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季節が魅せたもの  作者: 顎歌
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季節が魅せたもの

ずっと同じ景色を見ている。


美しい桜も


煌めく花火も


朽ちた落ち葉の道も


真っ白に染まった世界も


もう見飽きてしまった。


欠伸が出てしまうほどに退屈だ。


そんな僕に、突然、現れた君は言った。


「つまらなそうだね。一緒に見ようよ。」


一緒に見たところで

僕は、相変わらず退屈だった。


それなのに君は、いちいち大袈裟に反応して笑ってみせた。


「よく、同じ景色を見て飽きないね。」


嫌味も込めて言ってみた。


君は、驚いた顔をしてまた、笑った。


「誰かと一緒に見るのは、楽しいし面白くない?だから、同じ景色でも笑えるんだよ!!」


胸を張って自信満々に頷いた。



それから、君といくつもの季節を見てきた。


春の夜桜、夏の海、秋の夕日、冬の雪だるま


どの季節もやはり退屈だった。


だが、どの季節も大袈裟に反応する君を見ているのは、楽しかった。


何度目かの春。


君は僕の前から姿を消した。


また、退屈に戻ってしまった。


春風もスイカも紅葉もこたつも

君と見ていた時は、楽しかった。


この季節がいつまでも続けばいいと

思ってしまうほどに。


僕は、まだ同じ景色を見ている。


君は、もうここにはいないというのに

僕の脳内で君が飽和している。



季節が僕に魅せたものは

君と見ていた景色だけだった。



なんでこんなものが輝いて見えてしまうんだろう。

ここまで読んで下さってありがとうございます。


季節や心情は、変わっていくけれど

誰かが言葉や音に込めた想いは、変わらないでほしいですね。


いい評価でも悪い評価でも

頂けたらとても嬉しいです!!

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