これはすごいな!この力が最低ランクなんて、SSランクはどんな化け物級の魔眼なんだか」

誠は鑑定眼の力を確認し、眠りについた。


翌朝、目を覚ますとエレインが目の前にいた。

「あっ、起こしちゃいましたね。すいません」

「全然、大丈夫ですよ。なんとなく目が覚めただけなので。とりあえず靴でも履いてエレインさんのお手伝いしますね」

「ありがとうございます!では、ベットのシーツを洗いたいので持ってきてもらっていいですか?」

「このシーツですね。よいしょっと。これでいいすか?って、うわっ。(足がもつれて)」

「いてて・・・こけたはずなのに、なんか右手に感触が。なんだこれ?」

「あっ、あの誠さん・・・その・・・手をどけていただけると・・・(恥)」

「えっ、手?・・・ってオレなんでエレインさんの胸を?! (それにしても弾力が・・・じゃなくて!)。すいません、すぐに離れます!」

「いえ、倒れた勢いでわざとではないと分かっているにょで。(って噛んじゃった)」

「(ここで噛んじゃうなんて、可愛すぎだろ〜)オレもすいません、ワザとではないといえ、その・・・エレインさんの胸を・・・」

「も、もうこの話はやめましょう!そろそろギルドへ行く時間ですし。教会の入り口で待ってますね」


エレインは気まずい雰囲気を切り裂くように走って出ていった。

誠はなんと声をかけたらいいか分からず、少しの間だけ突っ立って部屋にいた。

数分ほど経ったとき、誠はふと我にかえり出発の準備を始め、エレインとの待ち合わせ場所に向かった。


誠が着くのと同じタイミングで、エレインも入り口に着いた。

お互い少し気まずいながら最低限の会話を交わして商人ギルドへ向け、歩き出した。

時間にして10分ほどの道のりが気まずい空気のせいで数時間に感じたことは言うまでもない。

気づけば、商人ギルドの前に到着していた。


「誠さま、着きましたよ。こちらが商人ギルドです」

「あ、ありがとう。・・・エレインさん!今朝のことだけど、すいませんでした!(土下座)」

「こ、こんなところでやめてください!もう、大丈夫ですから。顔をあげてください」

「そうか・・・エレインさんの優しさに甘えるとします。あと、昨日は助けてもらい、ありがとうございました!それだけです!」

「・・・ありがとうございます」

(この時の彼女の笑顔は、今まで見たどの笑顔よりも素敵で吸い込まれるようだった)


誠はエレインと仲直りできたような気がした。そして、目の前にあるギルドの館に入る決心ができた

「誠さん、私たちは仲良くなれた気がしませんか?これからはさん付けはやめて、エレインと呼んでください。私もそうします・・・」

恥ずかしがりながら、思い切って提案してくれたエレインの可愛さに鼓動が早くなりながらも必死に耐えていた。


そして、深呼吸をして自分の頬をたたき、気合を入れ直した。

「分かった!じゃあ、行こうか、エレイン。いざ、商人ギルドへ!」



続く

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